「物事がうまくいかない」「自分はダメな人間だ」と思うのは、あなたに欠点が多いからではなく、自尊心が低いのが原因かもしれません。自尊心が低いと、生きづらさを感じてしまいます。
そこで今回は、自尊心が低い人の特徴と原因を徹底解説!自尊心が低い人は改善して、自尊心を高めるための方法も伝授します。
自尊心の意味とは?心理学的には?
自尊心の読み方は「じそんしん」です。意味を簡単にわかりやすく説明すると、「自分を尊重する心」となります。三笑堂の辞書「大辞林第三版」では、以下のように説明されています。
以下引用
①自分を優秀な者だと思う気持ち。尊大に構える心。プライド。「-が強い」
②自分の品位を保とうとする心。プライド。「そんなことは-が許さない」
出典:三省堂「大辞林第三版」
辞書では自尊心について、「自分の優秀な部分を認める(高める)気持ち」という意味で解説されていますが、心理学の定義は少し変わります。心理学では、自分を客観的に把握し、どんな自分も否定せず受け入れる気持ちを自尊心と位置付けています。
自尊心の使い方を、例文を用いて紹介します。
・彼女は男性の自尊心をくすぐるのが上手だからモテるのだろう。
・自尊心が邪魔をして素直になれない。
・小学生のときいじめられた経験は、私の自尊心を激しく傷つけた。
・たくさん誉められて、久しぶりに自尊心が満たされた。
・もっと楽に生きるためには、自尊心が必要だ。
辞書的な意味なのか、心理学的な意味なのかで、自尊心の使い方は変わります。
自尊心とプライドと自己肯定感の違い
「プライド」は、英語で「pride」と書きます。日本語も英語も意味は同じで「誇り」「自尊心」という意味です。プライドは辞書で説明されている自尊心と同意語になります。
「自己肯定感」は、自分を肯定する気持ちを意味します。「自分は今のままで愛される存在」と無条件に思える気持ちで、心理学的な自尊心の定義と意味が似ています。心理学的な自尊心が「自分の長所も短所も受け入れる」のに対し、自己肯定感は「自分は素晴らしい存在だ」と思う気持ちで、短所にはフォーカスしていません。
それぞれの意味と違いをわかりやすく説明すると、以下のようになります。
・自尊心(辞書的意味):自分を尊大に思う気持ち、自分への自信
・自尊心(心理学的意味):ありのままの自分を受け止める気持ち
・プライド:誇り、自尊心
・自己肯定感:自分は愛される、素晴らしい存在だと無条件に思える気持ち
それぞれ同義語、類義語に相当するので、使い方に注意しましょう。
自尊心が低い人の特徴・共通点10個
自尊心が低い人には、思考や行動に特徴や共通点が見られます。どのような人が自尊心が低いのか、解説していきましょう。
■1. 自己評価が低い
自尊心が低い人は、同時に自己評価が低くなります。無難に物事をやりきっても、「最低限のことしかできない」「今回は運が良かった」と、自分への評価を低くつけてしまいます。
根底に「自分はできない人間だ」という思いがあり、自分の長所に注目できず、短所ばかり気にしてしまうのです。
■2. 人からの評価を過度に気にする
自己評価ができない分、自尊心が低い人は他者からの評価を過度に気にします。「邪魔に思われたくない」「デキない人だと気付かれたら大変だ」という気持ちが強く、人の発言に大きな影響を受けやすいのが特徴です。
しかも、自尊心が低い人はネガティブな意見にばかり過剰反応します。「ここ間違ってるよ」と、誰でもやってしまいがちなミスを指摘されただけで、「ダメなヤツだと思われたかも…」「もう仕事任せてもらえないかも」と、過度に心配してしまいます。一方、せっかく褒められても「お世辞だ」と本気で思ってしまうので、自己評価を一向に高められません。
■3. 自分に自信が持てない
自尊心が低い人は、自分に自信が全くありません。そのため、ダメだしされたら地の底まで落ち込み、褒められても「そんなことない」と本気で否定します。人からの評価を過度に気にするのに、ネガティブな情報しか吸収できないので、益々自信を失ってしまいます。
■4. 異常に気を遣う
周囲の評価を過剰に気にするけど、自分に自信が持てないと、異常に気を遣ってしまいます。自尊心が低い人は「誰かにダメな部分を見られているのでは」「気の利かないヤツ、空気が読めないヤツと思われたくない」と、常に気を張っているため、防衛策としてひたすら気を遣ってしまうのです。
