山梨県身延町にある「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」へ取材を⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の博物館名:「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」
Q. 施設の概要を教えてください。
甲斐黄金村・湯之奥金山博物館は、山々の緑に囲まれた山梨県南巨摩郡身延町にある博物館です。開館は1997年(平成9年)4月、1階は砂金採り体験室や売店、2階が博物館となっており、映像シアターやジオラマ、資料展示室が配置されています。
「湯之奥金山」とは中山・内山・茅小屋の3金山の総称で、甲駿国境の毛無山の中腹に位置します。湯之奥3金山のうちの中山金山は「甲斐金山遺跡」として、平成9年9月に甲州市の黒川金山とともに国史跡に指定され、当館は「甲斐金山遺跡」のガイダンス館として、中世戦国期の鉱山作業について広く紹介しています。
Q. 展示物の構成を教えてください。
当館では、湯之奥金山の最盛期であった戦国期の鉱山作業のようすを中心に展示しています。当時は、坑道を掘るのではなく、表土に近い鉱脈を採掘する「露頭掘り」が行われていました。採鉱から精錬して地金にするまで、当時の人々の作業を再現したジオラマ模型や映像などで分かりやすく紹介をしています。
採掘された金は、かつて甲斐国で流通していた「甲州金」というお金になっていました。約100点の甲州金と江戸時代の大判小判の展示は壮観です。
また、注目は「日本砂金地図」。全国各地の川でとれる砂金のサンプルで日本地図を形作り展示しています。こちらのコレクションは当館学芸員が採取に行ったり、愛好家の方から寄付していただいたりして、約10年かけてここまで集めました。今は46都道府県まで集まり、残すところ1県となりました(2021年11月現在)。砂金の色味や大きさなど、地域による砂金の違いを比較することができ、ご自身のお住まいの土地や出身地など所縁ある砂金に興味を持たれるお客様が多いですね。
Q. デートスポットとしての見どころを教えてください。
やはり一番人気なのは、「砂金採り体験」ですね。協力したり競い合ったりしながら、和気あいあいと楽しんでいただけます。砂金採り体験室の写真はSNSアップOKですので、どんどん成果を披露なさってください。
そして、当館のオリジナルキャラクター「もーん父さん」も見逃せません。7:3ヘアとパッチリおメメが特徴的で、おともだちのネコはいつも一緒。博物館のキャラクター人気投票「ミュージアムキャラアワード2021」で、全国70キャラ中2位に輝いた人気者なんです。毎日ゆる~くTwitterも更新しています。もんちゃんは、博物館の館内に気の向くままにふらっとお散歩に出てくることもあるので、気になる方はスタッフに「もんちゃんに会いたい」とおっしゃってくださいね。
(※展示室内の写真撮影に関しては、思い出作りのためものはOKですが、SNSなどへのアップは控えていただいております。)
