古くから鏡は、祭具として、剣や勾玉と並んで貴重なものでした。また、その神秘的な道具は、神事に使われ、神様が宿る「よりしろ」のひとつになると言われていました。今でも神社や神棚に、神鏡として、置かれていますね。 たぶん目にされるかたも多いのでは、ないでしょうか。
それほど貴重であった鏡ですが、今では、どこの家にでもある 道具になりました。お出かけ前の身だしなみチェックとして、部屋のインテリアとしてなど様々な用途で、私たちの生活にかかせないものになっています。一軒のお家の中で、家族が、多ければ多いほど、すぐに数を把握できないほどあるのでは、ないでしょうか。
しかし、実は、どこでも飾っていると、 家や住んでいる人に良い影響を与えることもありますが、悪い影響を与えることもあるということを知っていますか。位置や置き場所は、大事です。
「この頃なぜかイヤなことばかり起こる。」とか、「家族で、ケンカばかりしてしまう。」とか、気になっている人がいたら、ちょっと考えてみて下さい。あなたのお家の鏡の位置は、大丈夫でしょうか。
風水における鏡の意味と効果
最近「風水」という言葉は、かなり知られるようになりました。書店に行けば、風水に関する本も多数出版されています。それだけ多くの人が、興味をもってきたものですが、詳細を知る人は、意外と少ないのも事実です。
もともと風水は、今から約4000年前の中国で生まれた環境学です。当時中国において、都市や墓所を作るのに際して、良い土地を探す学問として位置づけられていました。また、三国志に代表される気を読む軍学としても用いられたようです。
風水では、「人の運は、その人の環境で決まる。」と言われています。環境とは、衣・食・住・その他考え方・行動など全てをさします。その環境が良ければ、運が良くなり、良くなければ、運は、悪くなるという考え方です。まわりの環境が、自分の運を決めていると聞くと、どう思いますか。ほとんどの人が、半信半疑になりますね。しかし、実際に実践してみて、もしかするとこの考え方は、正しいのかもしれないと思う人が、以外や多いのも事実です。
鏡は、風水の道具として、とても簡単で、効力のある開運アイテムです。鏡は、風水の考えからいうと、「火」の運気をもつものとされています。「火」の基本は、太陽で、陰の強い場所に、鏡をかけると、太陽を呼ぶことができます。
たとえば、問題の多い場所で、どうにか気を変えることは、できないものだろうかという場所に、鏡は、とても役に立ちます。その場の気を良い流れに変えてくれます。また、良い気を増幅させ、不運を跳ね返します。すばらしい強力アイテムですね。
では、どこに掛けたらよいのでしょう。基本的に、鏡の掛け方としては、「家の外の風景を、映すように掛ける。」と覚えておくと良いと思います。ただし、それが全てでは、ありません。これから載せるいくつかのタブーが、ありますので、それを理解した上で、掛けることをお勧めします。
鏡の位置と置き場所別のポイント8個
■1. 玄関
風水では、玄関は、家運を作る場所です。住人にとっての影響力は、とても大きい場所ですので、充分考慮して、設置して下さい。丸い鏡や八角形の鏡が、お勧めです。
風水で指す「気」は、反時計回りで流れると言われています。そのため、外から玄関を見た時、気は、右から入ります。そのため、玄関から入って、右側に鏡をかけると、人気運や名誉運が、上がると言われています。また、左に掛けた場合は、財運・金運に良いと言われます。ただし、説が、色々あります。右は、お勧めですが、左に掛けると、怪我や事故を招くという風水師の人もいます。できれば、右側に掛けることをお勧めします。他にも注意しなければいけないことがあります。
<玄関の鏡のタブー>
◯玄関の右と左の両方の鏡
