「すぐに昔のことを例に挙げて、自分のやり方を押し通そうとする…」と人間関係に悩んでいるなら、その人はもしかしたら老害かもしれません。
今回は老害の意味と特徴を徹底解説!なぜ老害になってしまうのか原因を理解し、正しい対処方法を身につけましょう。
老害の言葉の意味とは?
老害とは、老人が周囲に害を与える行動を意味します。年を取り、自分のやり方に絶対的自信を持ち、それ故に人の話を聞かず、「自分は正しい」と意見を押し通す態度や行動が老害です。老害は病気でも障害でもなく、本人の性格や考え方によって起こります。
老害は高齢者に限った話ではありません。年齢が若くても、自分の経験を過信して「自分より若い」という理由だけで相手の話を聞かず、強引に自分の考えを押し通そうとすれば、相手にとっては老害です。老害の「老」は、「無条件に年上が偉い」という、根拠のない考え方を意味するのです。
老害の意味をはき違えて、「年寄りが上に立つことが老害だ」と、老害叩きをする人もいます。しかし、実害があってこその老害であり、高齢者が上に立つことが問題ではありません。
老害がひどい…老害は団塊世代が多い?
団塊世代とは、第二次世界大戦後に第一次ベビーブームで生まれた世代を指します。この団塊世代の老害がひどいと言われていますが、その理由として時代背景が挙げられます。
・戦争を経験していないので、本当の苦労を知らない
・戦後教育環境が悪化した時期に子供時代を過ごしている
・高度成長期に働き盛りだった
・バブル期に役職がついていた人が多く、会社のお金で美味しい思いをしてきた
・定年の年齢が上がり、まだ引退していない団塊世代が増えた
今の団塊世代は敗戦後の日本から高度成長期、バブル期を経ています。もちろん彼らも努力していますが、それ以上に時代の影響は大きいです。
しかし、団塊世代は「我々が日本をここまで成長させた」という自負があります。過ぎ去った良い時代を忘れられず、いつまでも自分の常識を信じているため、団塊世代に老害が多いと言われるのです。
老害の特徴13個[心理・思考編]
老害を起こす人の考え方を知ることで、相手を理解して正しい対処をとれるようになります。まずは、老害の心理、思考の特徴を解説していきましょう。
■1. 自分は正しいと思って疑わない
「自分は正しい」が、老害を起こす人の思考パターンです。今まで経験を積み重ねてきた自信があるので、胸を張って自己主張できます。実績を残してきた人ほど、この思いは強くなるのが特徴です。
時代によって常識は変わるものですが、老害を起こす人は信念があります。時代と信念が合っている内は良いのですが、ズレが生じると老害に転じてしまうのです。
■2. 新たに学習する気がない
老害を起こす人は自分の信念を「これが正解だ」と貫きます。絶対的自信があるため、今更新たに学習する気がないのも特徴です。新しくて良い物、方法、アイディアが続々と登場しますが、「自分はこのやり方が一番合っている」という思考なので、周囲が勧めても学ぼうとしません。
普段は「これで充分だ」と強気です。しかし、どうしても新たな方法を取り入れなければならなくなると、急に「年寄りにはわからない」と弱気になって自分には無理と決めつけますが、実は、今更新しいことを覚えるのが億劫なだけです。結局何もやらず、周囲に迷惑をかけてしまいます。
■3. 頑固で融通が利かない
老害を起こす人はとにかく頑固。思考が凝り固まっていて、全く融通が利きません。「こうと決めたらこう」と譲らず、視野が狭くて柔軟性がないので、新しい意見を取り込めないのです。
周囲の反応が優しければ、図に乗って自分の考えを押し通します。一方、周囲が厳しくて、自分の考えが押し通せない場合、老害は激しく機嫌を損ねて「若者が年寄りをいじめる」と被害妄想を爆発させます。どちらにしても、老害の頑固さは厄介極まりないのです。
