昔買ったお守りをずっと部屋に飾っている、持ち物に付けっぱなしにしているという方は少なくないでしょう。古いお守りは持ち続けるのではなく、正しい方法で返納するのが良いとされています。
そうはいっても、いつまでに返納すれば良いのか、購入したのと違う神社に返しても良いのか、記念にとっておくことはダメなのか、など疑問は多いでしょう。
今回は、古いお守りを返納するタイミング、正しい返納の仕方、返納に関する疑問点などを徹底解説していきます。
お守りは返納するべき?
お守りは、古くから「ご神像」として崇める存在だったものです。お守りのことを「1個、2個」ではなく「1対、2対」と数えるのが正しいように、神聖な力が込められた特別なものになります。
そのような縁起物を、燃えるごみとして普通のゴミと一緒に捨てるのはあまり良いことではありません。「捨てる」「処分する」といった感覚ではなく、今まで守ってくれたことに感謝の気持ちを込め、神様のもとに「お返しする」という考えが大切です。
最後までお守りを大切に扱い、きちんと正しい方法でお返しするようにしてください。
お守りを返納するタイミングは?
古いお守りをずっと返納せず、家にいくつものお守りを溜め込んでしまっている人もいるでしょう。お守りはいつ頃返納するのが良いのでしょうか。
■お守りの有効期限は1年!
一般的に、 お守りを授かってから1年おきに交換するのが良いと言われています。
1年間維持したお守りはその分の厄を受け、神様、仏様が持つ力が弱くなってしまうそうです。また、古いお守りを長く持つと、厄を受けつづけたお守りに汚れが溜まるという説もあります。
厄を手放し、リセットして良い気を呼び込むという意味でも1年周期で交換するのが良いでしょう。1年はあっと言う間ですので、交換するタイミングを計画立てることも必要です。
■お守りが役割を終えたときに返納する
お守りに祈願したお願い事が叶ったとき、また、出産や合格祈願などお守りが役割を終えたときなどは、そのタイミングで手放すのがおすすめです。
安産、受験、就職、病気の回復など、神様、仏様に頼りたいという気持ちからお守りを求める方も多いでしょう。
これらの行事をつつがなく終えたとき、お守りが役割を終えたときは、1年未満であっても感謝の気持ちを込めてお守りを返納してください。
■古いお守りを持ち続けるのはOK?
古いお守りを願い事が叶った記念にとっておきたい人、また、デザインが気に入っていて手放したくない人もいるでしょう。しかし、古いお守りをいつまでも持っていることはおすすめしません。
日本には「常若(とこわか)」という言葉があります。常若の精神とは、繰り返し再生することで、若々しさや新鮮さを保つことです。お守りに関しても、常に若々しく新しい力がこもったものに交換するべきだと考えられています。
若々しく生命力に満ち溢れているお守りに守られることによって、新しい良いものが到来すると考えられているのです。
一年はあくまで手放す期限の目安ではありますが、いつまでも古いお守りを持ち続けていることは避けたほうが良いでしょう。
お守りの正しい返納の仕方
では、具体的にどのような方法でお守りを返納すれば良いのでしょうか。お守りの正しい返納方法を4つ紹介します。
■お守りを授かった神社・お寺に返納する
お守りは、購入した神社やお寺に返納をするのが通常です。お守りを購入したところへ返納するために、直接出向きましょう。
神社やお寺には、「古札納所」と言われる、お神札やお守りを納める場所があります。お正月期間のみ設置している神社やお寺もあるため、古いお守りの返納を受け付けているか、事前に確認してください。
お守りを返納する際、六曜は気にしなくても大丈夫です。仏滅の日に返納したから不吉なことが起きる、神様に失礼に当たるということはありません。自分が返納に出向けるタイミングで、お守りを返しに行きましょう。
■違う神社・お寺に返納する
お守りを購入した神社・お寺が遠方の場合、頂いたところに出向いて返納するのが困難なこともあるでしょう。その場合は、近隣の神社やお寺で返納しても問題ありません。年末行事のお焚き上げなどに出しても良いでしょう。
ただし、中には他の神社のお守りの返納を受け付けていないところもあります。宗派の違うお守りや、お寺のお守りを神社に返すことをなどに対応していない可能性があるのです。
お守りを返納する際は、違う神社のお守りをお返ししても良いのか、事前に確認するのが無難でしょう。
■どんと焼きに出す
神社や地域でどんと焼きや左義長を行っている場合、古いお守りをお焚き上げすることもできます。
どんと焼きは、正月15日を中心に行われる火祭りの行事です。松の内まで飾っていた松飾りやしめ縄、書き初め、お守り、お神札などを神社や地域の広場、畑などに持ち寄って燃やします。
これは、燃やした煙と共にお見送りするという意味もあるものです。古いお守りに感謝の気持ちを込め、どんと焼きでお見送りするのも良いでしょう。
■郵送で返納する
神社やお寺によっては、郵送でお守りの返納を受け付けているところもあります。いきなり送るのは失礼にあたりますので、郵送する前に連絡を取り、返納することをお伝えし確認してから郵送しましょう。
郵送する際は、感謝の気持ちと依頼内容が確認できるように丁寧な文章を添えてください。一般的には、現金書留で「お焚き上げ料」を同封するのが礼儀です。お寺では「燃焼料」と呼ばれます。
金額に決まりはありませんが、お守りと同額程度を包む人が多いです。郵送するときは、お守りを半紙などの白い紙に包んでから同封すると良いでしょう。
お守りを返納する費用は?
