あなたの周りに寂しがり屋な人はいますか?あなた自身はどうですか?寂しがり屋というと、もちろん力強いイメージはありませんが、必ずしも悪い意味ばかりではありません。人懐っこく可愛らしいイメージもあります。
極端な寂しがり屋ではない人だって、ときには寂しくなることもあります。人間は社会的な動物、つまり、もともと集団で暮らす生き物ですから、一人が寂しいと思うのは全く普通のことです。寂しがり屋かどうかというのは程度の問題に過ぎず、そのこと自体には何の問題もありません。
ところが、寂しがりの度が過ぎたり、「寂しがり方」が歪んでいたりして、人に迷惑を掛けたり、自分自身が苦しんだりすることもあります。
寂しがり屋の意味とは?類語は?
「寂しい」という感情を一度も経験したことがない、あるいは、寂しいとか寂しさとか言われてもどんな気持ちなのか全く想像できない、という人はほとんどいないだろうと思います。
一人でいることが、心細くて悲しくなる、あの辛さのことですね。「そんな気持ちには、長らくなったことがないから忘れてしまった」という人でも、親を見失った子共の姿を見ればたちまち思い出すでしょう。
寂しさの類語としてまず思い浮かぶのは「孤独感」でしょうか。寂しがり屋とは、孤独に過敏で、孤独感に耐える力の弱い人、と言い換えられるかもしれません。
その他、類語や連想される言葉としては、孤立、疎外、取り残される、寂寥、喪失、理解されない、認められない、などがあります。これらの言葉を見ると、寂しさを感じるのは周囲に人が居なくて独りぼっちのときだけでなく、多くの人の中で繋がりが持てないときや、理解してもらえないときにも強く感じることがわかります。
寂しがり屋の心理
先に述べた通り、寂しいと思うのは普通のことですから、それだけでは特に寂しがり屋とは呼ばれません。その人のはっきりした特徴として「特に一人でいることが苦手で、不安になったり悲しくなったりする気持ちが強い」という人が、寂しがり屋と呼ばれるのでしょう。
単なる孤独感だけでなく、一人でいると何をして良いのかわからない、一人でいることは異常で不自然な感じがする、というような、焦りに似た感情を持つ人もいます。
誰かと一緒にいたいというのは、逆に言うと、一人でいるときの自分が好きではない、不満がある、ということでもあります。そういう「自分の好きではない自分」に向かい合うことを避けるために、また誰かと連絡をとります。
『星の王子さま』に「自分が酒飲みであることを忘れるために酒を飲む男」が出て来ましたが、寂しがりやの中では、それに似た悪循環が起こっている場合もあるのです。
寂しがり屋になる原因・理由は?なぜ?
寂しがり屋とは、普通の人よりも寂しいという感情を持ちやすい人のことを意味します。
寂しがり屋は「自分が寂しがり屋であること」に向き合いたくないので、自分ではその原因や理由を深く考えず、無自覚であることが多いものです。理由はわからないけど、なんとなく寂しくてしかたがない、と思っています。
寂しがり屋には自分に自信がない人も多くいます。そういう人は、自分の判断が信用できず、自分の中に判断の基準がありません。だから誰かに指示して欲しいのです。
指示されないまでも、親しい誰かに合わせて行動することで、自分で判断しないで済むようにしたい、と無意識に思っています。
自分に向き合いたくないのは、そういう「空虚な自分」に直面したくない、それを突き付けられるのが怖い、という心理でもあるでしょう。自分自身とじっくり向き合うことから逃げている、という言い方もできます。
判断基準が自分の中にないのですから、他人の判断が常に気になります。そして他人からの評価に一喜一憂し、振り回されることにもなりがちです。
寂しがり屋の特徴4個[性格編]
■1. いつも不満を感じてモヤモヤしている
寂しがり屋は自分に直面したくないと思っているのに、自分の感情に敏感です。矛盾しています。この矛盾が寂しがり屋を苦しめるのでしょう。
いつもなんだか満たされない思いを持っています。いつもモヤモヤしていて、心が晴れることがありません。これは、実は「自分の空虚さ」に由来しているのですが、そこからは目をそらそうとしています。
■2. 人の意見やステータスに弱い
寂しがり屋は自分の空虚さを直視しないため、モヤモヤの原因が他人にあるように錯覚しています。責任は誰か他の人にあると思っているのですから、誰かが自分の心を晴らしてくれるべきだ、と思います。無意識にそう思って、誰かと会ったり話したりします。
また、ブランドやランキングなどの権威やステータスにも弱いところがあります。
