どことなく神秘的な雰囲気漂うフクロウが大好き、家族に迎えたい、飼いたいという方へフクロウについてもっと詳しくなってもらえるように特徴から飼育方法までを一気にご説明させていただきます。
ペットとして飼育されることの少ない動物だからこそ、家族に迎える前にフクロウについてしっかりと予習を済ませておきましょう。
フクロウとはどんな動物?特徴は?
フクロウは世界中に200種以上も棲息しているものの、夜行性で個体数が少なく、擬態が得意な品種もいて、まだまだその生態についてわからないことがたくさんあります。
サイズも様々で手のひらに乗るほどに小さなフクロウもいれば、映画で悪役を演じるほどに大きなフクロウもいます。
野生種であることから、まだまだ未発見の品種もいるのではともいわれ興味深い鳥の一種です。だからこそ神秘的なイメージが強くなり、映画などに登場すると大変印象的な役割を果たしています。
日本でも数十年前から一部の愛好家の間で飼育されていたものの、その個体数は少なく専門店もありませんでした。
しかし、数年前から都内を中心にフクロウカフェやフクロウ専門店が開業すると徐々にフクロウが身近な存在になり、ペットとして飼育する方も増えてきています。
フクロウの平均寿命・大きさ・体重
フクロウの品種は多岐にわたりますが、ここでは日本でペットとして飼うことのできるフクロウに注目してみましょう。
一般的にフクロウの平均寿命は
・小型:10年~15年
・中型:30年
・大型:40年
といわれています。
日本でペットとして飼育されるのは大半が小型のフクロウです。大型種は日本の住宅事情では飼育が難しく、動物園など専門的な施設で飼育されています。
◯小型サイズのフクロウ
代表的な品種は、スピックスコノハズクです。全長20cm~24cm、体重200g以下と大変小さく、この体重はスマホよりも軽いので驚きです。小さな体に大きな潤んだ瞳が可愛らしいと大変な人気ぶりです。
◯中型サイズのフクロウ
ピンと尖った大きな耳が印象的な品種がトラフズクです。全長35~40cm、体重は252g~320gです。オレンジ色の瞳に黒い嘴と大きな体は圧倒的な存在感を放ってくれます。
◯大型サイズのフクロウ
フクロウならではの神秘的な風格を漂わせる超大型ともいわれるフクロウがワシミミズクです。全長58~75cm、体重1500g~4600gもあります。
フクロウの人気の種類
フクロウを飼いたいと思っても小型から大型まであまりに品種が多く、いったいどのフクロウを選べばいいのか迷ってしまいます。
そこで人気上位のフクロウをご紹介させていただきます。飼育環境や餌の購入費用などと合わせて、自分にあうフクロウを見つけてみてください。
◯1位:シロフクロウ
その名の通り、真っ白で大きな体と鋭い眼差しが印象的なフクロウです。映画ハリーポッターに登場し、世界中の注目を集めたことで人気ランキングでは常に上位入りを果たしています。
◯2位:コノハズク
小型で飼いやすい品種として、ペットショップで販売されることの多いフクロウです。全長20cm前後と小型で、初めてフクロウを飼う方にも扱いやすい品種といわれています。
◯3位:メンフクロウ
まるでお面を被っているような特徴的な顔立ちが印象的なフクロウです。切れ長な目元と貫禄のある雰囲気で、ただ眺めているだけでフクロウ好きにはたまらない魅力を感じさせてくれます。
◯4位:メガネフクロウ
黒ぶち眼鏡をかけているかのようなオシャレな雰囲気のあるフクロウです。幼鳥は全身が白い羽毛でおおわれていて、眼鏡がさらに強調された顔立ちをしています。
※シロフクロウ
※コノハズク
※メンフクロウ
※メガネフクロウ
フクロウの性格
フクロウは
・臆病
・人見知り
・素っ気ない
・マイペース
などと性格の説明がされます。これはフクロウが本来人間と親密な関係を築く動物ではないからです。
フクロウは非常に知能が高く、時には難易度の高い芸を披露し注目されることもありますが、決して社交的で甘えん坊なペットではありません。フクロウは鑑賞することで、その魅力を満喫する存在です。
一緒に暮らす上では、無暗に触れ合ったり、屋外に連れ出すのではなく、フクロウの生活ペースを尊重し、適度な距離を保つことが大切です。