お守りを返納するときには、お納め料(お焚き上げ料)を一緒に納めましょう。神社やお寺によって、金額が決まっている場合、無料で行っている場合、とくに金額が明記されず、「古札納所」の近くに賽銭箱が置かれているケースなどがあります。
金額が決まっていない場合は、 100円〜お守りと同等程度の金額を納めるのが一般的です。無料の場合も、今日まで守ってくれた感謝の気持ちを示すため、お礼参りのお賽銭で示すのが良いでしょう。
お焚き上げは、供養するものによって金額が決まっていることが多いです。お守りだけでなく、お札や人形、神具・仏具と一緒に依頼する場合は、必要なお焚き上げ料を確認してください。
お守りの返納はいつまで?期限はある?
お守りをいつまでに返納しないといけない、という厳密な期限はありません。例えば、お守りを元旦に購入したからといって、1年後の元旦に必ず返納しなければならない、と焦らなくても大丈夫です。
お守りの返納で大切なのは、古いお守りに感謝を込め、最後まで大切に扱うことです。自分の足で赴いて返納し、お礼参りをすることが最も良いとされています。1年の期限を優先するより、それを実現できる日に返納するのが良いでしょう。
特に、安産祈願や合格祈願など、目的がはっきりしたお守りの場合は、きちんとお礼参りできるタイミングでお返しするのがおすすめです。
お守りを返納したくない場合は?
古いお守りに思い入れがあったり、わざわざ遠方に行って購入したりした場合は、記念にとっておきたい人もいるでしょう。どうしてもお守りを返納したくない場合は、以下の方法を参考にしてください。
■お守りの中身だけ返納する
お守りの外袋が気に入っていて、返納するのをもったいなく感じる場合もあるでしょう。美しい刺繍がされていたり、デザインが可愛かったりすると、手放すのが惜しくなってしまいます。
その場合は、お守りの中身だけ返納するのでも構いません。お守りに込められた神聖な力は、
神様が宿る「依代(よりしろ)」と呼ばれる小さなお札に入っています。
元々昔の人は、お守り袋を自分で用意し、中のお札だけを頂いていたそうです。よって、どうしても外袋をとっておきたい場合は、中のお札だけ返納してください。
■自宅で丁寧に保管する
手元にきてから1年程度でお守りの効力は薄れていきますが、お守りを返納するための厳密な期限はありません。状況に応じて臨機応変に自宅で保管することもできます。
本来お守りのご利益を得るためには、身に付けたり持ち歩いたりするのが望ましいです。しかし、1年経って役目を終えたお守りの場合は、丁寧に保管しておくのが良いでしょう。
お守りを白い紙に包み、神棚や仏壇などに仕舞っておくのがおすすめです。神棚や仏壇がない場合は、目線より高く清潔に保てる場所に保管すると良いでしょう。
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■お礼参りに行く
願いが叶った場合も、叶わなかった場合も、お守りに宿る神様は常にあなたのことを見守ってくれました。お守りを返納したくなくても、その感謝の気持ちを込めてお礼参りに行くのがおすすめです。
神社に直接お参りができない場合は、自分の気持ちを記した手紙を郵送しても良いでしょう。
目的があって購入したお守りの場合は、お守りが役目を終えてからなるべく早くお礼参りに行くのが望ましいです。
お守りを自宅で処分する方法
どうしても返納できず、お守りを自宅で処分したい場合は、「供養する」という意味でお守りを燃やすことが必要です。
焼却する際は、お守りをお清めしてから処分しましょう。お清め方法については以下のとおりです。
① 白い紙にお守りを置く。(半紙や和紙だと火が着きやすいので、自分で燃やす際におすすめ)
② お守りと一緒に塩をひとつまみふりかけ、白い紙でお守りを包む。
③ チャッカマンなどで火をつけ、感謝の気持ちを伝えながら灰になるのを見届ける。
狭い場所でのお焚き上げは危険です。安全な場所を確保し、火が消えるまで、目を離さないようにしましょう。燃やす場所がない場合は、正しくお清めしてから燃えるゴミに出してください。
まとめ
お寺や神社で購入したお守りは、購入してから1年程度で返納するのがおすすめです。結婚、出産、受験等、期限があるものは、そのイベントが過ぎたら返納すると良いでしょう。
大切なのは、感謝の気持ちを込めて神様にお返ししようとする真心です。期限や正式な返納方法にこだわりすぎず、自分が最も丁寧にお守りをお返しできるタイミング、方法で返納してみましょう。
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