『自分のホロスコープを作成して、読み解けたらいいのに……。』
星座占いが好きな人なら、1度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
星占いと言うと、12星座占いがポピュラーですが、西洋占星術を簡略化したものなので、大まかな情報しか得られません。
そこで登場するのが『ホロスコープ』。
『ホロスコープ』とは、個人の生年月日、時間、場所(緯度経度)から、その時の天体がどの方角をどのように位置していたのかを知ることで、その人の性格や傾向、運命などを読み取るものです。
しかし、興味を持ってネットなどで調べても、難解でちんぷんかんぷん。
挫折してしまう人も多いのではないでしょうか。
ここでは、小難しいことは抜きにして、手抜きできる部分はしっかり手抜きをしつつ、できるだけわかりやすくホロスコープの読み方を解説いたします。
なんとなく知っておいたほうが良いこと
※ここから先はあくまでも、あなたのことを占うと仮定して話を進めます。
■簡単すぎる西洋占星術の歴史と意味
古代バビロニアでカルデア人によって考案された学問です。
後にローマやギリシャに伝わり、日本でよく知られているのはギリシャからのもの。
ギリシャ神話と星座のお話が好きで、占星術の道にハマる人も多いと思います。
その学問とは、ホロ(時間)をスコープ(見る)する学問、いわゆる星読みというものです。
特定の時間と出来事の共時性(シンクロ二シティ)を読み解くことで占います。
要するに、
特定の時間 = あなたが生まれた時間
出来事の共時性 = その時に同時多発した出来事
から読み解くということで、『獅子座は気位が高い』とか『蠍座は嫉妬深い』なども、その星座の宮に生まれた人は、『こういう人が多い』という統計的なものなのです。
■各天体のマーク
ホロスコープには、天体をマークで表示されているので、覚えておくとわかりやすいです。
■10天体の意味
ホロスコープにマークされる10天体は、太陽系の天体になります。
そして、この10天体は、あなた自身でもあります。
あなたという人は、たくさんの個性や感情が複雑に絡み合って作られています。
それを個別に表しているのが、10個の天体だと思ってください。
1.『太陽』
ホロスコープの中で、中心的な意味を担うのが太陽です。
あなたの基本的な性格や行動パターンから、人生の目標を果たすためにどう成長していけるかを読むことができます。
◆ 年齢域 : 26歳 ~ 35歳
◆ 人物 : 自分、著名人、雇用主、夫 etc
◆ キーワード : 意思、決断、意欲、名誉、主体性、自主性、主観、横暴、怠惰 etc
2.『月』
太陽が表向きの性格だとしたら、月は素のあなたを表しています。
だからといって、裏表のある人という事ではありません。
生まれてから色々な人や事柄と出会い、影響を受けながら、自然と形成された基本的性格が『太陽』。
あなたの中に、無意識の状態からあった自分が『月』ということです。
この内なる自分を読むことで、あなた自身の正すべき点などが見えてきます。
◆ 年齢域 : 0歳 ~ 7歳頃
◆ 人物 : 子供、母親、大衆、ペット etc
◆ キーワード : 想像力、感情、気質、クセ、家族、非安定、臆病 etc
3.『水星』
太陽や月で見た人格などを、外部に伝えるための、知性や思考、コミュニケーションを司る星です。
機転や融通、会話や文章の能力など、あなたの頭脳的、神経的な部分を知ることができます。
◆ 年齢域 : 8歳 ~ 15歳頃
◆ 人物 : 学生、兄弟、年下の人、仲介者 etc
◆ キーワード : 学習能力、知性、思考能力、言語能力、判断能力、技術 etc
4.『金星』
愛と美を司る星です。
人間関係や恋愛など精神的な部分と、金銭や財産など物質的な部分、両方を読むことができます。
あなたがどれだけ人生を充実させ、謳歌しているか、幸福には欠かせない星です。
男性にとっては(女性の)恋人を表すこともあります。
◆ 年齢域 : 16歳 ~ 25歳
◆ 人物 : 芸術家、愛人、若い女性、援助者、血縁者 etc
◆ キーワード : 愛、美、協調性、バランス、ロマンス、快楽、幸福、喜び etc
5.『火星』
情熱や勇気、闘争心などを司る星です。
