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借金が返せない時どうする?NG行動と解決方法[弁護士解説]

借金が返せない時どうする?NG行動と解決方法[弁護士解説]

借りたお金が返せない…。借金が増えて困っている…。そんなときはどうすればいいのでしょうか。借金が返済できない時に起こること、NG行動、解決方法について詳しく解説します。


田中陽平先生
この記事の監修者
田中陽平弁護士

兵庫県姫路市で法律事務所を経営。交通事故・離婚問題・遺言相続・債務整理など幅広い法律問題に対して年間200件以上対応。
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※この記事は弁護士が書いています。

多くの方が日常生活における急な出費や大きな買い物の際にクレジットカードやカードローンを利用したことがあると思います。

また、不景気、リストラ、怪我・病気、最近ではコロナ禍の影響による突然の収入の減少・途絶により生活費を捻出するために借金することもあるでしょう。

当然のことながら、借金するということはその後返済しなければなりません。多くのローンの広告において「ご利用は計画的に」と注意喚起されるように無計画に借金することは将来返済できなくなり困ってしまう可能性の高い危険な行為なので気をつけましょう。

また、計画的に借金したはずであるのに、当初の計画どおりに行かず、借金の返済に窮してしまうこともあるでしょう。

今回は借金の返済ができなくなってしまう典型例を挙げつつ、もし借金の返済ができなくなってしまったときにすべきではないNG行動や解決方法について説明します。

借金が返済できなくなる典型例3個

1. 利息の支払い負担が大きいため借金が膨れ上がる

通常、借金の総額が増えれば増えるほど、毎月の返済額は増えます。そして、ついには一月の借金の返済総額が多額になり、返済ができなくなってしまいます。

そのような事態に陥る主たる原因の1つは利息の支払の負担が大きいため、なかなか元金が減らないことが挙げられます。

たとえば、年18%の金利を条件として50万円を借りた場合、初回の利息支払額は約7500円になり1万円の返済では元金に充当されるのは2500円に過ぎません。

そして、ある程度継続して返済した場合でも、あまり元金の減っていない状態で更に借金しなければならない事態に直面することにより、借金はどんどん膨れていってしまいます。それに伴い、月の返済額も増え、ついには返済に困ってしまうのです。

2. 何度も返済が遅れて残元金を一括請求される

一度借金すると、以降、ローン契約に従い毎月の予定された日に予定された額の返済を強いられます。

そして、この約束どおりの返済に遅れることが何度もあると、契約上、残っている元金の一括返済を請求されることがあります。

このとき貯金などがあれば一括返済することができるかもしれませんが、借金をするということは大体の場合、貯金がほとんどないことが多いため、貸金業者からの一括請求に対応することができず、返済に窮することになります。

特に借りている元金の多い場合、約束どおりの返済をしなかった場合に発生する遅延損害金の額が大きくなり、それも一緒に請求されることになるため、返済の遅れを取り戻すことが非常に難しくなってしまいます。

3. 度重なる多額の借金で借入残高が一気に増える

最後に度重なる多額の借金の必要性に迫られ借入残高が一気に増えることにより返済できなくなることも考えられます。

その原因は色々ありますが、たとえば失業により生活の糧になる収入が途絶え、貯金もほとんどない場合には、再就職までの毎月の生活費を丸々借金により賄うことになるため、借金の額は短期間のうちに一気に増えてしまいます。

また、結婚することにより、結婚式費用、転居費用、家財道具の購入費用など多額の出費が重なることにより一気に借金を増やしてしまうこともあります。

このように短期間のうちに借金の額を一気に増やしてしまうと、気づかないまま自身の返済能力の限界を超えてしまい返済できなくなってしまいます。

借金を返済できないときに起こること4個

1. 遅延損害金の発生

約束どおりの返済ができなくなったときに起こることの1つは遅延損害金の発生です。

遅延損害金とは、約束どおりの返済ができない場合に、通常、その時点の残元金全額に対し一定の利率に従い(多くは年20%)、元金と利息とは別にいわば延滞料として追加請求されるものをいいます。

この遅延損害金の発生は特に元金が多額の場合にはかなり返済の負担を大きくする要因になります。

たとえば、遅延損害利率20%、元金100万円の場合、1か月返済が遅れることにより、遅延損害金は約1万6000円になりますから、その支払だけでも大変です。

2. 貸金業者からの督促

借金が返済できなくなったとき貸金業者は当然のことながら借主に対しその返済を求める行動に出ます。いわゆる貸金業者からの督促です。

この督促は通常最初は電話での口頭連絡であり、この段階では、まだ遅れている分割返済を求められるにとどまります。

しかし、それでも返済をしないと、ついに分割返済ではなく、その時点の残元金の一括支払を求められることになります。

これは、多くのローン契約では約束どおりの分割返済ができなかったときには、その時点の残元金を一括請求することができるとの条項が付されているからです。この条項のことを「期限の利益喪失条項」といいます。

ここでの期限の利益とは要するに残元金を分割して返済していけばよいという借主に利益となる返済条件を意味し、約束どおりの返済ができないとその利益を失って一括支払しなければならなくなるということです。

3. ブラックリストに登録される

借金の返済をしなくなり、そのまま2か月〜3か月ほど放置してしまうと、いわゆるブラックリストに登録されてしまう可能性が非常に高くなります。

このブラックリストに登録されてしまうと、その後、約5年間、新たな借金を申し込んだとしても、その審査に落とされてしまう可能性が極めて高く、結果として、借金することができなくなってしまいます。

