「皆はどうしてあんなに楽々と人生を渡っているんだろう…」生きづらさを感じると、まるで自分に欠陥があるように感じて、余計に辛くなるかもしれません。
しかし、生きづらさは自分の思考や行動を少し変えるだけで、意外な程改善するケースもあるんですよ。楽な生き方を学んで心がけるだけで、あなたは今よりも生きづらさを感じずに済むかもしれません。
そこで今回は、生きづらい人の原因と性格的特徴を解説し、解決方法を伝授します。
敏感すぎて生きづらい・苦しい・助けて…私の甘え?
周りのみんなは普通に楽しそうに過ごしているのに、自分はものすごく疲れてしまう…。それでも無理して周りに合わせて、ひきつった笑顔を作りながら日々をなんとかやり過ごすのはとても辛いですよね。
心は悲鳴を上げているのに具体的に困った事態になっているわけではなく、周囲を大いに困らせているわけでもないと、正体のわからない生きづらさに苦しみながらも、いつも通りの生活を強制されてストレスはどんどん溜まっていきます。
相談したくても誰かに助けてほしくても、同じ環境にいる皆はごく普通に過ごしていると、「辛いと感じる自分がおかしいのでは?」「甘えているだけ?」と自分を責めてしまい、益々生きづらさを感じて負のスパイラルに陥ります。
こうなると、生きづらさから抜け出すのは困難です。あなたが少しでも楽になるために、何から始めれば良いのでしょうか。
現代の日本の世の中は生きづらい?
過剰に空気を読み、周囲との協調性を求める日本は、少しでも人との違いを感じると「どうして周囲と同じようにできないんだろう?」「弱い自分が悪い?」という自責の念と自己嫌悪を持ちやすく、生きづらい世の中であると言えます。
今でこそ「みんな違ってみんないい」という考え方が浸透しつつありますが、それでも日本の義務教育は集団行動を円滑に行うために協調性を求められ、授業は個人の能力差を考えずに一律のペースで行われます。誰もが得意不得意が多少はある中、「全て平均」を求められるのが日本の教育です。
そのため、少しでも輪を乱したり、突出あるいは著しい苦手を抱えたりする人は、学生時代に「変わり者」「大人の手を煩わせる子供」のレッテルを貼られます。
子供時代から人と同じことを求められ、普通と常識という価値観は日本人に深く根付いています。もちろん、それは日本の美徳なのですが、同時に酷く生きづらい人を生む原因になり得るのです。
生きづらい人の心理は?自己嫌悪が強い?
生きづらい人の心理は「なぜ、自分は周りと同じようにできないのか」になります。できない自分を責めて自己嫌悪するかどうかが、生きづらさに大きくつながります。
「自分は人と違うところもあるけど、別にいいじゃん」と、軽く流せる人は、例え周囲が扱いに困っていても、本人に生きづらさはありません。一方、周囲から評価されていても、自分の中で「人と同じにできない自分はダメだ」という思いがあると、生きづらさが大きくなります。
また、「なぜ周囲は自分と同じようにできないのか」という厳しい目も生きづらさにつながります。人によって価値観や能力は違って当たり前なのに、自分を基準に考えて周囲に同じことを求めると、期待に応えてくれない周囲への不満が強まり、生きづらくなってしまいます。
生きづらい人の心理は、「自分はできない」もしくは「周囲はできない」であり、非常に柔軟性に乏しいのが特徴です。
生きづらい人の原因4個
生きづらい人は自分の中に原因を抱えています。生きづらさを解消するためには原因を突き止めて、それに合った対処が必要です。そこで、生きづらい人の原因を解説します。
■1. 先天的に敏感な気質を持っている
人には生まれ持った性格や気質があります。生き方によって元々の特性は変化しますが、先天的に敏感な気質を持っている人は、周囲の人よりもずっと多くのことを感じ取ってしまうため、生きづらさの原因になります。
例えば、先天的に敏感な気質を持つと、次のような現象が起こりやすくなります。
・全く自分には関係のない人が怒られているのに、まるで自分が怒られているような辛さを感じる
・人の気持ちに敏感になり過ぎて、自分らしく振る舞えない
・普通の人にはなんてことない刺激が辛くてたまらない
受け取り方は千差万別ですが、敏感で繊細な神経を持っていると、日常が刺激に溢れて辛く感じやすくなります。
■2. 後天的に家庭環境により価値観が偏っている
先天的な特性に問題はなくても、家庭環境によって価値観が偏ると、社会と自分の常識の差に苦しんで生きづらさの原因になります。いくつかの実例を挙げます。
・厳しくしつけられると、小さなマナー違反が許せず強いストレスを感じる