人生を形成するために必要なエネルギーを表しています。
あなたの意志の強さや、積極性、攻撃性などを読むことができます。
また、女性にとっては(男性の)恋人を表すこともあります。
◆ 年齢域 : 36歳 ~ 45歳
◆ 人物 : ライバル、軍人、若い男性、実業家 etc
◆ キーワード : 勇気、情熱、衝動、戦争、性衝動、興奮、暴力、怒り etc
6.『木星』
拡大と発展と同時に、自分を甘やかす部分が見える星でもあります。
富や人脈かもしれませんし、学問や技術かもしれませんが、あなたの社会的分野の拡大と発展、贅沢さを読むことができます。
◆ 年齢域 : 46歳 ~ 55歳
◆ 人物 : 政治家、法律家、聖職者、学者、社会的成功者 etc
◆ キーワード : 名誉、成功、人気、思想、贅沢、寛容、穏和、善意 etc
7.『土星』
試練と制限、コンプレックスなどを司る星です。
寛容に「いいよいいよ、何でもやっちゃいなさい」と背中を押す『木星』に対して、「それはダメ、あれは良くない」とストップをかけるのが土星の役割です。
あなたの苦手意識や、根気、粘り強さを読むことができます。
◆ 年齢域 : 56歳 ~ 70歳
◆ 人物 : 父親、お年寄り、年長者 etc
◆ キーワード : 忍耐、責任、努力、制限、禁欲、試練、権威 etc
8.『天王星』
飛躍、オリジナリティー、インスピレーションを司る星です。
古いものを変化させ、リニューアルする星なので、独創性などを読むことができます。
公転周期が遅いので、個人というより、世代を見ることに適しています。
◆ 年齢域 : 71歳 ~ 85歳
◆ 人物 : 同志、同胞、友人、知人、科学者、専門家、発明家 etc
◆ キーワード : 革新、革命、自由、発明、科学、閃き、限界突破 etc
9.『海王星』
直感や精神世界の部分を司る星です。
自己犠牲や奉仕の精神、スピリチュアルな部分を含め、現実逃避、妄想癖などを読むことができます。
◆ 年齢域 : 85歳以上
◆ 人物 : 宗教家、占い師、霊能力者、詩人、隠居者、社会的弱者 etc
◆ キーワード : 神秘、直感、理想主義、幻想、夢想、奉仕、アルコール、薬物 etc
10.『冥王星』
破壊と再生を司る星ですが、通常では眠っている状態なので発動しません。
ただし一度発動してしまうと、状況や気持ちなど一切関係なく、物事を根底から変化させてしまうパワーを持っています。
最高か最低か、死か生か、成功か失敗か、極端な人生の変容を読むことができます。
◆ 年齢域 : 100歳以降、死後の領域
◆ 人物 : 先祖、絶対的権力者、神 etc
◆ キーワード : 絶対性、極限、不可抗力、死と生、破壊と再生、無から有 etc
ホロスコープを作ってみましょう
■必要事項
最初に少し触れましたが、あなたの、
● 生年月日
● 生まれた時刻
● 生まれた場所(緯度、経度)
が必要になります。
※ 出生時刻が不明の場合、12時00分で代用します。
※ 出生時刻が不明の場合、ハウスが確定できないので、それ以外で読むことになります。
■円を書いて星の位置を調べましょう
と、本来ならここで、ホロスコープ用のシートか、自分で描くか……というお話になるのですが、今はとても便利なインターネットというものがあります。
そして、このネットの中では、先ほどの必要事項を入力するだけで、ホロスコープを作ってくれる便利なサイトさんも数多く存在します。
手抜き出来るところは、抜いてしまいましょう。
星の位置は変わりませんから、どのサイトさんを利用しても、ホロスコープに大きなズレはありませんので大丈夫ですが、比較的解かり易いサイトさんをご紹介しておきます。
『My Astro Chart』
http://www.m-ac.com/index_j.html
『nut's wheel★お手軽ホロスコープ作成』
http://nut.sakura.ne.jp/wheel/horo.html
この他にも多数ありますので検索をしてみて、ご自身で解かり易く感じたサイトさんで作ってみましょう。プリンターをお持ちでしたら、1枚プリントしておくと、いつでも見られるので便利です。
ホロスコープの成り立ち
既に作ったホロスコープはお手元にありますか?
