星占いが好きな方のほとんどが、石井ゆかりさんのお名前を聞いたことがあると思います。
数々の雑誌やWeb、携帯コンテンツなどで執筆中の超売れっ子な占星術ライターさんです。
そして、そのお名前でWeb検索をかけると、公式サイトとして上がってくるのが『筋トレ』。
「星占いなのに筋トレ???」
思わずハテナがいっぱい付いてしまいます。
今回はそんな石井ゆかりさんについてご紹介してみたいと思います。
とは言え、石井ゆかりさんとは直接の面識はなく、お友達ということではございませんので、あくまでも「石井ゆかりさんの1ファンが勝手に語る」という捉え方でお願いいたします。
石井ゆかりさんとは
6月29日生まれの蟹座さん。
2000年から星占いサイト『筋トレ』を立ち上げ、インターネットを通じ無料で個人鑑定を開始(現在、個人鑑定は休止中)。『筋トレ』は述べ1億アクセス、ほぼ毎日「今日の占い」をつぶやいているTwitterのフォロワー数は22万人を越えるという、大人気のライターさんです。
個性的で独創的な高い文章表現力と、独特な比喩表現や語り口調の文体がとても魅力的で、占いというよりも、石井さんご本人にハマる読者も多くいます。
著書に『12星座シリーズ』、『星読み ホロスコープなしでわかるあなたの運勢』など数多くあり、2006年からは下半期の星占い『星栞』や、『星ダイアリー』を毎年刊行、星占い関連以外の分野でも多くの著書を出版していらっしゃいます。
特に『12星座シリーズ』は、子供に読ませたいとの多くの声から生まれたジュニア版や、海外でも出版されており、120万部を突破する大ベストセラーとなっています。
その他、様々な雑誌の星占いコーナーやWebコンテンツ、星占い関連のトークライブなどをなさっています。
占いを始めたきっかけは?
子供の頃から占いに特別な興味をもっていた…というわけではなく、始めたのは大人になってから。
そのきっかけというのが、23歳のとき、長くお付き合いをしていた彼氏さんから「他に好きな人ができた」とフラレた事。その元カレが好きになった相手の女性が、星占いができるらしいと聞き、「星占いができるってなに? その人にできるのなら自分にもできるはず! 」という、ある種の対抗心から興味を持ち、調べてみたところ、『星占い』にはルールがあり、勉強さえすれば誰でもできるのだということを知ったのです。
そこから、星占いの本を買い、やってみたら面白くてハマってしまったのが始まりなので、とくに占いの師匠がいるわけではなく、全てお独りで学ばれたそうです。本を読んで遊びながら学ぶという感覚は、言ってしまえば石井さんの星占いを楽しみにしている私たちと、同じだったのかもしれません。
占星術師というと、ちょっと神秘的なイメージを持ちがちですが、良い意味でとても庶民的というか、身近に感じさせてくれるエピソードですね。
石井さんはライターであり占い師ではない?
星占いの道を切り開いていらっしゃるかのように見える石井さんですが、ご自身としては『占いの道』に入ったつもりはなく、占い師と名乗ったこともないそうです。
ご自身のサイト『筋トレ』も、もともとは星占いだけのサイトにするつもりではなく、いろいろな趣味が詰まったサイトにしようと思っていたところ、「占いの記事を書いてもらえませんか?」というオファーが入るようになり、気づいたら今の形になっていたのだとか。
ではいったい何者なのか?
ご本人いわく「文章を書いて食べて生きたい」という気持ちが強く、その延長線上に『占い』があったそうで、常に『占い』をやっているご自身に疑問や違和感を持ちつつ、普段はあくまでも『ライター』と名乗っていらっしゃいます。
そうは言っても、我々聞き手、読み手からするとやはり『人気の占星術師』という感覚なわけですが、講演会などで「(占い師の)先生」と呼ばれると、「石井さん」か「ゆかりさん」と呼んでほしいと訂正なさるくらい、いまだに『占い師』と名乗るのも、『先生』と呼ばれるのも苦手なのだそうです。
星占いで『筋トレ』って?