・過剰に努力を強いられて育つと、マイペースにサボる人を理解できず苦しくなる
・恋愛を厳しく規制されると、異性に嫌悪感を持ち普通に接するのが辛くなる
大人になるにつれ、多くの価値観に触れて社会に順応していきますが、家庭環境によって情報や行動を規制されて社会と関わる経験が不十分になると、いつまでも家庭が基準となり、社会とのギャップに生きづらさを感じる原因になります。
■3. 実はアダルトチルドレンである
アダルトチルドレンとは、子供時代に家庭内に問題があり、心に傷を抱えたまま大人になった人を意味します。アダルトチルドレンになると、自己否定をしたり、人との信頼関係が上手く築けなかったりして、生きづらさを抱えるようになります。
家庭内の問題はさまざまですが、虐待やネグレクト、両親の離婚や兄弟姉妹間での比較などが挙げられます。また、一見家庭に問題がなくても、子供が親からの愛情を感じられないとアダルトチルドレンになるケースもあります。
■4. 普通へのこだわりが強い
こだわりの強さ、特に普通へのこだわりの強さも生きづらさの原因になります。「普通に振る舞うのが当たり前」という思考を持っていると、集団から少しでもはみ出ることに対して強い恐怖心や罪悪感を持ってしまい、生きづらさにつながります。
普通であることを自分に課して、本当は不要の義務を遂行するために自分を追い込んだり、小さなミスを許せず自分を責め続けたりしてしまうのです。
また、自分が普通を追求すると、人への評価も厳しくなり、自分が置かれた環境に満足できないのも生きづらさにつながります。
生きづらい人の性格的特徴10個で診断チェック
どのような性格だと、生きづらさを感じやすくなるのでしょうか。生きづらい人の性格的特徴を解説するので、自分に当てはまる部分がないか診断チェックしながら読んでくださいね。
■1. 心配性で不安が大きい
心配性で小さなことにも大きな不安を感じやすい性格をしていると、細かなところまで気を遣いながら、それでも不安が消えないので生きづらさを感じてしまいます。
しかし、心配性、不安症の気質は持って生まれたものが大きく、「気にしなければいいじゃない」と言われても、気になるものは気になるし不安は消えないので、本人もどうして良いかわからないのが辛いところです。
■2. 過剰に空気を読む
人からの評価を気にして、過剰なまでに空気を読んでは神経をすり減らすのも、生きづらい人の性格的特徴です。
空気を読み過ぎて、「自分が何をしたいか」ではなく「今自分はどう動くべきか」を基準に常に行動を決めてしまいます。そのため、自分らしくいられる場所ができず、どこに行っても疲れて生きづらさを感じてしまいます。
■3. 感受性が強すぎる
生きづらい人は感受性が強すぎる特徴があります。感受性はさまざまな才能につながるものですが、強すぎるとごく普通の日常からでも多くの刺激を受けすぎてしまい、神経が疲れて生きづらくなってしまうのです。
また、感受性が強すぎると感情のコントロールが難しくなります。穏やかでいたいと思っても情緒不安定気味になり、辛い時間が増えていきます。
■4. ネガティブ思考
ネガティブ思考でいつも悪い方ばかりに考えてしまうのも、生きづらい人の性格的特徴です。チャレンジしたい気持ちがあっても、ネガティブ思考で悪い結果しか考えられずに身動きがとれなくなってしまいます。そのため、思い残しや後悔が多くなり、人生への困難度が高まってしまうのです。
■5. イレギュラーに弱い
ストレス値が高くなると生きづらさにつながります。生きづらい人はイレギュラーに弱く、日常に溢れる小さな変化やちょっとしたトラブルに対して、大きく動揺しストレスを溜めていきます。例えば、次のようなイレギュラーも生きづらい人には大きなストレスです。
・天気予報が外れる
・電車のダイヤが乱れる
・仕事やプライベートでドタキャンされる
・急に誘われる
これらは自分が変化のない生活の努力をしていても、不可避でしかも良くあるイレギュラーです。生きづらい人は「ま、いいか」で流せず、いちいちストレスに感じてしまいます。
■6. 受動的
生きづらい人には受動的な性格の人が多い特徴があります。自分で決断するのが苦手で、場に流されることを好みます。誰かが決断し、自分に指示を出してくれた方が、どうすれば良いのか考えなくて済むので楽なのです。
しかし、受動的で楽なのは最初だけ。受動的な人はどんなことも受け入れてしまいます。反抗できず不満も言えないので、どんどんストレスを感じて生きづらくなっていくのです。
■7. 極度に我慢強い