昔の人は、星の動きを見て時間の目安にしていました。
今でも太陽の位置で大体の時間を見たりしますよね。
ホロスコープもそれと同じことです。
占いたい人物の生まれた時刻を、星の位置を使って表したものなのです。
ホロスコープの円の中心にあなた(天体でいうなら地球)がいると仮定します。
そこからぐるりと見渡した円の中に、あなたが生まれた時の、太陽系の星が存在しています。
中央で上下に分割する、左右に走る横のライン。
これは、あなたを中心とした地平線だと思ってください。
ホロスコープでは、左が東、西を右に書くという決まりがあります。
では、地平線の感覚を知るために、一番わかり易い、太陽と月の位置を見てみましょう。
太陽のマークが位置する星座の宮で、あなたの12星座が決まるので、太陽を知っておくだけでも、ホロスコープがわかってきた気になれます。
■太陽の位置を見てみましょう
太陽のマークの位置で、だいたいの時間がわかります。
左上にあれば午前中
上の真ん中なら正午
右上なら午後
右下なら夕暮れから深夜
下の真ん中なら真夜中
左下なら深夜から夜明け
となります。
■月の位置を見てみましょう
太陽の位置がわかったら、月の位置を見てみましょう。
太陽と月の位置関係を見ることで、その日の月がどんな状態だったのかが、だいたいわかります。
太陽の外側に位置していたら新月
太陽を背にしている月は上限の月
月が太陽の対角線上に位置していたら満月
満月(対角線上)を越えて太陽を追いかけている月は下限の月
となるわけです。
地平線の感覚、ちょっとでもつかんでいただけたでしょうか?
その上で、ここから先は占いとして、もう少し踏み込んだお話になります。
■東西南北の呼び方とその意味
地平線を東西としたとき、地平線と上下(東西南北)の4ポイントを見てみましょう。
ホロスコープの周りにあるどの星座が、その4ポイントに位置するかにより、大きな意味を持ちます。
『Asc(アセンダント)』
地平線の東側(左)のことをAscendant(アセンダント)といい、略してAscと表記します。
Ascは上昇点や優勢を示すので、この位置に、どんな星や星座が存在しているのかを見ることによって、その人の基本的な性格や性質、容貌などを読むことができます。
『MC(エムシー)』
MCは南中点、天頂(ほぼ上中央)を示しており、Medium coeli(メディウム・コエリ)の略で、天の真っただ中という意味を持っています。
したがって占星術では、人生における到達すべき目標であったり、社会的な活動や成すべき事があらわれます。
『Dsc(ディセンダント)』
西の地平線(右)であるDescendant(ディセンダント)は下降点で、略してDscと表記します。
子孫の意味合いがあり、その人の協力者やパートナー、後継者、もしくは家族などの人生で獲得するべきものをあらわしています。
『IC(アイシー)』
ICは北中点(ほぼ下中央)を示しており、Imun Coeli(イムン・コエリ)の略になります。
祈る星もしくは、天に祈るという意味合いがあり、自分が一番安らげる場所、帰る場所、魂が解放される場所などを表しています。
特にAscは人生の出発点、MCは人生の頂点やゴールをあらわしていると言われているので、この2つの組み合わせで、おおよその人生の流れが読めるとも言われています。
■周りを囲んでいる12星座
便宜上、太陽が通る道『黄道』と考え、星座のマークが描かれてはいますが、そこにその星座が(天体として)位置しているわけではありません。
ホロスコープを時計だと思ってみてください。