しかし、本当の原因は自分にあるのですから、他人の意見やステータスではモヤモヤは決して晴れません。寂しがり屋は基本的には自分に自信がなく受け身の性格だといえるでしょう。
■3. 自分と他人を比べる
寂しがり屋は自分の評価基準を持っていないので、自分の状況を他人と比べることで測ろうとします。自分の方が優れていると思えばそれが知らず知らずのうちに態度に出て傲慢になることもあります。
しかし、多くの場合、自分の方を過小評価して、卑屈になることが多いものです。仕事や勉強でも、人から見れば充分に頑張っているのに「まだ足らない、まだ他の人に追い付けない」と思ってしまいます。これも、自信のなさに由来しています。
■4. 人の顔色をうかがう
自信のなさは「自分は周りの人から好かれていない」という誤解にもつながります。遊びの誘いを一度断わられただけで「嫌われているのではないだろうか」と不安になります。そのため、常に人の顔色をうかがうのです。
何しろ、寂しがり屋は常に誰かとコミュニケーションをとっていたいのですから、その相手を失っては大変です。そのため、ますます卑屈な印象になります。それが「覇気のない魅力ない人」という評価になるという、逆の効果になることもあります。
当たり前ですが、自分に対する評価は相手によって異なりますし、同じ人でもその時の気分によって変化します。相手の評価ばかり気にしていると、人によって時によって違う評価にあわせて、態度を変えていかなければなりませんから、心が休まりません。
寂しがり屋の特徴4個[態度・行動編]
■1. 一人で行動しない
映画やカラオケなどはもちろん、食事や旅行も一人ではしません。アフターファイブや休日など、誰かに会う予定がないと不安で仕方がありません。自分は友だちが少ないのではないか、と悩んだりします。
また、人目を気にするので、休日に暇そうしているのを見られるのも嫌です。当然、無理をしてでも、できる限り予定はぎっしり詰め込んでいます。手帳やカレンダー、スケジュールアプリなどに予定をたくさん書き込んだりします。そして、「いかに自分は人気者で、休日は人に会い続けたか」を人に言い触らしSNSで発信します。
また、パーティや飲み会など、みんなで楽しく盛り上がるのは大好きです。ガヤガヤとして、常に賑やかな話し声がする中に居ると、それほど口をはさんでいなくても、会話に参加しているような気分になれるからです。一員になれたような気になれるのです。有り体に言えば、みんなと騒ぐことで寂しさが紛れるのです。
■2. 趣味がない
寂しがり屋には、大勢でやるスポーツやゲームのような趣味はあっても、一人でこつこつとやる趣味はありません。スポーツやゲームにしても、それ自体が目的ではなく、他の人と一緒に居るための口実なのです。
趣味を持とうと思っても「自分にとって何が面白いか」を予測することができません。選ぶことができないのです。
■3. ネガティブな面にばかり目を向ける
寂しがり屋は自信がなく自己評価が低いので、考えることがネガティブになりがちです。「今日は誰も遊んでくれなかった」とか「何もしないうちに一日が過ぎてしまった」とかいうことを思って悶々と過ごしていることがあります。
また、先に述べたように、寂しがり屋はステータスに弱い面があるので、「資格さえあれば」とか「収入がもう少しあれば」というような、外面的な条件についても、くよくよと悩みがちです。資格を失ったり、収入が下がったりすれば、必要以上に深刻に考えてしまいます。
それなのに他人から低く評価されることは人一倍恐れているので、それを人に話すことはできません。そのため、ますますストレスがたまります。寂しがり屋は誰にも相談できないまま不安や悩みを抱え込んで、いっぱいいっぱいになっていることがあります。
■4. どこかにいるはずの「本当の親友」を求める
寂しがり屋は、相手との関係に「確信」を求めます。「何があってもこの人は私を見捨てない」「この人はずっと味方で居てくれる」そういう確信です。もちろん、そんな人がどこかに居るという確証はありません。
そんな人には一生出会わないという人だって多いでしょう。日本の離婚率は30%くらいだといいますから、恋人や夫婦であっても生涯連れ添うとは言い切れないのです。
それでも、寂しがり屋は心のどこかで「幻想の親友」を追い求めています。その人に出会えば、原因のわからない不安感や、日々のモヤモヤが解消されると期待しているのです。それは幻想です。何度も言うように、それらの原因は自分にあるからです。他人は解決してくれません。
