徳を積むという行為は、良い行いをすることですが、徳には陽徳と陰徳があります。陽徳は人に対して良い行いをして感謝されたり、認められたりする徳を指します。陰徳は周りの人にわからないように、密かに良い行いをすることを指します。
誰にも評価されず、お金にもならないのに善行を積むことは、並大抵のことではありません。しかし運勢というものは巡り巡って来るもので、いつかは必ず報われます。陰徳線を持つ人はこの陰徳は積み続けることができるのです。
それでは、珍しい手相である陰徳線の意味や様々なタイプなどについて詳しく解説していきます。
手相占いで陰徳線の意味とは?オーラがある?
陰徳線は、親指の付け根の領域となる金星丘の下部に現れる、長めの縦線を指します。生命線の内側で生命線より少し離れた位置に現れることが多く、比較的濃くハッキリと刻まれます。カリスマ線は2本から3本、説によっては2本とされますが、陰徳線の場合は複数刻まれていることもあります。
しかし1本の場合は、陰徳線にはなりません。長い縦線が1本と短い縦線1本がある場合でも、陰徳線とは見なされないようです。それでも、ある程度の奉仕の精神は持っている傾向にあります。
陰徳線は2本以上の濃く長い線にならないと、人を惹きつけるオーラまでは漂わないとされます。
陰徳線の意味とは、人の面倒見が良く世話好きで、家庭や家族、社会に尽くすことです。陰徳線が現れている人は、自分が損をしても人に尽くす優しい気持ちを持ちます。陰徳線の本数が多い程、自己犠牲をしやすいとされます。
陰徳線とカリスマ線の違い
陰徳線は金星丘下部に伸びる濃く長めの縦線が、複数見られるものを指します。
カリスマ線は金星丘下部に現れる2~3本の濃い短い縦線になり、どちらかというと、親指寄りに現れることが多いようです。人知れず徳を積むことでこのカリスマ線が長く伸びて、陰徳線になることもあります。
陰徳線は複数の縦線ですが、本数が多過ぎると人に尽くし過ぎて自分を見失うこともあるようです。陰徳線が現れていると女性の場合、良妻賢母となり、男性の場合は家族思いのパパといった形になります。男女共に家族に尽くし懸命に働くとされます。
カリスマ性は持ち合わせているのですが、奉仕の精神が強めとなります。思いやりにあふれ、人だけでなく動植物にも優しく接します。人や社会のために貢献できることで満足感が得られます。慈善事業やボランティアに進んで参加する人格者になります。
陰徳線と一億紋の違い
金星丘下部に伸びる濃く長めの縦線が、複数見られるものが「陰徳線」です。一方、金星丘に現れる濃く長い縦線が6本以上あると「一億紋」になります。生命線に届くくらい長く伸びた濃い縦線といった印象があります。人知れず徳を重ねた結果が大金につながると、陰徳線が伸びて一億紋になることもあるようです。
この一億紋は大吉相として知られています。これが現れていると、億万の金財を稼ぎ出す能力を持ち、その機会に恵まれるとされます。
その名の通り、億万を越える大財を築くことができるわけです。億万の富を手にしている証として現れることもあります。
カリスマ線と同じ人を惹きつけるような魅力を持ち、陰徳線同様に徳を積み重ねることにも優れています。これらを併せ持ち大きな富がつかめるとされます。
金星丘に伸びる縦線の長さや濃さ、本数によってカリスマ線、陰徳線、一億紋と変化していくわけです。
1. 陰徳線が濃い
陰徳線は金星丘下部にある濃く長めの縦線が複数見られるものなので、濃いのは当たり前ですが、より一層濃い印象があるものを指します。濃い4大基本線と比較しても、遜色ないかむしろ濃い印象があれば、間違いなく濃いものになります。
陰徳線が濃い場合、人に尽くすことを全く惜しまないとされます。多大な自己犠牲を払っても、人や社会に貢献できることで満足感が得られます。専業主婦の場合、家族の喜びを励みに進んで家事をしていると、どんどん濃くなるとされます。
一方で家事労働で金銭要求を考えていたり、嫌々やっているとどんどん薄れて消えていくはずです。人のために働ける程。濃さが増していきます。人のために尽くしたことが吉となり、幸せを運んでくれます。
2. 陰徳線が薄い
