奈良県葛城市にある「當麻寺」の中にある”中之坊”に取材に⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の寺院名:當麻寺中之坊
取材する方:松村實昭(まつむら・じっしょう)さん
Q. 當麻寺はどのような場所ですか?
1400年もの長い歴史がある當麻寺は、時代と共にさまざまな変遷を繰り返しながらも、人々とともに生きてきた寺院です。また、奈良・平安時代よりもさらに古い時代の白鳳・天平様式の大伽藍や、金堂の弥勒仏や四天王、梵鐘などの白鳳美術を現在に伝え続けている寺院でもあります。
當麻寺の本尊は、藤原家の郎女・中将姫さまが表された「當麻曼荼羅(たいま・まんだら)」です。これは、写経の功徳により見ることができた極楽浄土の光景を表したもの。中之坊のご本尊である「導き観音さま」と共に、現在も多くの方の心の拠りどころとなっています。
當麻曼荼羅は実に4メートル四方という非常に大きなもので、阿弥陀さま・観音さまのいらっしゃる西方極楽浄土の光景が描かれています。この画には、極楽浄土のような調和の世界にしていくための教えが描かれており、心の調和を目的とした瞑想法とともに、古くから語り継がれ信仰されているものです。
また、実際に結婚式を行う當麻寺中之坊の本尊は「導き観音さま」をおまつりしています。中将姫が剃髪され、尼僧・法如となられた際に信仰された観音様で、新郎新婦を守りながら、結婚後の人生も導いてくださる観音さまです。式中では導き観音さまとお二人をお繋ぎし、結婚を誓うことができます。
そのほか當麻寺は、三重塔が東西一対に残っている全国唯一の寺としても知られています。いくつもの荘厳な庭園の風景とともに三重塔を眺め、四季折々の美しい景色を楽しむこともできる。そんな當麻寺内は、普段から散策することもでき、仏さまの姿を書き写す「写仏体験」に参加することも可能です。
さらに、古くから大和三大園に数えられる中之坊庭園「香藕園(こうぐえん」では、ご結婚の場にふさわしい、贅沢な自然の景色を楽しむこともできます。気になられた場合は、ぜひ一度ご拝観なさってみて下さい。
Q. 當麻寺中之坊の結婚式の特徴を教えて下さい。
當麻寺中之坊では、「導き観音さま」の前で仏前結婚式を行うことができることが大きな特徴です。「導き観音さま」は“足もとを照らし、行くべき道を示してくださる”と言い伝えられている観音様。将来をともに歩むお二人を守り・導いていただけるよう、観音様の目前でしっかりと誓いを立てることができます。
また、導き観音様の右手から伸びる五色の結縁紐をお二人に握っていただき、三者で繋がり誓いを行うことも、當麻寺中之坊ならではの特徴です。目前の導き観音様に繋がり将来を誓い合うことで、結婚への思いを新たにできますので、将来にもしっかりと残るものとなります。
1400年以上多くの人々の拠りどころとなってきた仏様に見守られ、結婚式を目前で行うことは、結婚後の生活の大きな支えにもなるものです。四季折々の景色や歴史ある空間を楽しみながら、思い出に残り続ける結婚式となるよう、私たちも心を込めてお手伝いをしています。
Q. 當麻寺中之坊の結婚式でこだわっているところはありますか?
こだわりではありませんが、式の中で10箇条の戒め“十善戒”をお約束いただくことも、當麻寺中之坊の仏前結婚式の特徴のひとつです。“十善戒”とは、これから人生を歩むうえでも守るべきことで、仏前に出るにあたっての心構えでもあります。
具体的には、“不殺生戒”や“不偸盗戒”などの、殺しや盗みをしてはならないという約束のほか、浮気や不倫をしてはならないという意味を指す“不邪淫戒”、むやみに怒らないという意味の”不瞋恚”など、良い関係を築く為の戒めを含むものでもあるのです。
仏前式にあたってのお約束となりますので、改宗の必要などはありませんが、お二人で約束のうえ進めて参ります。この“十善戒”は、結婚後の支えにもなる戒めとなるはずです。
