一人暮らしでもファミリーでも飼いやすいペットとして人気のあるフェレット。短い手足に柔らかい胴体、丸い顔につぶらな瞳が愛らしい、魅力たっぷりのフェレットですが、種類やカラーがたくさんあることを知っていますか?
この記事では、フェレットの特徴や性格、種類、寿命、人気のある種類をご紹介していますので、フェレットを家族に迎え入れるときの参考にしてみてくださいね。
フェレットとはどんな動物?
フェレットは野生のイタチを家畜化し、ペットとして改良されてきた動物です。1日20時間ほどを寝て過ごし、飼い主の生活リズムに合わせて活動してくれます。また、鳴き声も小さく、ほとんど鳴くことはありません。
性格は好奇心旺盛で遊び好き、活発で愛嬌があり、人にもよく懐きます。猫じゃらしで一緒に遊んだり、膝の上で眠ってくれたり、犬のような明るさと猫のような気ままさをかね揃えた性格です。
部屋の狭いところに入り探索することも大好きなので、ケージから出す際はコード類は齧らないようカバーをかけたり、脱走にも注意が必要です。
フェレットは腸が短く、食後3時間ほどで排泄するため、1日のトイレの回数は頻繁です。トイレを覚えるので、ケージにトイレを設置しておけば掃除もしやすくなります。
また、フェレットのおしりには強烈な臭いを放つ臭腺があり、日本に輸入されるまでに手術で除去されていますが、独特の体臭があります。定期的にシャンプーをしたり、水遊びをして清潔に保つようにしてあげましょう。
フェレットの種類8個
フェレットに品種はありませんが、繁殖ファームの名前をフェレットの種類としてそれぞれ特徴があります。ファームにより大きさや顔つき、性格など特徴があり、価格帯も異なります。
個体差はあるものの、ファームごとの傾向をご紹介します。
■1. マーシャルフェレット
マーシャルフェレットは、日本のペットショップでは最もよく見かけるファームのフェレットです。
体重は0.8〜1.5㎏ほど、体長は30〜40㎝前後で、オスの方が大きめです。フェレットとしては小さめサイズ。
毛色はバリエーションが豊富で、公式サイトではセーブル・バタースコッチ・シナモン・シルバーミット・ブレイズ・マークドホワイト・アルビノ・ホワイトファーブラックアイ・パンダとなっています。
寿命は平均7年前後とされていますが、10年生きた例もあるそうです。
値段は40,000〜60,000円ほど。
マーシャルフェレットの性格は穏やかで大人しい個体が多く、どちらかというとメスの方が遊び好きのようです。赤ちゃんフェレットは噛み癖があることがありますが、マーシャルフェレットは比較的噛み癖が少ない個体も多いとされています。
マーシャルファームは、アメリカのニューヨーク州で80年以上の歴史があり、日本に初めてフェレットを輸出したファームとしても有名です。
■2. パスバレーフェレット
パスバレーフェレットも、日本のペットショップでよく流通しているフェレット。
体重は0.8〜2㎏ほど、体長は30〜43㎝前後です。マーシャルフェレットより少し大きいサイズになります。
毛色もセーブル、バタースコッチ、シナモン、シルバーミット、シャンパン、ブレイズ、アルビノなど豊富です。
寿命は平均6〜8年前後ですが、パスバレーフェレットは比較的病気に強いため、海外では13年生きたケースもあります。
値段は30,000〜60,000円ほど。フェレットの中ではお手頃価格です。
パスバレーフェレットはやんちゃで遊び好きな性格をしています。基本的には大人しいものの、飼い主を遊びに誘ったり、部屋の中を探索したりと好奇心が強い個体が多いことが特徴。赤ちゃんの時は噛み癖があることがありますが、しつけをすれば噛まなくなります。
パスバレーファームはアメリカのペンシルベニア州にあり、フェレットファームとしては最大規模。日本への流通も安定しています。
■3. カナディアンフェレット
カナディアンフェレットは、オスの個体が特に大きくなる特徴があります。
体重は1〜2㎏ほど、体長は35〜50㎝前後です。骨太で筋肉質、がっしりとした体格をしています。
毛色はスタンダードカラーのセーブルが中心。
寿命は平均4〜8年前後、値段は15,000〜30,000円前後と安価なフェレットです。
やんちゃで気が強く、体が大きい分噛む力も強いので、初心者に扱いは難しい性格をしているかもしれません。
カナディアンファームは、カナダのバンクーバーにありますが、2017年を境に日本での入荷情報がみられないため、ファームそのものが無くなった可能性があります。
■4. ニュージーランドフェレット
ニュージーランドフェレットは、パンダのような模様が特徴的なフェレット。
体重は1.2〜2㎏ほどで重く、体長は35〜50㎝前後で大きく成長します。
毛色はセーブルで、丸い顔に目の周りに黒い模様があります。
寿命は4〜7年前後です。
野性味が強く、凶暴な個体が多いです。大きさが最大の魅力ですが、日本に輸入されることは非常に稀で、幻のフェレットとも呼ばれています。
■5. アンゴラフェレット(ファーファームフェレット)
アンゴラフェレットは、毛足が長い、長毛のフェレットです。
