茨城県結城市にある「結城諏訪神社」へ取材に⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の神社名:結城諏訪神社(ゆうきすわじんじゃ)
取材する方:権禰宜 関屋佑貴さん
どんな神社ですか?
結城諏訪神社は茨城県西地方、結城市上山川に鎮座しております。創建は天慶三年(940年)この地方で平将門が反乱を起こしたことにはじまります。その勢いは強く、次々と支配地を増やす中、下野の武将、藤原秀郷に将門を討つべしとの宣旨が下りました。
そこで、戦勝のため信濃国諏訪大社より諏訪大明神の御霊を招き、現在の境内地で必勝祈願の祈祷を行いました。その際に行われた『弓引き神事』は、現在も当時と同じ1月27日に行われております。
そして、見事将門に勝利した秀郷は諏訪大明神の御神徳に感謝し、社殿を建築し御神体として神事に使った矢を奉納しました。これが諏訪神社のはじまりです。
それ以来、源頼朝の奥州攻めに参戦した結城朝光が戦勝を祈願して勝利を収めるなど、戦勝の神・勝利の神として多くの武将の信仰を集めてきました。
神社の見どころを教えてください。
境内に古くから伝わる『勝負岩』と呼ばれる大岩です。将門の軍勢の矢から秀郷を守ったという逸話があります。岩に触ると力をいただき、願いが叶うと言われ、今では多くの参拝者の方々が願いをこめて岩に触れていらっしゃいます。
また、境内には樹木が多く、春には多様な桜が咲き揃います。4月3日の『例大祭』の日には神楽殿において『太々神楽』が奉納されますが、桜吹雪の中で舞われる勇壮な舞は圧巻でございます。
梅雨の時期には参道をアジサイが彩ります。雨の季節にも関わらず、家族連れやカップルなど大勢の方が参拝されています。
ご利益を教えてください。
諏訪神社の祭神、建御名方神(たけみなかたのかみ)は、八百万の神最強の武神として知られております。諏訪大明神として藤原秀郷をはじめ、さまざまな武将に勝利をもたらしたことから、古くより勝負の神として崇敬を受けました。現在では万の勝負ごとにご利益のある万事必勝(ばんじひっしょう)の神として、氏子崇敬者の方から信仰されております。
一緒に祀られている事代主神(ことしろぬしのかみ)は建御名方神の兄弟神であり、恵比寿様として信仰を受けている神様です。商売繁盛・事業繁栄のご利益を与えてくださいます。
諏訪神社には竜神様とのつながりもございます。諏訪大社の神様は諏訪湖に住む竜神様とも言われており、当社では竜神様が『勝負岩』の上に白蛇の姿となって現れるとの伝承が残っています。
また、竜神様は水神としての側面があり、農耕や雨乞の神として信仰されております。当社でも古くは雨乞を行っていた名残があり、現在では『雨降社』としてお祀りされております。水は人々の生命維持に関わることから水神として信仰される一方、竜神は中国皇帝の象徴とされることから、当社では勝利の象徴としても信仰されております。
御朱印について教えてください。
当社では本務社の『諏訪神社朱印』、兼務社の『三蔵神社朱印』、太々神楽をモチーフにした『太々神楽朱印』の三種類の御朱印と、一種類の御朱印帳がございます。
『三蔵神社朱印』は当社で兼務している三蔵神社の御朱印になります。日本で唯一、三蔵法師をお祀りしている珍しい神社であり、旅行安全・学業に関する御神徳があると言われております。
※三蔵神社は普段無人ですので、御朱印希望の方は諏訪神社社務所までお願いいたします。
『太々神楽朱印』は神楽が十二座あることにちなんで、毎月一座ずつ頒布させていただいております。
御朱印帳は当社オリジナルとなっております。表は藤原秀郷の必勝祈願の儀式が、裏には秀郷が退治したムカデが描かれております。
御朱印はどうやってもらえばいいですか?