極度に我慢強い人が多いのも、生きづらい人の特徴です。「辛い」と思っても、我慢を続けてしまいます。それで大きな成功を収める人もいますが、生きづらい人の多くは我慢だけが大きくなり、自分が満足いく結果を残せません。ひたすら我慢で旨味がない人生を歩みやすいのです。
■8. 百ゼロ理論の完璧主義者
生きづらい人は珀ゼロ理論の完璧主義者が多いです。理想がとても高く、100点でなければ満足できません。物事は複雑で多面的な評価が一般的ですが、生きづらい人は少しでも足りない部分があると失敗と感じやすいのです。
そのため、概ね成功では納得できず、足りない部分に注目しては、「自分はダメなやつだ」と自己嫌悪してしまいます。
■9. 真面目で正義感が強すぎる
真面目で正義感が強いのは長所と言えますが、生きづらい人は融通が利かないため、自分の首を絞める原因になります。ルールや規律を重んじては、小さなズルや手抜きを許せません。妥協できない人生は、逃げ場がなく苦しいものです。
また、自分に対してだけではなく他者に向けても真面目で正義感が強く、「なぜこんなこともできないんだ」「ちゃんと守らないなんて最低だ」と、周囲への不平不満を感じやすくなり生きづらさにつながります。
■10. 疑り深く人を信用できない
受動的でありながら、実は疑り深く人を信用できないのも生きづらい人の特徴です。信用できないのは人の善意です。
自分にも他人にも厳しい視点を持っているため、「こんなことをしたら、周囲から何を言われるかわからない」「助けてほしいけど、甘えるなと言われるかもしれない」と、人の良心や親切心を疑ってしまいます。信用できないから本当の自分を見せられず、孤独を感じてしまいます。
生きづらい人の心が楽になる解決方法・生き方5個
生きづらい人の心が少しでも楽になるためには、何をすれば良いのでしょうか。生きづらさを抱えるあなたのために、楽になる生き方、解決方法をお話しします。
■1. コミュニケーション法やマナーの知識を身に付ける
生きづらい人の多くは、「自分は人と少し違う」という違和感を持っています。それでも社会に順応しようと一生懸命努力するため、疲弊やストレスが溜まります。
普通を求めるのを止めれば楽になれますが、それができないからこその生きづらさですから、如何に無理せず社会に馴染むかを考えるのが得策です。
そこで、生きづらい人がまずやるべきは知識を武装とすること。コミュニケーション法や基本マナーを一通り身に付け、「Aの場合はBで対応」というマニュアルを、自分の中に数多くストックしておくのです。すると、「どうするべきか」「これで正解だったのか」という悩みが少なくなり、心への負担が軽くなります。
■2. 自分の性格や特性を客観的に理解する
生きづらい人が抱える生きづらさはそれぞれ違います。自分が何に対して生きづらさを感じているのか、自分のどのような要素が生きづらさにつながるのかを理解するのは、楽に生きる道を探すために不可欠です。
ですので、自分の性格や特性と向き合い、「自分はどのような人間なのか」を客観的に理解するよう努めましょう。
自分を知る方法の具体例をいくつか紹介します。
・長所、短所それぞれ50個書き出す
・今まで楽しかったこと、辛かったことを書き出す
・自分が今何に困っているのか具体的に書き出す
・今自分が楽しいと感じるのはどんな時かを書き出す
生きづらい人は自分の負の部分ばかりに目が行ってしまいます。自分の性格や特性を探るときは、長所と短所、最高と最悪の事態、両方を同じだけ考えるよう心がけるのがポイントです。
また、脳内で思考するだけではなく、思ったことは必ず文字化しましょう。定期的に自分と向き合い、過去書き出した内容と比べることで、あなたの中で起こっている変化に気付きやすくなります。
自分が良い方向、悪い方向に向かっている場合、過去と見比べれば原因のヒントになります。プラスの要因は継続、マイナスの要因は排除することで、徐々に生きづらさは緩和されていくでしょう。
■3. 辛い場面をなるべく避ける
生きづらい人にはとても真面目で完璧主義者が多く、「辛いことから逃げてはいけない」「常に最高の結果を出さなければならない」と考えがちです。そのため、適度な手抜きができず常に自分を追い詰めて生きづらさを感じてしまいます。
確かに、時には逃げてはいけないシーンもあるでしょう。しかし、「逃げるが勝ち」という言葉があるように、必ずしも逃げずに立ち向かうことが正解とは限りません。生きづらい人はもっと自分を甘やかせて、楽になれるよう積極的に方向転換するべきです。
