筆跡鑑定は総合的な診断として知られている!?
自分や人の性格を知る方法は、手相、顔相といろいろとありますが、筆跡によるものも人気があります。無意識のうちに現れてしまう性格は、筆跡が一番顕著だとされています。
誰もが幼稚園や小学校から同じ字を習い始めますが、徐々に自分なりの癖が出てくるようになります。人より上手に書こうと思ったり、力の入れ具合による微妙なズレが定着していき、身についてしまうのです。
また文字はその人の脳の奥深い所にあるイメージをもとに書かれているとされ、日常の行動もその人の脳によって特徴づけられています。どちらも人それぞれの脳に基づいている行為なので、性格と結びつきやすく、その信ぴょう性が高いとされます。
■筆跡は日本だけでなく世界でも盛んに行われてきた診断
古来日本では、手書き文字の鑑定や分析は、盛んに行われてきました。しかしそれは、僧侶や書家による高価な文献書物や美術品の贋作などを見抜くための判定でした。これが広く世に知れ渡れば、贋作者に本物と見間違うものを作られてしまうため、門外不出や個々独自に発達していきました。ですから、統一した理論や検証方法はないまま、近年に至っています。
一方世界的に見ると「グラフォロジー」と呼ばれた学問として確立され、特にヨーロッパでは大きな大学にはたいてい「筆跡心理学科」がある程です。筆跡に対する考え方が根本的に違っていたのですが、現在では、日本でも西洋的なものが主流となり、性格や深層心理を知る手段として活用されています。
筆跡による性格判断は、占いを越えた心理学的要素も持つ総体的な診断と言えましょう。それでは、この筆跡診断で性格について探っていきたいと思います。
筆跡診断で性格と恋愛傾向を鑑定するポイント16個
■1. 字がだんだん大きくなる
物事に行動的であるとそのエネルギーが大きい字となって表れます。向上心があり、前向きな考え方をしていると、字は大きくなります。
だんだん大きくなるということは、当初は、常識的であろうとしますが、本来の自分が徐々に表れてくることにつながります。性格的には、ひたむきな明るさがあり、将来に楽観的な面があります。行動力にあふれていると言えます。
■2. 大きな弧を描く
文字の曲線部を大きく弧を描くように書くことは、全てを受け止める広い心につながるとされます。のびのびとした性格を反映しており、大らかさが表れています。
文字がこれらの傾向にある場合、性格的には、いろいろな人を受け入れる寛容性があり、交友関係は幅広いはずです。表向きは体面などを気にしますが、どうしても、持てるバイタリティーが隠せないと言えます。
■3. 文字が角張る
角張って書くことは、律儀で真面目なことの表れとされます。一度決めたことには、忠実で、最後までやり遂げないと気が済まない人が多いようです。
柔軟な発想や適応力が乏しいので、物事は慣れるまで時間がかかります。何事も最善を尽くす態度が、人から評価されるはずです。考え方は保守的で、新しいことは、積極的試そうとはせず、どちらかと言うと慎重派とされます。
■4. 文字が丸くなる
文字を丸く書くことは、寛容な心を持ち、何事にも遊び心がある表れとされます。悪く言うと不真面目なのですが、心に余裕があるため、悩みなどを抱え込むことは少ないようです。融通性があり、臨機応変に対応できるため、どんな環境にあっても、ベストを尽くそうとします。人間味があり、どちらかと言うと人情派とされます。
■5. 横書きで行が下にズレる
宛名などを書く時、自分では真っすぐ書いているつもりでも、いつの間にかズレていることがあります。横書きでは、右に行くほど下にズレことがあります。これは広い空間に向かって広がっていくので、心が自由に動き回れる空間に向かっている表れとされます。
マイペースであり、それが乱されると、力が発揮できなくなることもあります。恋愛にあって、思い悩むことがあっても、それをプラス思考に転じられる力を持つとされます。このタイプ文字を書く人で、内向的な性格な人は、特にそれが顕著だとされます。
