「フリーターだけど、収入は正社員の友達より多い!しかもフリーターだから自由!」確かに、今はそうかもしれません。だけど、フリーターと正社員の差は、30代以降からグングン開いていくのです。それを知らずにフリーターを続けるとどんなことになるのか…。
今回は、フリーターの末路実話あるあるを紹介し、フリーターを脱出する対策法と、おすすめの仕事をお伝えします。
フリーターの意味と定義とは?
フリーターとは、アルバイトで生計を立てる人というイメージがありますが、以下の様な定義があります。
・年齢15~34歳
・男性は卒業者
・女性は卒業者活未婚者
・通学をしていない
・家事をしていない
・雇用形態が「パート」あるいは「アルバイト」
・現在失業中で、探している仕事の種類が「パート」あるいは「アルバイト」
男性の場合、既婚者でも雇用形態が「パート」あるいは「アルバイト」の場合、定義としてはフリーターになります。一方、女性は結婚していれば、雇用形態が「パート」あるいは「アルバイト」でも、家事育児を担っていると想定されるため、フリーターにはカウントされません。
また、現在失業中でも、真剣に職探しをしていれば、フリーターに属します。ただし、雇用形態が「パート」あるいは「アルバイト」に限定されている場合です。これらの定義から、「フリーターとは自ら望んでフリーでいる人」という意味があると推測されます。
フリーターの統計人数
日本にはフリーターがどれだけいるのでしょうか。総務省統計局が行っている「労働力調査」では、以下のような結果が出ています。
※平成23年のデータは、岩手県、 宮城県及び福島県を除く 全国の結果。
ちなみに、平成23年のフリーターの年齢内訳は、15~24歳が約83万人、25~34歳が約93万人です。
30代40代以上のフリーターは厳しい?
フリーターでも20代ならば、アルバイトに申し込めば採用されやすく、また正社員の求人も少なくありません。フリーターでも年齢が若ければ、企業側も「育てて戦力にすることを見込んだ採用」を検討します。しかし、年齢が上がるにつれて、アルバイトも正社員も、採用されにくくなります。「即戦力にならないならば、若い方が何かとやりやすい」というのが、採用側の本音です。
そのため、30代になると、フリーター生活は一気に厳しくなります。アルバイトでも落とされることが増え、正社員になろうとしても、「なぜずっとフリーターなのか?」という問いに、相手を納得させるような答えは見つかりません。そして、40代になると、いよいよ状況は厳しくなります。アルバイトですら、人気がなく時給が安い仕事じゃないと、採用され辛くなるのです。
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フリーターの末路実話あるある8選【男性フリーター編】
フリーターも、まだ年齢が若ければ仲間も多いですし、同年代の正社員と比較しても、年収に際立った差はみられません。自由度が高いので、デメリットよりもメリットを感じる人も多いでしょう。だけど、先を考えるに気楽なフリーター生活を続けていると、その末路はちょっと困ったことになるのです。フリーターの人たちは、人生にどんな末路を迎えるのでしょうか?