「辛いな…」と感じる場面は、可能な限り避けていきましょう。避けるか向き合うかの判断基準は「やらなければもっと生きづらくなるか否か」にすると良いでしょう。この時、「自分は弱い」と、逃げた自分を責めるのは末転倒ですので、「自分を守るために素晴らしい判断をした」と、必ず自画自賛を行うことが大切です。
■4. 予測はあらゆるパターンで考える
生きづらい人はネガティブ思考なので、常に最悪の事態を考えては自己評価を低くつけてしまいます。しかし、予測は現実ではなく、多くのパターンがあるのを忘れてはいけません。先を見越した行動をとるのは良いことですが、予測は必ず複数のパターンで行いましょう。
最悪の事態を考えたなら、同時に最高の結果も考えなければなりません。何もかもが悪い方向に進むのは、何もかもが良い方向に進むのと同じ程度の確率しかないと考えるのが妥当です。
また、極論の予測をせず、「何事もなく進む」「少し調子が良かった」「小さなミスがあった」など、中間前後の予測もするべきです。多くのパターンを考えることで、自分にはさまざまな可能性があり、結果は1つではないと気付けます。
生きづらい人は良くも悪くも極端なので、もっと良い意味でいい加減を心がけつつ、想像力をふくらませていきましょう。
■5. 自分に適正な報酬を与える
人は自分に良いことが多く起こった方が生きやすくなります。ですので、自分にご褒美をあげるのはとても大切です。自分だけが確実に自分を喜ばせることができるのですから、何か上手くいったときは、自分に適正な報酬を与えるようにしましょう。
自分への報酬の基準は、できるだけハードルを低くするのがポイントです。生きづらい人は理想が高く、例えば99点をとった際に高得点だとは思わず、足りなかった1点に注目して自分にダメ出しをしてしまいます。
これではいつまでも報酬が自分に届かず、生きる喜びが感じられなくなるのは必然です。報酬の基準は80点より低い数値に設定するべきでしょう。もっと低くても良いくらいです。
例えば、次のような目標を作れば、日々細かく自分に報酬を与えられます。
・今日も無事生きていられた
・とりあえず健康維持のために食事をとれた
・心から笑える時間を持てた
・上手な手抜きに成功した
周囲の評価ではなく、自己評価を基準にして、どんどん自分に報酬を与えましょう。自画自賛も思いっきりしてくださいね。
生きづらい人の仕事・職場での対処方法
職場で生きづらい人は、まずは仕事を覚えてきちんとこなすことを強く意識しましょう。職場の悩みの多くは人間関係ですが、軸を「仕事」にすると、「仕事を覚えるためにわからない点を聞く」「仕事をこなすために報告、連絡、相談を行う」と、自分がどうすべきか決めやすくなります。
仕事を遂行するのに困難を感じる時は、「仕事をこなすため」に周囲に必要なフォローをお願いしましょう。この時、前述した自分の性格や特性を理解することが、周囲へのヘルプ発信に非常に役立ちます。
また、自分に適した職場を探すことも重要です。今いる職場がどうしても辛い場合、無理に続けるのではなく転職も視野に入れると良いでしょう。
この時、闇雲に転職するのではなく、自分の得意不得意を理解し、どの業界でどのような職種ならば続けて行けそうなのかをじっくり考えることが必要です。生きづらい人ほど、適材適所の配慮が重要なのだと自覚しましょう。
生きづらいと悩む人には相談・カウンセリングも有効?
自分を客観的に分析して自力で対策を練るのは難しいものです。1人で行き詰ったときは、プロに相談するのも1つの選択肢として考えておきましょう。
心の専門家であるカウンセラーに相談することで、あなたの生きづらさの原因が見つかります。カウンセラーがどうすれば楽に生きられるのか、対処法を一緒に考えてくれます。
生きづらい人は誰かに頼ったり甘えたりするのが苦手ですが、プロであるカウンセラーになら相談しやすいでしょう。人に悩みを打ち明けて解決する成功体験は、生きづらさの改善に大きくつながりますから、お金を払ってでもそのような機会を作るのは意味があります。
生きづらさは先天的な特性も原因の1つですが、ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)、LD(学習障害)を疑う場合は、発達障害を専門にする医療機関への相談も検討すると良いでしょう。
まとめ
環境因子や生まれ持った特性などが複雑に絡み合っていると、生きづらさの正体になかなか気付けず、心が限界なのに頑張り続けてしまいます。しかし、無理は続きません。ある日、心がポッキリ折れないように、少しずつで良いので楽に生きる方法を模索していきましょう。
辛い時、手を伸ばせば助けてくれる人は意外にいるものです。どうか、1人で悩み続けずに人を信じて頼ってくださいね。