自尊心が低い人の気遣いは、「周囲の人が気持ちよく過ごせるため」ではなく「自分がこれ以上ダメだと思われないため」です。せっかくの気遣いが、実は自己中心的な思考で行われています。そのため、本当に求められた気遣いができず、異常に気を遣うことで、返って周囲に気を遣わせてしまいます。
■5. 失敗を恐れる
自分に自信がないのに、周囲の評価を過剰に気にするため、自尊心が低い人は失敗を極度に恐れます。「絶対失敗したくない」「失敗するくらいならやりたくない」という思考が特徴です。
過度に失敗を恐れるため、些細な場面でも緊張します。緊張するので失敗も大きくなります。失敗が恐いので、失敗したときのダメージが大きく、更に自尊心を傷つけてしまいます。負のループで失敗経験を繰り返し、自尊心はどんどん低くなる一方です。そのため、物事に対して消極的になります。
■6. すぐ諦める
自尊心が低い人は、「どうせ自分にはできない」という思いが強いため、すぐに諦めてしまいます。最低限課せられた仕事は、周囲の評価を気にしてやり遂げますが、「もっと自分を高めよう」という気持ちが弱いため、努力を続けられません。
失敗を恐れ、すぐ諦める性格は、成功体験を自ら遠ざけてしまいます。成功に到達する前に、行動をやめてしまうからです。結果、「成功できなかった」という失敗感を持ってしまいます。すぐ諦める性格は、自尊心を益々低くしてしまうのです。
■7. 非常にネガティブ
成功体験が少なく、小さな失敗体験にも過敏に反応するため、自尊心が低い人は非常にネガティブです。常に悪い想定を前提にして動いています。そのため、新しいことに取り組む機会が少なく、いつまでも自分の殻に閉じこもってしまいます。
ネガティブ思考は人間関係にも当然影響します。「自分が話しかけたら迷惑かもしれない」「上手く話せなかったら気まずくなる」と考えてしまうので、自分から積極的に人と関われず、一定の距離感ができてしまいます。
人と深く関われない原因は自分にもあるのに、「やっぱり人から好かれない」「自分だけ浮いている」とネガティブに捉えて、更に消極的になってしまうのです。
■8. 嫉妬深い
自尊心が低い人は、常に自分と周囲を比べているので、とても嫉妬深くなります。自分よりはるかに上の存在には嫉妬しませんが、「似ている」「同類かも」と思っている人が自分より周囲から評価を得たり好かれたりすると、激しく嫉妬してしまうのです。
自尊心が低い人は、消極的な行動を「周囲に迷惑をかけない」「空気を壊さないようにしている」と自分なりの気遣いだと自負しています。
実は受動的なだけなのですが、それに気付かないため、積極的に人と関わって迷惑をかけつつも親交を深める人に対して、「どうして!?」と理解できません。想像力も人の気持ちを理解する力も足りず、人を羨んでは黒い気持ちに支配されてしまいます。
■9. 自暴自棄になりやすい
自尊心が低い人は、常に「自分なんか」と卑下して自分を大切にできないので、自暴自棄になりやすいです。人間関係につまづいたり、物事がうまくいかなかったりすると、「どうせ自分なんて何をしてもダメなんだ」「みんな自分のことなんかどうでもいいと思っているに違いない」と、ネガティブ思考を暴走させて自暴自棄になります。
自暴自棄になりつつ、自尊心が低い人は「こんなに苦しんでいる自分に気付いてほしい」と思っています。しかし、自分の気持ちの発信の仕方を間違っているので、周囲からは「1人でいたいんだろ」「関わってほしくないのだろう」と誤解されてしまいます。
自分の行動では自分が望む結果を得られないのですが、自尊心が低い人はそこに気付けないので、更に自尊心が傷つく負のスパイラルに陥ります。
■10. 実は完璧主義者
自尊心が低い人は、実は完璧主義者です。自分の理想像が高く、少しでも理想から外れると「ダメだ」と諦めてしまいます。100点じゃないと満足できないのです。そのため、自分の目標に近づけたとしても、満点でなければ「できなかった」と自己評価を低くしてしまいます。極端な百ゼロ理論の持ち主なのです。