体重は1〜2㎏ほど、体長は35〜45㎝前後です。がっちりとした筋肉質な体格が特徴。
カラーバリエーションは豊富で、セーブル、シルバーミット、バタースコッチ、アルビノ、マークドホワイトなど様々。
寿命は平均6〜10年ほどで、価格は80,000〜120,000円ほどと高額です。
気性は荒く、他のフェレットに比べて慣れにくいですが、希少性が高く人気があります。
長毛の突然変異種を固定化したフェレットが、アンゴラフェレットです。中国にあるファームで、アンゴラフェレットは別名でファーファームフェレットとも呼ばれています。
■6. ホールデンフェレット
ホールデンフェレットは日本での流通が少なく、一般的なペットショップでは見かけることは少ないフェレットです。
体重は1〜1.8㎏ほどで、体長は35〜45㎝前後。
毛色はセーブル、バタースコッチ、シルバーミット、アルビノ、シャンパンなど様々なカラーがいます。
寿命は平均6〜8年ほどで、価格は70,000〜80,000円前後です。
わんぱくで遊び好き、基本的には温厚で人にもよく懐きます。筋肉質で体が大きいため噛む力は強いので、最初のしつけが重要です。
■7. マウンテンビューフェレット
マウンテンビューフェレットは、マーシャルフェレットに特徴が似ています。
体重は0.8〜1.5㎏ほどで、体長は30〜40㎝前後。
毛色のバリエーションも豊富で、セーブル、バタースコッチ、シルバーなど様々なカラーのフェレットがいます。
寿命は6〜8年ほど、価格は55,000〜80,000円前後です。
体が小さめで大人しく、マーシャル同様、初心者でも飼いやすい穏やかな性格の個体が多いです。
マウンテンビューファームはアメリカのニューヨーク州にあるファームで、日本では特定のショップでは輸入されていますが、流通数は多くありません。
■8. DRF(ドラゴンライズフェレトリー)フェレット
DRF(ドラゴンライズフェレトリー)は、日本にある唯一のフェレットファーム。
毛色はセーブル、セーブルポイント、バタースコッチのスタンダードカラーがメインで、アルビノ、シャンパンなどのカラーのレアカラーの販売はしていないようです。
寿命は一般的なフェレット同様、6〜8年ほどで、オスは128,000円〜、メスは78,000円〜販売されています。
DRFでは、お迎えは生後10週齢(2ヶ月半)から可能となっていますが、この段階では避妊去勢手術、臭腺除去手術もされていません。
海外のファームでは出荷前に避妊去勢手術、および臭腺除去手術を施されてから輸出されますが、DRFで迎えたフェレットは、生後6ヶ月以降(推奨は8ヶ月以降)に、飼い主の手配で手術を動物病院に依頼する必要があります。
臭腺が残っている状態のフェレットは独特のにおいがあるため、そうした問題をきちんと考える必要がありますね。
フェレットの毛色・カラーバリエーション
フェレットのカラーバリエーションはたくさんあります。模様や色味によってカラーの名前があるため、それぞれ解説していきます。
※フェレットは、オーバーコートと呼ばれる長い硬めの毛と、アンダーコートと呼ばれる短く柔らかめの毛で構成されています。
◯セーブル
セーブルは、スタンダードなフェレットのカラー。オーバーコートは黒、濃い茶、茶色で、アンダーコートは白、クリーム色です。顔はおでこのラインと口元が白く、目と頬のまわりは黒や茶色になっています。肩や尻尾が黒く、瞳も黒か濃い茶色、鼻はピンク色です。
◯ブラックセーブル
ブラックセーブルは、セーブルに比べて全体的に黒、濃い茶色が濃いカラーです。アンダーコートは白、クリーム色。鼻の周りは白、クリーム色のカラーが目立ちます。瞳と鼻は黒色です。
◯バタースコッチ
バタースコッチは、チョコレートとも呼ばれるカラーです。オーバーコートがその名の通りチョコレート色で、アンダーコートは白、クリーム色。目の周りや体、尻尾もチョコレート色、鼻の色はピンクです。
◯シルバーミット
シルバーミットは、オーバーコートは黒、濃いグレーで、アンダーコートが白、クリーム色。
手足が白く、まるで手袋をはいているようにみえるためこの名前がつきました。オーバーコートとアンダーコートの色が混じってグレーがかっているのが特徴です。
◯シナモン
シナモンは、オーバーコートが赤みのある茶色で、アンダーコートが白、クリーム色です。バタースコッチを更に明るくしたカラーです。瞳は茶色か赤紫色、鼻はピンク色です。
◯プラチナ
プラチナは、オーバーコートが明るいベージュ、アンダーコートは白、クリーム色です。瞳は赤紫色か黒、鼻はピンク色。真っ白ではなくベージュのオーバーコートにより、光が当たると光沢を感じさせる毛色をしています。
◯アルビノ
アルビノは、オーバーコートもアンダーコートも白、もしくはクリーム色です。アルビノは色素欠乏症ですが、フェレットでは多く見られます。瞳はピンクか赤、鼻もピンク色をしています。
◯ホワイトファーブラックアイ
ホワイトファーブラックアイは、オーバーコート、アンダーコートどちらも白、クリーム色です。アルビノと異なり、瞳は黒。尻尾や背中の縦ラインに少量、黒い毛が混じることもあります。
フェレットでおすすめ人気の種類は?
