あなたは今日、どんな夢をみましたか?ヒトは一度の睡眠で平均3~5回の夢を見ているといいます。
良い夢でも悪い夢でもその内容をハッキリと覚えている夢、全く忘れてしまった夢などもありますが、夢の中で「これは夢」と自覚している夢を明晰夢といいます。それは気づいて良かったのか?気づいてはいけない夢だったのか?
そんな、明晰夢について紹介します。
夢だと気づいてはいけない夢「明晰夢」とは?
「明晰夢」は、夢の中で「これは夢」と自覚しながら見ている夢です。睡眠は深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」の2つのサイクルを繰り返し、体や脳を休息させ、心身のバランスを整え生命活動を円滑にするよう整えています。
明晰夢は眠りが浅いレム睡眠の時に見ると言われています。実際の体験のようなリアル感覚なので、脳は通常の夢より活性化し働きます。
しかし、それでは睡眠の役割が果たせずバランスが崩れ日常生活や健康に支障が出てしまいます。特に恐怖や不安を伴う明晰夢は目覚めても疲労感が拭えないため、夢だと気づいてはいけない夢といえます。気づかなければいいのですが、気づいてしまうから明晰夢なのです。
明晰夢の特徴7個
・夢の中で夢だと自覚している
・明晰夢のほとんどは途中で気付く
・自覚しているにも関わらずリアルで受ける感覚が強い
・現実の出来事や願望が反映されている事が多い
・起きようと自覚しても思うように覚醒できない
・目覚めた時に疲労感がある
・夢での行動をコントロールすることが出来る
基本的に明晰夢は夢の途中から気づく場合が多いですが、夢の導入からすでに気づいている場合もあります。楽しく幸せな内容もあれば、不安や恐怖、焦りを伴うネガティブなものもあり、現実で起きた事や願望が反映された内容であることが多く実体験のようにリアルに感じます。
楽しく幸せな夢であれば癒しやストレス解消の効果もありますが、怖い夢や不安な夢はよりリアル感が強く、目覚めた後にもその感情が強く引き継がれ記憶に残りやすいことが特徴です。
明晰夢だからもう止めよう!と思っても上手く覚醒することが難しく身動きがとれず、まるで金縛り状態。なかなか夢から抜け出せません。実際はわずかな時間でも夢と現実の時間軸は異なるため長時間を夢に囚われています。
そのため目覚めた時には深い疲労感や不快感が残ります。けれど、明晰夢をよく知りコツさえ掴めば自分でコントロール出来るといいます。そうなれば悪夢を軽減することも可能です。
明晰夢の危険性
最近の研究ではレム睡眠でもノンレム睡眠、どちらの場合でも夢は見ているとされています。1度の睡眠で3~5回程度このサイクルを繰り返し、チャンネルを切り替えるように別の夢を見ているといいます。
通常、レム睡眠とノンレム睡眠が上手くバランスを取りながら身体と脳を休ませ生体機能を整え、日常生活で習得した情報を整理するのですが、明晰夢を見るとそのバランスが崩れ脳の活動も活発となるので本来の睡眠の役目を十分に果たせなくなります。
人間は丸2日一睡もせずにいると思考能力や判断力、体力や気力が著しく低下し、事故や病気に繋がる恐れや精神のバランスも崩してしまう可能性があります。明晰夢をよく見るという人は、正しい睡眠のプロセスが乱された状態が増えることになりますので特に注意が必要です。
明晰夢のメリット
明晰夢は悪いことばかりではありません。明るく楽しい幸せな明晰夢にはストレス解消や癒し、潜在意識の中にある本当の自分を知るといったポジティブな一面も持った夢でもあります。
明晰夢だと気づいた時、それが明るく心地よい夢であるのなら怖がることはありません。素直に楽しんで良いでしょう。明晰夢が実際の体験や願望を反映する事もあると説明しましたが、もし自分の目指す夢や願望が含まれていたのなら、現実に希望が叶った時のためのイメージトレーニングのようなもの。そして不得手なことや困難なことも試してみることできるというわけです。
スピリチュアルの面でも明晰夢は潜在意識の中にある可能性を示すとも言われています。その心地よさは自分の未来を予知しているかもしれません。
明晰夢のデメリット
明晰夢の危険性」でもご説明した通り、明晰夢は通常の夢よりも脳の活動が活発になり正常な睡眠のサイクルを乱してしまう可能性が高いといえます。
心身共に寝不足と同様の負担をかけてしまいますので、体調不調になり注意力、判断力、記憶力が衰える恐れがあります。目覚めても却って疲れているという“休んでいても休みきれていない状態”これが一番のデメリットです。
人によっては夢と気づいているのなら内容はともあれ不思議な夢体験をしてみたいと考えてしまうかもしれませんが、ゲームのように途中でリセットできるようになるまでにはコツがいります。
特に不安や恐怖を伴う明晰夢は脳の緊張状態が続き後々まで不快感が残るのは考えものです。健康を害し危険が及んでは元も子もありません。どんな明晰夢も稀に見るに留めておきたいものです。
明晰夢を見る方法
夢をコントロール出来るようになれば、自ら明晰夢を見て同時に途中で目覚めたり、思うように夢の内容を変えることも出来るようになります。すぐに出来るわけではありませんが、その方法をご紹介しましょう。
まず、その前に健全で規則正しい睡眠習慣を必ず身に着けましょう。
第一に自分がどんな明晰夢を見たいのか明確にすることが重要です。第二に毎日忘れないうちに見た夢を覚えてる範囲でメモをとり夢日記を作ります。ストーリー、登場人物、何をどう想ったかも出来る限り細かく書き留めましょう。
こうする事で自分は1度の睡眠で見る夢の回数や夢の傾向、夢を振り返ることで夢の中と現実の自分の違いを知ることが出来ます。そして、第三に二度寝です。一旦眠りから覚め20~30分程度静かに目を閉じ、もう一度眠ると明晰夢を見やすくなるといいます。
もし、夢のコントロールが出来るようになっても健康のため何度も明晰夢を見ようとはしないようにして下さいね。
まとめ
明晰夢が夢だと気づいてはいけない夢と言われるのは、夢を見せている前頭葉だけでなく意識を司る他の脳も働くため、脳の休息と睡眠のプロセスを乱し心身に負担をかけてしまうためです。
けれど、明晰夢の全てが悪いというわけではありません。時にはストレス解消や自分探しにも役に立ちます。もし、明晰夢をみたとしたら…それが楽しく幸せな夢であるといいですね。