■4. プライドが高い
今まで積み上げてきたものがあるため、老害を起こす人はとてもプライドが高いです。高いプライドを守るのが、老害を起こすメカニズムと言っても過言ではありません。
老害を起こす人は根底に「若者に負けたらプライドが傷つく」という心理があります。だから、自分より年下に対して、特に尊大な態度をとるのです。
■5. 理屈っぽく話が長い
老害を起こす人は理屈っぽいのが特徴です。自分のすばらしさを若者に知らしめたくて、話がくどく理屈っぽくなります。
わざと専門用語を使って、自分のインテリさをアピールすることもあります。理屈っぽいのは自分を尊大に見せるためなので、合理性の欠片もなく、簡単なことでも無駄に話が長くなります。
■6. 話の的を得ない
こんなに長く話しているのに、イマイチ話の的を得ないのが老害の特徴です。長い話でも、すべてが役に立つ内容ならば、誰だって喜んで一生懸命聞きます。しかし、老害の話は長いだけでまとまりがなく、最後まで聞いても結論がわからないことも少なくありません。
■7. 自分の能力を過信している
過去すばらしい結果を残している人が老害になるのは、自分の能力を過信しているからです。年を取ればいろいろな能力が落ちるものですが、老害を起こす人ほど、衰えた自分を客観視できず、「できる」と過信しています。
顕著なのは車の運転です。日常的に車を運転していて「自分は運転が得意だ」という自覚がある人ほど、年を取って視力や反射神経が衰えても、若いころと同じ感覚で運転してしまいます。そのため、いざ事故が起こると、大きな被害を出してしまうのです。
■8. 年功序列の価値観が染みついている
老害が多いと言われる団塊世代は、年功序列制度を扱っている会社が多かった時代でもあります。そのため、「無条件に年上は偉い」という年功序列の価値観が染みついてします。
年下が年上に物申すなんてとんでもないという心理なので、自分が部下や後輩から意見されると、例えそれが正しくても「礼儀知らず!」と激高してしまうのです。
■9. 気が短い
年を取ると丸くなる人もいますが、逆に気が短くなる人もいます。感情のコントロールができなくなるのは老化現象の1つですが、あまりにも気が短いと老害となります。
・ちょっと上手くいかないだけでイライラする
・嫌な気分を我慢できず暴言を吐いてしまう
・すぐ怒る
・とにかく待てない
身体機能が衰えて、トイレが待てなくなるのは不可抗力です。しかし、気が短くなった老害は、平穏に待てなくなります。ちょっとでも待たされると「何をやっているんだ」と文句を言い、場合によっては集団行動を乱して1人で先に行ってしまいます。
■10. 視野が狭い
年を取れば視力が落ちて視野が狭くなりますが、心の方の視野も狭くなります。新しいことへの吸収力が落ちるので、自分が今持っている知識と常識で乗り越えようとするのです。それが強引になると、老害になります。
例えば、セルフレジやキャッシュレス機能などにはメリットがたくさんありますが、老害を起こす人は「人とのコミュニケーションが減る」「味気ない」と、デメリットばかりに注目して否定的になります。視野が狭く、多様な価値観に順応できないのです。
■11. 客観的に自分を見られない
老害になってしまうのは、客観的に自分を見られないのが大きな原因です。古い考えを押し通そうとする姿は、無知でワガママな自分を晒すようなもの。だけど、客観的に自分を見られないため、自分の非に気付けません。だから、周囲に迷惑をかけているのに、「自分のおかげ」と勘違いしてしまいます。
また、年を取ればさまざまな能力が落ちていくのに、それを認められないのも老害の特徴です。ある程度年を取れば、現状維持にも努力が必要です。しかし、根拠なく「自分は大丈夫」と思い込み、何もせずに衰えた自分に気付かず、昔と同じように行動して、場合によっては病気になってしまいます。
