LGBTQという言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞いたことがないという人もいれば、聞いたことがあっても意味はわからないという人もいるでしょう。またLGBTならわかるという人もいるはずです。
そこでこの記事では、LGBTQの意味とは何か、読み方や割合などについて解説していきます。
LGBTQの知識を正しく理解することで、人を傷つけないようにできたり、自分の中にある差別感情を排除できたりします。いつかLGBTQの人と出会うかもしれないため、今のうちに正しい知識を身につけておきましょう。
LGBTQの意味とは?読み方は?何の略?
LGBTQの意味とは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・クエスチョニングの頭文字を取った言葉です。
これらは性別を意味する言葉となります。身体と性自認が一致していて、自分にとっての異性と恋をするというのが一般的な性ですが、それに属さない性をLGBTQと言います。
男性が男性を愛したり、女性が女性を愛したりというように、男女だけに捕られない様々な性を持つ人が世の中には存在するのです。しかしそのようなLGBTQの人たちは、普通とは違うというだけで差別を受けてきました。
LGBTQの人たちのことを性的マイノリティーとも言いますが、最近ではそれらの人たちの自由と性を尊重しようという声が多く挙げられています。
世界的に同性同士の結婚が認められたり、LGBTQの人を対象として補償などが設けられたりしているのです。
LGBTQとLGBTの違い
LGBTという言葉は聞いたことがあるけど、LGBTQという言葉は聞いたことがないという人も多いでしょう。
LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーのことですが、これらは性的マイノリティーの中の人の中で多い性別です。
しかしそれにより、性的マイノリティーといえばこの4つの種類しか存在しないと決めつけてしまう人が多くいました。それは実際とは異なるため、間違った知識が植え付けられてしまったのです。
そこでLGBTにQが追加されました。Qが表すクエスチョニングは、性別が決まっていない・わからない・まだ決めていない人のことを指す言葉です。
他にも様々な性があるという意味を込めて、LGBTQ(+)というように、プラスをつけた名称もあれば、LGBTsというように複数形にした名称もあります。世界には様々な性があるということです。
日本のLGBTQの割合・比率
日本のLGBTQの割合は、2019年時点で約10%とされています。かなり多い比率ですので、信じられないという人も多いでしょう。
しかしこのようなデータもあります。LGBTQの人の中で、そのことを誰にもカミングアウトしていない人は78.8%にもなるというデータです。
つまり、LGBTQであってもそのことをほとんどの人は誰にも言っていないということです。
あなたは周りにLGBTQの人はいないと思っているかもしれませんが、それはあなたが知らないだけでしょう。40人を1クラスとすれば、4人程度はLGBTQの人がいるわけですから、これまでに出会っていないほうがおかしいのです。
そのため、LGBTQの問題を他人の問題として捉えず、自分にも関りのある問題として捉えることが大切です。
LGBTQの種類
LGBTQのそれぞれの種類について、詳しくは理解できていないという人も多いでしょう。LGBTQを理解する上で大切なのは、性自認と性的指向です。
性自認とは、実際の性別に関わらず、自分自身がどの性別だと思っているのかということ。そして性的指向は恋愛対象となる性別のことを指します。
これらがどのようなものなのかということにより、LGBTQのいずれかということが決まるため、さっそくLGBTQのそれぞれの種類について詳しく解説していきましょう。
■L(レズビアン)
LGBTQのLは「レズビアン」です。性自認は女性でありながら、性的指向も女性の人を指す言葉となります。
レズという言葉で一般的に言われることが多いですが、それを嫌った人たちがビアンという言葉で表現するようにもなりました。「レズ」と言われたことで嫌な思いをしたことを思い出さないための表現です。
レズビアンは昔から一般的にも知られている性的マイノリティーです。聞いたことがあるという人がほとんどでしょう。簡単に言えば女性が女性を好きになるということになりますが、女性同士で性的関係を持つことをレズ行為とも言います。
実は女性の中では、レズ行為を行ったことがあるという人は少なくありません。その人たちが全てレズビアンなわけではなく、どちらか一方だけがレズビアンであったり、性への興味から学生時代にレズビアンではなくてもレズ行為を行ったことがあったりするのです。
日本ではレズビアンのアニメや漫画などを「百合」と呼びます。レズビアンがモチーフになっており、女性同士の恋愛がメインとなっているのです。
「百合」系の漫画や小説は、レズビアン以外からも人気があるものですので、これにより日本ではレズビアンへのイメージも良くなっていきました。
■G(ゲイ)
LGBTQのGは「ゲイ」です。性自認は男性で、性的指向も男性を指す言葉となっています。
ゲイという言葉は一般的にも使われますが、ホモという言葉もよく使われる言葉です。ただこの言葉は差別的な言葉とされているため、現在メディアで使われることは少なくなりました。昔はよくバラエティー番組でも使われていた言葉です。
ゲイを表す言葉として、「オネエ」という言葉も使われます。この言葉は一般的には、男性が好きな男性という理解のされ方をしているものです。
