人から見下されたら、怒りがこみあげてきませんか?人を見下すような人との人間関係は、できれば避けたいものです。もし職場の上司が人を見下す人であれば、毎日が地獄です。誰でも我慢に限界があります。
人を見下す人というのは、一体どんな人なのでしょう。その人のことが分かれば、対処しやすくなり、あなたのストレスも減るはずです。
この記事では、人を見下す人の心理や特徴、ありがちな行動や対処方法について説明します。
人を見下す人の心理
人を見下す(みくだす)人の心理は、つぎのようなものがあります。
◯自己保存の本能的な心理
自己保存の本能が強く、他人を尊重しません。そのため自尊心が強く、自己中心的です。常に優越感を持ち、支配欲や征服欲が強く、わがままで傲慢です。
ありのままの自分を受け容れず、自分は優れていて特別だという思い込みが強い性格です。その違いを補おうとして、極端に人を見下す特徴があります。
◯自己顕示的な心理
周囲の人々から注目され、認められたいという欲求が強く、群れを作るニホンザルのボスのような存在になりたがります。具体的には学歴の高さを自慢し、特権階級意識(エリート意識)が強い人です。
◯人に知られたくない隠された劣等感
潜在意識の中に劣等感があり、自分より優れた人に対して恐怖心を持ちます。他人を下に見ないと安心できません。また、優れた人を見ると嫉妬心が湧き、排除しようとします。
人を見下す人の特徴5個[性格]
■①疑い深く精神的に不安定
人を見下す人は、猜疑心が強く他人を信用しません。自分にとって、少しでも危ない人間に対して必要以上の警戒をしています。
そのため、常に心の中は、動揺しています。それが恐怖感や不安感を生み、安定した精神状態ではいられません。強力なライバルが現れるのを恐れるために、常に相手を見下して、安心感を得ようとします。
■②自尊心が高く虚栄心が強い
自尊心が高い事自体は悪い事ではありません。しかし、行き過ぎると傲慢さや虚栄心として現れます。自己愛の強い人は、お山の大将的な性格があり、何でも一番でないと気が済みません。
人よりも何か優れたものを持っていると、それだけで自分に酔ってしまうナルシストになるか、自惚れの強い性格となります。ただし、何か失敗すると一挙に自信がくずれ、自暴自棄になる危険性を持っています。
■③負けず嫌い
一生懸命、劣等感を隠そうとする結果、負けず嫌いになることがあります。そのため、相手に対して攻撃的な態度をとるようになります。
自分より優れた人に嫉妬心をいだき、排除に失敗すると、極端に弱くなり自信を喪失します。
■④劣等感が強い
自分の実力よりも大きく見せようとして、相手を見下します。自己愛が強すぎて、謙虚になれない性格です。自慢話をして、相手に優位性を示そうとします。その自慢話は、相手を不快にさせることも多いでしょう。
■⑤思い込みが強い
自分や相手のこと、全体の状況などを見て判断することができず、偏った情報を信じて、思い込んでしまうことが多いです。そのため、自分は優秀で相手は劣っていると思い込み、見下す行為を正当化しようとします。相手を敬ったり、自分のことを謙遜したりすることがなかなかできない性格です。
人を見下す人の特徴6個[態度・行動]
■①優劣をつけたがる
上から目線でものを言い、部下の欠点を探し出し、優劣をつけて部下を互いに競争させようとします。営業成績を急激に上げることには成功しますが、上司と部下との関係は、功利的な関係で信頼関係を築くことはできません。
■②相手の長所を認めない
自己顕示欲や自己中心的な性格から、相手の優れたところを認めようとしません。逆らうととんでもない虐待を受けます。「触らぬ神にたたりなし」という諺がありますが、逆らわないようにするのが得策です。
■③部下の手柄を自分のものにする
会社組織の中では、「社長になりたい」、「重役になりたい」という野心的な人がいます。そういう人は、競争に勝ち抜き、昇進したいと思っています。
どんな汚い手段でも構わず実行し、人を蹴落として昇進したい人の行動は、部下を見下し、部下の成果を自分のものにして、高い評価を得ようとします。
■④他人の意見を聞かない
自分の考えを押し通し、部下を見下して、絶対服従を強いて文句を言わせません。黒を白という事も平気です。自分の言ったことに責任を持たず、何か間違った事を言っても、「言った覚えはない」と言って嘘をつきます。
