北海道網走市にある「モヨロ貝塚館」へ取材を⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の博物館名:「モヨロ貝塚館」
Q. 施設の概要を教えてください。
写真提供:網走市立郷土博物館
網走川の河口にある遺跡「モヨロ貝塚」に隣接して建つ博物館です。モヨロ貝塚は、5世紀から9世紀にかけて、北海道のオホーツク海沿岸部に展開した北方系の渡来文化「オホーツク文化」が日本で初めて発見された遺跡です。当館では、出土品や実際の遺構から、その暮らしぶりについて幅広く紹介しています。
施設は2013年(平成 25 年)にリニューアルし、現在に至っています。
Q. 展示物の構成を教えてください。
写真提供:網走市立郷土博物館
「オホーツク文化」は、5世紀から9世紀にかけて北海道のオホーツク海沿岸部に展開した北方系渡来文化です。遺跡はサハリンなどにもひろがっており、その出自はロシア東部のアムール川の河口域付近に求められるともされていますが、いまだ謎の多い古代文化です。
モヨロ貝塚からは、動物の骨を使って作られた道具や、土器、石器などが出土しています。これらの中には、クジラやイルカ、クマの彫刻が施されたものも多く見られます。出土した道具類から推測すると、モヨロ人の生活はアザラシやオットセイなどの海獣の狩猟に重点があったと見られています。また本州で制作されたと見られる鉄の刀や、大陸製の青銅の鈴なども見つかっており、謎を呼んでいます。
当館の展示物は、施設のリニューアルにあたり、隣接する遺跡の調査によって得られた実物資料が中心となっています。
展示は6室に分かれており、「家」「お墓」「貝塚」のテーマごとに構成されています。それぞれ見つかった土器や骨製の道具などのほか、当時の家の内部の状況を再現したものや、実際の貝塚を切り取った地層断面などを使って、視覚的に分かりやすく展示・紹介しています。
Q. デートスポットとしての見どころを教えてください。
写真提供:網走市立郷土博物館
常設展示でとくに注目度が高いのは、遺跡を残した「モヨロ人」の復元像でしょうか。発掘された人骨骨格から推定復元された像で、北方系渡来民族であった人びとの顔つきの特徴に注目してほしいですね。写真も個人利用目的に限っては、自由にお撮りいただいてかまいませんので、来館記念にぜひモヨロ人と記念撮影をしてみてください。
またこの銛(もり)をかまえたモヨロ人の後ろを振り返ると、彼らが海での狩猟を生業としていたことをあらわす、クジラの全身骨格標本などもあります。こちらもとっても迫力があり、特にお子様に人気です。
そのほか、オホーツク文化への理解を深めるうえで必見の品々といえば、モヨロの人びとの信仰について知ることができる、動物を模した資料の数々です。人びとは動物を神としてまつっており、さまざまな造形をのこしました。クマの頭部をかたどったミニチュアの土製品などいずれも表現豊かにつくられていますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
Q. 人気の企画やイベントはどんなものがありますか?
写真提供:網走市立郷土博物館
毎年ゴールデンウィークにかけて、小規模な企画展などを開催しています。例えば、「発掘 70 年記念回顧展」などのほか、2022年は「モヨロ人が見た動物のすがた」と題し、動物をかたどった資料について、より詳しく展示紹介しています。
体験学習やワークショップなどに類するものとしては、来館時に常時体験できるものではありませんが、講座などで土器づくりや火おこし体験などを開催しています。
Q. 併設施設について教えて下さい。
写真提供:網走市立郷土博物館
館内にミュージアムグッズを取り扱ったコーナーを設置しています。T シャツやモヨロくん人形、土器を模したストラップや、コーヒーカップなど、他所では取り扱っていないオリジナル商品がありますよ。
Q. どんな利用者が多いですか?
写真提供:網走市立郷土博物館
小学生から年配の方まで幅広い世代にご利用いただいています。あまり知られていない「謎のオホーツク文化」の存在に興味を持って来館される方、ここへ来てはじめてその存在を知ったという方など様々です。
住居の再現展示や剥製で示された当時の食糧など、オホーツク文化のくらしを視覚的にわかりやすく紹介していると好評をいただいています。
Q. 料金・予約について教えて下さい。
写真提供:網走市立郷土博物館
料金は、一般大人 300 円、高校生・大学生 200 円、小学生・中学生 100 円、未就学児 無料 となっています。
個人でお越しいただく場合は、ご予約不要でご利用いただけます。団体でご利用の際には事前にご予約をお願いします。お問い合わせ先は本館・網走市立郷土博物館TEL0152-43-3090までお願いします。お問い合わせ時間は平日月~金曜日の 9:00~17:00 までです。
土日祝日は、やはり来館されるお客様が多いです。また、夏季ですと、火~木曜の 10~12 時台などは団体見学利用等で混み合う場合があります。
Q. 付近のおすすめ観光スポットを教えてください。
当館は「網走市立郷土博物館」の分館にあたります。本館である郷土博物館には、モヨロ貝塚とオホーツク文化を発見した米村喜男衛氏が長年にわたって収集した考古、民族資料が集められています。そのほか、動物の剥製など、網走地方の自然や産業に関する展示もあります。1936年(昭和11年)に建てられた建物は文化財にも指定されており、見どころがいっぱい。桜の名所でもあります。当館とあわせて見学すると、より楽しんでいただけるかと思います。
また車で10分ほどのところに有名な「博物館 網走監獄」があります。明治時代から実際に網走刑務所で使用されてきた建築物群を移築・復原し、保存公開している広大な歴史博物館です。舎房及び中央見張り所などの建物は、国の重要文化財に指定されています。
またオホーツク海といえば流氷。こちらも車で10分ほどの、天都山にある「オホーツク流氷館」の「流氷体感テラス」では、マイナス15℃に設定された室内で、本物の流氷に触れることができます。濡れたタオルを一瞬で凍らせる「しばれ体験」も大人気。カフェでオホーツク海の青い塩を使った塩キャラメル味の「流氷ソフトクリーム」を味わうのもおすすめです。
Q. このインタビューを見た人への特典はありますか?
写真提供:網走市立郷土博物館
受付にてSpicomiを見たとお申し出いただくと、クマのおしりがモチーフの「モヨロ貝塚館オリジナル缶バッジ(6色)」を、お1組様2個までプレゼントいたします。
Q. これから利用したい方へメッセージをお願いします。
日本でもこの一帯にしかない、いまなお多くの謎がのこされた「オホーツク文化」について知ることができる博物館となっております。遺跡をのこしたモヨロの人びとの特異な暮らしぶりにふれてみてはいかがでしょうか?
モヨロ貝塚館の基本情報・営業時間・定休日
事業者名:モヨロ貝塚館
住所 :〒093-0051 北海道網走市北1条東2丁目
電話番号:0152-43-2608(営業時間等のお問い合わせ)
0152-43-3090(団体見学等のお問い合わせ)
営業時間:9:00〜17:00※冬期(11 月~4 月)は 16:00 まで
定休日 :月曜日、国民の祝日、年末年始は休館 7~9月は無休
URL :http://moyoro.jp/