寂しがり屋の特徴4個[恋愛編]
■1. 恋人と離れていられない
寂しがり屋が恋愛をすると恋人と離れていることが辛くてたまりません。これは、寂しがり屋でなくてもそうですが、寂しがり屋の場合はさらに極端です。相手を束縛する場合もあります。
いくら愛する恋人でも、いつでもどこでも一緒に付いて来られては、ストレスがたまります。たまには同性の友だち同士で遊びに行きたいときもありますよね。
■2. 相手に尽くす
寂しがり屋は恋人に徹底的に尽くすこともあります。束縛とは逆のパターンですが、実は根本は同じです。自分の自信のなさを束縛したり尽くしたりすることで補おうとするのです。
恋愛に限らず、人間の基本的な心理として、何かを犠牲にすれば、その見返りがあるという予測をします。つまり、無理をして恋人の望みを叶えてあげ続けていれば、費やした時間や苦労が、いつか返って来ると思ってしまうのです。特に寂しがり屋は、それで自分の自信のなさを挽回しようとするので必死になります。
■3. 何度も愛情を確認する
寂しがり屋は基本的に自信がないので、つい確認を求めてしまうことがあります。「自分のことを好きか」と何度も聞いたりするのがこのタイプです。
■4. 錯覚の恋愛
実は恋愛感情は希薄なのに「寂しさを埋める」ためだけに関係を続けている場合があります。つまり、相手が好きなのではなくて、一人になるのが怖いのです。しかし、そういう気持ちは無意識の言動の端々に出てしまうことがあり、相手に気付かれてしまうこともあります。
「嫌われたくない」という気持ちが、一種の怯えとなって表れてしまうのです。そういうピリピリした緊張感は相手を疲れさせてしまい、別れの原因になることもあります。
寂しがり屋の特徴4個[SNS・LINE・連絡編]
■1. 頻繁にSNSやメールのチェックをする
寂しがり屋は、常に自分宛てのメッセージを期待しています。誰かに気に掛けていて欲しいのです。新しいメッセージが来ていないかと頻繁にSNSやメールをチェックします。
進行中の計画など、仲間うちで特別盛り上がっている話題でもない限り、そんなに頻繁にメッセージのやりとりなどあるものではありません。頭ではそれがわかっているのに、新着のメッセージがないとがっかりしたりします。
■2. LINEは時間をおかずにすぐ返信する
寂しがり屋はLINEが来るとすぐに返信します。着信から返信の時間が短いほど「愛情が深く誠意がある」そう思ってもらえると期待しているのです。
はっきり頭でそう考えているわけではないのですが、寂しがり屋は無意識に少しでも相手に良い印象を持ってもらおうとします。そこで、LINEが来るとほとんど反射的に返信します。ほとんど義務のように、あるいは強迫観念のようになっています。
■3. LINEをなかなか切らない
寂しがり屋は、始まった対話を終わらせるのが惜しいので、要件が済んだ後もだらだらとLINEを長引かせます。
相手が対話を終わらせる気配を見せると、新しい話題を振ったりします。これは電話でも同じです。要件が終わって「じゃあね」と言ってからが長かったりします。
■4. 自慢話を投稿する
SNSなどに自慢話ばかりを投稿する人がいます。これはしばしば劣等感や自信のなさを隠そうとする行為です。他人から認められたい、理解されたい、好かれたい、という気持ちがそうさせるのです。
面白がるのは不謹慎ですが、興味深いことに、同じ動機で全く逆の投稿をする寂しがり屋もおます。自分は今どれほど不幸で、辛い状況にあるかを強調するのです。実は、これも自慢と同じで他人の注意を引きたい、というのが根本的な動機です。
寂しがり屋の男性の特徴・恋愛は?浮気する?
基本的に、寂しがり屋の心理には男女の違いはありません。ただ、男性と女性では、置かれている社会的な状況や期待される役割が違う場合があります。いわゆるジェンダーの違いです。このために、気持ちの現われ方に差が出て来る場合もあります。
例えば、女性には必ずしも強さを期待されませんが、男性にはそれを期待される場合が多いものです。
男は強く弱音ははかないもの、というプライドから、男性はなかなか「寂しい」と言えなかったりします。ではどう言うのでしょうか。彼氏から「今何してるの?」というLINEが来たら、それは「寂しい」という意味かもしれません。
女性が少し離れている間に彼氏が浮気をして「俺、寂しがり屋だから」ということがあります。会ったり連絡したりする頻度が少ない関係だと、浮気しやすい可能性はあるでしょう。
寂しがり屋の女性の特徴・恋愛は?浮気する?