■⑤競争相手を悪い評判で蹴落とす
ライバルであっても、部下であっても、自分の出世を妨げる者であれば、どんな汚い手を使っても、蹴落とします。
スキャンダルや悪い噂を立てたり、悪口を言ったりして、相手の評判を落とし、左遷したり、辞めさせたりします。
■⑥パワハラを行う
自分の地位を利用して、部下にパワハラして、ストレス解消をすることがあります。パワハラをしても自分のしたことを覚えていないこともあるでしょう。また、それに対して罪の意識もありません。
職場で人を見下す人の特徴
会社にいると職場にも人を見下す人はいます。そういった人々は、自分への自信や過去の実績などから、相手を見下そうとします。
本当は、嫉妬や劣等感を抱えていたり、自分の立場を利用して、いい気になっていたりするのです。
古い体質の企業では、そのような人が重役にいる場合、下の人が辞めてもそのままで誰も何もできない場合があります。
あなたがあえて闘っても損をするだけかもしれませんので、感情的な行動をせずに、発言を録音しておく、聞き流す、など賢い行動が取れるようにしておきましょう。
人を見下す友達の特徴
人を見下す人の心理は、嫉妬や劣等感だったり、自分をもっと認めてほしいという承認欲求だったりします。その友達は周りから褒められたり、認められたりすることがあまりないのかもしれません。
学校や会社など同じコミュニティにいれば、その友達とも人付き合いは避けられないでしょうが、数年経つと環境が変わり、離れていくことが多いです。
そうなった時、人を見下していた友達の周りからは人がいなくっているでしょう。
人を見下す人のスピリチュアルな意味
人を見下す人をスピリチュアルの観点から捉えると、実は自分に自信がなく、自分が弱い存在であると認められていない、成長途中の人であると言えます。
その人はまだ自分を真正面から見つめることができていないのです。自分の心と向き合い、気付けるかどうかはその人次第です。
見下すことで一時的には気持ちいい感覚を得られているかもしれませんが、自分と向き合えていないことで本当の幸福感からは遠のいてしまっています。
人を見下す人の言い方・言葉
人を見下す人の言い方・言葉は、とても醜いものです。誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)、罵詈雑言(ばりぞうごん)、人を見下す人は、どんな汚い言葉でも躊躇しません。
「君は、よほどの馬鹿なのか、何もわかっていないんだね」
「君の頭は筋肉なのか?考える力はないのか」
「君の考えは、猿でも考えるよ」
「こんなことも知らないのか、学校で何も習わなかったのか?」
「少しは気をまわして考えてみたらどうだ」
「君の頭の中を覗いてみたいよ」
「私がどれだけ迷惑をこうむっているか考えたことがあるのか」
「いまさら、こんなこともできないのか」
「いくつになったんだ?進歩がないね」
「こんなことは、幼稚園の子どもでもできることだ」
「毎日、何を考えて生きているんだ」
「そんなことが世間に通用すると思っているのか?」
「知らないという事は幸せなもんだ」
人を見下す人の対処法8個
人を見下す人とどうしても仕事などで接触しなければいけない場合は、毎日嫌な思いをしながら過ごさなくてはいけません。どうしたら最小限の被害で抑えることができるでしょうか?以下に対処法をご紹介致します。
■①無視する
何を言われても無視することです。「君は私の話を聴いているのか」と怒らせるかもしれませんが、気にしてはいけません。何を言われても受け流してしまいましょう。
ことわざに「馬の耳に念仏」とか、「馬耳東風」とか言いますが、何か言われても気にかけないことです。上司の顔を見て「馬、馬、馬」と念じ、彼の文句は「ヒヒーン」という馬のいななきだと思うことです。
■②親しい友人に相談する
同じ職場の友人に相談したり、親しい学生時代の友人などに悩みを聞いてもらえば少しは気が晴れるでしょう。自分の思っていることを誰かに話すことはストレス発散にもなりますし、効果的です。
嫌なことがあってどうしても気持ちが落ち着かない時は、友達に話してみてください。