■6. 縦書きで行が左にズレる
縦書きで下に行くほど左側にズレるものを指します。縦書きの場合、左側の余白の部分が見えているのに、ズレていくことは、型にはまらない自由さの表れにつながります。逆に左利きの人は、余白が見えていないので、ズレていたとしても、自由さとはそれほど関連ありません。
束縛されない心の動きに心地良さを感じる人が多いようです。性格的には消極的で、しっかりとした自分を持っていない傾向にあります。縦書きは、利き手に左右されますが、自由な世界を好むとされます。
■7. 文字の横線が等間隔
文字の横線の間隔をほぼ等しく書くことは、細かい作業を的確にこなすことの表れとされます。これは主に漢字の言偏の横線で判定することが多いようです。横線の間隔が、等間隔であればあるほど、性格的に几帳面とされます。何事もコツをつかむのが早く、段取りが良いので、仕事などの処理能力が高いはずです。
■8. 横線がバラバラ
横線がバラバラの場合、精神的に不安定とされます。失恋などの対人関係、家庭の不和、病気など精神的にマイナス面が強まっている証とされます。大きな失望から受ける無力感や緊張感のなさも大きく影響することが知られています。
特に横線の多い「都」「量」の字の横線がバラつきやすいとされます。感情を乱されている原因を解消すれば、等間隔になるばずです。
■9. 書き出し部の目立ち
文字の書き出しが目立たないのは、心が素直な状態を表しているとされます。喜怒哀楽が素直に表現でき、表情が豊かな人に多く見られる文字の特徴です。性格的には誠実な人が多く、いろいろな環境に対する適応力があります。人間味があるので、人から好かれる傾向にあります。ただ正直する面があり、騙されることも結構多いとされます。また書き出しが目立つ人は、人からどう見られているかの関心が高く外見を大事にするタイプです。
ファッションなどに興味がありますが、詰めが甘い面があり、信念のあるシャレ者ではなく、時代や人に流されやすい面もあるようです。素の心を出すことに抵抗感があり、ついつい話を盛ってしまう傾向にあります。
■10. 突き出しの目立ち
文字の突き出しが目立つのは、必要以上に線を長くするので、労力を惜しまないことの表れてされます。何事にも積極的に取り組みエネルギッシュとされます。活力にあふれている状態の人に多く見られる文字です。主に「様」の木偏の横線で判断します。この横線の左側が長いと良い運気に乗っている証とされます。もともと力が漲っている人は、より一層となりますが、そうでない人でも活動的になれるはずです。
一方、突き出しが目立たないのは、疲れなどの表れとされます。余計な労力に費やすエネルギーが弱まり、物事に消極的な状態とされます。この場合、疲れなどを取り除くのが一番ですが、突き出しを目立たせるように書いていると、自然に活力が湧いてくることもあります。
■11. 傾いた文字
文字の縦線が傾き、文字全体が傾いている印象を与えることは、心身に何がしかの異常がある表れとされています。精神的に落ち込んだり、何事も転倒志向で考えてしまうとされます。近寄りがたい心理状態の人にも見られる文字です。
これは運気の下降につながりますが、文章中に一つや二つ傾いている文字が混ざっていても、問題はありません。意識して整った字を書けば、心身が上向くはずです。
■12. 勢いのない文字
勢いのない文字は、気力・体力共に低下している表れとされます。ゆっくり書いても丁寧な字には、勢いがあるので、この字になっていたら、原因を取り除くことが最優先となります。
勢いのなさは弱運につながります。運気が弱まっている時は災いが舞い込む可能性が高いので、注意する必要があります。意識して勢いのある字を書けば、良い運気が導かれるはずです。
■13. ハネの強さ