男性の特徴でも書きましたが、基本的な寂しがり屋の心理に男女の違いはありません。以下で説明するのは、女性で強く表れやすい、という程度の特徴です。
寂しがり屋の女性は、恋愛に依存する傾向があります。男性でも寂しがり屋は女性に甘えるものですが、女性は特に男性を頼ります。これは、日本では、男女平等と言いながら女性の出世や高収入への道が男性よりも狭いので、仕事よりも恋愛という気持ちが強くなるのかもしれません。
寂しがり屋の女性は、しばしば付き合い始めてすぐに結婚を意識します。多くの物語の結末が結婚でハッピーエンドになるためか、「結婚すれば幸せになれる」というイメージもあるようです。結婚して家庭を持てば寂しくなくなるというのは、もちろん幻想に過ぎません。
男性が少し離れている間に彼女が浮気をして「私、寂しがり屋だから」ということがあります。それは単なる言い訳ですが、会う頻度が少ないと浮気の確率は高まるでしょう。
寂しがり屋の友達がいると大変?うざい?
現実には、その友達がうざいかどうかは「寂しがり屋であるかどうか」よりも、「人の気持ちを理解して思いやることができるかどうか」で決まります。
寂しがり屋でも、相手の気持を思いやって、不愉快な思いをさせないようにする人ならば、喩えその気配りが的外れでも、うざいと言うほど迷惑には感じないものです。
寂しがり屋の友達がうざいというときは、その人が寂しさに追い詰められていて、人の気持ちを思いやるような余裕をなくしているときです。
そういう人は、相手の気持ちも状況も考えずに電話やLINEで「すぐに会って欲しい」とか「寂しくて死にそう」とか言って来ます。夜中や仕事中でもお構いなしです。
寂しがり屋の長所・メリット
寂しがり屋は人懐っこく可愛らしい印象を持たれます。実際にはその心の中心に自信のなさがあるので、性格的な人懐っこさとは違います。しかし、人の話を良く聞き、意味するところを汲み取ろうとするので、特に上司や年上に好かれます。
寂しがりということは、人とコミュニケーションをとるのに積極的であるということでもあります。この性格は仕事に活かすことができるでしょう。接客や営業、部署間の調整などです。
寂しがり屋の短所・デメリット
寂しがり屋の短所は、次の二つです。自分に自信がないために判断を他人に委ねてしまうこと、そして、その自信のない自分と向き合うことを避けることです。
自分と向き合わないのですから、不満感や不安感の原因は外部にあると錯覚します。どうも私は遊びに誘われてない、私以外の人はみんな仲良く話してる、輪に入れてくれない、などと考えます。
自然と考えがネガティブになっていきます。そうではないという確証を得ようとして頻繁にコミュニケーションをとろうとします。しかし、言葉や態度というものはいくらでもごまかせますから、確証は得られずさらに疑惑が深まります。
寂しがり屋を治す克服方法5個
最初に言っておきたいのは、寂しいという気持ちは、社会性の動物である人間にとっては自然な感情です。寂しいと感じること自体には何の問題もありません。すでに述べたように、寂しがり屋にはメリットもあるのです。
治す必要があるのは、寂しがり屋自身が苦しみを感じていたり、周囲の人が笑って済ませられないほどの迷惑を感じている場合だけです。
■1. 誰かに自分の寂しい気持ちを話してみる
寂しがり屋は、他人の評価を気にしますから、ネガティブな自分の内面を正直に話す、ということがなかなかできません。それを話そうとすると、反動で「可哀想な自分」を大げさに誇張して、同情を引こうとしてしまったりします。
嬉しい話や面白い話ならともかく、自分の寂しさなんて誰も興味を持たないに違いない、そう思ってしまうのでしょう。それは、目を逸らし続けてきた空虚な自分と向き合うという怖いことでもあります。それで、寂しがり屋の多くは、親しい人にも自分の寂しい気持ちを話すことができないのです。
もちろん、話すなら信頼できる相手を選びましょう。といっても、自分の判断に自信がない寂しがり屋には、選ぶのが難しいこともあるでしょう。
そういうときは、何かに書いたり、独り言のように言葉に出してみるだけでも効果があります。そうして言葉にしてみることで、それまで直面することを避けてきたこと、自分の嫌な部分、隠したり偽ったりしてきたことがわかってくると思います。
■2. 一人でできる趣味を持つ