陰徳線は金星丘下部に現れる複数の濃く長めの縦線なので、薄い場合は陰徳線になりません。この薄いという判断は見た目によるところが大きく、薄いという印象があるものを指します。
人知れず徳を積んだり、陰ながらの奉仕などがまだ足りていないという解釈もできます。奉仕の気持ちだけが先走っていることも考えられます。研さんに励めば濃くなるはずです。また普通の人よりも、人に尽くしたいという気持ちは多めに持っています。
もし尽くしたいと強く願うようになれば、すぐに濃くなります。今まで濃かったものが薄くなっている場合は、人に尽くすことに疲れたり、人に尽くす気持ちが弱まったことを示します。自己犠牲のダメージが大きく過ぎる場合もあります。
3. 陰徳線が長い
陰徳線は金星丘下部に現れる複数の濃い縦線が長いものを指しますが、その長さはその人がどれだけ、人知れず徳を積んでいるかの指標にもなります。長いと言っても生命線に接することはありません。
陰徳線が長い場合、並大抵の苦労を越えた徳を、人知れず積んでいるとされます。仕事として行っている善行ではなく、プライベートな面での良い行いを数多くしていることが考えられます。無報酬で苦労を買って出て、人から感謝されているはずです。
人に恩を売り、見返りを求めるような気持ちは一切ないとされます。自分の利益を度外視して、社会貢献ができます。陰徳線が短めだった人が、今まで以上の徳を積み重ねれば、どんどん長く伸びてくるはずです。
4. 陰徳線が短い
陰徳線は金星丘下部に現れる複数の濃い縦線が長いものを指すので、短いと本数によってはカリスマ線になってしまいます。線の短さも見た目によるところが大きく、短い印象があるものになります。
長い短いは微妙な面がありますが、本数が複数で短めの場合は、何らかの良い行いをしても仕事の一環だったり、人に頼まれてやっていることが考えられます。自分の意思で人に尽くすことはしていないはずです。
陰徳線になりかけているので、奉仕の気持ちは抱いているとされます。また何らかの報酬を得ていると短いとされます。徳を積むことに下心があったりや見返りを求めているはずです。自分の利益を優先していたり、損得勘定がある限り、線は短いままと言えます。
5. 陰徳線が両手にある
手相では利き手で後天的なもの、利き手でない方の手で先天的なものを読み取ります。そこから両手に陰徳線がある場合、利き手がどちらでも生涯を通じて、人に尽くすことができるとされます。
幼少期から人のためになることを進んでやっているはずです。困っている人を見かけると手を差し伸べたくなる気持ちが強くなります。人や社会のために貢献することをしても、それを自慢したり、報酬を得るようなことはしません。
人に尽くすことに抵抗感がなく、自然にできます。仕事面でも表に出て活躍するよりは、裏方に回って組織などを支えることに優れています。自分を犠牲にして家族のために働くので、家庭は円満になるようです。しかし、やり過ぎて自分を見失う傾向にもあります。
6. 陰徳線が左手にある
一般的に手相では利き手でない手に先天的なものが現れるとされます。日本人は右手が利き手のことが多いので、左手で先天的なものが読み取れます。
この左手にある場合、生まれ持って性質として人に尽くすことに喜びを感じているとされます。人知れず徳を積む苦労は苦労とは思わないはずです。より大きく人やモノに対して社会貢献できることで満足感が得られます。
しかし人生経験を積んでいくうちに、人に尽くすことに飽きたり、魅力を感じなくなる可能性があります。そうなると、陰徳線は薄れ消えて行ったりします。
また人に尽くすことに疲れ、自分を見失うと生来の特性は変わってしまいます。左手の陰徳線は、生涯を通じて決定付けられた特質にはならないのです。
7. 陰徳線が右手にある
手相は利き手に後天的なものが現れるとされます。日本人では右手が利き手のことが多いので、一般的に右手では後天的なものが読み取れます。
この右手にある場合、人生経験を積んだ中で、人に尽くすことが育まれ、それに喜びを感じるようになったとされます。誰に言われることもなく、自発的に善い行いをするようになっているはずです。
