DV男と交際している女性の話を聞くと、「なぜ付き合ってしまったんだろう」「なぜ別れないんだろう」「そもそも付き合う前にわからなかったのか」などと思うかもしれません。
しかし、DV男はあなたが思う以上に周到で、巧みなテクニックで女性を手中に収めていきます。あなたもDV男に捕まる可能性はあるかもしれません。
そこで今回は、DV男の心理と特徴を徹底解説!DV男の見分け方と、出会ってしまった場合の対処法から別れ方まで伝授します。
DV男の意味とは?
DV男とは、言葉の通りDV(ドメスティック・バイオレンス)をする男性を意味します。DVとは親しい人に行う暴力行為で、身体的暴力のほか、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力、社会的暴力があります。
殴る蹴るといった目に見える暴力はもちろん、モラハラやセックスの強要、避妊の拒否、極端な社会生活の制限や金銭への依存など、さまざまな方法でパートナーを苦しめるのがDV男の特徴です。
しかし、DV男は普段自分の本当の姿を隠しています。表向きは一見穏やかで、むしろ控えめで目立たないタイプが多いです。DV男が酷い暴力を振るうのは、パートナーといった限定した対象のみで、しかも2人きりのときに行われます。そのため、酷いDV男でも周囲からは認知されず、実際に被害に遭うまで非常にわかりにくくなります。
DV男の比率・割合
DV男の比率や割合を正確に出すのは非常に難しいです。なぜならば、DV男は自分の暴力をひた隠しにし、仮に指摘されても否定し、狡猾に周囲を騙すからです。そのため、実際にDV男がどの程度存在するのかは、被害者側の主張から推測するにとどまります。
平成30年に内閣府男女共同参画局から発表された「男女間における暴力に関する調査報告書」では、以下のような結果が出ました。
以下引用
◯配偶者からの暴力の被害経験
女性の約3人に1人、男性の約5人に1人は、配偶者から被害を受けたことがあり、女性の約7人に1人は何度も受けている。
◯命の危険を感じた経験
被害を受けたことのある人の約9人に1人、そのうち女性の約7人に1人は命の危険を感じた経験がある。
◯交際相手からの暴力の被害経験
女性の約5人に1人、男性の約9人に1人は、交際相手から被害を受けたことがある。
出典:男女共同参画局
今は交際経験のない男性が増えているので、男性全体に占めるDV男の割合とは乖離するでしょうが、実際に交際に発展した場合、あるいは結婚した場合、DVをしてしまう男性の割合は20~30%程度で、推定3%は被害者が命の危険を感じるほど酷いDV男だと推測できます。
この結果から、DV男は多数派ではありませんが、特に珍しい存在ではないことがわかります。
DV男の心理は?なぜ?
DV男はなぜ大切なはずのパートナーに酷い暴力をしてしまうのでしょうか。その原因の多くは生い立ちにあります。DV男は親がDVだったケースが少なくないのです。
幼少期から当たり前のようにDVを見ていると、「パートナーに暴力を振るうのは普通のこと」「愛があるから相手を守っているだけ」「暴力をふるわれるのは、一生懸命な愛に充分応えていないからだ」と、歪んだ愛情表現が植え付けられてしまいます。愛情表現をDVでしか表せなくなってしまうのです。
そのため、大人になってから恋愛や結婚をすると、パートナーに支配的になります。しかし、「これでいいのだ」という思いと、「パートナーが嫌がって逃げるかもしれない」という思いが葛藤を生み、自分を正当化するために益々DVでパートナーを従わせようとしてしまうのです。
DV男の特徴3個[顔・見た目]
被害に遭う前にDV男を見分けるのは困難ですが、それでも女性に平気で酷い行動をとる異常さは隠しきれるものではありません。DV男には通常時でもさまざまな特徴があります。まずは、DV男の顔や見た目の特徴から解説していきましょう。
■1. 目が冷たい
DV男は一見穏やかで優しい印象ですが、目が冷たいのが特徴です。笑っているときでも、目じりがあまり動きません。いつでも冷静に周囲を観察し、自分の獲物を探しているため、視線は鋭く冷ややかです。