「合わせ鏡」と言いますが、気が、2つの鏡の間で何回も行ったり来たりして、滞るので、良くありません。必ずどちらかにして下さい。
◯玄関の正面の鏡
良い気を跳ね返すので、やめましょう。ただし、一部の風水師によると、邪気の入りやすい方向に向いている玄関においては、例外があると言われています。家の中心から見て、北・北東・西・南西向きの玄関は、良しという人もいます。
◯玄関の窓の正面の鏡
これも窓から入る良い気を跳ね返すので、避けましょう。
◯角が、尖った四角い鏡
角が、縁を切ってしまうので、角が、丸いものを選びましょう。
◯ホコリ等で、汚れた鏡
風水の基本として、ピカピカに磨かれたものに、良い運が来ます。
◯かがまないと顔が、映らない高さの鏡
顔全体が、きちんと映る位置に掛けましょう。住人の発展運が、下がると言われます。
◯枯れた花や観葉植物・乱雑な不要物などが映った鏡
鏡は、悪い気を増幅して、運を落とします。玄関に、たくさんの靴や、古新聞、ゴミなど置いていたら、素早く片付けましょう。
◯凸面鏡や凹面鏡
どちらも、玄関の外・窓の外に掛けるのが無難でしょう。また、良く知られてきましたが、扱いが、難しいものですので、あまりお勧めしません。
◯フレームが、プラスチックでできている鏡
運を考えるなら、木のフレームが、良いでしょう。
◯あまりに小さい鏡や姿見以上に大きい鏡
一辺が、30センチ以上の鏡で、あまり大きすぎない程度が、理想です。大きすぎると、怪我をしやすくなったり、対人関係に悪い影響を与えるようです。
◯壁につけず、斜めにたてかけてある鏡
必ず鏡は、壁にそって、掛けて下さい。入ってきた気が、乱反射して、よくないと言われています。
■2. お風呂と洗面台
お風呂と洗面台は、日々の厄を祓う場所です。水を使うため、カビの温床になりやすく、換気と掃除は、必須です。どちらの鏡もピカピカに磨きましょう。花を飾るのもお勧めです。そして、お風呂の中や洗面台の上の物を片付けて、スッキリした状態を鏡に映しましょう。ごちゃごちゃしたものを映せば、おのずと運気は、下がります。水垢や汚れのないキレイな鏡は、美容運や金運、健康運アップにもなりますよ。
■3. リビング
部屋の入口の正面は、避けて掛けましょう。良い気が、散乱してしまうからです。また、窓の正面もやめましょう。良い運気の入ってくるのを止めてしまうからです。また、リビングの角も金運を下げますので、避けましょう。
姿見のような縦長の大きな鏡は、リビングが広く見えるばかりでなく、物事の流れが良くなり、運気アップになります。
位置としては、西に置くと、金運と恋愛運に良いです。南に置くと、才能や魅力をアップしてくれます。北は、全体運が良くなりますよ。映る場所に、実のつく植物や花を飾ると、より運気が上がります。鏡は、どこの部屋にでも言えることですが、基本「一部屋にひとつ」と考えて、合わせ鏡にならないように注意して下さい。
■4. 寝室
一日の中で、一番くつろげる空間づくりをしなければいけないところです。風水では、「運は、寝ている間に作られる。」と言われています。睡眠が、十分とれないと、全ての運に影響します。「眠っても眠っても疲れがとれない。」という人が、います。部屋に、鏡を掛けていませんか。寝姿を映してしまう鏡は、すぐはずすことを、お勧めします。結婚関係に問題をおこす可能性が、あると言われています。
ドレッサーを寝室に置く人も多いと思いますが、注意が、必要です。移動できない場合は、眠るときに、布をかけておくと大丈夫です。
意外と知られていないと思いますが、テレビの画面や窓ガラスなどで、寝姿を映してしまう場合も同じことで、カーテンや布で、覆うことをお勧めします。
■5. ダイニイング
家族で、和やかに食事をする場所です。テーブルの上に置かれる日々の食事が、映りこむ位置に鏡を掛けましょう。美味しい食べ物が、並ぶ光景は、豊かさを映し、金運アップになります。