失敗したくないのも、諦めが早いのも、ネガティブ思考なのも、すべては完璧主義な思考が起因しています。「完璧じゃなければ意味がない」という呪縛から解き放たれなければ、自尊心は低くなる一方なのです。
自尊心が低い人の原因
自尊心が低い人は、自己評価を低くする経験を積み重ねてしまっているのが原因です。具体的には、以下のようなことが原因に挙げられます。
・失敗経験が多い
・大きな挫折経験がある
・褒められた経験が極度に少ない
・兄弟姉妹館で比較されて育てられた
・いじめられた
特に、成育歴は人の自尊心に大きな影響を与えます。厳しい躾や教育を受け、家庭内で叱られたり否定されたりする経験が多いと、「自分はダメな人間だ」と思い込んでしまいます。親がたっぷり愛情を注いだつもりでも、子供が親の愛情を感じられなければ、自尊心は下がってしまうのです。
また、親友や恋人などとても近しい相手から否定される経験も、自尊心を著しく下げます。大人になってから自尊心がボロボロになるケースも少なくありません。
更には、自尊心は持って生まれた性格に左右されます。元々臆病で慎重、失敗に弱いタイプだと、自尊心が高まりづらく、ちょっとしたきっかけで大きく下がってしまうのです。
自尊心が高いメリットは?必要?大切?
自尊心が高い最も大きなメリットは、自分に自信が持てる点です。新しいことにも「きっと自分なら大丈夫」と思えるので、積極的にチャレンジできます。
また、自己評価を正しく行えるので、人に流されず自由に行動ができます。自尊心が高いと、あらゆることに対してポジティブ思考になれるので、本人が感じるストレス値も小さくなります。
さらに、自分を信じる力も強いので、挫折にも強くなります。失敗しても、「これも経験」とポジティブに受け止め、次に生かせます。自分を信じているので、不用意に周囲を疑わず、社交的に振る舞えて人間関係も良好です。
社会の中で自分を確立し、人を信頼しながら自由に行動するためには自尊心が必要です。自分を尊重して、初めて人を心から尊重できるようになります。
自尊心が高いデメリットは?注意点は?
自尊心が高いのは良いことですが、高過すぎて自尊心の塊みたいになるとデメリットが発生します。自信満々な姿を一切隠さず、自己主張が激しくなるため、周囲のペースを乱してしまうのです。周囲への信頼と協調性のバランスが崩れると、人間関係にも悪影響が出ます。自己中心的な行動が増えて、周囲から浮いた存在になってしまうのです。
また、「自分はすごい存在だ」という気持ちが強すぎると、自尊心が邪魔をして、困った時に周囲に頼れなくなります。自分の理想像がどこまでも高まってしまい、それに反する行動がとれなくなってしまうのです。仕事ではギリギリまで1人で頑張ってしまい、結局トラブルに発展して周囲に多大な迷惑をかけてしまうケースもあります。
自尊心が高いのは良いことですが、素直さを忘れてはいけません。人は助け合うものだと念頭に置いて、謙虚な気持ちを忘れないことが大切です。
自尊心を高める方法5個[考え方]
自尊心を高めるには、今までの思考パターンを変えなければなりません。長年かけて構築されてしまった思考のクセを直すには、自分のマインドコントロールや、セルフイメージを高めるトレーニングが有効です。具体的に何をすれば良いのか、自尊心を高める考え方を伝授します。
■1. ありのままの自分を受け入れる
まずは、ありのままの自分を受け入れることを心がけましょう。完璧な自分を求めるのは一旦お休みして、今の自分を「これでいいんだ」「良いところも悪いところも全部自分だ」と、意識的に認めるのです。自分を受け入れる考え方をいくつか紹介します。
・人は未熟な部分があるのは当たり前
・未熟だからこそ成長ののりしろがある
・成功者は必ず失敗を経験している
・長所が一つもない人はいない
・万人に好かれる人はいない
・人によって受け取り方は違う
・短所は長所になり得る個性だ
・みんな違うから面白い
「こんな自分じゃダメだ」と否定せず、「そんな自分がいても良い」と抱きしめてあげましょう。ありのままの自分を認めて受け入れるだけで、気持ちが楽になります。
■2. 自分が何を求めているのか良く考える