一人で没頭することのできる趣味が持てれば、それが自分の個性となり、自信につながります。とは言っても、どんな趣味を持てば良いのか、考えるだけではその判断ができないでしょう。寂しがり屋は判断を人に委ねる傾向があるからです。
しかし、どんな趣味が自分に合っているかは他人に判断することはできません。ここは、考えずにやってみましょう。
やってみて、頭で考えるのではなく、感覚的に楽しいと思うことがあなたに合った趣味です。知り合いがやっている趣味、テレビやインターネットで見た趣味、何でもかまいません。何かの趣味を楽しいと感じたら、それがあなたの判断基準になるはずです。
■3. スマホ断ち、インターネット断ちの日を作る
あまりにもスマホやインターネットのコミュニケーションに没頭しているという人は、週に一日程度、それらを使わない日を作ると良いかもしれません。
そうして作った時間を、先に紹介した、自分の寂しさを言葉にしてみる、趣味を探す、といったことに使うと良いでしょう。
■4. 自分を褒め、人に感謝する
寂しがり屋は考えがネガティブになりがちです。そこから目を逸らすためにまた他人に依存したりして、悪循環になることもあります。
「ああ、またネガティブなことを考えているな」と気付いたら、意識的にポジティブなことを考えましょう。ポジティブな考えで、ネガティブな考えを押し出してしまうのです。
寂しさの原因の一つは人から認められないことですが、自分で自分を褒めてあげるのも一つの方法です。小さなことで良いのです。電車の中で知らない人に親切にしたとか、自分で決めた目標を達成したとか、そんなことで良いのです。
誰かに感謝する、というのも良い方法です。配達の人にいつもより大きな声で「御苦労様です」と言ってみるとか、「今日は何事もなかった」というのだって、考えてみればずいぶんありがたいことです。見知らぬ誰かとの繋がりが感じられ、心が癒されるでしょう。
■5. それは本当の親しさだろうかと考えてみる
その人は本当の友達だろうか、その人は本当の恋人だろうか、と考えてみる方法です。自分はその人を本当に好きだろうか、ただ寂しいのが嫌で付き合っているだけではないだろうか、そう考えてみるのです。
相互の信頼や理解のない、寂しさをごまかすだけの関係は、不毛であるばかりか、かえって寂しさを強くすることもあります。
重要なことは、多くの場合寂しさの原因は他人ではなく本人にあるということを理解しなければならない、ということです。寂しい自分、自信のない自分、判断の基準を持たない空虚な自分と向き合う、実は、これができれば、もうほとんど寂しがり屋は克服できています。
自分の嫌っていた自分を避けずに意識することができれば、それを変えていくことができます。自分を変えていくこと、つまり新しい自分へとスタートすることができるのです。
寂しがり屋の診断チェックリスト
・一人でいると何をして良いかわからず不安になる
・晴れ晴れとした爽やかな気分になることは滅多にない
・予定が詰まっていないと気持ちが悪い
・自分に対する他人の評価が気になる
・これといった趣味がない
・一人で外食ができない
・飲み会やパーティが大好き
・ブランドや権威などのステータスが気になる
・気が付くとネガティブなことを考えている
・理由もなく突然寂しくなる
・恋人とはずっと一緒に居たい
・自分で判断することは苦手で人に委ねがち
・スマホを忘れて来ると一日中気になってしようがない
・LINEの着信にはすぐに返信しないと気が済まない
・LINEがなかなか終わらない
・新着メッセージがないとわかっていてもメールやSNSをチェックしてしまう
・一日に複数回SNSへ投稿する
まとめ
寂しがり屋を克服するには、逃げずに自分と向き合うことだと述べました。そうすると面白いことが起こります。自分の内面と向き合い、意識することができるようになると、他人の内面も尊重することができるようになるのです。
判断を任せてしまったり、嫌われないように顔色をうかがったりするのではない、対等な共感が感じられるようになります。そのとき、寂しさを埋めるだけではない、お互いの個性を認め合った関係が生まれるはずです。
臨床心理学者の河合隼雄は次のように言っています。「一人で居られる者は大勢と居ても大丈夫だが、問題を起こす者に限って孤独に耐えられない」