■6. キッチン
風水の考えでは、キッチンに鏡は、寝室と同じく、タブーとされています。特に、コンロの火を映すと、不幸が訪れると言われています。これは、意外と盲点になりやすいことですが、ワンルームの部屋や、オープンキッチンの場合、角度によって、映すこともあります。これも良くないことですので、一度確認してみることをお勧めします。
■7. トイレ
トイレは、風水の見方からいうと、陰の気が強い所です。そこに鏡を置くことは、あまりお勧めできません。特にドアを開けて、正面に鏡があると、わかっていてもドキッとしますよね。運気ダウンのもととなります。ただ、どうしても置きたいと思う人は、自分が、立った時だけ映る高さで、もちろん便器が映らないように、置いて下さい。トイレの空間が、良くなければ、家族の健康運にかかわります。
■8. 天井
運気ダウンになりますので、飾らないようにしましょう。特に鏡の下に映っている人は、財運・健康運が、良くない状態になります。
風水における鏡の使い方NGポイント14個
鏡は、うまく使えば、これほど簡単な開運アイテムはないのですが、時に運気を著しく下げることが、あります。よかれと思ってやったことが、裏目にでると、悲しいことですね。やるからには、正確な知識が、必要です。これから上げるものを念頭において、鏡を掛けて下さい。
1. 寝室には、できるだけ置かない
寝姿を映すことは、避けましょう。
2. キッチンにもできるだけ置かない
炎を映さないようにしましょう。
3. トイレにも、できるだけ置かない
ネガティブなものを映さないようにしましょう。
4. 合わせ鏡は、避ける
異空間を作ることになり、疲れやすくなります。
5. 部屋の扉の前には、置かない
悪い気が、入り込み、運が、下がります。
6. 窓の正面には、置かない
良い気を跳ね返してしまいます。
7. 割れた鏡は、すぐ処分すること
割れた鏡は、すぐ処分しましょう。身代わりになってもらったと感謝して、塩をふって、一部で良いので、割って、新聞紙に包み処分して下さい。
8. 汚れた鏡は、すみやかにキレイに磨くこと
邪気が、寄ってきやすくなります。掃除をかかさないようにしましょう。
9. 小さい破片でできた鏡は、掛けないこと
殺気を発します。
10. 家の暗い場所に向けて掛けないこと
鏡は、基本として、「太陽に向けて掛けろ。」と言われています。ということは、東から南を通り西の方向に掛けると一番良いということです。そうすると、太陽を取り入れることで、運気アップになります。樹木を映せば、成長のエネルギーを、山を映せば、良好な人間関係をもたらせてくれます。
11. 三面鏡は、できるだけ使用しない時は、閉じるか、布などで、覆うこと
物が、何重にも映り、凶意が、強く出ます。
12. 勉強机の前に置かない
気が散って、集中できません。
13. アンティークな鏡は、使わないようにしましょう
前に使っていた人の運気が、入っているので、避けた方が賢明でしょう。
14. 八卦鏡は、取り扱いに注意して、使いましょう
うまく利用すれば、効果は、すばらしいものがありますが、誤った使い方をすると、不幸を呼びます。
鏡の形の選び方ポイント9個
1. 正方形
その場の気を安定させる効果があります。
2. 円形
角がない形は、気を集める効果が、あります。ある程度大きい方が、良いでしょう。人間関係に良い縁を運んできてくれます。
3. 楕円形
気を拡散させる効果が、あります。円形と同じく、良好な人間関係をもたらせてくれます。特に、金属か大理石のフレームは、お勧めです。
4. 横に長い
心を落ち着かせる働きが、あります。南西・西の玄関に掛けると 金運にも良いです。
5. 縦長の形
