諸説入り乱れるが努力が報われる手相
何事も努力が報われるとわかっていれば、努力のし甲斐があります。これを知る手かがりに向上線があります。手相に興味がある人なら向上線を耳にしたことはあるはずです。しかし具体的にどのような線かと聞かれると、即答はし難いかもしれません。
手相に詳しい人なら、向上線と似た線があることを知っているので、別名~線であるとか、~線の一種とかが頭に浮かんでくるはずです。開運線、努力線、希望線、向上線は、いずれも努力を重ねて望む運勢が切り開かれるとされる線になります。
これらは生命線上から伸びる線であるものの、どれが~線という定義が向かう先によって諸説入り乱れています。非常に混同しやすく、どの意味合いを採用したら良いか迷うところです。
手相占いで向上線の意味と形とは?人差し指?中指?
現在、日本の手相は西洋手相を主体としていますが、部分的に東洋手相や古来の日本手相の説を取り入れているとされます。そのため掌線の定義が曖昧になっているものがあり、向上線もその一つに数えられます。
ここでは向上線を「生命線上から人差し指方向に伸びる線」を主とします。この他、運命線との違いをしっかりと見極める必要がありますが、中指方向に向かって伸びるものも向上線に含めるものとします。
説によっては生命線上から伸びる線を全て努力線としたり、人差し指方向に伸びる線を希望線とし、中指方向に伸びる線を向上線と言っていることもあります。しかしいずれも、努力が報われ開運する意味合いを持っています。
この向上線は「努力線」や「開運線」とも呼ばれ、基本的には向上志向で野心を持ち、成功を手にしたい気持ちが強くなります。その現れ方によっては、運勢の開き方などが変わってきます。
それでは、向上線の現れ方別にどのような意味になるのか詳しく解説していきます。
1. 向上線が二股に枝分かれしている
向上線が向かった先で二股に分かれていることがあります。長めの向上線で、掌にYの字がある感じになります。
このような場合、向上心が格段に強く、人生の目標に向かって努力を惜しまないとされます。望みを達成させるために、一直線に突き進むはずです。努力に対する勢いが強過ぎると二股に分かれやすいとされます。ストイックなまでに自分を追い込んで力を絞り出したりします。
何事にも自己責任が強く、自分で決定しないと納得しないはずです。仕事もプライベートも何らかの成果を得ても、そこで満足せず、さらに上へとステップアップしていきます。どんな状況にあっても常に希望を持って、やり遂げようとします。目標達成のために対人関係を疎かにすることもあります。
2. 向上線が2本ある
向上線が2本現われていることがあります。このような場合、思い描いている夢や希望が多過ぎるとされます。願望などが多過ぎて、どれも中途半端に終わりがちです。実現に向けた努力が散漫となり、何一つ成果が上げられないとされます。
いろいろな物事に興味があるのですが、移り気でちょっと手を付けて何らかの問題があると、すぐに諦める傾向にあります。
その一方で、向上心が人の2倍あるとも考えられます。それなりの努力や集中力が必要ですが、それができれば、夢が叶いやすいとも言えます。マルチな才能を発揮して複数の分野で成功が手にできることもあります。
3. 向上線が3本以上で複数ある・多い
向上線が3本以上で複数現われていることがあります。これは努力開運線や昇り龍線とも呼ばれているものです。このような場合、才能にあふれ、それを磨く努力を惜しまないとされます。
性格的に真面目で、何をやってもコツをつかむのが早いようです。いろいろな方面の才能を秘めていて、年令を重ねるごとに運気が上昇するとされます。
一つのことに絞り切れない面もありますが、絞り切れればより一層の力が発揮でき、大きな成果が手にできます。また自分ではそれほど向いていないと思っている分野でも、長く続けることで力が発揮できるようになります。
4. 向上線が短い
短い向上線が現れていることがあります。何ミリ以下という数値的な基準がないので、見た目の印象として短いものを指します。このような場合、努力が報われることに違いはないのですが、報われるまでに時間を要するとされます。
向上心が熱狂的なまでに強いわけではないので、目標などに対する達成力は若干弱めになります。それでも普通の人に比べれば、向上志向が高いので、ひたむきな努力は続けられます。
既に何らかの努力をしているものの、成果はまだ遠いということも考えられます。秘めている才能が開花するのに時間がかかり、大器晩成になることもあります。現状がどんな状況にあっても、時間をかければ最終的には望む成果が手にできるはずです。
5. 向上線が長い
向上線が長く伸びていることがあります。何ミリ以上という数値的な基準がないので、見た目の印象として長いものを指します。