ありのままの自分を受け入れたら、次は目標を明確にしていきましょう。自分が何を求めているのかを良く考えるのです。「皆に好かれたい」といった漠然とした目標では、具体策が見つからず、成功体験を得られません。
あなたは何を求めていますか?シンプルな自分の欲求を紙に書き出しましょう。漠然とした欲求しか思いつかないなら、かみ砕いて「いつ、誰と、どのように」まで具体化するのがポイントです。具体的に欲求を細分化すれば、「これは満たされた」と実感できるようになります。自尊心を高くするには、成功体験と達成感が必要です。
■3. 人に認めてもらうことを諦める
自尊心が低い人は、自分で自分を認められない分「人に認めてほしい!」という承認欲求が強くなります。しかし、人の気持ちをコントロールはできません。自分ができる範囲を超えているため、強い承認欲求は満たされづらく、挫折感や失敗感を持ちやすくなります。
自尊心を高めたいなら、人に認めてもらうことを真っ先に諦めるべきです。「自分を理解して」「自分を受け止めて」「自分を認めて」という願いは、自分の幸福感を他人に委ねるのと同等だと理解してください。幸せのために必要なのは、他者の評価ではなく、あなたが自分を認めることなのです。
また、人に認めてもらおうと望まず、あなたが先に人を認めることを心がけるのも大切です。人から認められたら嬉しいのは、あなただけではありません。あなたが先に人を認めて受け入れれば、相手はあなたを信頼して心を開いてくれます。人に求めず、与えられる人を目指しましょう。
■4. 自分へのハードルを限りなく下げる
自尊心を高めるには、成功体験が不可欠です。しかし、自尊心が低い人は完璧主義者が多く、普通の人が「これは成功」と思えることまで「失敗」と捉えてしまいます。
自尊心を高めたいなら、自分へのハードルを限りなく下げましょう。普通のことができたら花丸。普段の生活を穏便に過ごせただけで良しとするのです。また、比較対象を自分より下に設定するのも大切です。自尊心の低い人は、自分が絶対勝つ設定で物事を考え、自分を底上げする機会を作りましょう。
■5. 失敗は成功の基と考える
自尊心が低い人は、失敗すると激しく凹み、「やっぱり自分はダメなんだ」とネガティブに考えてしまいます。しかし、最初から上手くいく人の方が少数派なのです。今素晴らしい能力を持っている人は、失敗を繰り返しながら努力を継続してきました。失敗は成功の基なのです。
自尊心を高めたいなら、失敗をポジティブに捉えましょう。「これでは上手くいかないとわかった」「もっと努力が必要だとわかった」と、失敗から成功のヒントを得るのです。成功者の自伝を読むのも良いでしょう。「失敗したら終わり」という考え方を捨てて、成長のために失敗は不可欠だと新たな価値観を持つのです。
自尊心を高める方法4個[習慣・行動]
自尊心を高めるには、考え方だけではなく行動を変えるのも大切です。自尊心を高める習慣、行動について解説します。
■1. 自分の好きなことに取り組む
「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、自尊心が低い人が達成感を得るには、自分の好きなことから取り組むのが正解です。好きなことなら、継続が苦痛になりません。上手くいかないときも、「どうすれば上手くいくか」を楽しく考えられます。
自尊心が低い人は「認められたい」「役に立ちたい」という思いが強いため、周囲に合わせて自分の行動を決めがちです。しかし、大切にすべきは自主性です。
自分の好きなことを積極的に取り組むと、ポジティブな感情が自然と沸き上がります。更に、何事も極めれば必ず活路が見えるものです。「これだけは譲れない!」「これをしてる時が至福」という生き甲斐があるだけで、自信につながります。
■2. 読書に励む
自尊心が低いのは、視野が狭く自分の価値観で物事を測っているのも原因の1つです。価値観の幅を広げるために、読書に励みましょう。まずは読書を習慣化させるために、自分が好きなジャンルの本から入ると良いでしょう。少しずつジャンルを広げれば、今よりも広い視野を持てるようになります。おすすめのジャンルをいくつか紹介します。
・自己啓発本
・心理学
・成功者のノンフィクション
・主人公に共感しやすいフィクション
