サイコパスより危険!?ダークエンパスとは?診断チェックテストや顔つきの特徴

「エンパス」と聞くと、感受性豊かで他人に寄り添うことができる人が多い、優しいイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、その共感力が悪用されたとしたら......。

近年、心理学の分野で注目を集めている「ダークエンパス（闇の共感者）」は、まさにその危険性をはらんだ存在です。

サイコパスのような冷酷さとは異なり、相手の感情を理解するからこそ巧妙に、そして深く相手の心に付け入るダークエンパス。なぜ、サイコパスよりも危険だといわれるのでしょうか？

この記事では、ダークエンパスの特徴や顔つき、恋愛傾向、診断チェックテストやサイコパスとの違いまで、幅広い角度から解明していきます。

ダークエンパスを紐解く前にまず、エンパスについて解説します。

エンパスとは、 共感力が高く、他人の感情に敏感で、直感がすぐれている人格のことをいいます。

エンパスさんはコミュニケーションの中で相手の気持ちを瞬時に察知し、変化を会話せずとも感じ取ることがあります。この共感能力の高さゆえに、他人の気分に影響されやすく、自分自身の感情も大きく揺さぶられてしまうことが少なくありません。

エンパスさんの喜怒哀楽が激しいと見られがちなのは、感情を操作するのではなく、他者の感情を深く察知し、その影響を受けてしまうためなのです。

ダークエンパスは、 ダークトライアドとエンパスの気質両方を持つ人のことを指します。2020年にイギリスの心理学者たちによって発見されました。

ダークトライアドとは、サイコパス、マキャベリズム、ナルシシズムという3つの性格の総称です。

サイコパスは、他人への共感ができず、冷酷で衝動的な行動をとります。
マキャベリズムは、自分の利益のためなら手段を選ばず、他者をコントロールして利用することを厭いません。
ナルシシズムは、自己中心的で、過剰な自己愛と賞賛欲求を持ちます。

エンパスが他人の感情に純粋に共感し影響されるのに対し、ダークエンパスは他人の感情を深く理解する能力を持ちながらも、それを自分の利益や他人をコントロールするために悪用します。そのため、サイコパスよりも危険だといわれているのです。

次に、ダークエンパスの具体的な特徴を詳しく見ていきましょう。

ダークエンパスは、社交的で親しみやすい一面を持っています。人との交流を楽しみ、初対面でもすぐに打ち解けることができるため、周りの人からは明るく魅力的な人だと感じられることが多いでしょう。

しかし、その根底には無意識のうちに、自身の利益や満足を求める気持ちが隠されていることがあります。たとえば、ボランティア活動を通じて「誰かの役に立っている」という良い感情を味わったり、困っている人に手を差し伸べることで、自身の存在価値や優位性を感じたりする、といった側面です。

ダークエンパスの親切な行動は、純粋な善意だけでなく、自身の心を満たすための動機も含まれていると理解するといいかもしれません。しかし、人間は完全な存在ではないので、善意がいつでも純粋でないのは当たり前のことなのかもしれません。

ダークエンパスは優れた共感能力を、純粋な理解や共感のためだけでなく、他者を意図的に操作するために使うことがあります。相手の感情の機微を敏感に察知し、それを巧みに利用して、自身が優位に立つ状況を作り出そうとします。

具体的には、相手に罪悪感を抱かせたり、特定の見方や思考パターンを植え付けたりすることで、無意識のうちに自分の思い通りに動かそうとするなどです。

研究では、ダークエンパスは「悪意のあるユーモア」や「他者に罪悪感を抱かせる言動」を使う傾向が指摘されています。例えば、体型に関するデリケートな話題を冗談めかして持ち出し、相手を不快にさせながらも笑いを取ろうとするような行為に、その特徴が見られることがあります。

こうした行動の背景には、ダークエンパス自身の不安や自尊心の欠如が隠されている場合もあると考えられています。

ダークエンパスは、自分の立場やプライドを守ることに非常に重きを置きます。そのため、持ち前の共感力や、一見すると親切に見える振る舞いを使い、例えば職場で上司や同僚からの評価を高めるために利用することがあります。