■1. フリーターをしながら就職活動して見事正社員になる
フリーターをしながら、人生を堅実に考えている人は、実は陰ながら就職活動をしています。フリーターでも、年齢が若い内に就職活動をすれば、比較的仕事は見つかりやすいです。武器となる学歴や資格があれば、さらに有利になります。それを知っているため、自分が新人としての価値が高い内に、正社員の仕事を見つけるのです。
■2. 30代でやっと正社員との格差に気付き焦る
20代の内は、まだフリーター仲間も多く、正社員との年収格差もそこまで大きくありません。そのため、目先のことだけを考えているフリーターは、何も考えないまま30代を迎えてしまいます。
ふと周囲を見渡すと、フリーター仲間の中で自分が最長者となっていて、しかも、尊敬される立ち位置ではなく「あいつ、まだフリーターやっているのか」と、周囲からの視線が痛くなります。
ここで、初めて「30代でフリーターはヤバイ!」と気付き、突然焦り始めます。呑気なフリーターは、現実の厳しさに気付くのが遅いのです。
■3. 30代で次々に友人が結婚して焦る
30代に入ると、男性でも結婚ラッシュになります。もちろん、結婚する友人は一家の大黒柱になれる正社員です。お正月には、可愛い我が子の写真入り年賀状が友人から届きます。そこからは、友人の幸せいっぱいオーラが感じられます。
そこでふと、30代フリーターは「あれ?フリーターのままだと、もしかして結婚も難しいのかな?」と考えて、更に焦り始めるのです。
■4. 30代でフリーターを嫌がられて彼女もできなくなり焦る
「いやいや、あいつは正社員だけど、年収としては自分とそう大差ない」そう自分を励まし、婚活や恋活を始める30代フリーターもいます。しかし、女性は経済観念が男性よりシビアです。目先の年収額ではなく、安定している正社員を評価します。
30代と言えば、女性も結婚を考える年齢なので、フリーターの男性などアウトオブ眼中。30代のフリーターは、結婚どころか彼女もできなくなり、益々焦ってしまうのです。
■5. 30代から就職活動するも上手くいかず焦る
いよいよ「フリーターじゃヤバイ」と気付いた30代フリーターは、一念発起して就職活動を始めます。フリーターとは言え、10年以上続けた仕事なので、スキルの自信はあり、前向きに就職活動をするのですが、その希望は無残に打ち砕かれます。
正社員歴がないため、書類審査で落とされまくり、何とか面接にこぎつけても、「フリーターじゃ職歴の内に入らないなぁ…」と、自分のフリーター人生を否定されます。
中には親身になってくれる面接官もいますが、「なぜ今までフリーターを続けてきたのですか?」という、真摯な質問に対して、自分でも納得できる答えを見つけられず、自分の人生の薄さに気付き、焦燥感はMAXになります。
■6. 年下の正社員から扱き使われて初めて惨めだと感じる
30代でフリーターをしていると、職場を変えない限り、周囲は年下だらけになります。そして、ある日新卒の正社員がやってきて、あなたを扱き使い始めます。一回りも年下で、しかも社会人経験も殆どないのに、正社員という肩書だけで、当たり前のように自分に指示する正社員の上司に対して、酷く惨めだと感じるタイミングが30代です。中には、耐えきれずに長年勤めたアルバイトを止めてしまう人もいます。
■7. 迷った挙句にブラック企業に就職してしまう
30代になると、アルバイトでも今までのようにスムーズに仕事が見つからなくなります。「どうせ同じ苦労ならば、正社員になろう」と、30代でやっと本気の就職活動を始める30代フリーターです。しかし、社会は厳しく、20代をフリーターのみで費やした人材を評価してくれるのは稀で、当然就職活動は困難を極めます。
そんな中、快く採用してくれる企業が見つかり、30代フリーターから正社員に転身したのは良いのですが、蓋を開けたら超ブラック企業。「辛すぎる…けど、フリーターに戻るのも辛い…」と、悩みながら働き続け、最終的には体を壊して入院するケースもあります。
■8. 40代で「使えないおっさん」扱いされ耐えきれず無職になる
40代になると、今まで続けていたアルバイトの職を変えるフリーターが増えます。同じ職場には、どんどん若い人材が入ってくるからです。彼らにとって、40代は完全におっさんです。決して仕事の能力が落ちたわけではないのに、若い彼らは傲慢で、「使えないおっさん」と、40代フリーターを馬鹿にします。その扱いに耐え切れず、アルバイトを辞めてしまうのです。