数字の部分が星座、太陽が時計の針と考えると、想像がつきやすいかもしれません。
まだわかりにくいですね。
あなたから見た星たちが、どの辺りにいるのか解り易くするために、まずはピザカットのように12等分に区分けしました。そして、各区間に星座の名前を付けて、『○○座に△△星がある』とわかりやすくしました、という感じでしょうか。
例えば、ホロスコープを見たときに、
『太陽が乙女座の中央にあって、月が魚座にあるから、ほぼ満月だね』
という使い方になります。
かなりややこしいので、星座ではなく『サイン』や『宮』と呼ばれる事もあるのですが、太陽系の星たちも、冥王星のサインなどと呼んだりするので、どちらにしてもややこしく、ひたすら慣れるしかない部分です。
この記事では少しでも区別するために、この後『○○座の宮』と呼ぶことにします。
12星座のそれぞれ意味も載せておきます。
■西洋占星術での黄道12宮(12星座)
『牡羊座(白羊宮/Aries)』
黄道12宮の1番目の星座で、全ての物事の始まりを意味し、新たに何かを始めようとする勇気や新鮮さがあり、熱く活動力のある星座です。
『牡牛座(金牛宮/Taurus)』
安定した生活や富を司る星座で、五感が発達しやすいようです。
人生をゆっくりじっくり、慎重に噛み締めるように味わいます。
『双子座(双児宮/Gemini)』
好奇心が旺盛で、知性と実行力を発達させます。
コミュニケーション能力が高く、自己表現も得意です。
『蟹座(巨蟹宮/Cancer)』
価値観を共有し、協調性や感情を学びます。
身内にはとても優しいですが、外部の人間には厳しいです。
『獅子座(獅子宮/Leo)』
クリエイティブな人で、外部に対する自己表現をすることが得意です。
他者に認められる事に喜びを感じ、自ら主体的に動き、目立つことも好きな星座です。
『乙女座(処女宮/Virgo)』
知性と感性の両面を持ち合わせており、両極端な個性の間に入り、調整するのが得意です。
慈善や奉仕の精神にも溢れているので、世話焼きで実務能力も高く、手抜きはしません。
『天秤座(天秤宮/Libra)』
天秤座は他者に関心が高く、人と積極的に関わるので、人間関係を司る星座と言えます。
美的感覚が洗練されており、見た目もオシャレな人が多くいます。
『蠍座(天蠍宮/Scorpio)』
深い感性と鋭い洞察力により、人や物事の本質を見抜く事を得意とします。
濃密な人間関係を好み、狭く深く相手に関わることで、相手と一体化しようとします。
神秘的で魅力的な人が多い星座です。
『射手座(人馬宮/Sagittarius)』
勉強熱心で冒険心旺盛、常識にとらわれない自由な考えを持っています。
おおらかで視野が広く、枠を越えて飛び出していく事も多い星座です。
『山羊座(磨羯宮/Capricorn)』
責任感が強く、目標を達成するための意志の強さと計画性に優れています。
社会的適応力が高いですが、繊細で心配性なので、周囲の目を気にしすぎる傾向にあります。
『水瓶座(宝瓶宮/Aquarius)』
独立心があり自己主張が激しく、何者にも縛られない自由を愛します。
分け隔てなく、相手の個性と自由も尊重するので、孤立することもなく多くの友人に囲まれている人が多いのが特徴です。
『魚座(双魚宮/Pisces)』
奉仕の精神に溢れ、共感する能力も高く、良くも悪くも人と同調しやすい星座です。
そのため、自分と他者の価値観や距離感が上手くつかめず、相手のテリトリーに入り込んでしまうことも多くあります。
■ハウスって何?