Q. どんな方が結婚式を挙げていますか?
これまでも幅広い方が式を挙げられていますが、実は、元々は私たちの親族や檀家さんのみが結婚式を行っていました。それが知人へと広まり、口コミを通して依頼が増えたことで、現在のように皆様の結婚式も挙げていただけるようになったんです。
ですから、個人だけでなく結婚をサポートする法人様からのお問い合わせも多く、年齢も把握しきれないくらい幅広いのが実情です。お庭やお堂での撮影のみのご利用を含めると、本当に多くの方が訪れられていますね。
Q. 結婚式の流れを教えて下さい。
仏前式の流れを簡単にご紹介すると、まずは親族の方にお堂に入っていただき、僧侶から流れをご説明します。そのあいだに、新郎新婦様の衣装を整え、準備を整えることがはじまりです。
そして新郎新婦とともに、僧侶と戒律を授けるものがお堂に入り、ご親族などのお迎えを受け着席します。全員がお堂に入ると、ご本尊である「導き観音さま」への読経やお清めを行い、その後に“十善戒”をお二人に伝え、気持ちと心構えも整えていきます。
この際には仏前での心構えや夫婦関係のお約束なども行います。そして数珠をお授けし、ご親族を含めた参列者一同でお祝いの酒に見立てたお水を飲みます。そして、訓戒を行ったあと、新郎新婦お二人での誓いのお言葉を読み上げていただき、最後にご真言を唱え終了となります。ここまですべてで、約40分程度がお時間の目安です。
Q. 結婚式の料金・費用はいくらですか?
仏前式の費用は8万円をお供えいただいております。それぞれ数珠を事前にご用意していただく必要がありますが、當麻寺中之坊でもいくつか数珠を用意しておりますので、気に入れば購入も可能です。必要なものなどがあれば、事前の打ち合わせ時にもお伝えしますのでご安心ください。
Q. 申し込み後の挙式までの流れを教えて下さい。
お申し込み後は仏前式の準備がスムーズに行えるよう、當麻寺にて打ち合わせを行っています。式の流れや心構え、ご用意が必要な数珠の確認も行います。
この時に式の最後にお二人で読み上げていただく、誓いの言葉についての打ち合わせも行い、式を安心して迎えられるよう一緒に準備して参ります。
Q. いつまでに申し込む必要がありますか?
ご希望の日程に空きがあれば、最短で半月程度前のお申込みも可能ですが、最低でも一か月程度前にご連絡をいただけると助かります。お申し込み方法は、仏前式のみなら直接お電話でも可能です。衣装や撮影はご用意がありませんので、必要な場合は別途ご手配ください。
また、トータルに準備を進めたい方は、結婚式や式場探しをサポートされている法人様などを通してのお申込みがスムーズです。ご希望にあわせてお申し込み方法もご検討ください。
Q. 印象的だった結婚式はありますか?
たくさんの方が式を挙げられていますが、皆さんそれぞれの雰囲気があって、とても喜んでいただいています。お庭やお堂などはご年配のご親族などにも好評で、新郎新婦様のお写真も綺麗に撮れますので、結婚式との相性がいいのかもしれません。
具体的なエピソードは決められませんが、たくさんの結婚式をみてきた方でも、式の雰囲気に感激いただくことがあります。ご本尊の前で式を行い、誓いを行う結婚式に参列された経験のある方は確かに少ないものです。そういう意味でも、多くの方に経験いただき、心に残る式を感じていただけると嬉しいと思っています。
Q. これから結婚式を考えている人へメッセージをお願いします。
結婚には誓いが必要となりますが「誰に誓うか」ということが、後になるに従って特に大切になると考えています。現代では仏前式だけでなく、神に誓う神前式、人に誓う人前式など色々ありますが、當麻寺中之坊では「導き観音様」を目前にして誓うことが可能です。
観音様の前で気持ちを一つにして誓ったということは、お二人の心にもしっかりと残るもの。それは長い人生でなにかがあった時にも、きっと影響してくるものだと思います。式の中で導き観音様と五色の紐で繋がる行いも、非常に象徴的で印象にも強く残るはずです。観音様の目前で誓ったことは、結婚後の生活においての大切な支えとなることとと思います。
Q. このインタビューを見た人への特典はありますか?
「Spicomiのインタビュー記事を見た」と伝えていただければ、特典として「導きの紐お守り」を新郎新婦にお授けさせていただきます。
當麻寺中之坊の店舗情報・営業時間・定休日
寺院名:當麻寺中之坊
住所:奈良県葛城市當麻1263中之坊
電話番号:0745-48-2001
営業時間:9:00~17:00
URL:http://www.taimadera.org/index.html
お問い合わせ⽅法:お電話にてお問い合わせください。
ご予約方法:お電話にてご予約ください。