しかし、これで次のアルバイト先が見つかるなら、まだラッキーな方です。40代になるとアルバイトの採用率も下がり、長く続けた職場よりも条件が悪い求人ばかりになります。その現実が受け入れられないと、とうとうフリーターから無職となってしまいます。そして、何も残らない自分の人生を振り返り、虚しさに浸るのです。
フリーターの末路実話あるある4選【女性フリーター編】
同じフリーターでも、女性の場合は男性とちょっと末路が変わってきます。男性と同じく、若い内に堅実に就職活動し、正社員になる女性フリーターもいますが、「結婚して一発逆転」を狙う人が多いのです。
■9. アルバイト先で夫をゲットする
アルバイト先の既婚者正社員に「奥さんとの出会いは?」と聞くと、結構な確率で「アルバイトだった」という答えが返ってきます。若い女性フリーターは、同じ職場の独身男性正社員にとって、職場が華やぐ癒しの存在であり、且つお嫁さん候補なのです。
フリーターなので、働く時間が長く、自然と恋愛感情が芽生えます。そして、交際して見事ゴールインします。
しかし、この逆転バージョンである「女性正社員が男性アルバイトと結婚した」という話は、ほとんど聞かない話です。やはり、女性は自分の雇用形態に関わらず、男性には正社員という堅実な立場を望むのでしょう。
■10. フリーターをしながら婚活して結婚する
職場で結婚相手が見つからない場合、女性フリーターは婚活に精を出します。友達に紹介してもらったり、合コンや婚活パーティーに出かけたりして、出会いを増やすのです。「若ければ女性の働き方を問わない」という男性は珍しくないので、女性の場合はフリーターでも、婚活すればそれなりの成果が出ます。そして、見事相手を見つけて結婚していくのです。
■11. 結婚できたけど離婚して路頭に迷う
結婚すれば人生ゴールインではありません。女性フリーターは、結婚後専業主婦、もしくはアルバイトをしながら主婦業をこなします。正社員歴がない女性が、結婚してから正社員になるのは非常にレアケースです。
もちろん、家庭円満ならそれで問題ないのですが、今は3組に1組の夫婦が離婚する時代です。一旦夫婦に亀裂が走り離婚になると、ここでフリーターしか経験してこなかったツケが回ってきます。正社員の仕事を探しても、売りとなる職歴がなく、安い時給でのパートしか仕事が見つかりません。そして、母子家庭になり貧困に陥ります。場合によっては経済力がなく親権を夫に奪われることもあるのです。「夫」という収入減を失った、元女性フリーターは、こうして路頭に迷います。
■12. 結婚もできずにワーキングプアになる
もちろん、結婚できない女性フリーターもいます。この場合、早めに正社員に転身できなければ、フリーターを続けることになります。フリーターの年収は、年齢に関係なく殆ど一定なので、支援してくれる親がいなくなれば、ワーッキングプアの道を辿るしかありません。
フリーターの末路実話あるある3選【高齢フリーター編】
フリーターの定義は34歳までですが、35歳以上でも、パートやアルバイトで生計を立てているならば、フリーターに属すと考えて良いでしょう。40代でもかなり厳しいフリーターは、高齢になると、どのような末路が待っているのでしょうか。
■13. 割り切って高齢フリーターとして細々と生計を立てる
50代以降でも、条件を緩めれば、パートやアルバイトでの職は見つかります。そこで、高齢フリーターは「生きるための手段」と割り切って、フリーターとして細々と生計を立てていくのです。親が残してくれた持ち家があるため、何とか生きていけます。
■14. 「社会がオレを認めない」とグレてニート化する
高齢ニートの中には、プライドが高く、上手くいかない人生を「社会がオレを認めない!」と責任転嫁してグレるタイプもいます。この場合、フリーターを続けるのをプライドが許せなくなり、無職になってしまいます。無職になれば収入は途絶えますが、その日暮らしで貯金もなく、最終的には親や兄弟姉妹を頼り、ニート化してしまいます。
■15. 生活が立ち行かなくなり生活保護を受ける
高齢フリーターからニートになれる人は、まだ環境に恵まれています。仕事も頼るあてもなくなった高齢フリーターは、生活が立ち行かなくなります。その末路は、生活保護です。行政に縋り、職探しをしながら、見つかるまでの間は生活保護を受給して命をつなぎます。
