この世があるのと同じで、死者がいるあの世が存在していてもおかしくないですよね。しかし、誰がその世界を証明できるのかは、定かではありません。この世で一緒に暮らしてきた人が、自分より先に見えない世界へ旅立ち、今はどうしているのか。気になる人もいるでしょう。そんな時、死者の声を伝えてくれる人がいたら、興味が湧きますよね。
そこで、死者の声を伝えてくれるイタコについてまとめたので参考程度にチェックしてみてくださいね。
イタコとは?
亡くなった人の霊を降ろして、依頼者に必要なメッセージを自分の口から代弁するという方法を用いています。
また、青森県は自然の厳しい環境化にあったため、農業のことや、漁業のことをイタコ占いやお祓いによって、サポートしてもらっていたという歴史があります。現在は、守護霊を降ろして、依頼者の相談を聞き、カウンセラーのようなことも行っています。数多くいる霊媒師の中でも、厳しい修行を重ねてきたイタコである故に、最も位の高い霊能者であるとも言われています。
イタコの由来は、アイヌ語の“itak”(イタック)という言語で、意味は、「神様がこう仰った」という説や、“斎”(イツキ)元の儀礼を襲いながら、零落し神にせせられて放浪するようになった者が、イタコと呼ばれるようになったそうです。日本国内でも、「イタコ」と呼ばれるのは、青森県だけの呼び方です。神様に仕える「巫女」という仕事が関東では一般的な呼び方をしていますが、各地で呼び方が違うということですね。
嘘?本当?本物のイタコはいる?
霊能者やイタコに限らず、さまざまな評価をされる方もいます。しかし、数少ないイタコの中に、強い霊力を持っている人がいるのも事実です。亡くなった人の霊だけでなく、神霊を通して伝えることができる神口(かみくち)というものと、生霊の本音を聞きだす生口(いきくち)、仏口(ほとけくち)49日過ぎた成仏した霊を降霊する事を行うことができます。
これらが口寄せという手法で、権力者や政治にも、必要とされていた時代があるそうです。ただ、亡くなった人が使用していた言語で口寄せをしないという人もいて、信憑性を疑われたこともあるようです。ですが、中には、死者が用いていた言語を使って相談者にメッセージをする場合もあるそうです。
イタコにも能力の差があり、本物の能力を持っているイタコもいて、そのような人は人気が高いことだけはお解り頂けると思います。
イタコの口寄せの方法
イタコの口寄せの方法は、数珠を用いる人もいれば、楽器を用いる人もいます。まず、亡くなった人の命日と名前を伝えます。この時、住所や連絡先を聞かれることはないそうです。興味本位で、有名人などを降ろしてもらうことはできません。それから、呪文のような言葉を唱えます。すると、死者が降りてきて、メッセージを伝えてくるという方法です。イタコは、死者自分の体を貸すことで、死者の魂が降ろしています。同様に、死者だけでなく、生きている人(生霊)や、神様などの声を降ろしてくれる場合があります。死者が降りてくる場合は、死者と同じ言葉使いで降りてくる場合もありますが、イタコが用いる言葉使いでメッセージを伝えてくれる場合と二通りあるそうです。
また、魔除けのような「オシラサマアソバセ」というものがあります。これもイタコ独特な手法で、その家の1年の祈願をする儀式でもあるそうです。両手に男女の神様(オシラサマ)を持ち、子どもたちの体全体にこすりつけるようなものです。この儀式をすることで、悪い虫がつかないようにするそうです。
イタコ占いの料金
イタコ占いは、一人降ろすのに5000円というイタコもいます。青森の恐山のイタコは、年に2回の数日間だけ相談にのって頂けるともあり、全国から人が押し寄せるのも事実です。中には、10分で一人降ろすのに3000円というイタコもいるそうです。値段の違いについては、何が基準なのかは解りませんが、二人、三人と降ろしてくれることも可能だそうですが、料金もその分重なっていく形です。地元の人が来るというより、北は北海道、南は沖縄県から相談者がいらっしゃるようです。
恐山は、日本でも有名な霊場で知られていますが、昔から亡くなった人は、お山へ行くという迷信が残っており、恐山で口寄せをしているそうです。相談者は、恐山宿坊に前泊して朝早くから並ぶ人が多いのだとか。宿坊は(1泊2日)で12000円します。一般的な山小屋に比べて少し高めですが、早めに予約をしないとすぐに満員になってしまうそうです。
■事前の予約は可能なのか?!