このような場合、既に努力が報われかけているとされます。少しずつでも思い描いていた夢や希望が叶えられ始めているはずです。これが励みとなり、さらなる努力ができ最終的なゴールへと向かう速度が増すことになります。抱いている向上心が格段に強く、積極的な行動が功を奏します。
秘めている才能も比較的早めに開花しやすいと言えます。当初目標としていた段階が達成でき、さらなる高みを目指すことができます。向上線が指の付け根のラインに届く程長い場合、充分な努力をしていて、かなりの成功域に到達しているとされます。
6. 向上線にフィッシュ(魚紋)がある
向上線上にフィッシュが現れていることがあります。フィッシュは魚紋とも呼ばれ、魚のような形に囲まれた線を指します。このフィッシュがある場合、努力の末に望んでいた大きな成功や、思い描いていた以上の成果が手にできるとされます。
積み重ねてきた努力が思っていた以上に報われるはずです。常に上を目指す向上心は衰えることなく、どんどん上に登り詰めて行けるとされます。今まで努力が報われなかったのに、フィッシュが現れた途端に成功に導かれることもあります。
努力が実り劇的に運勢が好転し、いろいろな幸せがつかめるとされます。フィッシュは頻繁に消えたり現れたりするので、現れている間に成果を確実なものにした方が良さそうです。
7. 向上線に島がある
向上線上に島が現れていることがあります。島はアイランドとも呼ばれ、島のような形で囲まれた線を指します。この島がある場合、目的達成のために積み重ねてきた努力が、何らかの要因によって妨げられるとされます。
自分に原因があれば注意ができるのですが、他者に原因があることが多いようです。予期せぬ不運により、努力が無になることもあります。あともう一歩の所で努力が報われるのに、それが手にできないことが考えられます。
運命的な停滞がもたらされ、向上心が削がれることになります。上を目指したことが災いして、失敗につながる可能性も高くなります。島が濃く現れている場合、努力が妨げられる要因がより強いものになるとされます。薄くても注意は必要です。
8. 向上線にスクエア(四角紋)がある
向上線上にスクエアが現れていることがあります。スクエアは四角紋とも呼ばれ、短い線で四角形を作るものです。四角形のこともあれば、#(シャープ)やひし形、井の字のように出る場合もあります。
このスクエアがある場合、努力が報われて、状況が一発逆転するとされます。今まで努力をしてもなかなか状況が変わらず、苦労していたとしても、スクエアが現れれば大きく好転するはずです。
思い描いていた夢や希望が、かなり無理だと思われていたとしても実現に向かいます。抱いていた向上心をきっかけに、次々と幸運が舞い込むことも考えられます。スクエアの形が整っていたり、濃く現れている程、逆転運が高まり、逆境などもバネにして大きく飛躍できます。
9. 向上線にスター線(星紋)がある
向上線上にスター線が現れていることがあります。スター線は星紋とも呼ばれ、短い3~4本の線が星のように交差しているものを指します。
このスター線がある場合、努力を惜しまなかったことが報われ、幸福やスター性が授かるとされます。思い描いていた夢や希望が達成され、いろいろな幸福がもたらされるはずです。
上を目指して行動していると、何をやっても良い方に評価されます。人から称賛され、人気も手にできます。何らかのスター性があり、大きな成功を手にしても妬まれにくいようです。運勢は絶好調となり仕事面も上手く行きます。このスター線は比較的短期間で消えやすいので、現れている間に人気や成功を確実なものにした方が良さそうです。
10. 向上線に横線がある
向上線を横切る線が見られることがあります。これは基本線や主要線ではない、短めの線が横切っているものを指します。
このような向上線の場合、夢や希望を叶えるために努力をしていると、何らかの問題が生じ障害になるとされます。向上心を抱いていても、それを打ち砕く人や出来事が現れるはずです。些細な行き違いにより、前向きな努力が無になる可能性が高くなります。
横線よりも向上線が濃い場合、引き起こされる障害は大事には至らず、乗り越えられるとされます。向上線の終点に横線がある場合、夢などを実現するにあたって最終的に大きな障害があるとされます。
11. 向上線がない
向上線はある程度現れにくい手相なので、向上線がない人も多いはずです。このような場合、努力をせずに楽して成功を手にしたいという気持ちが強いとされます。努力をせずに目標などを達成させる方法をいろいろと探ったりします。失敗してもそれほど落胆せずに、次のやり方に移行しようとします。
真面目一本やりということはなく、いろいろなやり方を模索する柔軟性を持っています。コツコツと努力を積み上げるよりは、一発逆転のようなことを好みます。何事も要領よく立ち回り、修行のようなことは苦手なようです。努力をしようとするモチベーションが上がり難い面があります。