■12. 図々しい
認知機能の老化とともに羞恥心が薄れると、誰しもが多少は図々しくなるものです。しかし、老害を起こす人は図々しい加減が違います。気遣いを忘れ、人の迷惑を考えず、自分のやりたいように行動してしまうのです。
図々しさは老化だけではなく、環境によるところも大きいです。ずっと同じ環境で過ごし、いつの間にか自分が年長者となり、周囲が気を遣う環境にいると、自分から気遣う心を忘れて図々しさに磨きがかかってしまいます。
■13. 自分を楽しませるのが下手
何にでも首を突っ込んで引っ掻き回す老害もいますよね。このタイプは、自分を楽しませるのが下手なのが特徴です。1人だとつまらないので、あっちこっちに首を突っ込んで、人に楽しませてもらおうとします。いい大人になっても、自分だけで時間を過ごせないのです。
それでも、周囲に合わせてくれるなら可愛げがありますが、老害を起こす人はどこに行っても「自分が注目されたい」という心理が働きます。途中参加で良く分かっていないにも関わらず、目立ちたくてあれこれ意見したり、1から10まで説明を求めたりして、周囲に迷惑をかけてしまうのです。
老害の特徴15個[態度・行動・マナー編]
心理や思考が原因で、困った行動を起こすのが老害です。具体的に、老害にはどんなケースがあるのでしょうか。態度、行動、マナーについて解説します。
■1. 過去の栄光を自慢する
老害を支えているのは、現在進行形ではなく過去の栄光です。過去の栄光をずっと大切にして、いつまでも「自分はすごいんだぞ」という自信を保っています。だから、どこへ行っても過去の栄光を自慢します。老害が興味あるのは、今ではなく自分が輝いていた過去なのです。
■2. 過去のやり方を押し通す
過去の栄光を自慢して満足するなら、まだまだ可愛い老害です。厄介な老害になると、過去の栄光を根拠に、過去のやり方をそのまま押し通そうとします。時代が進み、過去よりも素晴らしい機能や知識が生まれても、根拠のない理由で否定し、「このやり方が最高なんだ」と譲りません。
■3. 過去の価値観を押し付ける
時代によって価値観は変化しますが、老害を起こす人には通用しません。過去自分が最も優れていた時代の価値観を、今の世代に押し付ける特徴があります。
技術の進歩によって、過去のスキルが機械やコンピュータに代わるのは良くあることですが、それを認めると自分の価値が落ちてしまうので認めたくないのです。「苦労してこそ意味がある」というのは、老害の典型的な価値観の代表です。
■4. 「今どきの若者は…」と年齢で差別する
自分より年下が何か問題を起こしたとき、「今どきの若者は…」と、個人ではなく年齢で差別するのも老害の特徴です。
今どきの若者にもさまざまなタイプがいるはずなのに、欠点に限って「若者」としてひとくくりにします。自分が理解できないと認めるよりも、「若者ができていない」と思った方が楽なのです。
■5. 「年のせい」を言い訳に使う
「今どきの若者は…」と年齢で差別して年下を低評価するのに、都合が悪くなると「もう若くない。年のせいだ」と、年齢を言い訳に使うのも老害の特徴です。
例えば、「年寄り扱いするな!」と普段は若ぶっているのに、自分の不注意を年のせいにして、「君も年を取ればわかる」と、なぜか若者を説教するのも良くある老害です。
■6. 愚痴や悪口が多い
不平不満が多く、愚痴や悪口ばかりなのも老害の特徴です。誰かを非難することで、自分のプライドを守ろうとしているのです。
せっかく知識や経験があるのに、建設的な意見を言えず、口から出るのは愚痴や悪口ばかり。疲れやストレスでイライラしやすいのもあり、黒い気持ちを吐き出すことで発散しているのです。
