国によって、神様として敬うものは異なりますが、信仰する心構えは万国共通です。日本人は、自宅や会社に神棚を設けて、安全を祈願し、日頃の感謝を伝える場として神棚を設置します。
そこで、神棚を設置する場合のお供えするものや、置き型の順番などについてまとめたので、ご紹介します。
神棚の意味や役割とは?
神棚は、神様の力が宿る場所とされています。神様は、お札を祀り神棚が設置されることによって、安全を祈願したり、不安なことを相談したり、感謝を伝える機会を作ることができるのが神棚です。
つまり、 神様をお迎えすることで、人生をより良くするためのものでもあります。
古来より、日本人にとって神様は自然の中にあるとされてきました。神棚の真ん中に祀るお札には、太陽の神様といわれる天照大神を祀るのも、自然と共存しなら、自然の持つ力を頂くことに感謝をしていたのです。
他にも、神棚を設置することで家内安全を祈願したり、事務所や会社などの商売繁盛を祈願したり、仕事をするうえで事故やトラブルに巻まれないようにご加護をお祈りするために、神棚を設置するのです。
1日の始まりに、手を合わせることで、どんなに慌ただしくても、心を落ち着かせる効果が期待できます。
神棚のお供え物にあげるものと量
神棚にお供えするものは、酒、水、塩、米、榊が必要です。
また、お菓子や果物などもお供えしても大丈夫です。神棚にお供えする酒や、水、塩やお米などですが、量が多ければご利益もあるというわけではありません。
基本的に 神棚にお供えしたものは、料理に使用し、食することが一般的です。また、お正月や成人の日などの記念日で食される、旬の食べ物などもお供えすると良いです。ただし、臭いがきつくないものであるということが条件となってきます。
お酒の種類や塩の種類についても悩まれる方がいると思いますが、塩に関しては、調味料に使用するさらさらした塩ではなく、天然の塩をお供えしましょう。塩は盛り塩にするのがよいとされていますが、天然の塩でないと盛り塩にできません。
酒については、紙パックや調理酒ではなく、純米酒と記載されているのや、お神酒と書かれたお酒も販売されているのでこちらを利用するのも良いです。お酒の量についても特に決まりはないので、出来る範囲で構いません。
さらに、水もお供えするのですが、水は朝一番蛇口をひねった時にでてくる水で量は8分目くらいにしましょう。お米は炊いたものではなく、生米をお供えします。
神棚のお供え物の順番・配置・置き方・並べ方
※上記画像は、2列と1列の場合のお供え物の配置図です。詳しい説明は以下をお読みください。
神棚にしている場所の広さにもよりますが、絶対に必要な酒、米、水の3つをお供えする場合、中央にお米、右手に塩、左手に水を配置します。
お酒と一緒にお供えする場合は、2つ方法があります。
2列で用意する場合の配置・順番
◯配置
神様に近い列の中央にお米、左右に酒を配置し、遠い列の右手に塩、左手に水をお供えします。
◯順番
神棚に近い真正面に米、2列目向かって右側に塩、2列目向かって左側に水をお供えします。
1列で用意する場合の配置・順番
◯配置
中央にお米、お米の左右に酒、一番右手に塩、一番左手に水をお供えします。そして、榊はお札の両脇に配置します。
◯順番
神棚の真正面が上位となり、お米をはじめにお供えします。次に、神棚に向かって右に盛り塩か塩を配置し、向かって左側に水を順番にお供えしてください。
神棚にお供えする葉っぱの名前は?