人知れず徳を積むことが、巡り巡って大きな幸せになって戻って来ると信じ、励みにしています。金銭的な見返りを要求したり、恩を売るような気持ちはさらさらないはずです。人からの評価を気にすることもないでしょう。
右手の陰徳線は、自らが後天的に獲得した特質なので、そう簡単に失われることがなく、確定的な要素となります。
8. 陰徳線がたくさん・多い
陰徳線の本数が多い場合、自己犠牲の精神がより強く現れ、人に尽くすとされます。自分のことを省みずに人のために懸命に働くことができます。社会に貢献する仕事で人並み以上に頑張れる力を持ちます。
家庭を持つと家族のために徹底的に尽くすので、家族は幸せに満ち足りるはずです。かなり人が良過ぎる傾向にあり、悪意のある人に上手く利用されやすい面があります。人知れず積む徳は、険しくより一層大きなものになります。
本数が多ければ多い程、自分を犠牲にするので、自分を見失ってしまうこともあります。人やモノに尽くすのですが、自分の幸せを後回しにしてしまうので、はた目には幸薄いと見なされがちです。それでも本人は満足感を得ています。
9. 陰徳線にフィッシュ(魚紋)がある
陰徳線上にフィッシュが現れていたり、接していることがあります。フィッシュは魚紋とも呼ばれ、魚のような形で囲まれた線を指します。どの場所に現れても大きな幸せをもたらし、幸運の証となります。
これが陰徳線に現れていると、人知れず積み重ねた徳によって思いもかけない幸運が訪れるとされます。社会に貢献する行為をしていると、それがきっかけとなり予期せぬ大きな幸せがつかめたりします。
家族の幸せを願って、家族のために尽くしていると、想像以上の結果がもたらされます。家族が無理だと思った難関試験に合格したり、才能が開花することが考えられます。
陰徳線の中程に現れた場合は、恋愛面での願いが叶うとされます。片想いが両想いになったり、理想的の結婚相手に出会えたりします。
10. 陰徳線にスター線(星紋)がある
陰徳線上にスター線が現れていたり、接していることがあります。スター線は星紋とも呼ばれ、短い3本から4本の線が星のように交差しているものを指します。突然掌の至る所に現れる吉相です。人気やスター性をはじめとした幸福を呼び込む前触れとしても知られています。
これが陰徳線に現れていると、人知れず徳を積み重ねたことで愛情運が強まり、愛情に関わる幸せがもたらされるとされています。影ながら行っている社会貢献や奉仕活動などを認めてくれる異性が現れ、好意をもたれたりします。
人に尽くすことで、新しい出会いがあったり、現状の対人関係が大きく発展する可能性があります。芸能界などで下積みの苦労が実って脚光を浴びることも考えられます。
11. 陰徳線に島がある
陰徳線上に島が現れていることがあります。島は島紋やアイランドとも呼ばれ、島のように囲まれた楕円形状の線を指します。極端に細長かったり、目のように見えることもあります。
この島が現れている場合、人知れず行っていた善い行いが転じて、障害や試練に変わることを示します。人知れず重ねていた徳に何らかの問題が発生し立ち塞がることもあります。人や家族などに対しては、良かれと思って尽くしたことが余計なお世話になることが考えられます。
友人や恋人、伴侶や家族との関係が悪化しやすいようです。陰徳だと思ってやっていたことが、人の目を気にしていた陽徳になっていたりします。人のために尽くしていたことが、実は自分のためであった場合にも島が現れます。
12. 陰徳線に十字紋(クロス)がある
陰徳線上に十字紋が現れていたり、接していることがあります。十字紋はクロスとも呼ばれ、短い2本線が交差し+印や×印、メ印のようになっているものを指します。大きさは縦横方向に5ミリ~1センチ以上のものまで様々で、何らかの警告の意味合いが強くなります。
これが現れていると、人知れず重ねていた善い行いがきっかけで、愛情面でのトラブルが起きやすくなるとされます。アプローチをかけた相手に振られたり、恋愛関係にあった相手と破局を迎えたりします。
結婚相手と行き違いが多くなり離婚することが考えられます。人のために愛情をいくら注いでも、その行為が理解されなかったり、反感を買いやすくなります。影ながら尽くしたことが、あだになると言えます。
