できることなら楽しい夢を見たいですし、望むような夢を見ることができたら良いですよね。そんなことは不可能だと思っている人が多いでしょうが、夢の内容を自在にコントロールすることはできます。
夢だと自覚しながら見る「明晰夢」がそれに当てはまります。もちろん誰でも簡単に見れるものではありませんが、トレーニングを積むことで明晰夢を見やすくすることは可能です。
今回はそんな明晰夢について詳しく解説していきたいと思います。
明晰夢の意味とは？怖い？
明晰夢とは、「あ、今夢を見ているな」と夢の中で自覚しながら見る夢のことです。
似たような体験で、金縛りがあります。金縛りにあう時は、身体は寝ているのに脳は起きている状態なので、身体が動かないのに反して意識ははっきりしています。明晰夢を見る時も、身体は寝ていますが思考を司る前頭葉が目覚めている状態です。
そのため明晰夢を見ている時の脳は、起きている時と同じような状態だと言えます。だから思い通りに夢の内容を変えることができ、現実に体験しているのと同じような影響が身体に表れます。
明晰夢を見ることは楽しいだけではなく、不安の克服や現実世界における活動の練習の場にもなる一方で、現実と夢の境目がわからなくなるなど怖い一面も持っています。
ですから明晰夢について知る時は、明晰夢が持つメリットやデメリットも同時に知っておくことが大切です。
明晰夢を見る人の割合・確率
さて、明晰夢は一体どのくらいの割合の人が見たことがあるのでしょうか。実は、多くの人は死ぬまでに最低1度は偶然に明晰夢を見ていると言われています。
また、夢だと自覚する程度の明晰夢であれば、眠りが浅い時に見る確率は上がります。ですが、夢だと自覚して夢の内容をコントロールするようになるには、やはりある程度のトレーニングが必要です。
とは言え、トレーニングをしてようやく見れるようになる人もいれば、なかにはトレーニングをしても見ることができない人もいます。
最近ではかなりの高確率で明晰夢を見る方法が解明されていますが、それは機器を使う人工的な方法であるため、私たちが気軽に体験することはできません。
これから、明晰夢をみるために自分でできる簡単なやり方や方法も解説していきますので、明晰夢を見たいと考えている人はトライしてみると良いでしょう。
明晰夢を見る簡単なやり方・見方5個
■1. 瞑想をする
明晰夢を見ている間、脳波の一つであるガンマ波が出ていることがわかっています。ガンマ波とは、強い集中状態にあるときの脳波です。
記憶力や集中力の高次の脳機能に密接に関係しています。そして、瞑想修行者の脳ではガンマ波が高まることも明らかになっています。
ということは、瞑想を習慣化することで明晰夢を見やすい状態に持っていくことが可能というわけです。
忙しい人は眠りにつく前の5分の瞑想だけでも大丈夫です。眠る前に呼吸を整え、じっと目を閉じ、心を無心状態にしてみてください。
■2. 現実か夢かをチェックする
今が現実なのかそれとも夢なのかをチェックする癖をつけることで、夢の中で夢だということに気付きやすくなります。
例えば、夢かどうか確認するために「頬をつねる」行為をアニメなどでもよく見ますが、このような動作で確認するのは実際に有効です。
何か自分の中で「これをやってこうなったら現実」「これができたら夢」などというような判断基準を用意しておくといいですよ。これは明晰夢を繰り返し見るようになってからも、夢と現実を見分ける方法として使えます。
■3. リラックスした状態を作り出す
肉体的にも精神的にもリラックスした状態であることは、明晰夢云々だけでなく睡眠をとる上で重要なことです。
リラックスした状態では夢を見やすくなり、良い夢を見るための絶対条件とも言えます。明晰夢を見たい時も、リラックスした状態で見たい夢のことに意識を集中させましょう。
リラックスするために音楽等を利用するのもおすすめです。他に、就寝前のホットミルクやハーブティーなどもリラックスするのに効果的ですよ。
■4. 夢日記をつける
夢で見たことを記録しておく夢日記をつけることで、自分が見る夢の傾向を知ることができます。すると、夢を夢だと認識しやすくなるわけです。「あぁ、このパターンは夢だな」と思えるようになれば明晰夢を見るまでもう一歩です。