授与所にて受付をしております。授与所でお声がけいただければ、授与させていただきます。受付時間は9時から16時となっておりますので、その間に受付を済ませてください。また、御守・御札の授与やご祈祷の受付も、上記の時間と同様になります。
お守りやお札はどんなものがありますか?
当社の御神体である矢が印された『万事必勝守』がございます。万事必勝のご利益がございますので、スポーツ、武道、試験などはもちろん、恋愛や病気に勝ちたい方にお分かちしております。
通常の御守タイプとカードタイプがございますので、お好みでお選びください。
このほかにも『万事必勝の札』と『勝ダルマ』がございます。『万事必勝の札』は通常の木札と異なり、勝利の色である金色の巻紙が用いられています。『勝ダルマ』も当社オリジナルとなっており、金色のダルマでございます。こちらは必勝や諸願成就の祈念を込めながら、目を書き入れていただくとよいかと思います。
また、矢を象った絵馬もございます。こちらに願い事をお書きいただいて、勝負岩付近の絵馬掛けに掛けていただき、岩に触れていただくことで、神様の強い力をお受けいただくことができます。
もっと間近で神様のお力をお受けしたいという方は、『万事必勝祈願』を受けていただくとよいかと思います。こちらは社殿で必勝の祝詞を奏上させていただき、祈願を込めていただいて、玉串奉奠をしていただきます。祈願終了後、お祓いした御守、御神酒等をお渡しさせていただきます(祈願料によりお渡しする内容が変わります)。大会に望まれる学生さんやプロのアスリートなど多くの方にお受けいただいております。
おすすめの行事やイベントはありますか?
毎年4月3日の神武祭に奉納される『太々神楽』です。この舞は五穀豊穣、氏子崇敬者の安寧を祈願して行われ、見物に多くの参拝者が訪れます。『太々神楽』は茨城県指定無形民俗文化財であり、当社以外にも市内数社で演じられています。
舞は全部で十二座あり、その中には猿田彦(天狗)、お稲荷様、恵比寿様など、皆さんもよくご存じの神様の姿も見られます。それぞれの神様が力強く、華麗に舞う姿は参拝客を飽きさせることはありません。
十二座最後の『大山祇の舞』では、奉納された福餅や福菓子などが撒かれ、先を争って拾いあう姿は諏訪神社太々神楽の名物となっております。
※毎年多くの参拝客が訪れます。駐車場・境内等込み合いますので、参拝の際には十分お気を付けください。
また、秀郷が戦勝を祈願して行った『弓引き神事』が1月に行われています。現在では、氏子崇敬者が弓で的を狙い、放った矢を持ち帰り、一年の除災・開運を祈願しております。
※『太々神楽』『弓引き神事』どちらも観覧・参加は自由となっております。
拝観時間と拝観料について教えてください。
拝観時間・拝観料ともにございませんので、ご自由に参拝していただいて結構でございます。
ただ、社務受付時間は9時から16時となっておりますので、御守や御朱印の授与、御祈祷等を希望される方は時間内に御参拝ください。
近くでおすすめの観光地や飲食店はありますか?
結城市は古くから紬織が盛んに行われており、とくに『結城紬』は重要無形文化財として指定され、最高級の絹織物となっております。着付けや染物など体験できる施設が多くございますので、一度足を運んで見てください。
※要予約や季節柄体験を休まれている施設などもございますので、事前にご確認ください。
これから拝観したい方へのメッセージをお願いします。
当社祭神は古くから必勝の神として氏子崇敬者の方々から信仰を集め、『勝ちたい・叶えたい』と強く願う人々に寄り添ってまいりました。
もし『絶対に勝ちたい』という真摯な願いをお持ちの方がいらっしゃれば、一度足を運んでいただいて、大神様の御神徳をお受けください。
結城諏訪神社の基本情報
神社名:結城諏訪神社(ゆうきすわじんじゃ)
住所:茨城県結城市上山川161
電話番号:0296-35-6007
拝観時間:参拝は24時間可能。社務所は9時から16時まで
URL:https://suwa-jinja.jp/