■③人事部の担当の人に相談する
あまりにひどい上司のパワハラなどは、人事部の人に相談し、改善をしてもらうように頼んでみます。
しかし、同じ会社内での人事部では、積極的に聞いてもらえないかもしれません。派遣社員の方たちは、その会社の人事部ではなく、派遣会社の担当に事情を説明して、他の会社に変えてもらうようにしましょう。
■④他の相談窓口に相談する
会社の人事部も相談相手にならない時は、外部の相談窓口に相談しましょう。
◯労働基準監督署にある「総合労働相談コーナー」に相談する
総合労働相談コーナーでは、解雇、労働条件、セクハラ、パワハラなどの相談を受けています。
◯法テラス(日本司法支援センター)
パワハラを受けて困っていたら、法テラスに相談するとパワハラ行為を止める仮処分の申請をしてくれます。
◯法務局(人権相談)
法務局の職員や人権擁護委員が人権に関する相談を受けています。
■⑤気にせず忘れてしまう
いくら嫌いな上司の言葉であっても、仕事上の重要な指示や必要な情報も含まれているかもしれませんので、その点は聞きつつも、人を見下す嫌な部分は、適当に忘れましょう。
あまり気にしすぎないことも大切です。
■⑥褒めて相手を利用する
人を見下す上司に対して、お世辞を言ったり、ゴマをすったりするのは相当な技ですが、うまく上司を騙せれば、風当たりだけは柔らかくなるかもしれません。
上司の喜びそうな言葉を考えるだけ腹が立つかもしれませんが、話術の上手な上級者の方は試してみてください。
■⑦気分転換する
軽い運動は、気分転換にもっとも効果的と言われています。毎日の通勤でも、朝少し早く起きて、歩くのも身体の健康と精神にも良い効果をあたえます。
帰りも疲れているかもしれませんが、なるべく歩く距離を伸ばすことに心がけると、気分が晴れます。できれば毎日、1万歩を目標にしてみてはいかがでしょうか。
他にはあなたが好きなスポーツをすることも良いでしょう。
■⑧タフな心を持つ
瞑想やヨガや禅の修行をして、精神の鍛練をします。禅の言葉に、「心頭滅却すれば火も自ら涼し」という言葉があります。この言葉の意味は「無念無想の境地になれば、火の熱さを感じない」ということです。
心の修行をして、どんな酷い言葉を聞いても、まったく感じない、むしろ気持ちいい、というくらいに思えれば、将来は大人物になれます。
人を見下す癖を直す方法
もしあなたが、人を見下す癖があり、反省し直したいと思っているならば、次のようなことを試してみてはいかがでしょうか。
◯自分中心の考え方を改める
世の中は自分を中心に回っていると考えがちですが、必ず人生にはいくつかの越えなくてはならない高い山があり、大きな困難に出会います。その時に助けてくれるのは、他人です。
◯聞き手に徹する
人の話を聞くというのは、お互いの信頼関係を深めるのに欠かせないものです。誰でも悩みを聞いてくれる人を求めています。上手な聞き手は、厚い信頼関係を築くことができます。
◯相手の意見を尊重する
何かものごとを決める時に、自分勝手に決めるのではなく、同じメンバーの人達の意見を尊重して決めるようにすれば、決定事項を実際に実行する場合にスムーズにいきます。
◯相手の長所を見つけ出す
誰にでも長所があります。その長所を褒めることで、その人の能力を伸ばすことができます。
人を見下す人の末路は?因果応報?
◯聖書にあることわざ
「Pride goes(comes) before a fall」(おごりは滅びに先立つ)という言葉が聖書にもあります。おごりや高慢は、身を滅ぼす原因になるという意味です。
相手を見下し、横柄な態度をとっていれば、自分が困った時に相手は助けてくれません。人生は長く、いつも良い状態でいられるとは限りません。ときには、自分だけではどうしようもない事態になることもあるでしょう。
そのときに助けてくれる人や友人がいれば、心強く、その事態を乗り切ることもできます。
人を見下す人には因果応報が生じ、ゆくゆくは身を滅ぼすことになるでしょう。
まとめ
人を見下す心理は、不安や恐怖感から出たもので、意外にもその人の弱さの表われでもあります。見下された人は、悔しさと嫌悪感を抱くこともあるでしょう。我慢しなければいけないときやどうにかしたいときは、対処方法を参考にしてみてください。