「この人、笑ってるんだけど、なんだか怖いな…」と思うなら、あなたの直感がDV男を見分けているのでしょう。言葉や行動が優しくても、目が冷たくて本能的に怖さを感じるならば、自分の直感を信じて距離を取りましょう。
■2. 表情があまり動かない
DV男は自分の激しい感情を普段は抑え込んでいます。そのため、表情があまり動きません。楽しい場面でも、トラブルが起こっても、一見落ち着いた表情をしています。
女性によっては、「いつも冷静で素敵」と捉える人もいるでしょう。しかし、不必要に感情が動かない男性は、普段自分を抑圧しているのだと考えて警戒するのが賢明です。
■3. 姿勢が正しい
DV男は几帳面で自分にも他人にもきっちりしたところがあります。また、周囲から自分がどう見られているのかを気にするので、姿勢にはかなり気を付けています。そのため、DV男はピッと筋が伸び、姿勢が正しいのが特徴です。
もちろん、姿勢が正しい人全員がDV男ではありません。他の要素も踏まえた上で、姿勢が妙に正しく崩れないときには、注意を払った方が良いでしょう。
DV男の特徴7個[性格]
DV男は平気で女性を痛めつけるサイコパスですが、表向きは常識人を演じています。しかし、DV男特有の性格的特徴は、ちょっとしたことで顔を出すものです。そこで、DV男の性格的特徴について解説します。
■1. 執着心が強い
DV男は非常に執着心が強い性格をしています。ターゲットを見つけたら、緻密に計画を立てて囲い込みに入ります。「絶対に逃さない」と暗い情熱を燃やし、獲得のためならいくらでも手間をかけるのが特徴です。
手間をかければかけるほど、ターゲットへの執着心は強まっていきます。手に入れたら決して逃さぬよう、あの手この手で自分に屈服させようとします。当然、相手から別れたいと言われても応じません。相手が自分との別れを諦めるまで粘り強く付きまといます。仮に別れられても、ストーカーしやすいので油断できません。
■2. 二面性がある
表面上は控えめで穏やか、真面目で誠実、そしてマメで優しく、本命としてパーフェクトのように見えるのがDV男です。しかし、本性はパートナーを屈服させることに喜びを感じる残酷なサイコパス。極端に二面性があるのが、DV男の特徴です。
二面性はありとあらゆる場面で顔を出します。DVしている時は怒りの形相で鬼になりますが、その後は別人のようにしおらしくなり、泣いてパートナーに謝罪します。そして、「君がいなければ生きていけない」と懇願して女性をつなぎとめておきながら、後に「おまえは生きている価値がない!」と、酷く侮辱行為を行うなど、両極端な行動が多いです。
■3. 気が短い
とても穏やかに見えるのは演じている仮の姿で、DV男の本質は非常に気が短いです。ちょっとしたことでイライラする、とても狭いキャパの持ち主になります。
特に、仕事など表を演じる場では、常に自分を抑制して我慢し、相当フラストレーションを溜めています。その分、パートナーの女性には些細なことで爆発し、自分の感情をDVでぶつけるのです。
■4. プライドが高い
DV男は非常に高いプライドを持っています。相手にそのつもりがなくても、癇に障れば「侮辱された!」と過剰に反応し、いつまでも忘れません。承認欲求が非常に強く、本当は自分を特別に扱ってほしいのです。
高いプライドを満たすために、DV男は女性を利用します。自分は王様のようにえばりつくし、パートナーを従わせてプライドを満たしているのです。そのため、一度屈服させたと認識した女性が少しでも反論すると、「立場がわかってない!」と逆上し、DVを行います。
■5. コンプレックスが強い
DV男の異常なまでのプライドの高さは、強いコンプレックスが原因です。生い立ちが不幸で、人から認められた経験に乏しいDV男は、実は自己肯定感が低くて自分に自信がないのです。コンプレックスが多いから、人の指摘や評価に過剰反応して自分を苦しめます。