多くの価値観に触れれば、自分の長所に気付く機会も増え、「色々な人がいて当たり前」と自分を受け入れやすくなります。また、純粋に知識が増えるので自信につながります。
■3. 交友関係を広げる
多様な価値観に触れるには、人とのコミュニケーションが一番です。自尊心が低いのは、決められた人間関係の中で、幾度となく否定された経験が多いからでしょう。しかし、場所が変わるだけであなたの評価もガラッと変わるケースもあるのです。
勇気を出して、交友関係を広げる努力をしましょう。新たな交友関係を作るには、勇気と精神力、体力が必要ですが、得られるものも大きいです。
■4. 自画自賛をクセにする
自尊心が低い人は、自分の欠点ばかりに注目して、すぐに自己嫌悪してしまいます。自ら自尊心を下げる行動をしているのです。負の連鎖から抜け出すためにも、自画自賛をクセにしましょう。毎日最低10回、自分を褒めることを意識してください。
自画自賛はどんなに些細な内容でも構いません。毎日の当たり前の行動が滞りなくできるだけでも素晴らしいです。自分を小さな子供だと思って、「頑張ってるね」「できたね」「それでいいんだよ」と、たくさん誉めてあげましょう。褒められる経験は自尊心を高めるために不可欠です。誉める人が他者である必要はありません。
自尊心を高める方法6個[言葉・会話]
自尊心が低いと、自己主張がどうしても控えめになります。「自分を認めてほしい」と「自分が受け入れられるはずない」という葛藤があるからです。
しかし、人はあなたが思う以上に鈍感で、そして親切です。言葉を上手に使えば、今よりずっとお互いの理解が進みます。人と信頼関係を結べば、認める経験も認められる経験も増え、自尊心が高まります。では、自尊心を高めるために、どのように言葉を扱えば良いのかを解説していきましょう。
■1. 自尊心を高める言葉を使う
自分が発して使う言葉は大切です。自尊心を下げるような言葉は使わずに、自尊心を高める言葉を使いましょう。
<例>
・自分ならできる
・誰でも失敗することはある
・自分を信じることが大事である
・人にはみんなそれぞれ良いところがある
・自分の好きなこと、得意なことを伸ばす
など、ポジティブで自分を認める言葉を使いましょう。
■2. 自分の気持ちを言葉で表す
まずは「言葉で伝えなければ伝わらない」という前提を頭に叩き込みましょう。自尊心が低い人は、自分から発信していないのに、「気付いてもらえないのは、自分に価値がないからだ」と、認知を歪めて自己評価を低くします。しかし、気付いてもらえないのは、あなたが言葉での発信を怠っているからです。
自分の気持ちを言葉で表せば、周囲は耳を傾けてくれます。結果、「気持ちを分かってもらえた」という成功体験が増えます。気持ちを共感してもらえば、あなたも周囲への信頼を持てるので、人間関係が良好になります。
■3. 嫌なことは毅然と拒否する
自尊心が低い人は、嫌なことでも断ったら嫌われるのが恐くて引き受けてしまいます。しかし、相手が自分の望む報酬をくれなければ「嫌なことを強いられた」とマイナス感情を持ち、信頼関係を壊してしまいます。
嫌なことは断って良いのです。むしろ、毅然と拒否すべきです。「それはできない」「自分には無理」と意思表示をし、自分を不快な感情から守りましょう。意思表示しなければ、相手もあなたがどれほど嫌がっているのか理解できません。
拒否が通れば、「伝えたら理解してもらえた」という人間関係の成功体験にもなります。意思表示が通ることで、周囲から尊重されている実感が持てるでしょう。
■4. 言葉でSOS発信する
自尊心が低い人は、周囲への迷惑を心配して困っていても自分で解決しようと頑張ってしまいます。しかも、「こんなに大変なのに、誰も気づいてくれない」と、周囲への不信感を募らせます。
しかし、繰り返しになりますが、気持ちや意思は言葉で発信しなければ伝わりません。無言で頑張れば、周囲は「助けは必要なし」と判断してしまうのです。だから、「手伝ってください」「難しいです」と、言葉でSOS発信が必要です。言葉で助けを求めれば、周囲は手を差し伸べてくれます。周囲に支えられた経験が増えれば、「自分は大切にされている」と実感でき、自尊心も高まります。
■5. 言葉で感謝の気持ちを伝える