気になりますよね。わざわざ、恐山まで出向き相談にのってもらえないなんて、洒落になりません。しかし、事前の予約はないのが実情だそうです。朝早くから並んで順番を待つのが主流だそうです。待つにも長蛇の列になるので、列に並ぶ人達と示し合わせてローテーションで畳の休憩所で休む姿も見受けられます。何時間も並んで、10分程度の相談で、物足りないという人も居るそうですが、スッキリされる方も多いそうですよ。
最後のイタコ『松田広子』さんとは
青森県の恐山は、強い霊場であるということが知られています。その恐山は、古くから、死者は恐山に行くと言われてきました。その恐山で、死者の声を聞きたいと全国から相談者が行列を作ることでも有名です。死者の声を代弁するのが「イタコ」であり、松田広子さんもそのひとりです。子どものころ、医者に治せない病をイタコが治してくれたとのことで、イタコになることを決意し、中学を卒業してから、松田さんを病から救ってくれた師匠のイタコの元で弟子として修行を重ね、高校卒業後の19歳の時に、イタコとして独立したそうです。
60歳以上と高齢のイタコしかいない中、松田広子さんは唯一40代、イタコとしても最少年齢であることが分かっています。現在シングルマザーとして2人のお子様を育てながら、月に10日ほどのイタコの仕事で生計を立てているそうです。お子様たちに後を継いでほしいという思いはないとハッキリ言われています。イタコという仕事は、大変な部分も多く、神様、仏さまの力を必要とする時代でもなくなるとも言われています。
現在残っている他のイタコも、今後弟子を雇うつもりもないと言われているため、松田広子さんが最後のイタコになると言われています。スピリチュアルがより、身近になったことで、受け入れやすくなった見えない世界のことに、多くの人が関心を持ち、松田広子さんはイタコとしても、霊力が強く、多くの人が松田広子さんに相談したいと多くの人に必要とされているのです。
口寄せの他にも、数珠やブレスレット(パワーストーン)の販売もされております。テレビ出演などもされおり、全国的にも有名ですが、恐山大祭の期間は、恐山で相談にのっているそうです。また、他の日に関しては、ご自宅などでも相談にのってくれるそうです。29年の1月からLINE占いを開始されたそうで、占い師ランキングの中でも1位になり多くの支持者を集めているそうです。
口寄せに関しては、電話などで行うことはないそうです。実際にお会いしてみてもらう方法のみとなります。
松田広子さんのイタコの口寄せ費用に関しては、1人につき3000円~となっているそうです。心づけには感謝しますということを言われているので、感謝の気持ちを込められる方の行為を拒むことはないそうです。時間については1人20分程度の時間を要するようです。亡くなった方の命日と、ご自身の関係性が分かれば十分だそうです。
松田広子さんの出身も現在も八戸に住居を持ち、南部一之宮・櫛引八幡宮の強い信仰を持つ家庭に育てられたそうです。現在は、南部イタコ6代目としても活躍中です。恐山大祭では1日に100人以上の口寄せをすることもあり、食事が喉を通らないほど体力が消耗するそうです。イタコの口寄せも命がけでされていることが分かりますね。
イタコになるには?イタコの修行
元々、盲目の女性の職業とされてきたことから、目の不自由な人が、イタコになる選択を選んでいた時代もあったそうです。現在6人いるイタコの中で、盲目なのはたった1人しかいません。しかし、女性が就く仕事として知られていました。イタコになるには、まず弟子になります。早い人では、2、3年で独立する人もいるそうです。しかし、どんなに修行をしても独立できない者もいるそうです。
イタコの修行には、断食や身を清めるために、水垢離(みずごり)や、お経を唱え、厳しい修行を行います。弟子入りをしてから、長い人では10年もの月日をかけて恐山デビューをすると言われています。