この時、現実的な努力ができる男性はDVには走りません。しかし、DV男はプライドだけは高いので、強いコンプレックスがありながらそれを認められません。「周囲がおかしい」「自分をわかってくれる人がいない」と敵意を向け、殻に閉じこもります。その狭い世界に女性を引き入れ、自分だけの王国を作ろうとするのです。
■6. 疑り深い
パートナーには尊大に振る舞いつつ、根本的には自信が全くないコンプレックスの塊なので、DV男は常に「女が逃げるのではないか」と恐れています。そのため、非常に疑り深く、女性がどんなに愛情を示しても、物的証拠をほしがります。束縛して物理的に浮気できない状況にしたり、異常な回数の連絡を強要したりするのです。
疑り深い性格は、普段の生活にも表れます。他愛のない会話でも、自分の情報を出したがりません。聞き役に徹し、相手から「あなたは?」と聞かれても、「話して面白いようなことはないから」と、秘密主義を通します。
■7. 嫉妬深い
DV男は疑り深い上に嫉妬深いです。自分よりも人に好かれて幸せそうな人が、羨ましくてたまりません。本当は自分以外は不幸になれば良いと思っているのです。
暗い願望はパートナーに向けられます。自分以外との交流を許さず、ちょっと他の男性の話をしただけで「浮気者!」と怒り狂います。
DV男の特徴4個[言動]
DV男は言動の端々に本性が現れます。具体的特徴について解説していきましょう。
■1. 店員に横暴
自分が強い立場に立つと、急に強気になるのがDV男です。そのため、「お客様は神様だろう」と店員には横暴になります。尊大な態度で店員を呼んではあれこれ指示を出します。もちろん、ニコリともしません。
万が一店員にミスがあれば、嬉々として指摘し「どうお詫びするつもりだ」と追い詰めます。クレーマーのDV男は少なくありません。
■2. 運転中人が変わる
DV男の二面性は、車の運転にも表れます。運転が荒いのが特徴です。また、運転中自分の前を行く車にケチをつけたり、際どい追い越しをしたりします。あおり運転をする男性は、間違いなくDV気質でしょう。
■3. 酒を飲むと毒舌が激しい
普段は冷静を装っていても、お酒が入ると本性が顔を出してしまいます。いつもはポーカーフェイスで温厚なのに、お酒を飲むと急に口が悪くなるなら要注意です。その毒舌こそ本性と思った方が良いでしょう。
DV男は何かが原因でタガが外れると凶暴化します。周囲の目がある飲み屋等だから、毒舌程度で収まっているだけです。もし酒乱があるようなら、普段相当抑圧されているので、近づいてはいけません。
■4. 物に当たる
DV男は物に当たる特徴があります。怒りのコントロールができず、物に当たって発散するしかないのです。物に当たっている間は、まだDV男は本性を隠しています。深い関係になると、物に当たっていた暴力を、今度はパートナーに向けるのです。
DV男の特徴3個[職場]
DV男は職場で猫をかぶっているため目立ちません。しかし、良く見ると職場でも特徴があります。DV男の職場での特徴を解説します。
■1. 仕事への姿勢はとても真面目
DV男は周囲からの評価を気にするため、仕事への姿勢はとても真面目です。これは、DV行為が万が一バレてしまったとき、普段の真面目な姿で周囲に弁解するための準備でもあります。
特徴は、真面目過ぎるほど真面目な点です。仕事は丁寧に行い、納期は必ず守ります。几帳面な真面目さなので、適当な人が職場にいると、何も言わないけど非常にイライラした表情になるのも特徴です。
■2. 控えめで目立たない
DV男は権力に弱く、職場では目上の人に逆らいません。心の中では毒を吐いていますが、表向きは控えめで目立たないのが特徴です。
意識的に注目を集めないようにしているのです。自信のなさから、集団の場では口数も減るので、職場では影が薄くなります。
■3. 転職が多い
仕事には真面目できっちりと取り組み、決して能力が低いわけでもないのに、なぜか転職が多いならDV男かもしれません。
どんなに偽っても、DV男の凶暴性は隠し切れず、職場でトラブルを起こしたり、突然キレて辞めたりすることが多いのです。また、職場の女性と付き合いDV行為を行い、それが露呈して転職を余儀なくされるケースもあります。
DV男の最初・付き合う前は?