『筋トレ』というのは先にもお伝え致しましたとおり、石井さんの星占いサイトです。そしてこのサイトに初めて辿り着いた誰もが「星占いで『筋トレ』?」と思うことでしょう。検索で見つけたら、「星占いと筋トレを融合するなんて、ステキで画期的なエクササイズ! 」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
占星術ライターとしてご活躍以前は、IT関連の会社でWebプログラマーをなさっていた石井さん。いろいろなご都合により退社した後に、空いた時間で「ホームページでも作ろうかな」と思い立ち、人が見に来てくれるコンテンツを幾つか考えた中の1つとして『星占い』を思いつきました。
ご自身いわく、あまり人付き合いが得意ではないそうで、
サイトの利用者と上手にコミュニケーションをとるにはどうしたらよいか
↓
占いなら、みんな悩みを相談してもらえるのではないか
↓
その悩みを聞いて、一緒に悩んだり迷ったりしながら、「人間力のトレーニング」と「文章のトレーニング」ができるんじゃないか
というところから、人間力と文章の『筋トレ』という意味で名付けられたのだそうです。
また、「本当に筋トレしたい人が間違って来てくれないかなー」という気持ちも少しはあったのだそう。実際に「ダイエットしようと思って『筋トレ』で検索したら、いつの間にか星占いを読んでいた」という読者さんも多いようです。
石井さんならではのお茶目なネーミングセンスですね。
文体と文章力が魅力的
石井さんの占いを読むと、その文体がとても独特だということに、誰しもが気づくはずです。
一般的に占いの言い回しは「今日の○○座は恋愛運が絶好調!ステキな出会いがあるでしょう」というものが多いと思います。そしてそれを見た占い好きな読者は、「ステキな出会いがあるかもしれない」と、その日1日、少なからず出会いのアンテナを立ててしまうことでしょう。
しかし、占いに頼る形で読者の行動を制限することに疑問を持っていらっしゃる石井さんは、そういうった具体的に予言をするような書き方はしません。
結果として抽象的な文章になり、読者から「逃げないでハッキリ言ってください」や「無責任じゃないですか?」と言われることもあるそうですが、逆に言えば責任感があるからこそ抽象的で断言しない文章になるのではないでしょうか。
ただ占うだけでなく、文章にして不特定多数の人に読んでもらうという発信者である限り、その言葉(文章)には責任が生まれます。
ですから、発信者として責任が取れる範囲での占いを書いていらっしゃるのですね。
ネガティブなことは書かない
占い師の中にはとても上から目線の命令口調で、「○○しなさい!」「○○しなければなりません!」中には「私の言う通りにしなければ、ひどい目に遭うわよ!」などと、脅迫まがいの言葉を発したり、書いたりする人も少なくありません。
前出のとおり、石井さんの星占いは予言のようなことはせず、語りかけるような口調で書かれており、女性が読んでも、男性が読んでも違和感のない、占いではこんな感じに出ているけど、それに依存することなく「考えるべき部分は自分でしっかり考えなさい」と、身近な人にアドバイスを受けているような気分になります。
そして、その内容は常にポジティブにとらえられる言葉です。
以前、星占いを料理にたとえていらしたのがとても解かり易かったので、簡単にご紹介します。
料理本には「美味しいレシピ」だけが書かれています。
わざわざ「まずいレシピ」を紹介することはありません。
星の時間は私たちのための「材料」のようなものなので、「いい日か悪い日か」ではなく、「今日という素材を、どう料理して食べたらおいしいか」と考えています。
なるほど!
人によって好き嫌いはあるにしろ、どんな食材も基本的には調理すれば美味しく食べることができるように、星占いも一見悪いと思われることであったとしても、捉え方ひとつでポジティブに受け止められるということなんですね。
実際、石井さんがお書きになっている、それぞれの星のこと、星座のことを一通り読んでみると、一般的に語られているそれぞれの星座の持つ特徴…特にあまりよくない部分なども、「そうだったのか」と愛おしく感じることができます。
そうすると、星座同士の相性などもどうでもよくなって、「あの人は○○座だから私とは合わない」などという、短絡的な考えだけで人との付き合いを切り捨てることもなくなり、むしろ「あの人は○○座だから、こんな感じに接していけば、いい感じに仲良くなれるかも」と、苦手な相手であっても受け入れたくなってきます。
もしかすると、そういった部分も石井さんが『占星術師』ではなく『ライター』であるという、こだわりなのかもしれません。
『占い』は、ない方が良いもの
「占いというものは、本来人間が生きていく上で、あってはならないものだと思っています。」これは石井さんがよくおっしゃる言葉です。
人は本来、自分に起こった出来事や人を、自身の目で見て、頭で考えて、行動しなければなりませんし、それができる生き物です。
ですから、実際に体験したり経験するべき出来事を、『占い』で先に知ってしまうということは、事前に予防線を張ってしまい、人としての学びが減る…というよりは、たとえ学んでも、あまり身につかない可能性があるということになります。
石井さんご自身、当たるという立証も検証もされていない『占い』を語ることに対して、いつも恥ずかしさと、情けなさと、申し訳なさを感じていらっしゃるそうです。
また、「占いはタバコやアルコールと同じようなもの」ともおっしゃっており、そのパッケージにあるように、占いにも「あなたの健康を害する恐れがあります」と貼り、「占いなんて使うと、自分で考える力が弱くなりますよ」と言わないといけないと思っているそうです。
ただ、人は弱い生き物でもありますから、自分や将来への不安から、少しでも未来を事前に知ることができたら、幸せになれるのではないか?と考えてしまうもの。占いも、中毒症状を起こしたり、依存したり、自分の未来を決めつけない程度に、楽しむことができたら良いのかもしれませんね。
まとめ
石井ゆかりさんの占いは、たしかに抽象的かもしれませんが、気持ちに嘘がなく魅力的です。その文章を読むと、優しい気持ちになれるというか、自分が良い人間になれる気すらします。断定的な強い占いに疲れたら、石井さんの占いを読んでみてください。