物事の流れを良いものにする作用があります。東・東南・南にある玄関に掛けると、より良い気を増やしてくれます。気のフレームが、良いでしょう。
6. 八角形
風水では、八方位を表した最も調和のとれた形として、大変人気のものです。全方位から運を引き寄せる効果があります。金運に良いです。特にフレームの色が、ゴールドや黄色であれば、より良いでしょう。北の玄関では、財産を守り、南の玄関では、才能や美を高めてくれるでしょう。
7. 凸面八卦鏡
風水では、八卦鏡を調整のため、よく使います。八卦鏡には、3つあり、凸面鏡・凹面鏡・平面鏡とあります。立地や建物の状況から及ぼされる殺気の解消を目的とするものです。その中でも、凸面鏡は、尖ったものなどの殺気を拡散させながら、跳ね返す効果があります。たとえば、電信柱や大きい木・家の角・路地の突き当たりなどの凶を跳ね返す力が、あります。普通玄関の上に外に向けて飾るものです。家の中にあると、気を乱反射させますので、お勧めしません。どうしても家に飾りたい場合は、窓の内側に素通しで、外に向けて掛けて下さい。ただし、大変パワーが強いため、向いたところに、家があれば悪影響を与えかねません。かつて、香港で、向けられた家の住人が、鏡の持ち主の家に怒鳴り込んでいくといった話もあります。また、火災の原因になることもありますので、扱いには、注意が必要です。下手な使い方をすれば、幸運も友人も遠ざけると言われます。
8. 凹面八卦鏡
殺気を一点に集めて、もみ消す効果があります。像が、上下さかさまに映ることから、凶を吉に変えるとされています。家の入口の前に下り階段があったり、不快な物がある時、殺気を弱めるための調整に使います。これも屋外に鏡面を外向きにして、掛けます。家の環境が、良い場合は、家の中心に置くという説もありますが、殺気を家の中に集めないためには、できれば屋外をお勧めします。大変強い効力が、ありますので、慎重に扱って下さい。「良い風水師ほど、八卦鏡を使わない。」と言われるほどです。専門の人の指示のもとで、掛けることをお勧めします。また、凸面鏡と凹面鏡の両方を飾りたいという人もいるかと思いますが、それは、良いことには、なりませんので、避けて下さい。
9. 平面八卦鏡
凸面鏡・凹面鏡の効果からすると、効果が、落ちますが、ふたつの良い部分を併せ持った鏡です。悪い気は、跳ね返し、良い気は、集めるという手軽に扱えるものです。殺気を跳ね返したい時は、家の外に鏡面を外向きに掛けます。良い気を家の中に呼ぶことが、目的であるときは、家の中で、飾っても良いです。
鏡のサイズの選び方
あまりに小さな鏡を掛けることは、おすすめしません。せめて頭全体が、映るサイズのものにしましょう。一辺が、30センチ以上が、理想です。また、玄関やリビングに、全身が映る鏡を置く人も多いと思いますが、サイズが、少し小ぶりで、頭が切れた状態で映していたりしていませんか。慢性的な頭痛に悩まされたりすることがあります。
かがまずに、頭のてっぺんから、足の先まできれいに映るものが、良いです。それ以上の大きな鏡は、良いという風水師の人もいますが、大きすぎると、人間関係のトラブル等を起こすことがあると説く人もいます。姿見サイズまでを掛けては、どうでしょう。
まとめ
先日、ある地下のスポットで、四方からのたくさんの鏡で、合わせ鏡になっている場所を歩いたことがあります。なぜか居心地がとても悪く、足早にそこを去った記憶があり、鏡の使い方を再確認しました。
鏡は、良い気を増幅させたり、殺気を跳ね返したり、気の向きを変えたり、風水では、かかせないアイテムです。しかし、使い方によっては、事故やケガを引き起こすほどの大変怖いものでもあります。使う人が、より幸運を引き入れ、幸せな毎日を送れることが、理想の鏡の使い方です。十分理解した上で、活用されることを願っています。