フクロウの飼い方・育て方
フクロウの飼育は
・清掃
・給餌
・室温管理
など基本的には飼育環境の管理が主な役割です。
人間との触れ合いを苦手と感じるタイプが多く、過度なふれあいはストレスにつながるので注意しましょう。
フクロウの種類は多岐にわたり個体差が大きいので、購入時はそれぞれの品種に合った飼い方、餌の種類、お世話の仕方を専門家に確認しましょう。フクロウや猛禽類のブームが盛り上がってはいるものの、まだまだ獣医師や専門家の数は不足しています。
基本的に健康管理や給餌は飼い主の試行錯誤が必要となるので、様々な情報を積極的に集めてゆきましょう。
フクロウは小型種であっても20年以上長生きをする場合もあれば、フクロウ特有の餌の工面が適切に行えず、短命に終わってしまう場合も少なくありません。
フクロウは大変神経質な面があり、日々の生活のストレスも寿命の大きく影響を及ぼします。飼育する場合は十分に下調べを済ませ、適切な環境を整えましょう。
フクロウの値段相場
生き物に定価は無いと度々いわれていますが、フクロウの値段相場はまさに個体別の価格設定が目立ちます。
一般的にフクロウは30~50万円程度が相場です。ただ中には非常に珍しい羽色や特徴を持つことで100万円を越える値段が付くことも珍しくありません。最近は、マンションなどでも飼いやすい小型サイズのフクロウが人気で、値段は50万円以上が主流です。
フクロウの飼育には生体購入代金のほかに、ケージや餌など飼育用品の購入も必須となるので、購入時は諸費用の合計で検討しましょう。
フクロウの餌の量・食べ物
フクロウを飼う上で覚悟しておかなければならないポイントは餌です。フクロウは基本的に生肉など動物性タンパク質をメインの食事とします。
具体的には
・マウス
・ヒヨコ
・ウズラ
などです。
これらは猛禽類やフクロウ専門店、ネット通販などで購入が可能です。複数個を冷凍パックに加工し販売されています。
ただ、他の小動物のようにドライフード状に加工され手軽に与えることのできる餌ではないので、フクロウの餌の扱いに抵抗感を覚える方はフクロウの飼育には不向きです。
またこのような特殊な餌を購入するためフクロウの一ヶ月の餌代の目安は、
・小型フクロウ:10000円
・中型フクロウ:12000円
・大型フクロウ:15000円
それぞれにフクロウによって食の好みも異なり、必ずしも安価な餌で賄えるとも限りません。フクロウの飼育には何かと費用がかさむことをあらかじめ知っておきましょう。
フクロウの鳴き声
ペットを飼う上で、騒音問題は大きな課題です。フクロウがペットとして人気を集める背景には鳴き声が小さく、近隣への迷惑になりにくいという点があります。
ただフクロウは決して鳴かないわけではありません。品種によっては大きな声が出るフクロウもいます。その上、フクロウは夜行性ですから深夜に騒音が生じる場合もあります。
フクロウを飼う時は、外見やサイズだけでは購入する品種を決めるのではなく、それぞれの鳴き声の大きさや鳴く頻度もしっかりと確認しましょう。
フクロウを飼う時に必要なもの
フクロウを飼うために必要な用品は以下のものです。
◯パーチ
止まり木。基本的にフクロウは常にこの木の上で過ごしています。静かに過ごせる場所に設置し、フクロウの生活を邪魔しないよう心がけましょう。
◯アンクレット
フクロウの足に取り付ける金属の輪です。
◯餌
◯ペットシーツやプラスチックトレー
止まり木の下に敷き詰め、排泄物で床が汚れてしまわないように使用します。1日複数回交換が必要なので安価な商品で十分です。
◯グローブ
猛禽類の爪は大変鋭いので、フクロウを腕や手先に乗せる時は、厚手のグローブの着用が必須です。
◯小型冷蔵庫
フクロウは基本的に生餌や生肉を主食とするので、餌の保管専用の小型冷蔵庫が1台あると重宝します。もちろん家族用冷蔵庫を共有しても問題はありません。
◯霧吹き
野生で暮らすフクロウは自分の体を清潔に保つために定期的に水浴びをする習性があります。ペットの場合、家族が定期的に霧吹きで水を吹きかけ水浴びをさせます。
フクロウはなつく?