■7. 話が論理的ではない
老害を起こす人は、話が論理的ではありません。自分の言いたいことを思うまま口にするので、すぐに話題がそれるし、中身もありません。
感情論、根性論も大好きで、「がんばれ」「やればできる」「自分たちはもっと苦労した」と言うばかりで、具体案がありません。その内、自分でも何が言いたいのかわからなくなっているケースもあります。
■8. 店員に怒鳴る
老害を起こす人は感情のコントロールができないので、店員にすぐ怒鳴ります。お客様至上主義で、少しでも無礼な態度をとられると我慢できないのです。特に、いかにも若くてまだ経験が浅く、緊張しながら仕事を頑張っている若者をいじめるのが好きです。
しかし、自分が絶対的強者だと信じて疑わないので、自分の言動が店員いじめになっていると気付いていません。
■9. 声が大きい
老化現象なので仕方ないですが、年を取ると耳が遠くなるため、声が大きくなります。自分が聞こえにくいので、相手にも大きな声で話さないと聞こえないと思ってしまうのです。人によっては、声が大きいだけで特に迷惑行為がなくても、老害と思う人もいますが、高齢者にとっては完全に不可抗力です。
■10. 電車で座っている人に立つように言う
街で見かける老害で良くあるのが、電車で座っている人に「年寄りに席を譲りなさい」と、半強制的に立つように言う姿です。
健康な若者がお年寄りに席を譲るのは、とても素敵な心遣いですが、老害の場合は「若い」という見た目だけで判断してしまい、「妊娠中や持病があるかもしれない」という可能性について全く考えません。声をかけた人が具合が悪くても、言い出した手前後に引けず、「いいから立ちなさい」と我を通してしまいます。
■11. 駅員と揉める
駅員と揉めるのも、街でよく見かける老害です。特に事故やトラブル等でダイヤが大幅に乱れたとき、気が短く待てない老害は、どうにもならない状況の駅員に詰め寄ります。
駅員は冷静にできる限りの説明をしますが聞く耳を持たず、「何とかしろ!」と喚き立て、周囲にいる人まで不快にしてしまいます。
■12. クレーム電話をかけ続ける
クレーマーな老害も多いです。店頭でクレームを言うだけではなく、お客様センターや本社に直接電話をかけてしまいます。真っ当なクレームのときもありますが、相手が丁重に謝罪していても納得せず、何度も繰り返して電話をかけるので、対応部署では有名人です。
■13. マナー違反が多い
昔に比べると、今の日本はとてもマナーが良くなっています。昭和の時代とは違い、今では道に空き缶が落ちていることも、たばこを投げ捨てる人も稀になりました。しかし、老害を起こす人のマナーは昭和で止まっています。「それくらいいいじゃないか」と、平気でマナー違反をするのです。
■14. 失敗を認めず謝らない
老害が厄介なのは、失敗を認めず謝らないことです。「謝ったら負け」と思っているので、意地でも失敗を認めません。正論で畳みかけても逆切れします。当然、人間関係は劣悪になります。しかし、本人は自分で蒔いた種なのに、「若者は冷たい」と拗ねるだけです。
■15. 上から目線で物を言う
普通に言えば良い意見なのに、老害を起こす人は上から目線で物を言います。自分を偉く見せたいのです。しかし、上から目線の態度は周囲から反感を買うだけで、結局自分の話をまともに聞いてもらえなくなります。老害は自分の首を絞める行為でもあるのです。
老害の特徴7個[仕事・職場編]
仕事や職場での老害は、最も実害が大きいと言えるでしょう。切りたくても切れない上司や得意先が老害だと、仕事のストレスは甚大になります。改めて、仕事や職場の老害について解説します。
■1. パソコンで事務作業ができない