人と信頼関係を結ぶのは、自尊心を高めるのにとても重要です。そのために、感謝の気持ちは特に意識して言葉で伝えましょう。「ありがとう」という言葉は、コミュニケーションを円滑にします。人から感謝されて嫌な気持ちになる人はいません。「もっと頑張ろう」「また力になろう」と、ポジティブな気持ちにさせます。
■6. 相手の言葉を尊重する
自分の言葉だけではなく、相手の言葉に耳を傾け尊重するのも大切です。自分ばかりが言葉で主張すると、一方通行になってしまいます。言葉のキャッチボールで「相手を知りたい」「相手を受け入れたい」という姿勢を見せ、信頼関係を築くのが大切です。
また、相手の言葉には発見があります。自分がどう思われているかではなく、相手の言葉を尊重して、考え方や気持ちを受け入れると、あなたの世界も広がります。
自尊心を高める方法3個[恋愛]
自尊心が低い人は、すぐに拗ねたり、過剰に嫉妬したりして、恋愛がうまくいかない傾向が強いです。しかし、自尊心を高めることで、恋人との関係を回復させることができます。これから幸せな恋愛をするために、自尊心を高める方法を伝授します。
■1. 「自分を大切にする=相手を大切にする」と理解する
あなたは大好きな人を大切にしたいと思いますよね。あなたの恋人も同じです。自尊心が低く「自分なんて」と思う行為は、あなたを愛する人を傷つける行為になります。恋人はあなたに「自分を大切にしてほしい」と願っているのです。
自分を大切にすることが、如いては相手を大切にするのだと理解しましょう。自分を卑下しそうになったら、恋人のためにブレーキをかけるのです。自分を大切にすれば、恋人はもっとあなたを大切にして恋愛がうまくいきます。
■2. 察するのではなく言葉でコミュニケーションをとる
自尊心が低いと、恋人にも過剰な遠慮をしてしまいます。しかし、心の底では「わかってほしい」と思っているので、察してくれない恋人に不満を持ってしまいます。自分で自分の恋愛をこじらせてしまうのです。
幸せな恋愛をしたいなら、察するのではなく言葉でコミュニケーションをとりましょう。お互いの気持ちが通じ合う経験が増えれば、あなたの自尊心も高まります。
■3. 恋人を無条件に信じる
自尊心が低いと「浮気されるのでは?」「自分への愛情が冷めたのでは?」と、ささいなことで不安になります。だけど、根拠ない不安は恋人関係を悪化させるだけです。不安は自尊心の低さからきていると自覚し、無用な不安の感情は捨て去らなければなりません。
そのために必要なのは、恋人を無条件に信じることです。あなたは自分の予感より恋人の愛情を信じるべきです。あなたからの信頼を恋人が実感できれば、関係は益々良好になり、気持ちが満たされて自尊心が高まります。
自尊心を高めるときにおすすめの本
自尊心を高めたいあなたにおすすめの本を紹介します。
・自信をもてない人のための心理学(著者:フレデリック ファンジェ)
・親に壊された心の治し方「育ちの傷」を癒やす方法がわかる本(著者:藤木美奈子)
・自信がもてないあなたのための8つの認知行動療法レッスン・自尊心を高めるために。ひとりでできるワークブック(著者:中島美鈴)
・自尊心からの解放・幸福をかなえる心理学(著者:新谷優)
・自尊心の育て方・あなたの生き方を変えるための認知療法的戦略(著者:マシュー・マッケイ)
・自尊心を育てるワークブック・あなたを助けるための簡潔で効果的なプログラム(著者:グレン・R.シラルディ)
・自分を見つめる道徳授業・自尊心を高める「自己問答」(著者:長谷部桂一)
・日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか: 児童精神科医の現場報告(著者:古荘純一)
・もっと私らしく生きる最高の方法・愛、お金、人間関係のすべてを自動的に手に入れる自尊心ルールズ(著者:斎藤芳乃)
まとめ
自尊心が低いと、無自覚に自分をがんじがらめにしてしまいます。その原因が自分にあることに気付かないと、上手くいかない理由がわからず、深く悩み更に益々自尊心を傷つけます。
もっと自由に生きやすくなるために、自分を客観的に見つめて、自尊心を高めるアプローチを実行しましょう。自分を認めるだけで、今よりもずっと楽になれるでしょう。