12. 向上線が左手にある
手相では、利き手でない手に生来の運勢などが現れているとされます。一般的に日本では右利きの人が多いので、左手で過去の特徴や生来の運勢などを読み取ります。
この左手に向上線がある場合、生まれながらにして、努力を惜しまないことが報われて、夢や希望が叶えられるとされます。向上心も旺盛で、当初の目標を達成してもそこで満足することはなく、さらに上を目指します。
幼少期や人生の早い段階で願望が実現するので、普通の人よりも高く評価されやすく、より高みに上ることができます。しかし今後もそうなるかは、右手の向上線を見る必要があります。
13. 向上線が右手にある
手相は利き手にこれからの運勢などが現れているとされます。日本では右利きの人が多いので、一般的には右手で将来の運勢などを読み取ります。
この右手に向上線がある場合、人生経験を積む中で、努力を惜しまないことが報われるようになり、夢や希望が叶えられるとされます。向上心が培われ、何事も上を目指す気持ちが強くなっています。
無理な目標を設定せずに一つ一つ達成させて行き、成果が積み重ねられます。現状何一つ叶えられていなくても、近い将来必ず叶えられ、数々の幸せが舞い込むはずです。今後の運勢に期待が持て、励みになります。
14. 向上線が両手にある
向上線が両手に現れていることがあります。この場合、利き手がどちらであっても、生涯を通じて努力が報われ、夢や希望が叶えられるとされます。向上心が常に高まっていて、何かを達成してもそこで満足することはないようです。
人生の早い段階から、努力を惜しまず成果を手にしてきているので、より上を目指すことができます。才能なども早い段階で開花し、人から高く評価されます。
今まで叶えてきた実績に酔いしれることなく、実現性の高い目標を設定し、着実にステップアップできます。努力が報われるコツのようなものを会得しているので、安定して成功や成果を手にします。
向上線と希望線の違い
今回この解説では、生命線上から伸びている線を向上線とする説を採用しています。ここでの向上線と希望線の違いは、向上線のくくりの中で、特に人差し指の付け根に向かって伸びる線を希望線とすることにしています。
中指に向かう向上線は、運命線との見分けが難しい面もあります。手相の流派によってどの説を採用しているかで呼び名が変わり、その違いは向かう方向になります。
希望線は人差し指の付け根の領域の木星丘に影響されやすいので、意味合い的に地位や立場に関わる努力などが報われる要素があります。管理職や起業家として指導力を発揮し、努力が報われるといった形になります。
向上線の方は、どちらかというと、個人的な努力が目標の達成につながるといった要素が強くなるようです。どちらの場合も努力によって運気が開けることに違いはありません。
向上線と努力線の違い
ほぼ同等で、努力線のくくり中に向上線があったり、向上線のくくりの中に努力線があったりします。こちらも流派によって呼び名が変わるので、初心者が混乱しやすい面があります。特に向かう方向によって定義されることもなく、呼び名の通りの要素が強いといった印象があります。
向上線は向上心を持ち、上へ上へと目指す気持ちが強く、努力を重ねて報われるといった形になります。
努力線の方は、ひたむきな努力を惜しまず重ねて、夢や願望が叶うといった形になります。
どちらの場合も現れているだけでは、成果を手にすることはありません。目標に向かって努力しなければ、良い結果は得られず運勢も開かれないとされます。
さらに向上線や努力線には、運気が上昇する「上昇線」や、起業して成功する「ベンチャー線」といった呼び方もありますが、これらも基本的な意味合いは同じになります。
まとめ:解釈の幅が広がる
努力が報われるとわかっていれば、努力のし甲斐があり励みになります。この報われるかがわかるのが、向上線になります。これが現れている場合、努力を惜しまず掲げていた夢や目標が叶うとされます。向上心が旺盛で、上を目指す気持ちが強くなります。一つの目標を達成してもそこで満足することなく、次々ステップアップできるはずです。
この向上線は、現れ方によって様々な意味合い持ちます。線が二股に分かれると努力の意気込みが強過ぎるとされ、本数が増えると夢や希望が多過ぎるとされます。線の長さでは目標の達成力がわかり、横線があれば目標の達成に障害があることなどがわかります。また向上線は別名が多く努力線、希望線、開運線などがあります。
手相の流派によって定義や呼び方に違いがありますが、努力によって運勢が切り開かれることに違いはありません。各流派や説はそれなりに支持されているので、どれが正しくどれが間違っているとするのは性急と言えます。いろいろな説があることを知っていれば、解釈の幅が広がるはずです。