オネエという言葉の本来の意味は、性自認に関わらず、男性が女性のように着飾ることを言います。性自認という点で厳密に言えば、ゲイとは違うのです。
■B(バイセクシャル)
LGBTQのBは「バイセクシャル」を意味する言葉です。両性愛者という意味で、バイセクシャルの人は性的指向が男性と女性、両方にあります。
性自認がどちらかであるかは問わず、同性愛も異性愛もするのです。ただし両方が50%ずつというわけではなく、男性は稀に関係があり、基本的には女性に恋をするという人もいます。人それぞれでどちらがどれだけ好きかということは違いがあるのです。
一般的にはレズビアンとゲイは有名で、バイセクシャルはあまり知られていませんでした。LGBTという言葉が一般的になっていくことで、バイセクシャルは広く知れ渡ることになったのです。
バイセクシャルの人の場合、男女どちらとも恋ができることから、あまり周囲に気付かれないという特徴があります。本人が隠そうと思えば隠せるからです。
しかし隠せてしまうからこそ1人で思い悩んでしまうケースも少なくありません。そのため、同性愛の感情を自分の中に閉じ込め、異性愛しかしないで生きている人もたくさんいます。
バイセクシャルは全ての人間が恋愛対象ではありますが、男性であるか女性であるかを識別してはいます。男女であることを意識せず、全ての人を人間として認識して恋愛する人は、パンセクシャルと呼ばれるため区別しておきましょう。
■T(トランスジェンダー)
LGBTQのTは「トランスジェンダー」の頭文字です。トランスジェンダーは生まれたときの性別と性自認に違いがある人のことを指します。
女性として生まれたが、自覚としては男性であったり、逆に男性として生まれたのに女性だと認識しているという場合がトランスジェンダーです。また、性別を男性女性どちらとも認識できていないという場合もあります。
トランスジェンダーは自分の性別と性自認に差がありますが、それを一致させたいとは思っていません。この点でよく性同一性障害と混同されます。
性同一性障害の人は自分の体を性自認している性別に変えたいと思います。幼少期は自分自身の体が実際の性別とは違う形をしていることを疑問に思っているものです。
そして成長していくごとに男性は男性らしく、女性は女性らしく体が変化していきます。しかし性同一性障害の人はそれに嫌悪感や拒否感を覚えてしまい、そのことを誰にも言えず悩んでいます。
トランスジェンダーとは別となるのですが、この2つを同じとする見方もあります。しかし基本的にこの2つは別ですので、しっかり理解しておきましょう。
■Q(クエスチョニング)
LGBTQのQは「クエスチョニング」の略です。これは自分の性別が決まっていない、わからない、まだ決めていない、決めたくない人のことを指します。
性的マイノリティーにある人が、全て性自認を完璧に認識しているわけではありません。自分はどちらなのかとわからなくなっていることもあれば、年齢に応じて変わるということもあります。
そして中にはそのような変化や性別に縛られたくないという思いから、性別を決めたくないと思う人もいるものです。また、今自分の性別がどこに当てはまるか探している最中だという人もいます。
どの性別にもピンと来ないという人もいるため、性別は本当に多種多様なのです。男女という固定観念だけに縛られていると、本当の意味で人を理解することはできないということになります。
LGBTQの問題
LGBTQの問題は様々なものがあります。まず挙げられるのが差別です。
LGBTQの人は性的マイノリティーであることにより、様々な差別を受けています。学生時代にイジメられたり、からかわれたりしたことがあるという人が多いです。
先にも紹介しましたが、このような問題により、自分がLGBTQであることをカミングアウトできていない人は8割程度にもなります。それだけ当人たちは、カミングアウトすることへの抵抗感を示しているということです。
次に挙げられる問題は結婚です。海外では多くの国が同性婚を認めていますが、日本では認められていません。先進国の中で比較すると、このような法整備の部分で日本はかなり遅れているのです。
学校にも問題はあります。教員や学校がLGBTQを理解できていないという問題です。それにより、教員がLGBTQの人を差別するようなこともあります。
他にも、医療や公的サービス、職場などで、性別を男女で区別されることで起きる問題もあるものです。特に日本においては、LGBTQに関する問題が山積みですので、これを早急に改善していく必要があります。
LGBTQの出会いのおすすめの方法は?
LGBTQの出会いの方法として、おすすめなのはマッチングアプリやSNSです。やはり性的マイノリティーの人が恋愛をする上で、一番問題になるのが受け入れてもらえるかということです。
対面で出会っても、その人がNGであれば諦めざるを得ません。恋愛できる人の絶対数が少ないため、時間をかけてハズレを引くよりは、受け入れてくれる人に的を絞ったほうが効率が良いでしょう。
実際にLGBTQの人がネット上だけで、そのことをカミングアウトして恋人を探すということも少なくありません。
また、最近のマッチングアプリであれば、性別の項目にしっかりLGBTQの項目が記載されている場合もあります。そのため、恋人が欲しいという人は利用してみてください。
まとめ
LGBTQの意味について解説してきましたが、知っているつもりだったけど初めて知ったことがあったということもあったはずです。
細かく分ければ、今回紹介したもの以外にも性別の種類はたくさんあります。それらを知ることが人間を理解することにも繋がるものですので、興味のある人は調べてみてくださいね。