滋賀県東近江市にある「観峰館」へ取材を⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の博物館名:公益財団法人 日本習字教育財団 観峰館
Q. 施設の概要を教えてください。
観峰館は「書の文化にふれる博物館」として、1995年(平成7年)の10月にオープンしました。公益財団法人日本習字教育財団が、書道文化の普及を目的に運営する博物館です。
6階建ての本館、書院展示室、西洋アンティーク展示室、20周年記念で増築され企画展などを主におこなう新館などから構成されています。
鑑賞の所要時間は1時間半ほどが目安と紹介しておりますが、1日かけてじっくり見て回られる方も多く、たくさんの作品に「想像以上に見ごたえがある」というお声を多くいただいています。
Q. 展示物の構成を教えてください。
観峰館には、世界中の文化を知ることができる収蔵品があります。
主な収蔵品は、日本習字創立者の原田観峰(はらだ・かんぽう)が収集した2万5000点におよぶ中国近現代の書画、石碑からとった拓本などのほか、国内外の作家による書画や和本類などです。これらは書の文化を理解するうえで非常に貴重な資料ばかりと言えます。
常設展示の見どころのひとつは、中国の皇帝が暮らした部屋を再現した展示室でしょう。18世紀の中国清王朝の皇帝の離宮内部を再現した「避暑山荘」、同世紀に清朝に君臨した乾隆帝の書斎を再現した「三希堂」などは興味深く見ていただけるかと思います。
また、実際に拓本をとることができる8基の「復元石碑」、中国建築風のギャラリー「書院展示室」も現地の雰囲気を感じていただけると思います。
また、欧米資料を集めた「西洋アンティーク展示室」は、アンティークのオルゴールやクラシックカー、西洋家具なども展示しております。バラエティに富んだ展示をお楽しみいただけます。
書体の変遷を紹介する「書の歴史」の展示では、貴重な硯(すずり)なども展示し、中国書法文化を紹介しています。本物の資料を見ていただきながら、子どもから大人までわかりやすく、書に触れていただくことができます。
Q. デートスポットとしての見どころを教えてください。
館内は基本的に全館撮影が可能です。ただ、他館の収蔵品を展示している場合は撮影をご遠慮いただいていますので、館内掲示をご確認ください。
当館は建築物としてもいっぷう変わった建物ですから、写真に適したスポットは多くあります。「避暑山荘」の前にある赤い対の獅子などは、とても大きく迫力があるので非常にフォトジェニックだと思います。
また縦2メートル、横1.3メートルととても大きな硯もあります。ベッドでいうとセミダブル並のサイズですね(笑)。こちらは実用品というよりも調度品として使われていたようで、石は今ではもう採れないような貴重な石材を使っていますので、ぜひ写真に収めてみてください。
また見逃せないのは、前出の「避暑山荘」のスペースですね。「避暑山荘」の扁額は、名君と名高い康煕(こうき)帝の手によるもので、世界遺産に認定されているもののスペア、つまり架け替え用に複数作られた当時の品のうちのひとつです。
素晴らしい扁額を飾るのにふさわしい場所をということで、現地のしつらいをほぼ原寸大で復元しています。海外に行かずとも、隆盛を極めた皇帝の離宮の雰囲気を感じられる場所ですから、ぜひ堪能いただければと思います。
Q. 人気の企画やイベントはどんなものがありますか?
年に1度の特別企画展、年に約2回は企画展をおこなっています。たとえば2021年秋の企画展では、「文人の行き交う街―近江商人が紡いだネットワーク―」と題して、ここ東近江や近江八幡で活動していた文人・書家の作品を、掛け軸や屏風、額物などで50点程度展示します。
なかには、国の重要文化財に指定されている、烏丸光広の手による「無価宝珠詠草(むげほうじゅえいそう)」といった貴重な作品も。地元とゆかりのある文人の書画に触れていただくことで、地域の文化や文化財を保護していく機運が高まればと思っています。
企画展の開催中には、展示の内容をやさしく解説するギャラリートークと、中国楽器やクラシックギターなどを楽しめるミニコンサートを開催する日もあります。
また、実際の石碑に触れて拓本をとり、持ち帰ることのできる「拓本体験」も人気です。拓本は未経験の人が多いと思いますが、事前予約制で個別に職員がついてご指導させていただきますので、カップルで共同作業をするのも楽しいのではないかと思います。
Q. 併設施設について教えて下さい。
レストランといった飲食の施設はなく、館内での飲食はご遠慮いただいております。お弁当などをお持ち込みの方は、テラス席をご利用いただけますので、そちらでお願いします。
ミュージアムショップでは、企画展の図録やポストカード、当館オリジナルの扇子、コットンバッグなどを販売しています。また、筆や墨、半紙といったお習字の道具も取り揃えています。
Q. どんな利用者が多いですか?
書に興味のある方ということで、やはり年配の方が多い印象です。とはいえ、夏休みにはクイズラリーなどの企画を開催しますので、ファミリーでお子様連れの方もいらっしゃいます。
館内はバリアフリー化されておりますので、車いすの方やご年配の方も気軽にお越しいただいています。
Q. 料金・予約について教えて下さい。
入館料は以下のとおりです。
一般 500円
高校生・学生 300円
中学生以下 無料
団体やシニア、障がい者などの場合、割引がありますので、ホームページをご確認ください。ホームページを提示することで受けられる割引もあります。
特別企画展開催時は、料金が変わります。
一般 1,000円
高校生・学生 800円
中学生以下 無料
ご来館の際に予約は特に必要ありません。5名以上の場合、1週間前までに予約していただくと、学芸員が解説をしてご案内することもできます。
Q. 付近のおすすめ観光スポットを教えてください。
歩いて20分ほど、車では5~10分ほどの「五個荘金堂」という地区には、近江商人の邸宅と伝統的な農家住宅が残され、美しい街並みとなっています。一般公開されているお屋敷もあるので、ぜひ足を伸ばしていただければと思います。
1400年の歴史をもつ石馬寺も美しい紅葉のなか散策することができておすすめです。
最近人気の高い近江八幡までは車で1時間足らずで行けます。水郷巡りや近江八幡の商人屋敷、人気のバウムクーヘン屋さんなど、こちらも見どころがいっぱいです。
お食事なら東近江市の市役所がある八日市エリアのほうへおでかけいただくと、素敵なカフェやレストランがたくさんありますよ。
Q. このインタビューを見た人への特典はありますか?
受付にて「Spicomiを見た」と言っていただければ、入館料を2割引きにいたします。スタッフにお声がけください。
Q. これから利用したい方へメッセージをお願いします。
2万5000点にも及ぶ中国の書画や復元された世界遺産、西洋アンティークにいたるまで、さまざまな文化を、ゆっくり時間をかけて鑑賞していだけます。
館内は写真が撮れる場所も多いですから、ぜひご自分たちのペースで楽しんで、いい記念としていただければと思います。「書の文化にふれる博物館」であり、来館者さまの憩いの場でもありたいと願っています。
観峰館の基本情報・営業時間・定休日
事業者名:公益財団法人 日本習字教育財団 観峰館
住所 :〒529-1421 滋賀県東近江市五個荘竜田町136
電話番号:0748-48-4141
営業時間:10:00~17:00(入館は16:00まで)
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため変更の場合があります。
定休日 :月曜日(但し祝日の場合は翌日)
資料調査・整理のため休館 11/22~2022年3月末
URL :https://kampokan.com/