人気のフェレットは、流通数も多いマーシャルフェレットです。小さめのサイズで温厚な性格の個体が多い傾向にあるため、初心者でも飼いやすいです。
カラーバリエーションも豊富で、多くのペットショップで購入することができるので、お気に入りの子が見つけやすいというメリットがあります。
マーシャルフェレットに続いて人気なのが、パスバレーフェレット。値段もマーシャルフェレットより少し安いため、購入しやすい点も人気の理由です。
やんちゃで活発、遊び好きな傾向があるため、フェレットと一緒に遊びたいという人には特にオススメです。赤ちゃんの頃は噛むこともありますが、噛んではいけないことを教えれば噛まなくなっていきます。
フェレットはファームによって性格が異なるため、いくら見た目が可愛くても手に負えなくなるとフェレットにとってもストレスになります。
人気のフェレットはそれだけ飼育している人も多く、初心者でも比較的飼いやすいため、ペットショップでもきちんと相談することをおすすめします。
フェレットのおとなしい種類は?
おとなしいフェレットとして第一にあがるのが、マーシャルフェレット。フェレットは遊び好きな動物ではありますが、マーシャルフェレットは他のフェレットに比べて落ち着いています。
飼い主にアタックしてきたり、おもちゃなどで元気に遊ぶことはありますが、マーシャルフェレットは元の性格が温厚な傾向にあるため、手に負えないほど暴れるわけではありません。
国内の流通数は少ないですが、マウンテンビューフェレットもおだやかな性格な傾向にあります。フェレットそのものが好奇心の強い活発な動物なので、おとなしい種類とはいえ遊んでいるときなどは動き回りますし、イタズラをすることもあります。
しかし、血統管理の上でブリーディングされているとはいえ、これらファーム出身のフェレットだからといって必ずおとなしいという保証があるものではありません。
あくまでもファームの傾向なので、フェレットをお迎えするときの1つの目安にしてくださいね。
フェレットの種類の違い・見分け方
フェレットには品種そのものの違いはなく、生まれたファームの違いを種類としています。ファームによっておおよその大きさ、寿命、性格傾向などさまざまな特徴があります。
簡単な見分け方としては入れ墨です。マーシャルフェレットには右耳に2つの点の入れ墨が入っており、ホールデンフェレットは耳に「H」の入れ墨が入っているため、耳にある入れ墨でファームを判断することができます。
しかし、入れ墨が入っていないフェレットも多く、その場合はショップに確認するしかありません。
大きさや性格傾向などの特徴はあっても、個体差があるため、必ずその枠に収まる大きさや性格をしていると保証できるものではありませんので、どこのファームから入荷されたフェレットなのか必ず確認しておきましょう。
まとめ
フェレットは犬と猫のいいとこ取りをしたような性格から、ただ飼育するだけでなく、一緒に遊んだりたくさんスキンシップを取りたいという人にピッタリのペットです。
ペットショップだけでなく、フェレット専門店では、さまざまなファーム出身のフェレットを取扱っています。フェレットに特化しているショップでは、ファームごとの個性や特徴を実際にみることができるので、お近くにあれば足を運んでみることをおすすめします。
ファームごとの傾向はもちろん、その個体がどのような性格なのかを確認して、あなたに合うフェレットを見つけてくださいね。