榊(さかき)と言います。ツバキ科サカキ属に分類されるもので、原産国はアジアが中心となっています。
榊は、本榊と榊に似ている姫榊と書いて、ひさかきと言われるものがあります。榊はひさかきに比べて、葉が大きいのですが、ひさかきは榊に比べて葉は小さく、葉っぱの周りがギザギザしているのが特徴です。
ただ、地域によっては、榊と言われるものが、杉や楠、ツバキなどもあり、神棚にお供えするものを全て、榊と言われていたという説もあります。
現在は、神棚にお供えするものは、全国でも杉や楠などはお供えせず榊が一般的となっています。ただし、関東ではひめかきをお供えすることが多く、関西では本榊をお供する傾向があります。なぜなら、関東地方から北にかけて本榊が育ちにくいとされ、姫榊を代わりに祀ってよいとされているからです。
神棚に魚をお供えする場合
釣りをされている方にとって、神棚にお供えをしたいという声もあります。基本に魚をお供えするのは悪いことではありません。ただし、神棚にお供えする場合、備え方が水や米、塩などとは異なる点があります。
まず、神棚に置ける場所があるか確認します。中心から真っ直ぐ手前に向かって線を引くイメージをします。次に、その線より向かって右側に魚をお供えする場合は、自分から見て魚の頭が左にくるようにお供えします。左側に魚をお供えする場合には、逆に自分から見て魚の頭を右にお供えします。もし、線の中心にお供えするなら、魚の頭は自分から見て右にお供えします。
神社でも、神様は中心をとおるといわれています。つまり、 真ん中が上位として考え、上位に頭を向けるという考え方からくるものです。そして、海の魚をお供えする場合、魚のお腹が神様に向くようにします。川の魚は背中が神様に向くようにします。
神棚に果物をお供えする場合
お供えの順序は神棚を奥に考え、手前に向かって線を引くイメージをします。配置は、中央にお米を配置し、順位の高い順に向かって右、左と配置していきます。
順位は、米→酒→餅→魚→野菜→果物→塩→水です。果物以外に花が咲く方が野菜の上位になるという考えがあります。
野菜や果物は、 その季節の旬なものをお供えするとよいです。季節の恵みに感謝する気持ちを込めて、お供えするようにしましょう。それから、お供えする果物は、見た目が綺麗なものを選定するようにしましょう。虫に食べられている物や、形が崩れているものでないものが良いです。できれば国産の果物をお供えするようにしましょう。
珍しい海外の果物などで、香料の強いものは控えるようにしましょう。果物は、種類によって痛みやすいものがあるので、痛みやすい果物はすぐに神棚から下ろしてください。神様は一瞬でエネルギーを吸い込むので長時間置かなくても大丈夫です。
神棚にお菓子をお供えする場合
頂いたお菓子なども神棚にお供えしてもよいです。賞味期限が短く、冷蔵しないといけないようなものであれば、お供えしてすぐに下ろしてよいです。
奈良や平安時代に中国から、お菓子の文化が広がり、甘くて美味しいお菓子は、貴重なものとして、特別な日だけ食することができる時代の名残があり、お菓子をお供えする文化も残っています。
神社などに奉納品として、お米やお酒や果物だけでなくお菓子も奉納されているのは、このような起源からの名残なのです。お菓子として神棚にお供えするものは、 珍しいお菓子より、地元の原材料などを使ってある和菓子などもよいです。できれば地元の名物をお供えするとよいでしょう。
会社の神棚にお供え物をする場合の注意点
会社の神棚は一般家庭の神棚とは異なります。会社の神棚は基本的に大きいものが良いです。祀り方は、一般的な神棚と同じように、北に祀り、南に向けるか、西に祀り、東に向けるようにします。
ただし、 神棚の背面や頭上、左右にトイレや階段がない場所に設置するようにしましょう。天井下くらいの高さに設置するのは、一般家庭と同じですが、神棚に向けて背を向けた座り方になる社員や上司、経営者のデスクを配置しないように注意してください。どうしても無理な場合は、神棚が真後ろにならないように配置しましょう。
また、お稲荷様を設置する場合は、神棚選びも異なるので、はじめに決めておく必要があります。お稲荷様にするなら、一般的な神社でいただくお札と異なります。他にも、お不動様、大黒様、恵比寿様は同じ場所にお祀りすることができません。
大晦日やお正月に神棚にお供え物をする場合の注意点
正月になると鏡餅を目にすることがあると思います。この鏡餅は正月の時期に神棚にお供えするとよいとされています。年明けてからではなく、年末の28日あたりに鏡餅を神棚に祀ります。
年末は師走といい、慌ただしくなりがちですが、31日にお供えするのはやめた方がよいです。一夜飾りといって、よくない飾り方の例とされています。なぜなら、新年においでいただく年神様に対し、礼に欠ける行為とされているからです。
つまり、 30日まで飾り終えるのが一般的で、28日を逃しても30日にお供えするようにしましょう。29日は、苦と通じているため、29日は避けた方が良いです。
お供え物を下げる交換頻度は?朝・夜?
お供え物をしたら、いつまでもお供えしておかずに下げることも大事です。たとえば、お米や塩、水に関しては、毎朝新しいものをお供えしたら、夕方には下げるとよいです。
もし、夜まで帰宅できない場合なども現代人にとってはありがちなことです。その場合、夜の帰宅後に下げればよいですが、いつまでもお供えしておくことに抵抗があるなら、朝起きてからお供えをして、支度などをして家を出るときに一緒に下げても大丈夫です。出張や旅行などで長期間、家を空けるときもこの方法を取り入れると良いでしょう。
お供え物の処分方法は?食べる方がいい?