きっちり12等分されている黄道12星座の宮の他に、細かったり広かったりとマチマチですが、同じくピザカットのように区分されて、1~12の番号がふられている場所があります。
それがハウスです。
ハウスは地球上での活動を示すもので、12のハウス(室)に分かれてています。
先ほどの黄道12星座の宮は春分を基点とし、宇宙的周期(細かい計算は割愛します)をかけて1周するので、人間の一生からするとほとんど動きません。
それに比べて、ハウスは地球の自転に伴うので、ほぼ24時間で12ハウスが1周することになります。
そのため、ハウスのシステムは西洋占星術において、当たりはずれに、一番頭を悩ませる部分でもあります。ホロスコープを扱っている本やサイトには、当たり前のように『ハウス』という言葉が書いてありますが、その種類は100前後もあり、実質どれが正しいのか定説がありません。
一番メジャーというか、日本で主流なのは『プラシーダス・ハウスシステム』と言われているものなのですが、これも現代占星術の父といわれた人物が使用していたから、という理由で、結局『誰の影響を受けたか』という事が大きく作用しているだけなのです。
季節によってハウスのシステムを使い分けるというお話もありますが、どれだけ勉強したら、そんなことができるようになるのか、気が遠い話です。
確かにハウスを知ると、かなり具体的にホロスコープを読めるようになるのですが、本格的に占星術を勉強して占い師になりたい人でなく、普通に占いを楽しむためにホロスコープを読みたい人は、あまり気にしないというのもアリです。
一応、各ハウスの象意を載せておきます。
ちなみに、星には偏りがあったりするので、各ハウスに天体がなかったとしても、気にする必要はありません。占者によって見解の違いはありますが、天体の入っていないハウスは、それなりに、人並みに、物事が進むものと考えられます。
『第1ハウス』
本人もしくは生命のハウスとも言われ、あなた自身を表しています。
個人が生まれ持った基本的な運命や性質、クセ、外見や容貌を見るのが、第1ハウスです。
ただし、自覚している人は少なく、人か指摘されても、よくわからないのが特徴です。
「あなたってホント天然よね」と言われても、自分では「違うし!」という感じです。
『第2ハウス』
金銭もしくは所有のハウスで、収入や仕事、才能や資質などの所有を表しています。
簡単に言うと、どんな仕事に向いているか、どうしたら社会貢献できるかを知る事ができるのが第2ハウスです。
ここに星が強調されている人は、得意分野を見極めて、その能力で稼ぐ事ができる事が多いようです。
『第3ハウス』
知性もしくは研究のハウスと言われ、学習や知識、コミュニケーション能力などを表しています。
また、兄弟姉妹の関係や、近距離での移動や旅行を意味している場合もあります。
あなたの人生において、何を学び、何を発信するか、集団の中でどのような関わりを持つかを知ることができます。
『第4ハウス』
家族と家庭のハウスで、あなたの癒しの場所、心の拠り所や家を表しています。
また、財産、不動産の相続や、家業を継ぐなど、家庭環境などを見るハウスでもあります。
『第5ハウス』
娯楽と創作のハウスで、あなた自身の人生を、楽しく面白いものにできるかを表しています。
恋愛、趣味、ギャンブル、芸術的な創作活動など、あなたが何に楽しみを見出すのかを読むことができます。
また、このハウスの意味合いが強い人は、役者やミュージシャンなど、その楽しみや趣味を仕事にする場合もあります。
『第6ハウス』
労働と健康のハウスで、仕事や就職、自己管理などを表しています。
仕事をするために必要な事、実用的な能力を身に付ける事、健康管理や自己管理の重要性を意味しています。
『第7ハウス』
共同や対人のハウスで、自分と他者との関係を表しています。
人生のパートナー、仕事のパートナー、またはライバルなど、協力体制だけではなく、反発も意味しています。そのため、裁判などの争いを示すこともあります。
『第8ハウス』
支配や継承のハウスで、良くも悪くも人生が一変する何かを表しています。
