日本を代表する山である富士山。日本人にとってなじみ深い富士山にはしばしば特徴的な雲が表れます。富士山に不思議な雲が現れた時には、特別な印象を受けることも多いでしょう。
この記事では富士山に笠雲が現れた時のスピリチュアルな意味と、笠雲が出来る条件や種類を紹介するので、参考にしてみてください。
笠雲とは?言い伝えは?
笠雲とは山の上に帽子や笠を被ったような雲が現れる現象を言います。古くから笠雲が出ると「間もなく雨が降る」とされていました。地元には富士山と雲に関わる多くのことわざも残されています。
笠雲はレンズ雲と呼ばれる雲の一種で、「まえかけ雲」や「なみ笠」、「ふきだし雲」、「うず雲」、「みだれ雲」など多くの種類がある、スピリチュアルなイメージを持っている雲の一つです。時間がたっても同じ場所で止まっているように見える笠雲を目にした時には、何か特別なメッセージを感じることもあるでしょう。
実際に笠雲にはスピリチュアルなメッセージや、地震との関係など様々な言い伝えもあります。富士山のふもとの人は、笠雲から天気の流れを知るとともに、多くのことを学び生活に役立ててきたのです。
富士山の笠雲の意味は縁起がいい?
富士山の笠雲の意味は縁起が良いものです。笠雲は全ての山にできるものではありません。富士山のように一つだけそびえたつ山にできやすく、強風と湿った風が合わさった、特定の気象条件の時にだけ現れます。
また富士山は「一富士二鷹三茄子」と言われるように、もともと縁起が良いことが知られています。笠雲は末広がりの形状をしていることから、縁起が良いとされている雲です。
縁起が良い富士山と笠雲、強風と湿った風という珍しい点から、縁起が良いとされるのでしょう。雨上がりの虹のように、見ることができると嬉しい気分や特別な気分になることができます。
また雨は農作物を作る日本人にとって、収穫を左右する大変重要なものです。昔の人は笠雲が恵みの雨をもたらすとして、縁起が良いものとしていました。
笠雲の条件とでき方
笠雲ができるためには「山の上空に強風が吹いていること」と「湿った空気が存在すること」が必要となります。
山に強い風がぶつかることで、上空の方に風の流れが変わります。空気が湿っていると山にぶつかり持ち上げられた空気が山頂付近で膨張し、冷えて雲ができ、空気が下る山頂付近の風下側は空気のみが温まって雲が消え、山頂のみで雲が現れるようになります。
空気の流れは急に変化することなく、風が上昇する時には雲ができて風が下降する時には雲が消える現象を絶えず繰り返しているので、時間がたっても同じ場所に雲がとどまった様に見えるのです。
また笠雲は前線や低気圧が接近して、日本列島に温かく湿った風が入ってくると発生しやすくなります。笠雲が現れた後に雨が降ると言われるのは、前線や低気圧の影響と考えてよいでしょう。
富士山の笠雲のスピリチュアルな意味
富士山に現れる笠雲にはスピリチュアルなメッセージがあるとされています。笠雲はあなたに「恐れることなく、勇気を持ちすぐに行動しましょう」と伝えているのです。
笠雲は、不安や恐怖から自分自身を守る鎧を象徴しています。
山頂に現れた笠雲が消えることで、自分自身にまとった鎧を脱ぎ捨てる時が来たこと、不安や恐れを抱かずに鎧を脱ぎ、新しく進んで行くべきだという意味があるようです。
笠雲を見た時や、笠雲が気になる時には次のステージへ進む時期である可能性があります。今の自分から抜け出し、勇気を持って新しい一歩を踏み出してください。あなたが笠雲を目にしたのは、偶然ではありません。できることからで良いので、何か行動に移してみましょう。
富士山の笠雲は珍しい?確率は?
富士山の笠雲は季節によってできる確率が違いますが、それほど珍しいものではありません。
低気圧や前線が接近することが多い春と秋では約78%、夏が75%、冬になると70%だと言われています。出現回数は月に平均6.1日ほどなので、運が良ければ誰でも目にすることができるでしょう。
またまわりに高い山がない富士山は、湿った空気が多く山頂へ上っていきます。多くの山が連なる連峰と違い、単独峰であることも笠雲ができやすい条件の一つです。
笠雲と同じレンズ雲の一種であり、山頂の風下にできる吊るされた形の「吊るし雲」の方が、現れる確率が低いでしょう。「吊るし雲」も富士山と同じ条件下で起こります。
笠雲の種類
※かぶり雲
笠雲には20種類ほどの形があります。
一重に山頂にかかるようにできるかぶり雲を始め、かぶり雲が二重になった二重雲、かぶり雲が三重になった三重雲、横筋のように見える横筋笠、割れたように見える割れ笠、山頂の前に見られる前掛笠、山頂が掻巻を着たようなかいまき笠、うねったように見えるうねり笠、波のように見える波笠、その他にもひさし笠、横笠、鶏冠笠、乱れ笠、吹出笠、末広笠、渦笠、尾引笠などを見ることができるでしょう。
ひとつ笠は雨を降らせる笠雲で、春から夏にかけて発生します。秋の小春日和に表れるかいまき笠の後は、風雨が強くなるようです。
冬場、山頂から離れた場所にできるはなれ笠の後は冷え込みますが、晴天が続きます。同じく冬場にできる吹出笠や積み笠の後も、風が強くなり晴れるようです。
笠雲と地震の関係は?
印象に残る笠雲ができると、地震や嵐などの天変地異が起こると考える人も多いですが、笠雲と地震に関係はありません。日本では地震雲として恐れられることもありますが、心配しないで良いでしょう。
笠雲は、湿った空気と上空の強い風の気象要因が重なった時にできる雲です。
地震大国の日本では、珍しい気象現象が起こると地震と結びつけて考えがちですが、笠雲と地震は関係ないものと考えておいてください。科学的な根拠もないとされています。
まとめ
富士山の山頂を覆う笠雲は、ある気象要因が重なった時にだけ見ることができるものです。富士山で笠雲を見つけた時には、その後雨が降ることが多いので気をつけましょう。
雲からの「恐れることなく勇気を持って前進する」というメッセージも大切にしてください。あなたが成長するための一歩になります。