ただし夢は長期記憶に向いていないので、起きてしばらくすると記憶から薄れてしまいます。ですから夢日記をつけるのであれば起きて最初にやるといいでしょう。あとで書こうと思っても忘れてしまっているのがオチなので気を付けてください。
夢日記は他にも潜在意識とのコミュニケーションに役立つので、夢占いやスピリチュアルに興味がある人はつけておいて損はないものです。
■5. ビタミンB6を摂取する
ビタミンB6を摂取すると夢を覚えやすくなるという研究結果が存在します。これは明晰夢の研究チームが当初夢の内容を覚えていられなかった被験者達に5日間連続就寝前にビタミンB6を摂取させたところ、実験が終わる頃には皆夢を覚えていられるようになったというものです。
明晰夢を見るためには夢の内容を明確に記憶することも重要ですので、ビタミンB6が明晰夢を見るために有効に働く可能性は高いと言えます。
明晰夢を見る時間
明晰夢を一番見やすい時間帯は朝方です。それは朝方になるとレム睡眠時間が伸びるからです。一番見やすい時間は入眠から5時間後、3度目の長めのレム睡眠を終えた時間帯です。
また、二度寝を始めて数十分から一時間くらいの間の時間帯も明晰夢を見やすくなります。二度寝をする時は、「次眠りについた時には自分が夢の中にいることを自覚する」と唱えながら二度寝に入るとさらに明晰夢を見やすくなります。
なかには眠りについてすぐ明晰夢を見始めてレム睡眠の度に明晰夢を見るという人もいますが、これはあまり身体的にいいとは言えませんし、余程訓練をした人やスピリチュアルな感覚が強い人の話です。
明晰夢を見る人の特徴3個！天才？
■1. 想像力が豊か
想像力が豊かな芸術家タイプの人は明晰夢を見やすいです。例えば絵を描いたり音楽を作ったりということに長けている人は、現実で目にした情報だけではなくそこから広げていく力があります。楽しみながら自分の世界で想像を膨らますのが得意です。
そのため夢でも非現実的な夢を見ることが多く、それが夢だとわかりやすいうえに、夢の内容を広げることができます。想像力が豊かな人が見る明晰夢は、映画や小説の世界のようなストーリー溢れる夢になるかもしれませんね。
■2. メタ認知能力が高い
メタ認知能力が高い人というのは、自分のことを客観的に見ることができ、自分自身をコントロールできる人のことです。自分がもう一人いて、上から自分の様子を見ているような感覚です。
このメタ認知能力が高い人は、今現在の状況を捉えることに長けているので、自分が夢の中にいるのか現実にいるのかという判断ができます。また、夢の中の自分をコントロールすることも訓練なしで簡単にできてしまう傾向があります。
■3. 倫理的思考ができる
夢の世界は現実と比較して可笑しなことが多く、辻褄の合わないことや違和感がたくさんあります。空を飛んだりヒーローになったりと非現実的な夢も多いです。
そのため倫理的思考のできる人がこのような夢の状況を見れば、すぐに夢だということに気付くでしょう。だから倫理的思考ができる人は、明晰夢を見やすいと言われています。
このようなタイプの人は現実同様夢の内容を倫理的に進める人と、夢の中だと割り切って普段なら納得のいかないような思い切ったストーリーの夢を見る人に分かれる傾向があります。
明晰夢のメリット
明晰夢は何より見ていて楽しいです。自分の好きなことができて、しかもそれが夢の中だから誰にも迷惑をかけることがありません。現実でやってみたいと思っていたことを実現することもできますし、現実では本来実現不可能なことを夢の世界でやってのけることもできます。
そして楽しい以外にも、明晰夢には様々な活用方法があります。例えば、プレゼンやスポーツ大会の前のイメトレの場とすることで、寝ている時間もトレーニングをすることができます。試験の暗記にも有効です。
寝ている間に暗記できてしまうなんて凄いですよね。芸術家やクリエイティブな仕事をしている人は、インスピレーションを得る場にもなります。また、苦手なものを克服したり不安なことを乗り越えることも。