4. 法的措置(支払督促・訴訟・強制執行)を講じられる

借金を返済できなくなったときに起こる極致は法的措置を講じられることです。

具体的には裁判所の手続である支払督促・訴訟提起により借金の返済を命じられ、それでも返済しない場合には、不動産、給料の差押により強制的に財産を奪われ借金を返済することになるのです。

特に不動産を所有していない場合でも勤務先を知られている場合には、給与の差押により本来受け取るべき給料の4分の1が借金の返済に自動的に充てられ、勤務先に借金トラブルを抱えていることがバレてしまうばかりか、生活するためのお金が足りなくなり困ってしまうのです。

借金が返済できないときのNG行動3個

1. 貸金業者の督促を無視すること

借金が返済できなくなると貸金業者から督促されることになります。

この督促を無視すると先に説明したとおり、ブラックリストに登録されたり、法的措置により給料等を差し押さえられてしまったり、重大な不利益を被ることになります。

貸金業者は督促に対し誠実に対応する借主であれば、協議の上、返済の負担を軽減するなどの対応をしてくれることもありますから、とにかく督促を無視することはNGです。

たしかに、督促を無視し続けることにより、いつしか時効になり借金を返済しなくて済む場合もあります。

しかし、時効が完成するには5年〜10年の長い期間を要しますし、その間、遅延損害金はどんどん膨らんでいきます。時効は法的措置を講じられることによりカウントがリセットされますから、もしそうなれば自己破産以外の債務整理ができない事態になりかねません。

2. 返済のための借金をすること

次に、借金の返済ができないために、返済資金を借金することも極力避けるべきでしょう。

なぜなら、返済のための借金により毎月の返済額は更に増え、この負の連鎖を食い止める家計の劇的な改善が見込まれない限り、ついには新たに借金することができなくなり、結局返済ができなくなるからです。

しかも、その場合には、最初に借金の返済ができなくなったときよりも多額の借金を抱えてしまうため、自己破産するほかなくなってしまうことも少なくありません。

いわゆる多重債務の問題のほとんどはこの返済のための借金を繰り返すことにより生じているといっても過言ではありません。

3. 闇金融に手を出してはいけない

最後は少々特殊ではありますが、闇金融に手を出すことは絶対にNGです。闇金融とは貸金業の登録なく法外な利息の支払を要求する違法業者からの借金です。

一旦闇金融に手を出してしまうと、ほぼ必ず法外な利息の支払に対応することができず執拗かつ悪質な嫌がらせを受け、ときには勤務先や家族など自分以外の人たちにも多大な迷惑をかけることになります。

借金を返す・減額するための解決方法3個

1. 借金する前にしっかりと返済の見通しを立てる

クレジットカードやカードローンを利用した借金の場合には、特に利用可能額の範囲内ではいつでも自由に借金することができてしまうため、ついつい具体的な返済の見通しを立てないまま借金してしまいがちです。

しかし、このような無計画な借金をしていると余程安定した高収入が約束されている人でない限り、将来返済に困ってしまう危険が極めて高いです。

借金をする前に借金しないように貯金しましょう。また、本当に借金をしてまで必要な支出であるのか、自身の収入に照らして余裕をもって返済していけるのか慎重に検討してください。

こうした借金に関する具体的な計画を検討することが借金の返済に困らないための第一歩であることを肝に銘じておきましょう。

2. おまとめローン

それでも実際に借金の返済に困ってしまったときには、少しでも返済の負担を軽くするためにおまとめローンを検討することが考えられます。「おまとめローン」とは、複数の業者から借りているローンを1つの業者のローンにまとめることです。

たとえば、4社の貸金業者から各50万円ずつ合計200万円借金し、月返済は各1万5000円、利息の支払額は各7500円とすると、月の返済総額は6万円、利息支払総額は3万円です。

これを1社から金利10%、月4万円返済の条件で200万円を借りることができれば、月の返済総額は2万円減額、利息支払総額は1万3000円程減額できます。

ただし、借金の返済に困っている状態では、おまとめローンの審査に落ちてしまう可能性がそれなりにあるため、結局、おまとめローンを利用することができず、借金問題は解決できない場合があることには注意が必要です。

3. 債務整理

借金問題を自力では解決できそうにないときには弁護士等に依頼して債務整理をしましょう。

債務整理の方法は任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。

「任意整理」は、いわゆる払いすぎの利息を調べた上で残元金を確認し、原則、その将来金利をカットの上、3年〜5年の期間の分割返済をしていく手続です。

「個人再生」は、裁判所を通じて借金の総額を大幅に圧縮して3年〜5年の期間の分割返済をしていく手続です。

「自己破産」は、裁判所を通じて借金の総額をゼロにしてもらう手続です。

債務整理をすると必ずブラックリストに登録されることにはなってしまいますが、借金問題を解決するための一番確実な方法でもあるため、実際にするかどうかは別として、借金トラブルを抱えた場合には一度弁護士等に相談するのがよいでしょう。

まとめ

借金を返済することができなくなるのは、無計画に借金してしまう、利息の支払の負担が大きく元金がほとんど減らない、多額の借金を重ねて行ってしまうことが原因です。

借金が返済できなくなると、遅延損害金が発生し、業者から督促され最悪、給料などが差押えられてしまいます。また、3か月ほど借金の返済を怠ればブラックリストに登録され将来のローンの審査に支障が出ます。

借金の返済に困ったときにすべきではない行動としては、業者の督促を無視し放置すること、返済のために新たに借金すること、闇金融に手を出してしまうことなどが挙げられます。

借金の返済に困らないためには何より借金しないよう貯金することや、借金する前に慎重な返済計画を立てることが大切です。

そして、もしも借金の返済に窮してしまったときには、おまとめローンを検討したり、弁護士等に相談した上、債務整理の手続をとるようにしましょう。

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