このご時世になっても、パソコンで事務作業ができないのは老害です。「そういうの苦手だから」と言って、今まで習得の努力もせず、できる人に甘えてここまできています。
既に役職がついていると周囲も無下にできず、本当なら必要ないのにプリントアウトして渡したり、仕事中なのに「これどう見るんだ?」と呼び出されて対応したりするので、職場の効率が下がってしまいます。
■2. インターネットが使えない
パソコンとインターネットはセットのようなもの。パソコンができない老害は、高確率でインターネットが使えません。仕事に必要な情報収集も、キーワードの選択から躓きます。
「このキーワードで調べてください」とお願いしても、今度は検索結果から必要な情報の取捨選択ができません。ネット不可欠の職場では、完全に戦力外通告です。
■3. やたら打ち合わせが好き
老害を起こす人は、例外なく打ち合わせが大好きです。「やっぱり、顔を合わせて話すのが一番わかりやすいだろう」という考えのもと、理由をつけて打ち合わせを頻発します。
しかも、行き当たりばったりで、打ち合わせをしても話題が逸れて結論が出ず、「打ち合わせをした」という事実だけで満足してしまいます。老害の打ち合わせは、ただ時間を消費するだけで終わることが非常に多いです。
■4. 根性論も大好き
「気合を入れろ」「やればできる」「ギリギリまで食らいつけ」など、老害を起こす人は根性論も大好きです。熱血と言えば聞こえはいいですが、根拠も論理も全くありません。
周囲がフォローしてきたから今があるのに、「自分は根性でここまできた」と間違った認識をしているため、根性至上主義になっているのです。
■5. 「技を盗め」と適切な指導をしない
職人や芸事の世界では、「師匠のお世話をしながら技を盗む」という教えがあります。老害はサラリーマンの世界なのに、この説を持ち込むのが特徴です。
「自分も上司から仕事など教わっていない」「仕事は自分で探すものだ」と、指導する立場になっても部下や後輩を放置。わからなくて質問すると「自分で考えろ」と突き放します。放置された方は路頭に迷うしかありません。
■6. セクハラやパワハラの自覚がない
老害を起こす人は、自分がセクハラやパワハラをしている自覚がありません。悪しき風習でも「苦難を乗り越えた美談」にすり替えて、過去自分が上司にされたことを、部下や後輩に行ってボコボコにしては「今どきの若者は根性がない」「昔はこんなこと普通だった」と、今の時代を嘆くのです。
■7. 残業は美徳だと思っている
高度経済成長期に企業戦士として働いた自負がある老害は、残業は美徳だと思っています。仕事の効率を重視して残業を減らした方が、ビジネス的にも利益が上がるという考え方は真っ向否定。「全力を尽くしてこそ素晴らしい結果が出る」と、働く時間の長さで価値を測ろうとします。
老害が残す名言の具体例
老害の思考は、しばしば名言として残されます。社内の飲み会で上司から聞かされる昔自慢が、最も身近な老害が残す名言にあたります。他には社訓を毎朝読み上げる職場もあるでしょう。
有名な名言の中に、43歳で電通の代表取締役社長に就任した吉田英雄の言葉があります。
以下引用
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
引用:http://www.yhmf.jp/outline/about/regulation.html
出展:公益財団法人吉田秀雄記念事業財団
ビジネスにおいて素晴らしい名言ですが、今のご時世では「パワハラ」と言われかねない内容も含みます。働き方改革が謳われる時代、このような名言を高らかに唱えた場合、「老害」と認定されてしまうかもしれません。老害にならないためには、常に時代の変化にアンテナを張るべきなのです。
老害への対処方法7個!駆逐できる?