フクロウは大変知能が高く、警戒心が強い動物です。一緒に暮らす家族に懐くのかどうかという質問がたびたび寄せられますが、他ペットのように甘えん坊な仕草を見せたり、無防備な様子でくつろぐことはありません。
ただ毎日の給餌を通じて家族への警戒心が薄れ、次第に距離が縮まることはあります。
・腕や肩に気軽に留まる
・芸を覚える
・話しかけると首を傾げる
・飼い主の手から餌を受け取る
という様子はフクロウならではの愛らしさが溢れています。
このような様子からフクロウは人間に懐くともいわれていますが、懐くという言葉の解釈には色々な意味があるので、あくまでもフクロウなりの距離感でお互いに良い関係を築くことができると考えておきましょう。
フクロウはあくまでも野生種の動物ですから、人間との暮らしには適応はするものの、自分から望んで人間と暮らしているわけではないことは理解しておきましょう。
フクロウの首振りは何度?かしげる理由は?
フクロウを好きになったきっかけに、不意に首をかしげる可愛らしい仕草に魅了されたという方も多いでしょう。つぶらな瞳で大きく首をかしげる様子は、まるで人間の言葉を理解しているかのようです。
フクロウが他の鳥に比べ、大きく首をかしげるのは、特徴的な骨格をしているからです。フクロウの首には14個もの骨があります。人間の首の骨は7個ですから大きな違いがあります。
なぜこれほどまでにたくさんの骨を持つかというと、フクロウの眼球は骨と密着しているので、左右を見渡そうと思うと眼球だけを動かすことができず、頭部ごと左右に振ったり、傾けることで角度を変えなければならないためです。
フクロウは首をかしげることで270度もの広範囲の視界を確保しています。まるで首が360度回転したかのように見えるフクロウがいるのもこのためです。
フクロウは野生の環境下で敵や災害から身を守り安全に暮らすために、常に広範囲に目線を配り暮らしています。
フクロウの病気・健康管理
本来、自然豊かな環境で、日々飛び回り、生餌を仕留め、繁殖をして暮らすフクロウを室内でペットとして飼うのですから、当然様々な体調不良や病気も起こります。繊細な性格で夜行性のフクロウにとって、人間との生活は多少なりともストレスがかかります。
フクロウに多い病気は
◯胃腸炎
餌の品質や管理方法が原因で最近感染や消化不良を起こし体調を崩すことがあります。
◯異物誤飲
室内に転がる異物を誤って飲みこんでしまい、体調を崩すことがあります。
◯絞扼壊死(こうやくえし)
足に着けたアンクレットが原因で炎症や怪我につながる場合があります。
◯呼吸感染症(肺炎・気嚢炎)
室内の換気不足や空調が原因で呼吸器疾患を起こすことがあります。
フクロウなどの猛禽類やエキゾチック動物は、現状の動物医療の技術では十分な診断や治療を行うことができません。フクロウの健康管理は、病気や不調を治療することよりも、発症を未然に防ぎ、予防することを第一に考えることが大切です。
まとめ
インターネットサイトやSNSでも人気のフクロウですが、気軽に飼い始めるのは注意が必要です。フクロウの生態はまだまだ未解明な部分が多いので、購入する際は十分な準備を済ませておきましょう。