ダークエンパスは「負け組」になることを強く嫌う傾向があり、自分の評判や現在の立ち位置を維持するためであれば、ためらうことなく他者を利用することがあります。

ダークエンパスは、自分が傷つけられたり、プライドを傷つけられたりした経験を、決して忘れることがありません。たとえその場では笑顔で対応していても、心の中では相手への深い恨みや復讐心を抱き続けることがあります。

そして、時間が経ってから、巧妙な方法で相手に仕返しをしようとすることもあります。彼らの復讐は、直接的に怒りをぶつけるのではなく、じわじわと相手を追い詰めていくような形で現れることがあるため、非常に注意が必要です。

「嘘も方便」という言葉があるように、相手を思いやるための嘘は、時には許されることがあります。しかし、 ダークエンパスにとっての嘘は、自分自身の利益を追求するための道具であり、人を欺く行為も肯定されるべきものだと考えられています。

たとえば、結婚詐欺師が目的のために医師や弁護士になりすまし、相手を騙すように、ダークエンパスも目標を達成するためなら、どんな嘘をつくこともためらいません。嘘をつくことが「悪いこと」ではなく、目的を果たすための「良い手段」になり得るのです。

ダークエンパスは、常に人からの注目を集めたいという、非常に強い承認欲求を持っています。そのため、彼らは目立つ場所を好み、他者に影響を与える立場になることに大きな喜びを感じます。

そして、そのための計画を立てることも得意です。承認欲求を持つこと自体は誰にでもある自然な感情ですが、 ダークエンパスの場合、それが自分を肯定する唯一の手段となってしまうことがあります。この状態が進むと、自己中心的なナルシシズムへとつながる危険性も秘めているのです。

ダークエンパスには、特徴的な顔つきのようなものはあるのでしょうか。残念ながら、ダークエンパスに特有の顔つきというものは存在しません。

ダークエンパスは、共感能力を持ちながらもそれを悪用するという、心理的な特性によって定義されます。これは外見的な特徴とは結びつきません。

ダークエンパスは、むしろ 人当たりが良く魅力的な顔つきをしていることが多いです。もし、特定の顔つきをダークエンパスの兆候と結びつけてしまうと、誤った判断や偏見につながる可能性があります。

ダークエンパスは、恋愛において相手を深く理解する共感力を持つ一方で、その能力を自分の利益や支配のために用いる傾向があります。パートナーの感情を敏感に察知し、それを巧みに利用してコントロールしようとします。

ダークエンパスの愛情は、純粋なものではなく見返りを求める側面が強いです。常に自分が優位な立場でありたいと願っており、関係性の中で主導権を握ろうとします。もし裏切られたと感じれば、その恨みを決して忘れず、とことんまで復讐を企てる可能性があります。また、関係を維持したり、自身の目的を達成するためなら、平気で嘘をつくこともいとわないでしょう。

最終的には、 常にパートナーにとっての特別な存在であり続けたいという強い承認欲求が根底にあり、それが満たされないと関係がこじれる原因にもなり得ます。

はいの数が3つ以上ある方は、ダークエンパスの可能性があります。
はいの数が4つ以上ある方は、ダークエンパスの可能性が高いです。

こちらは簡易的な診断チェックなので、自分自身や周りの人など、思い当たる節が結構ある......という方は、ダークエンパスについてより詳しく調べてもいいかもしれません。

ダークエンパスとサイコパスの違いとは一体どんなものがあるのでしょうか。以下の表にまとめました。

このようにダークエンパスは、共感能力があるからこそ、相手の心を深く読み取り、より巧妙に、そして精神的に追い詰める形でダメージを与える可能性があるため、 サイコパスよりも危険といわれることもあります。

ダークエンパスは、共感能力を悪用する危険な存在です。一見すると魅力的で人当たりが良いですが、その裏には自己中心的で操作的な側面が隠されています。

ダークエンパスの巧妙な手口から身を守るためには、言動の裏にある真の動機を見抜く洞察力と、自分自身の境界線をしっかりと守る意識が大切になります。

この知識が、あなたが健全な人間関係を築き、自分自身を守るためのヒントとなれば幸いです。