DV男は自分の行動を正当化しつつも、「最初に本性を見せたら女性は逃げる」ということを理解しています。そのため、DVの本性は一切見せず、むしろ親切で優しい男性を装います。目立たないように気を付けながら、自分の欲望を満たすための女性を吟味しています。
ターゲットを見つけると、穏やかな面持ちで近づき、積極的に自分からコミュニケーションをとります。真面目で誠実な顔で女性に話しかけ、目をかけて親切にし、少しずつ距離を縮めていくのです。仲良くなると、とてもマメに対応します。女性の話を聞き、共感をし、細やかな気遣いをして、真摯な愛情を示します。
日頃目立たないタイプだからこそ、女性は「自分だけの特別感」を感じて、DV男の罠にはまります。言葉巧みに愛をささやかれた女性は、「この人なら自分を大切にしてくれる」と信じて心を許してしまうのです。それが地獄の始まりだとも知らずに…。
DV男がよく言うセリフ・言葉
DV男の発言は、狙った女性の気を惹くために考え尽くされています。しかし、その中にDV男の横暴さが隠しきれていないのが特徴です。DV男が良く言うセリフ、言葉と、その裏に隠された狂気をいくつか紹介します。
◯こんなの大したことないよ
(謙虚のようで、実は自分の力を過誇示し、相手にはそれ以上を要求する傲慢さがある)
◯あいつは迷惑なヤツだ
(正義感の強さ、常識人であることを感じさせるが、実は自分を基準に他人を糾弾する自分本位な心理がある)
◯オレの言った通りだろ
(承認欲求の強さ、自分の正当性を貫きたい気持ちが込められており、自分に従わない者を簡単に否定する傲慢さがある)
◯結婚したら子供は最低でも〜人は欲しい
(結婚願望と家庭愛の強さをアピールして誠実な男を演じているが、妊娠出産の当事者である女性を尊重する気持ちは一切ない。また、子供を多く欲しがるのは「自分が支配できる人」を増やしたい願望の表れでもある)
DV気質な男の見分け方診断チェックリスト
DV気質は日頃の言動や思考に表れます。そこで、DV気質な男の見分け方診断チェックリストを作成しました。当てはまる項目が多いほど、DV気質は強い傾向にあるので注意した方が良いでしょう。
・非常にマメ
・既読返信が遅いことを過度に気にする
・相手によって態度が変わる
・周囲からの評価に敏感
・人の行動を良く見ている
・普段はおとなしいが2人になると積極的
・急に不機嫌になることがある
・突然無視をする
・視線が恐い
・クレーマーっぽい
・物事に対して批判的
・自分は正しいと思っているところが多い
・友達関係にまで口を出す
・自分の好みを押し付けてくる
・否定されるとキレる
・責められると責任転嫁する
・部分的には非常に気が弱い
・情緒が安定しない
・親には頭が上がらない
・怒ると声が大きくなる
・性欲旺盛で自分本位のセックスをする
・男尊女卑思想がある
DV男にモテる人が多い理由
女性を不幸のどん底に落とすDV男ですが、特にイケメンというわけでもないのに、意外にもモテる人が多いです。その理由は、DV男のマメさと積極性にあります。
DV男は表面上真面目で誠実、プレイボーイとは真逆の印象です。それが女性に「浮気しなさそう」「付き合ったら大切にしてくれそう」と思わせます。DV男はターゲットを見つけると、優しくマメにアプローチをします。言葉での愛情表現も欠かしません。
普段の控えめな姿とのギャップが、女性には魅力的に映り、まんまと手中にハマってしまうのです。不特定多数にはモテませんが、狙った女性からモテるように仕向けるテクニックに長けています。
酷いDV男なのに女性が切れないのは、自分がコントロールできそうな女性を見定めているからです。DV男は最初から痛めつけようとしているわけではありませんが、自分を立ててくれ、どんな姿を見せても受け入れてくれそうな女性を吟味しているのです。
DV男に好かれる女性の特徴
DV男が好むのは、自分に逆らわずに従う女性です。絶対的強者として君臨できるパートナーを探しています。そのため、DV男に好かれる女性には、以下のような特徴があります。
・派手ではない、むしろ地味
・友達が少ない引っ込み思案
・家庭環境に恵まれず愛情を求めている
・線が細く華奢
・インドア派で体力がない
・自己主張が少なく流されやすい
・自分に自信がない
・律儀で情に厚い
・口が堅い
明るく社交的でおしゃべり、友達が多い女性をDV男は避けて通ります。自分が何かしたときに、周囲に即言いふらして集団で非難してくるような女性は、DV男にとって扱いづらいからです。
一方、見るからに非力で、しかも孤独で流されやすい女性は、自分の世界に抱え込み、好きなように支配できるため、DV男にとって最高のターゲットです。