Q. 人気の企画やイベントはどんなものがありますか?
なんといっても「砂金採り体験」です。砂金採り体験は楽しいだけではなく、昔の鉱山の作業の一部「ゆりわけ」を追体験できるプログラムです。金を採るための専用のパンニング皿を使い、砂の中に混じっている砂金を採取するのです。「比重選鉱」といって、比重が重い金はゆすっていると必ず下に沈みます。表面の砂を水の力で流し、再びゆすって金を沈ませる、この作業を繰り返して金を採り出すのですが、これが皆さんの想像以上にコツがいるので、やってみると意外と難しいという体験者の声が続出しています。初心者なら30分の時間内で5粒採れたら自分を褒めてあげてください。コツがいりますが、体験中はスタッフがサポートしますので、安心して和気あいあいと楽しんでください。
採れた砂金はお土産として持って帰れます。また、砂金をアクセントにしたアクセサリーやキーホルダー、しおりなどに加工することもできます。
そのほか、当館では年間通じてさまざまなイベントを行っています。夏休みには、あらかじめ決められた量の金の入った砂の中から、いかに早く正確に砂金を採りだせるかを競う「砂金掘り大会」や、その大会の中高生バージョンで団体・個人戦の「砂金甲子園」などがあります。そのほか「激烈☆おやこ金山探険検隊」、「化学実験教室」、「金山現地見学会」、「館長講座」、「アウトドア版館長講座・いでさんぽ」など、バリエーション豊かに開催しているので、ホームページなどでチェックしていただければと思います。
Q. 併設施設について教えて下さい。
ミュージアムショップでは、Tシャツや、自宅で気軽に砂金採りを楽しめる「ビックリ!砂金缶」などのオリジナルグッズをはじめ、さまざまな品を取り扱っています。なかでも人気は「金箔入りしいたけ茶」。地元特産のしいたけをふんだんに使ったしいたけ茶は、お出汁のような豊かな味わいで、料理にも使えてとても美味しいと評判です。そのうえ金箔が入っていてリッチな気分になれますよ。
ほかにも、駐車場に併設した「しもべ黄金の足湯」があります。こちらは無料でご利用いただけます。下部温泉の源泉を贅沢にかけ流しで供給しております。周囲の山々や川など季節ごとに趣を変える豊かな自然の景色をゆっくり楽しみながらくつろぎのひと時をお過ごしください。
(※2021年12月14日まで配管洗浄工事のため休止中)
Q. どんな利用者が多いですか?
お子様からご年配の方まで、幅広い世代の方がご来館されます。一人旅の方も家族旅行の方も、もちろんカップルの方たちも、皆さんそれぞれに楽しんでくださっています。
Q. 料金・予約について教えて下さい。
入館チケットは3種類あります。博物館展示観覧は大人:500円、中学生:400円、小学生:300円、幼児無料です。砂金採り体験は大人:700円、中学生600円、小学生500円です。展示観覧と砂金採りの観覧・体験セット券は、大人:1,100円、中学生900円、小学生700円とお得になっています。
20名以上は団体割引が適用されます。個人のお客様は特にご予約は必要ありませんが、団体でご来館される場合は事前にご連絡ください。
ゴールデンウイークなどの大型連休や夏休み期間中は、砂金採り体験に待ち時間が出ることもありますのでご承知おきください。
Q. 付近のおすすめ観光スポットを教えてください。
当館はJR身延線「下部温泉駅」から徒歩約3分の好立地にあります。駅前のお土産屋さんは「もなか」が有名です。また食堂やレストランもあり、週末や休日には行列ができるほどの人気です。町営の温泉施設や宿泊施設の日帰り入浴もありますので、温泉も堪能していただければと思います。
温泉郷の外になりますが、博物館から車で約7分のところにある「富士川クラフトパーク」は「切り絵の森美術館」を擁し、また広々とした芝生の公園があって美しいところですよ。
Q. このインタビューを見た人への特典はありますか?
Spicomiを見たと入館時に受付スタッフにお申し出いただくと、各種チケット料金を1割引にさせていただきます。
Q. これから利用したい方へメッセージをお願いします。
金山といえば、身近でない場所だと感じられると思います。しかし金は、スマートフォンやパソコンの材料の一部にも使われており、実は私たちの身近な生活の中で活躍しているのです。昔の人たちがどのように金を採っていたのか博物館で学習し、砂金採り体験を楽しんでください。楽しいイベント満載でお待ちしておりますので、多くの皆様にご来館いただきたいと思います。
甲斐黄金村・湯之奥金山博物館の基本情報・営業時間・定休日
事業者名:甲斐黄金村・湯之奥金山博物館
住所 :〒409-2947 山梨県南巨摩郡身延町上之平1787番地先
電話番号:0556-36-0015
営業時間:7月~9月 9:00~18:00(入館は17:30まで)
10月~6月 9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 :水曜日(祝日等の場合は開館し、翌日休館)
12月28日~翌年1月1日
URL :https://www.town.minobu.lg.jp/kinzan/