神様にお供えしたものは、基本的に食べましょう。
お酒や塩は調味料として使用し、お米は炊いて食べるとよいです。ただし、水は飲まずに庭の水やりとして一緒に撒くか、玄関先に撒くとよいでしょう。塩も同様に料理で使いきれない場合は、塩を玄関先に撒くのもよいとされています。
他にも果物や魚、野菜やお菓子なども同様に食べる様にしましょう。ただし、こちらも、お供えした状態が良かった品物が、お供えしている間に傷んでしまったり、味が落ちてしまうようなときは、無理に食べなくても大丈夫です。この場合は、破棄するとよいです。
昔は、人間が食べられなくても動物や鳥、魚の餌にして食べものを無駄にすることはなかったようですが、庭に生ごみが置いてあったら近所も迷惑に思うので、今はゴミとして分別しましょう。それでも抵抗を感じる人は、白紙にお供え物を包んで、処分するとよいです。
基本的には、お供え物を食べると良いとされていますが、絶対食べなくてはいけないものということはありません。
神棚のお参り・参拝方法
神社で手を合わせるのと同様に、神棚にお参りする正式な方法は 「二拝二拍手一拝」が基本となっております。神様の位で最も高いとされているのが、二礼四拍手一礼とされています。一般家庭の神棚は、二拝二拍手一拝でよいです。
まず、神棚にお参りする前に洗顔と口をゆすぎ、手も洗います。それから、軽く衣服を正し、神前に進み立ち、軽く頭を下げ、その後深く2度お辞儀します。これが二拝です。それから、2回手を叩いた後、1度深くお辞儀をして、最後に軽く頭を下げて一歩下がるという方法が二拝二拍手一拝のやり方です。
さらに丁重にお参りする際は、まず二拝してから祝詞を奏上し、その後に二拝二拍手一拝を行うという方法もあります。1日の始まりに、心を落ち着かせ、家族の健康と安全を祈願するために参拝します。
また、祈願だけでなく、日々の感謝の気持ちを込めるのも大事です。基本は、気持ちを込めることに重きを置くようにしましょう。ちなみに、神棚へのお参りの前に、食事を摂ることはしません。1日の始まりは、神様への挨拶からスタートします。
神棚でやってはいけないことは?タブー10選
■1. ほったらかしにする
神棚を揃えたけど、挨拶もしないし、お供え物もしない、お札も何年もそのままであるというほったらかしの状態は、神棚に対してやってはいけないことのひとつです。
■2. 掃除をしていない
神棚は家を守ってくれる神域でもあり、日頃から掃除をすることが重要となってきます。例えば、毎朝神棚のお供えをする際に、榊の葉っぱが落ちたままになっているのも、ホコリが落ちているのもよくありません。
■3. 神棚より高い位置に部屋や物がないこと
神様より上に人が通ることはいけません。ただ、神棚を1階のリビングに祀った場合、和紙などに雲を記して天井に貼ることが勧められていますが、これを行っていない状態で2階の部屋を人が通るなどは、神棚に対してやってはいけないことです。
■4. 関係ないものを置く
神棚のお供え物は決まっています。お札とお供えもの以外のもので、大事なアクセサリーやお金、宝くじなどを置くのも良くない行為です。神様と関係ないものを置くことは、おすすめできません。
■5. 神棚の下を人が通る
神棚を設置する場合、部屋と部屋の間や人が行き来するような廊下などに、神棚を設けることはいけません。なぜなら、神様が落ち着かない状態であるといわれているからです。
■6. お供え物を交換していない
神棚には、水、酒、塩、米をお供えします。ただし、酒に関しては、置く場所がなければ無理に置かなくても大丈夫です。水と塩と米はお供えすることが大事なのですが、一切お供えをしていないのはいけません。お米や塩を毎日お供えするのが難しくても、水だけは毎日交換しなくてはいけません。
■7. 榊の水を交換していない
榊は、毎月1日と15日に交換することが基本的です。難しい場合は1日だけでも大丈夫だといわれていますが、水の交換はこまめにしないといけません。榊が水を吸って水がなくなることもあります。ですから榊の水の交換をしないというのはいけません。
■8. 仏壇と向き合わせにしない
基本的には、神棚と仏壇を同じ部屋に置いても大丈夫です。ただし、神棚と仏壇を向き合わせにすると、手を合わせる際、片方にお尻を向けてしまうことになります。この理由から、神棚と仏壇を向かい合わせに配置してはいけないということです。
■9. 方角を無視して設置すること
太陽は東から日が昇り、西に沈みます。また、天皇などの偉い方は南を向くといわれているため、神棚の向きは東か、南と決められています。そのため、神棚は方角が決められているのですがこれらを無視して、適当に祀るのはいけません。
■10. 水の代わりにお茶はお供えしない
お水の代わりにお茶をお供えする人もいますが、基本的に水をお供えしましょう。基本的には、未調理のものをお供えするのが一般的です。なかには、お茶をお供えしても良いという考えを持っている方もいるので、信仰している神社の神主さんに尋ねるのもよいですが、基本的には、お水にしましょう。
まとめ
新築で引っ越しを期に、家族を持つタイミングで神棚を設置しようとする方もいると思います。神棚は、飾りではないので、取り付けた後もほったらかしにしてはいけません。
また、取り付ける際、注意しなくてはいけないこともあり、大変だと思うところもあると思いますが、安全と幸せはその積み重ねからくるものなのかもしれません。
より良い人生を送るために、神様という存在を身近に取り入れられる神棚のある生活をするうえで、お役に立てれば光栄です。
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