イタコには基本、霊能力を持っていることが必須になります。そこから厳しい修行を重ねても、イタコになれないこともあります。イタコは、国の選択無形民俗文化財にされていることから、立派な職業なのですが、安定した収入があるわけではありません。自分の生活が精一杯で、弟子を受け入れるまでに至らないということもあるそうです。
イタコとして活動をしてきて、後悔などはないと口を揃えていいますね。厳しい修行であっても、自分が生かされているのは、神様と仏さまのお陰であるとイタコは言います。イタコが行う修行の中に水垢離(みずごり)と言って冷たい水を全身から被り、身を清める修行がありますが、近年では、滝行などをする女性も多くなってきました。しかし、プチ修行とは異なり、もっと厳しいものであるに違いありません。
イタコが口寄せを行う日本三大霊山のひとつである恐山ですが、元々、宇曽利山「うそりやま」と呼ばれていましたが、下北訛りで「恐山(おそれざん)」と言われるようになりました。恐山には、三途の川があり、足を踏み入れると何とも不思議な感覚になる風景に驚かれるでしょう。これは、あの世なのかと思わせる異様な雰囲気を醸し出しています。恐山の標高は879Mと低めの山なので、森林の限界の地ではないにも関わらず、火山岩に囲まれているせいか、自然を感じることが少ないように思うでしょう。
境内には温泉が湧いており、無料で温泉に入浴することもできます。硫黄の臭いがきついので、参拝する人の中には、頭痛や倦怠感に襲われる人も多いそうです。川や湖の水が異常に透明なのも、火山ガスの影響であり、生物が育たないそうです。口寄せに行く人の中には、火山ガスのことを知らないで行く人も居るので、霊的な現象だと勘違いされる方もいるそうですが、軽い中毒症状なので、何でも霊的なことのせいにしないことをお勧めします。
■一般的に言われるイタコと霊能者との違い
イタコと霊能者の違いが何か、疑問に思う人もいるでしょう。霊能者と名乗る人でも修行などせずに事故や、身近な人の死をきっかけに霊力に目覚める人もいるそうです。突然、霊力を身につけたからと言って、色々な人の相談にのってしまうのが、一般的な霊能者のようですね。「イタコ」に関しては、やはり厳しい修行を重ねないと、いくら霊力を身につけていたとしても、相談にのることすら許されないようです。このように、イタコになるには、ハードルが高いことから、わざわざ厳しい修行をしたくないという人が居るのも事実で、イタコが減少しているのも事実なのです。
■イタコは100近いお経を覚える?!
多くのお経を覚えるというのも、イタコの修行には必須になるそうです。お経の王道である「般若心経」に始まり、動物の体調に利くお経があるとも言われています。お祓いのお経も幅広く勉強されるということが分かりますね。
イタコが全盛期だったころ、300人を超える人も居たそうですが、現在では6人まで減少したそうです。弟子にさせてほしいと多くの申し出を断ってきたイタコもいます。その大きな理由のひとつは、決して楽ではないからだそうです。修行が辛く、厳しかったことで、後継ぎを設けていないというイタコも存在します。また、神様や仏さまの声を聞きたいという時代ではなくなるというイタコもいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。占いは、ポジティブになるためのひとつのツールとして考えると、良いと思います。どっぷりその世界にハマると、自分自身が見えなくなってしまう人も多くいます。現在はスピリチュアルブームになっていることから、特別な力を欲しがる人もいますが、占いなどは、本来のあなたが良い方向へ流れるための手段のひとつだと考えて頂ければと思います。