実際に老害に遭ってしまった場合、対処法を間違えると更に被害は拡大してしまいます。正しい対処方法で、被害を最小限にする方法を伝授します。
■1. 自分から近寄らない
身近に老害を起こす人がいるなら、自分から近寄らないことが重要です。「駆逐してやる!」と、あなたから接触しても、理屈で引き下がってくれる相手ではありません。関われば関わるほど、面倒事に巻き込まるのがオチです。
老害への正しい対処方法は、とにかく関わらないこと。コミュニケーションは最低限の挨拶のみにして、あなたから近寄らないようにしましょう。
■2. 反論厳禁
あなたが近寄らなくても、あちらから老害がやってくることもあるでしょう。突然理不尽な老害に遭えば、反論したくなるものですよね。だけど、グッと我慢してください。反論すると、返って面倒なことになるだけです。
あなたがどんなに理路整然と正しい意見を伝えても、相手の耳には入りません。何を言っても「生意気言うな」「うるさい」「何様だ」と、罵倒が倍になって返ってきます。そもそも、人の話に耳を傾ける相手ならば、老害にはならないのです。
不運にも老害に遭ってしまったら、とにかく聞き役に徹するのみ。それが被害を最小限にする対処方法です。
■3. 話はできるだけ聞き流す
聞き役に徹しても、老害の発言すべてを受け止める必要はありません。むしろ、話はできるだけ聞き流しましょう。老害の発言に、あなたのためになる情報は殆どありません。感情論、根性論、時代錯誤の意見ばかりです。だからこそ老害なのです。
ただし、すべて聞き流すと相手にバレてしまいます。また、同じ理由で相手を刺激して、老害を繰り返すリスクも高まります。老害が始まったら、「相手は自分に何を求めているのか」を探るのがポイントです。
長々と話していても、要約すれば一行に収まる内容というのは、老害の典型パターン。それ一点に集中し、後のどうでもいい悪口雑言自慢愚痴は、適当に相づちを入れつつスルーするのが、ストレスを溜めない対処方法です。
■4. 良い部分は取り入れる
老害の塊のような人でも、何かしら長所があるものです。毛嫌いすると、一緒の空間にいるだけでも苦痛を感じるようになってしまいます。上手に付き合うためにも、すべてを否定的に捉えず、老害の良いところも探しましょう。そして、良い部分は取り入れていきましょう。
確かに時代錯誤は迷惑ですよね。もちろん、どう考えても害にしかならない考えを、受け入れる必要はありません。だけど、違う時代を生きた人には、あなたにはない発想と思考があります。もしかしたら、あなたの人生を豊かにする何かがあるかもしれません。
尊敬できる年配者は、「自分を利用して成長しなさい」と言うものです。逃げられない関係ならば、老害から得られる利益を探すのも1つの方法です。
■5. 感謝と尊敬の気持ちを伝える
老害を起こす人には、「尊敬されたい」「自分の価値を認めてほしい」という心理があります。自分でも薄々時代に合わなくなっていることを感じつつ、それを認めたくなくて老害を起こしてしまうのです。だから、周囲が否定すればするほど、老害はひどくなります。
老害に限らず、円滑な人間関係は感謝と尊敬の気持ちが不可欠です。老害を起こす人にも、きっと何か良いところがありますので、そこを認めて感謝と尊敬の気持ちを伝えましょう。相手も自分を認めてくれる人に対して、不用意に辛くあたらないでしょう。
■6. ジェネレーションギャップだと諦める
いつの時代の人も「今どきの若者は…」と、自分の世代との差を嘆くものです。世代によって、「団塊の世代」「バブル世代」「ゆとり世代」「さとり世代」など、表現が変わるのがその証拠です。どの時代に生まれても、若者にはギャップを感じるのが自然な現象なのです。
だから、あなたが老害と感じるのも、ジェネレーションギャップによる自然現象と言えます。もちろん、害はどこまで行っても害ですが、「ジェネレーションギャップだから仕方ない」と諦めた方が、必要以上に腹を立てることがなくなります。老害を気にしてイライラピリピリするよりも、良い意味で諦めてあなたが寛大になりましょう。
■7. 害が大きい時は法に訴えることも考える
諦めてスルーできないほど害が大きい場合は、法に訴えることも考えましょう。例えば、セクハラやパワハラを回避するには限界がありますし、1対1で話し合っても自分が傷つくだけです。