13. 陰徳線に三角紋(トライアングル)がある
陰徳線上に三角紋が現れていたり、接していることがあります。三角紋はトライアングルとも呼ばれ、三角形に囲まれた線を指します。三角紋は現れる場所によって意味合いが良くも悪くもなる手相として知られています。
この三角紋が現れていると、人知れず積み重ねていた徳がきっかけとなり、愛情運が阻害され低迷するとされます。浮気や不倫など愛情面でのトラブルが頻発するはずです。今まで順調だった恋愛に予期せぬ何らかの問題が発生し、破局する可能性が高まります。
良かれと思って伴侶や家族に尽くしたことが全く意味をなさず、夫婦生活や家庭生活に波風を立てる結果になるとされます。三角紋が急に現れたら、特に異性関係に注意が必要と言えます。
14. 陰徳線に四角紋(スクエア)がある
陰徳線上に四角紋が現れていたり、接していることがあります。四角紋はスクエアとも呼ばれ、4本の短い線で四角形を作るものですが「#」「井」ひし形になっていることもあります。主に一発逆転の可能性を示し幸運の証として知られています。
この四角紋が現れていると、人知れず積み重ねてきた徳によって、愛情面での運勢が大きく好転するとされます。一時的に運勢などが低迷しても、その後に状況が一変することになります。
恋愛や愛情に関わる危機が訪れていても、最悪の状況から逃れられるはずです。恋愛相手にライバルが登場し、心変わされたとしても、最終的には恋愛が成就し大きく発展するとされます。何らかの危機の際に、今まで尽くしてきた家族や友人などが力になってくれるはずです。
15. 陰徳線が二股に枝分かれ
陰徳線が二股に枝分かれしていることがあります。陰徳線の枝分かれは、手首側の下部が分かれているか、指側の上部が分かれているかで意味合いが変わります。
手首側の枝分かれは、人や社会のために尽くしたい気持ちがあるものの、人の目が気になり行動に移せないとされます。
一方指側の枝分かれは、積み重ねてきた陰徳が数多くの人の幸せにつながっているとされます。善い行いをすることが、様々な人の役に立ち感謝されているはずです。また今まで積み重ねてきた徳が報われることにもなります。
陰徳を重ねる度に陰徳線が増えたり、長く伸びたりするはずです。その結果6本まで増えると大吉相の一億紋となり、億万の財が築けるようになります。異性に好かれモテる面があるので、既婚者は浮気や不倫などに注意を払う必要があります。
16. 陰徳線と二重生命線がつながる
陰徳線が二重生命線とつながっていることがあります。二重生命線は、生命線の内側で生命線に沿うように現れる線が見られるものを指します。沿うように現れる薄めの線を副線とします。
陰徳線そのものを二重生命線と見間違いやすいので、濃さや位置などから慎重に見極める必要があります。二重生命線があると生命力は非常に強くなります。
陰徳線がこの二重生命線とつながっている場合、人知れず積み重ねてきた徳がきっかけで、生命力が増し、心身ともにより健康的になれるとされます。精神的な強さがあり、何事にも動じない落ち着きが見られます。
恋人や伴侶に尽くすことで恋愛・結婚面が順調となり幸せに満ち足りるはずです。壮健な体で家族のために誠心誠意働けます。
まとめ:報われると大金にもつながる
人知れず徳を積むことを陰徳と言い、人の評価を気にしたり、金銭的な見返りを求めないとされます。この陰徳があるかないかを示す手相が陰徳線です。
金星丘の下部に現れる複数の長めの縦線を指し、比較的濃くハッキリと現れます。本数が多い程、多大な自己犠牲をためらわないとされます。カリスマ線とは本数と長さが違い、一億紋は6本のものを指します。
陰徳線上にフィッシュやスター線、四角紋があると人に尽くしたことがよりポジティブな意味合いになります。一方で島やクロス、三角紋があると人に尽くしたことがあだになるとことがわかります。
陰徳線は下部で枝分かれしていると、人に尽くしたい気持ちがあっても実行に移せず、上部で枝分かれしていると、大吉相の一億紋になりやすくなります。これらの陰徳線の意味を理解して、徳を積み重ねたいものです。