このように、明晰夢は人生や生活に役立てることができるのです。また、スピリチュアルな話にはなりますが、明晰夢を見る事で潜在意識と繋がり、自分の事を深く知ることもできます。
明晰夢のデメリット・危険性は？疲れる？
一方で、明晰夢にはデメリット・リスクも存在することを忘れないでおいてください。一番気をつけていただきたいのは、現実逃避に明晰夢を使うと現実世界に戻れなくなるということです。
何でも思い通りの現実世界と、思い通りにいかない現実世界。どっちがいいかと言われれば、夢の世界であるのは当然です。たまの現実逃避であればストレス発散につながりますが、頼り切ってしまうのはやめましょう。
また、明晰夢を見ている間は起きている時と同じように脳が覚醒していることから、質の悪い睡眠になりがちです。きちんと休息できなければ心身の疲れは取れません。そうなれば日常生活に支障をきたす可能性もあります。
明晰夢を見ることが周りに迷惑をかけないと言っても、睡眠不足のためにイライラしたり体調を壊してしまっては意味がないので注意しましょう。
明晰夢と金縛りの関係
金縛りと明晰夢は似ているという事を冒頭部分でも述べましたが、明晰夢を見るためにあえて金縛り状態に持っていく方法もあるほどです。金縛りとは、身体は睡眠状態にあるのに意識だけはまだ起きている状態。これは明晰夢を見る時と同じ状況です。
ただ大きな違いは、金縛りに対して多くの人が「怖い」というイメージを持っていることです。その大きな要因となっているのは、身体が動かないこと。実際、心霊現象が現れるなど霊界と繋がる体験をすることもあります。
ですが金縛りにおいての怖い体験というのは、実はあなた自身が作り出しているものにすぎません。「身体が動かない＝怖い」という思い込みが、怖い夢を見せているのです。
金縛りにあっても「怖くない」と思い逆に楽しい事を考えていると、いつの間にか自分で夢をコントロールできる明晰夢になっているはずです。言ってみれば金縛りは、自分でコントロールできない明晰夢のようなものなのです。
明晰夢で勉強はできる？
明晰夢のメリット部分でも軽く触れましたが、明晰夢は勉強にも活用できます。明晰夢は自分のコントロール下にあるのですから、明晰夢の中で意識的に勉強することも可能。そうすれば寝ている間も勉強時間に充てることができます。
これは受験生や資格試験を控える人にとって何とも嬉しいことですよね。記憶の整理を行う睡眠中に勉強をした内容は、脳がその情報は必要な知識だと認識します。だから記憶に定着しやすく、暗記や難しい数式を記憶するのに向いています。
ただし、これを毎晩続けてしまうと脳は毎日徹夜しているようなもの。疲れが溜まるのは当然です。そのせいで大切な試験日までに体調を崩すなどしてしまっては元も子もありません。いくら明晰夢で勉強ができるからといっても、程々にしましょう。
明晰夢を見る訓練・コントロール方法
明晰夢を生まれつき見やすい人もいれば、訓練しないとほとんど見る機会なく人生を終わらせる人もいます。もしあなたが明晰夢を見たいと思い、これまでに明晰夢を見た経験がないのでしたら訓練する必要があるでしょう。
これから説明する方法は簡単とまではいきませんが、マスターしてしまえば日常的に明晰夢を見やすくなりますので、試してみるといいですよ。
まず、目覚まし時計をいつもより90分早くセットします。これを1週間。翌週は隔日で90分早起きします。前の1週間で90分の早起きが習慣になりつつあるので、早起きしない日でも起床前の90分は脳が覚醒しているレム睡眠状態となります。そうなると明晰夢が見やすくなるというわけです。
明晰夢になったとしても、夢の中を思い通りにコントロールするには強く潜在意識に訴えかけることも大切です。最初は上手くいかないかもしれませんが、コツを掴んでしまえば自在に操れるようになりますよ。
まとめ
明晰夢はまさに夢のような夢。明晰夢を見ることができるようになったら、毎晩夢を見るのが楽しみで仕方なくなりそうですよね。しかし何度もお伝えしてますが、デメリットも多く存在するので依存のしすぎには注意してくださいね。