あなたが精神的肉体的苦痛を伴うなら、もはや老害の域を超えています。第三者機関に入ってもらったり、弁護士に相談したりして、法を味方につけて戦いましょう。
老害エピソードあるある4個
人と接していれば、誰もが一度は老害に遭うものです。その中でも、ありがちな老害エピソードあるあるを紹介します。
■1. ゴルフ一本で出世した無能上司から無理難題を押し付けられる
年功序列で実力があまり考慮されなかった時代、上司の太鼓持ちでゴルフ一本で出世したと裏でささやかれる上司。彼は今も上司には絶対服従。そして、実力もないのに「上司は偉い。おまえら言うことを聞け」という典型的な老害タイプです。
仕事には全く熱心ではないけど、上から降ってきた仕事を精査も相談もせずに「任せてください!」と調子良く引き受けてしまいます。しかし、当然のように大変な仕事は全部部下に丸投げ。意見も拒否も受け付けず「とにかくやれ」を押し通すので、現場が苦労します。
■2. 親から育児に激しく口と手を出される
育児も時代によって変化します。親が育児に激しく口と手を出してくるというのは、老害あるあるエピソードです。
例えば、今や専業主婦より共働き世帯の方が圧倒的に多いのに、「三つ子の魂百までも」で「保育園なんてかわいそう」な時代を生きた世代は、嫁が働くことに良い顔をしません。
また、団塊世代の子育て時代は、まだ子供の虫歯予防への意識も低いです。「アイスクリームだから大丈夫よ」と、歯磨きを済ませた寝る直前の子供に甘いものを与えるという報告は、ネット上では後を絶ちません。厳しかった親が祖父母の立場になると、孫を甘やかすようになるのはあるある話です。
■3. 一時停止を無視した運転手に怒鳴られる
高齢者が運転する車の事故がしばしばニュースになりますが、事故未満の老害は超あるあるエピソードです。
例えば、一時停止を無視した車とギリギリで接触を回避し、思わず運転手を睨んだら高齢者。一時停止を無視した方に落ち度があるのに、目が合った瞬間「何やってんだ!気をつけろ!」と怒鳴られてビックリ!自分の非を全く認めず逆切れする姿は老害そのものです。
■4. アルバイトの古株の発言が気分によって正反対
老人ではなく、しかも社会経験が充分ではないアルバイトの世界でも老害は存在します。アルバイトの古株が、社員気取りで現場を仕切っているケースです。
もちろん、仕事も気配りもできるなら老害にはなりません。「自分は何でも知っている」という顔で後輩たちにアドバイスするのは良いのですが、古株の老害は発言に一貫性がありません。その時の気分で言っている内容が180度違うことも…。やたらシフトにも入っているので、周りは振り回されつつ「当たらず触らず」でやり過ごすしかありません。
老害認定の診断チェックリスト
あなたの老害度はどれくらい?質問に答えるだけでわかるチェックリストを作りました。
次の質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。「はい」が多いほど、あなたの老害度は高くなります。
・周囲にいる人の年齢が気になる
・自分より年下の人に対して「甘えてる」と思うことが多い
・後輩を指導するとき、つい口調が強くなる
・何かを評論するのが好きだ
・自分の価値観を信じている
・人の話を遮ってしまうことがある
・反対意見には取り合わないことが多い
・人を批判するとき言葉がスラスラ出てくる
・つい過去のケースに当てはめて物事を考えてしまう
・議論のすり替えが得意だ
・「やっぱりね」「ほら、言ったとおりだ」と思うことが多い
・老婆心からつい若者にアドバイスしてしまう
・自分を否定されると腹が立つ
・報告、連絡、相談をつい疎かにしがちだ
・自分に関係ない事柄にはあまり興味がない
・後輩は如何なるときも先輩を立てるべきだと思う
・飲み会や残業を平気で断る若者が理解できない
・「昔は良かったな…」と思うことが多い
まとめ
老害を最小限にとどめるには、相手の心理を理解して臨機応変に対応するのがポイントです。人から厄介がられる老害は、理解者がいない孤独で寂しい人という捉え方もできます。
積極的に関わる必要はありませんが、「なぜ老害になってしまうのか」を考えると、今より良い関係性が築けるでしょう。