誰かの死による遺産相続や、仕事上での乗っ取り、または他者に対する人格や性的支配など、相手の何かを自分に取り込む事を示すハウスです。
『第9ハウス』
政治や哲学のハウスで、精神的な物事や抽象的な学び、思想などを表しています。
外国にも関係するハウスなので、ここに多くの星が存在していたならば、海外留学や国際人として活躍する人が多いようです。
『第10ハウス』
社会的成功や向上心のハウスで、現実的に社会における自分を表しています。
社会への適応力や、肩書き、それに対する野心、成功への計画性などを見ることができます。
『第11ハウス』
友人や集団、社交のハウスですが、楽しいものというよりは、どちらかというと、反抗心からくるものを表しています。
適度な距離を保った横の繋がりがあり、共通の目的を持って活動する、同志の集団を作るなど、信念や社交性を見ることができます。もちろん、楽しいサークルやコミュニティーも意味しています。
『第12ハウス』
障害や魂を表すハウスで、死後の魂や表現の難しい無意識の願望から、秘密の関係、内縁関係など、隠れて(または隠されて)見えないものを表しています。
実体のないものなので、心の敵であったり、トラウマ、インターネットやメディアなどもこのハウスに含まれます。
実際にホロスコープにある星を読んでみましょう
何となくでも、成り立ちがわかったところで、実際にホロスコープを読んでみましょう。
見るべき部分は、『2要素』 『3区分』 『4元素』 と言われるもので、ホロスコープを読み解くために、とても重要な基礎となります。
10個の惑星がどの宮に属しているかで、あなたの性質を知ることができます。
■星座の宮の2要素
牡羊座から魚座までの12個の宮を『男性宮』と『女性宮』に分けて、関心の方向性を見る事ができます。
男性宮 : 牡羊座、双子座、獅子座、天秤座、射手座、水瓶座
女性宮 : 牡牛座、蟹座、乙女座、蠍座、山羊座、魚座
ホロスコープ上の10天体が、男女どちらに多いかで、より強く表れる性質を見ることができます。
『男性宮の方が多い』
外部や現実世界への関心が高く、社会的な出来事や流行、出世などに興味があります。
『女性宮の方が多い』
自己に対する関心が高く、精神世界やスピリチュアル、金銭を含む所有物、家族や家庭に興味が向きます。
ちなみに、男女としているのは、古くからある占星術の慣わしであり、男性らしさ、女性らしさなどの偏見を示すものではありません。
何かヤだなと思った場合、例えば、黒が現実的、白が精神的色など、色などに置き換えても構いません。固く考えず、区別できればそれで良いのです。
■星座の宮の3区分
次に12の宮を、活動宮、不動宮、柔軟宮の3つに分けて、行動の性質を読みます。
活動宮(Cardiminal) : 牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座
不動宮(Fixed) : 牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座
柔軟宮(Mutable) : 双子座、乙女座、射手座、魚座
2要素と同じく、あなたのホロスコープの星が、どこに多く入っているかをチェックしてみましょう。
『活動宮が多い』
変化を好み、自ら積極的に始める力を強く持ちます。
アイデアを出して、企画を立てるのが得意です。
ただし、管理や維持が苦手で、途中で誰かに丸投げしてしまうこともありそうです。
『不動宮が多い』
一つの場所で、粘り強く同じ作業を繰り返すことができる人です。
独自の作業を研究し、磨き上げることが得意なので、職人的な仕事に向いています。
また、誰かがポロリと言った思い付きを、熟考し形にしていくことも得意です。
変化が苦手なので、コロコロと意見や方針を変える人や会社とは、合わないでしょう。
『柔軟宮が多い』
文字通り、相手に合わせて柔軟に対応できる人です。
対立を仲裁したり、争いになりそうな場面で緩衝材代わりになったりと、1人いてくれると助かる存在です。
ただし、自分で何かを決断したり、判断するのは苦手で、ギリギリまで1人でオロオロしてしまうこともありそうです。
■星座の宮の4元素