DV男にハマる・引っかかる女性の特徴
「なぜか付き合う男性には酷い男が多い」という女性は、DV男にハマりやすい特徴を持っている可能性が高いです。DV男とDV男に魅かれる女性は、共依存に陥りやすい同士のようなもの。しかし、お互いが求め合っていても、お互いを不幸にする組み合わせです。
DV男にハマりやすい自分の特性を理解して、不幸な交際から抜け出さなければ、いつまで経っても幸せには慣れないでしょう。
DV男にハマりやすい女性には、次のような特徴があります。
・優柔不断で決断が苦手
・考えるのが苦手
・断れない
・求められると嬉しい
・献身的に尽くすタイプ
・自己嫌悪に陥りやすい
・悲観的で自分に自信がない
・相手を責めるより自分を責めた方が楽
・変化が苦手で現状維持を求める
・自分に都合良く解釈する
・流されやすい
・極度な寂しがり屋で孤独を何より恐れる
・恋愛依存気味
DV男との交際は、考えたり決断したりが苦手な女性にとって、実を委ねれば良いだけなので非常に楽なのです。
DV男の対処方法5個
気を付けていてもDV男に遭遇してしまったら、どうすればよいのでしょうか。DV男の対処方法をお話します。
■1. 距離をとる
まず、あなたがやるべきはDV男と物理的な距離をとることです。DV男は最初優しくマメに接するので、酷い仕打ちをされても「今回だけかも」「自分にも悪いところがあった」と、逃げずにとどまる心理が働きます。しかし、DVを受けたら一刻も早く離れるべきです。
物理的距離をとれば、とりあえずDV男の暴力から逃れられます。また、速やかに離れることで、冷静な判断力を取り戻せます。更には、DV男に「自分は酷いことを許さない。DVをするなら即座に離れる」という強い意思表示を見せられます。
■2. DVの記録を残す
誰にでも疲労やストレスで気分が荒れるときがあるでしょう。だからと言ってDVが許されるわけではありませんが、一時的なものかもしれません。場合によっては、DV後も付き合い続けるケースもあるでしょう。
それでも、1度でもDVされた場合は、その記録をきちんと残しておきましょう。いつ、どのような状況で、どんなDVを受けたのか、文字で記録を残すのです。怪我をした場合は写真も撮っておきましょう。そして、今後「これってDV?」と思ったことは、事細かに記録していくのです。記録はいざという時にDVを受けた証拠にもなります。
DV男と一緒にいると暴力に慣れてしまい、いつの間にか「これくらい普通」と感覚が麻痺してしまいがちです。だからこそ、記録をとって客観的視点で自分の状況を振り返ることが重要です。
■3. 1人で抱え込まず相談する
DVは密閉空間で行われ、同時に「2人の問題なんだから、周囲に迷惑をかけるな」「こんなことが外に知れたら恥だ」「オレが正しいんだから周囲に耳を貸すな」とマインドコントロールが行われます。周囲とパートナーの断絶は、DV男の常とう技ですから、屈してはいけません。DVで辛いならば、1人で抱え込まずに相談しましょう。
DV男は味方が多い女性を敬遠します。自分のDV行為がバレて非難されるのを恐れているからです。あなたが多くの人やサポート機関に相談することで、DV男に「これはヤバい事態だ」と自覚させることができます。また、あなたが助かるための具体的アドバイスや支援を受けられます。
■4. 第三者に介入してもらって話し合いをする
DVを繰り返す男性とは、2人きりで会うのはNGです。命に係わる暴力を振るわれる恐れがありますし、1対1だと巧みな言葉でDV男に説得されてしまう可能性があります。ですので、DV男と話し合う場合は、必ず第三者に介入してもらいましょう。
できれば、DV男が逆らえない相手を味方につけるのが理想です。また、第三者は1人に絞る必要はありません。弁護士等の専門家に相談するのも良いでしょう。あなたが多くの人や制度に守られているのだと、DV男に知らしめた上で、自分が主導権を持って話し合いを進めていきましょう。
■5. 別れる
DV男の問題は簡単には解決できません。別れる選択肢はいつでも用意しておきましょう。DV男の被害にあう女性は、それまでの過程で「自分が悪い」という思いを刷り込まれているので、自ら別れを選ぶことに抵抗感を持ちやすい傾向にあります。しかし、別れの選択は身を守るための正当防衛です。
別れを切り出せば、DV男はあなたに縋ってくるでしょう。恐らく「もう暴力はしない」と態度を豹変させ、必死にあなたをつなぎとめようとします。
しかし、その言葉を信じてはいけません。今まで信じては何度も裏切られてきた事実を振り返り、強い意志を持って別れてください。そして、復縁しないようDV男との関係を全て消し去りましょう。
DV男は治る?変わる?