文字のハネを最後までしっかりと書くことは、最後まで力を抜かないことの表れとされています。物事を始めたら必ず最後までやり抜く力を持っている人に多く見られる文字です。何事も粘り強く取り組み、途中で投げ出すことは、ほぼありません。何らかの困難に遭遇しても、根気よく解決策を見出し、乗り越えていきます。責任感も強いので、いろいろな分野で成功を手にできます。この強さは「子」の字のハネで判断することが多いようです。
一方、ハネが弱い人は、性格的に移り気で、諦めが早いとされます。物事は、ある程度進んだところで、飽きてしまう傾向にあります。失敗しても切り替えが早いので、ストレスは溜まりにくく、スピーディーな仕事で力が発揮できます。
■14. 偏とつくりの間隔
偏とつくりの間の空間は、書く人の包容力が反映されるとされています。何事も相手の立場に立って考えられる心の広さがあります。人望が厚く懐が深い人に多く見られる文字です。リーダー的素養もありますが、この場合、独裁的ではなく、意見を調整して人を引っ張っていく能力に長けています。行動力があるため、顔が広いことにもつながります。いろいろな情報が自然と集まり、話のネタも多く、それらがお金に結びつくことも多いでしょう。
しかし、協調性を重視するあまり、意見がまとまらず迷いが生じることもあります。対人運や恋愛運は、良好ですが、あまり情に流されないことが吉となります。一方、この間隔が狭い人は、包容力に乏しく、一つの考えに固執しがちとされます。
■15. 点の打ち方
「れんが」と呼ばれる4つの点には、その人が文字をいかにきれいに書くや、全体とのバランスをどれくらい気にしているかが表れるとされます。この点の打ち方は主に「点」や「烈」の字で判断します。点と点の間が狭い人は、内向的で目立つことを好まず、オシャレに対する関心度が低いとされます。
点と点の間が広い人は、外交的で好奇心が旺盛で、物事に積極的とされ、流行やオシャレに敏感とされます。点と点がバラバラでありながら、全体のバランスが取れていると、個性派で抜群のファッションセンスを持つとされます。また、文字として全然関係のない点や線を、シャレてると思ったり、個性のアピールとして書く人は、男女ともに艶っぽさがあるとされます。
■16. 接筆部について
接筆部とは、縦と横の線が接する部分を指します。接筆部は、物事の転換期につながる要素が表れるとされます。従来のやり方を変えたり、新しい発想ができるかにも関わると言われています。この接筆は「口」や「田」の字で判断することが多いです。接筆部が開く人は、いろいろなアイデアが浮かびやすく、融通性があるとされます。大局的に物事をつかむことに長けています。深層心理では、常に自由であることを好むようです。
一方、接筆部がきっちりと閉じている人は、どちらかというと几帳面で真面目とされます。新しいアイデアを出すような柔軟な発想は苦手とされます。しかし、コツコツと物事を積み上げていくことには長けています。ルーチン作業でも集中力が長続きします。
まとめ:筆跡で人生が変えられる
筆跡診断は、筆跡の基本的な特徴を分類し、心理学に基づいた傾向を総合的に導き出すものです。その統計データの数により信憑性は変化しますが、的中率は、かなり高いとされます。奥深く秘められた性格を知るには何の意識もしないで書いた文字が一番とされます。
文字の要所要所の書き方に注目しているので、字のうまい下手は、あまり加味しません。しかし、見栄を張る人は、きれいに書こうとしますし、あまり外見を気にしない人は、それなりの字になります。また字は上手な方が印象は良いのですが、普段の自分の筆跡を意識して変えようとしても、せいぜい200文字ぐらいで、もとの筆跡の癖が現れ始めます。習慣で身についた筆跡は、すぐに変えられませんが、少しずつなら変えることはできます。
筆跡診断で判明した運勢は、良かった場合はそれを維持すれば良いのですが、悪かった場合でも、注意し自分の力で改められのが、他の占いなどと違った特徴かもしれません。