4元素はエレメントとも言い、12星座占いが好きな人なら聞いた事があるのではないでしょうか。
いわゆる、火の星座、地の星座、風の星座、水の星座と言われるものです。
火(Fire)のエレメント : 牡羊座、獅子座、射手座
地(Earth)のエレメント : 牡牛座、乙女座、山羊座
風(Air)のエレメント : 双子座、天秤座、水瓶座
水(Water)のエレメント : 蟹座、蠍座、魚座
こちらも同じく、どのエレメントに星が多く存在しているかで、性質を見ていきます。
『火のエレメントが多い』
立ち上る炎のごとく、向上心を持ち、型にはめられる事に抵抗を感じます。
意志と行動の力が強く、考える前に動き、なんなら動きながら考える人です。
いつでも自由でいたいので、束縛されることを嫌います。
『地のエレメントが多い』
安定を求める傾向が強く慎重で、正に『地に足をつけた人』です。
その場の感情で決断することは少なく、先を見越して思案し、じっくりと考えるので、少しのんびりとした印象を持たれる事もあります。
感情を荒げる事に抵抗を感じ、我慢してしまうことも多いようです。
『風のエレメントが多い』
知性とコミュニケーション能力が高く、話をしながら、頭の中では既に次の展開を考えていたりします。
社交的で頭の回転が速いので、風のように自由に流動し、効率よく次々と物事をこなしていきます。
相手にもその効率を求めるので、自分についてくることが出来ない人を、拒絶してしまう一面もあります。
『水のエレメントが多い』
感情や感覚的な力が強く、人の感情にも敏感で、人付き合いは狭く深くなる傾向にあります。
共感力がとにかく高く、周囲の色に染まりやすいので、良い人間と関わっていれば良い方向へ、悪い人間と関わると悪い方向へ進みがちです。
人に尽くす事に喜びを見出すのは美徳ですが、少々妄想気的で、自分と他人の感情を一緒くたにしてしまい、想像のみで判断をくだしてしまう事も多いようです。
アスペクトを見てみましょう
アスペクトというのは、10天体同士が作る中心角の事です。
星と星が特定の角度を作ったときに『アスペクトを形成している』と言います。
アスペクトする星同士は、お互いに干渉し合い、協調してパワーを強めたり、反発してお互いにパワーを削いでしまったりします。
星同士が協調し、無理なくプラスに影響し合う角度を『ソフトアスペクト』、星同士の力が反発したり衝突して、緊張感を持った関係にある角度を『ハードアスペクト』と言います。
10天体を人間関係に置き換えると解かり易いかもしれません。
10人のグループの中には、気が合う人と、気が合わない人がいます。
気が合う人同士は協調しやすく、物事をスムーズに進めることができますが、気が合わない人同士は反発してしまい、せっかくの能力が半減してしまうかもしれません。
しかし、気の合う人ばかりでは、馴れ合いから関係性がダレてしまいます。
対立するライバルがいてこそ、刺激になり、斬新なアイデアを思いついたり、切磋琢磨していくこともあります。
この10人のグループがあなたで、気が合う人同士が『ソフトアスペクト』、反発し合う人同士は『ハードアスペクト』の関係にあります。
ですから、読み解くときにも、ソフトアスペクトが良くて、ハードアスペクトが悪いとは一概には言えません。何事にも、メリットとデメリットが存在する事を考えながら、読み解くことが大事なのです。
また、アスペクトの中でも重要度が高く、強い影響力があるものを『メジャーアスペクト』、補足的な役割を果たすものを『マイナーアスペクト』と呼びます。
野球で言うなら、1軍と2軍といった所でしょうか。
占いで言うなら、タロットの大アルカナと小アルカナ的な……とにかくこちらも、メリットとデメリットがそれぞれにあり、時にはマイナーアスペクトも重要な意味を持つことがあります。
では、最後にアスペクトをご紹介します。
■メジャーアスペクト
『0度(Conjunctihon):ハード』
ホロスコープ上で、天体同士が0度になる状態をコンジャクション、略してConと表記されることもあります。
0度ということは、天体が重なっている状態で、同じ星座の宮の同じ度数なので、最も影響力が強いと考えられています。