DV男は生い立ちから長い年月をかけて出来上がります。自分の心の奥底に染みついた価値観なので、簡単には変わりません。パートナーとの相性も多少は影響しますが、優しい顔を見せられて「もしかしたら、DVもこれが最後で変わってくれるかも…」と期待しても、多くは打ち砕かれるでしょう。DV男が自分から変わりたいと思ったところで、簡単には変えられないのです。
それでもDV男を愛して一緒に生きていきたいならば、DV加害者更生プログラムを受けるという方法があります。これは、DV男だけが受けるものではありません。被害者の認知や行動もDVに大きな影響を与えるため、どうすれば良いのか2人がそれぞれ学び、協力しながらDVを乗り越えていくプログラムです。
このプログラムを受ければDVは必ず改善するという保証はありません。しかし、歪んだ認知を修正できれば、DV男が変わる可能性はゼロではないでしょう。
DV男との別れ方
DV男との別れ方には、細心の注意が必要です。特に結婚している場合、法的に離婚を成立させなければなりません。DV男は簡単には応じませんから、別れるまで長い時間を要する覚悟が必要です。
DV男との別れ方で重要なのは、とにかく距離をとって身の安全を確保することです。それなしで別れ話をすると、DV男は逆上して危険です。家族や友人、DVの専門相談機関などを頼り、まずは物理的に離れましょう。
その上で、必ず第三者を立てて別れ話を進めなければなりません。味方は多いほど良いでしょう。弁護士など専門家の力を借りるのも重要です。できれば顔を合わせずに別れ話を進めるのが理想です。自分を薄情だと責める必要は全くありません。とにかく距離をとり、別れへの強い意思表示をして、DV男がどんなに縋ってきてもつっぱねる覚悟を持ちましょう。
DV男の被害・暴力の相談先は?
DVは社会問題にもなっており、さまざまな専門の相談機関があります。あなたがDV男の被害に遭った場合、対策のプロに相談できるのは非常に心強いことです。そこで、DVの相談窓口を紹介します。
・配偶者暴力相談支援センター(各都道府県に設置。相談や各種機関の紹介、カウンセリング等を行う
・DV相談ナビ(内閣府の機関で全国共通の電話相談。各地域の相談窓口につないでくれる)
・デートDV110番(デートDV専用の相談窓口。フリーダイヤルの電話相談で秘密厳守。匿名で相談できる)
その他、DVや男女問題の実績が多い弁護士や探偵事務所に相談するのも良いでしょう。酷いDV男の場合、家族や友達に頼ると「自分と彼女を引き離す敵」と認識して危害を加える可能性もあります。暴力は犯罪行為になり得るので、時には警察への相談も躊躇なく行いましょう。
まとめ
DV男の異常行動は、生い立ちによるところが大きいです。DV男もDVの被害者だったというケースもあります。それでも、DV男に同情してはいけません。どんな理由があれ、暴力はしてはならない行為です。
できれば、DV男の特徴を知って、被害に遭う前に距離をとりましょう。万が一DV男に捕まってしまったら、周囲に協力を求めて一刻も早く逃げてください。DV男の横暴を許してはなりません。