強い作用がある分、反対の意味をもつ天体同士のコンジャクションは、混乱が伴う可能性があるので注意が必要となります。
『60度(Sextile):ソフト』
天体が60度に位置するセクスタイルというアスペクトで、略してSXtもしくはSexと表記されることもあり、セクスタイルが6つ連なると、ホロスコープ上に正六角形(グランドセクスタイル)が形成されます。
星同士の影響は拡大と意識的な発展を促すと解釈されます。
『90度(Square):ハード』
天体が90度に位置するスクエアは、略してSQrと表記されていることもあり、4つ連なるとホロスコープ上に正方形が形成されます。
この正方形はオポジション(180度)が2つ複合した形でもあり(グランドクロス)といい、不吉な配置と言われています。
スクエアに位置する星同士は、アスペクトでありながら、お互いに一切の干渉をせず、どちらも相手の性質を無視して、強引に物事を進めようとします。
『120度(Trine):ソフト』
天体が120度に位置するトラインは、略してTriと表記されることがあり、3つ連なるとホロスコープ上に正三角形(グランドトライン)を形成します。
120度の位置関係なので、お互いに同じエレメンツ(火、地、風、水のどれか)を持つ事になるため、調和と協調性の取れたアスペクトとなります。
星同士の影響は拡大と無意識のうちの発展と解釈されます。
『180度(Opposition):ハード』
オポジションは天体が180度なので正反対に位置し、略してOppと表記されます。
お互いに向かい合っているので、その交流も活発になります。
また、180度であるため、火と風、地と水というように、お互いを高め合うエレメンツの関係にあるため、ハードアスペクトではありますが、上手に使えば個人の活動を社会へ、社会の活動を個人へと働きかけることができるアスペクトとなります。
■マイナーアスペクト
マイナーアスペクト、それ以外のそれより更に小さな意味を持つアスペクトは数々あります。
ここでは、マイナーアスペクトの中でも比較的大きく意味を成してくる可能性がある、3つをご紹介します。
『45度(Semi-Square):ハード』
45度のセミスクエアは、略してSSqと表記され、影響力はあまり強くありません。
ただし、スクエア同様にハードアスペクトであり、トラブルやストレスを溜め込む原因を表し、時にその力を拡大させることがあるので、注意が必要となります。
『72度(Quintile):ソフト』
クインタイルは72度の関係性にあり、略してQNtまたはQuiと表記されます。
5つ連なるとホロスコープ上に正五角形を形成します。
マイナーアスペクトでありながら、クインタイルを多く持つ人は、豊かな発想力と創造性を発揮します。
『150度(Quincunx/inconjunct)』
天体が150度にあるクインカンクスまたはインコンジャンクトは、略してIncと表記されます。
クインカンクスの関係にある2つの天体は、お互いに性質もエレメントも共通点がなく、だからこそ性質の違う2つを結びつける力があるという考え方と、病的な関係を生じて困難であるという考え方が混在しています。
他のアスペクトと違い、円を等分するものではありませんが、セクスタイルとの複合アスペクトでヨード(60度、150度、150度)という二等辺三角形を形成したときに、大きく意味を成してくる可能性があります。
ヨードは宿命や悪運を示しているのですが、天才的な能力を発揮する人も多く、紙一重と言えるような複合アスペクトです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?文章だとわかりにくい点も多いとは思いますが、たぶん、おそらく、これで一通り、ホロスコープが読めるようになったのではないでしょうか。
最初のうちは、天体の一つ一つを読むことで、いっぱいいっぱいになることでしょう。しかし慣れてきたら是非、影響し合う星と星との関わりや、点在する星全体の物語を読んでみてください。
それこそがホロスコープが示す、あなたの物語でもあるのです。