しかし、元々先を考えない性質なので、一旦生活保護で楽を覚えた高齢フリーターが、そこから社会復帰するのは困難です。
フリーターと正社員の生涯平均年収と給料の違い
フリーターでもバリバリ働けば、今の生活には困らないかもしれません。場合によっては、正社員の友人よりも、年収が上回るケースもあります。しかし、それは現時点での話であって、ずっとこの状況が続くとは限りません。フリーターと正社員では、生涯平均年収と給料に大きな格差があるのです。
例えば、今あなたの時給が1,200円として、1日8時間、月20日間働いたとします。すると、月収は192,000円です。「いやいや、正社員だって残業しているんだから、アルバイトもかけもちすればもっと収入が増やせる」と思いますよね。では、更に夜間毎日3時間、月20日働くことにしましょう。深夜は時給が高めなので、1,500円に設定します。すると、深夜のアルバイトだけで90,000万円で、月収は282,000円となります。年収にすると、3,384,000円です。おお!かなり稼いでいますね。
しかし、喜ぶのは早いです。国税庁が行っている民間給与実態統計調査によると、平成28年の給与所得者の平均年収は、正規採用(正社員)が487万円となっています。月給に換算すると、単純計算で約40万円です。しかも、正社員は手厚い福利厚生が受けられます。状況によっては住宅手当や日当もでます。
これだけ見ても、いかにフリーターが不利な働き方なのかがわかります。正社員と比較すると、フリーターの年収は低く、生涯賃金に換算すると、かなり大きな差が出るのです。自由な働き方の代償は、決して小さくありません。
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フリーターを脱出する対策4つ
フリーターの末路は、堅実な道を選ばない限り、かなり悲惨です。やはり、安定した人生を送りたいならば、正社員を目指すのが最も近道と言えます。「でも、どうやったら正社員になれるのかわからない」というあなたのために、フリーターを脱出する対策を伝授します。
■1. 正社員登用制度があるアルバイトに転職する
まず考えるべきは、アルバイトの職歴が活かせるかどうかです。あなたのバイト先に、アルバイトの正社員登用制度がないか調べてみましょう。信頼できる正社員に相談するのも良いでしょう。
アルバイトと正社員では、待遇が違う分、責任の重さや仕事量も変わります。それでも、慣れた職場で、今までの経験を活かして正社員になれる道があるならば、チャレンジすべきです。
■2. 紹介予定派遣制度を使って正社員を目指す
フリーターから派遣社員に転身し、そこから紹介予定派遣制度を使って正社員を目指す方法もあります。派遣社員はスキルがあれば仕事の紹介も受けられます。一度派遣社員としての実績を作れば、紹介予定派遣制度の仕事に採用されやすくなります。フリーターでの経験がスキルに繋がる業種で、派遣社員への道がないか、一度検討してみましょう。
■3. ハローワークなど就職支援を受ける
「自力で就職する自信がない」というならば、就職支援を受けてみましょう。ハローワークを始め、若者の就職支援を行う機関は数多くあります。中には、求人している企業に直接足を運び、ブラックな企業ではないか、若者が働くのに適した職場かをチェックし、就職支援から就職後のフォローまで、一括して行う就職支援機関もあるのです。
■4. フリーターをしながら就職のために学校に通う
就職準備のために、もう一度学校に通うという方法もあります。改めてなりたい職業について考え、その技術を学べる学校に通うのです。もしも、志す職種がハローワークの職業訓練にあるならば、費用ゼロで学べます。それ以外では学費がかかりますが、学生をしながらアルバイトをすれば、自分で学費を賄えます。
フリーターの人におすすめの仕事5個
フリーターから正社員を目指し、就職活動を成功させるポイントは、以下の3つです。
・アルバイトの職歴がアピールポイントになる業種で正社員を目指す
・人手不足で売り手市場の業界で自分を売り込む
・未経験可で研修制度が充実した企業を探す
これを踏まえた上で、フリーターにおすすめの仕事を紹介します。
■1. 飲食業
あなたがフリーターとして飲食業の経験があるなら、正社員で目指すべきです。フリーターの中には、正社員とあまり変わらない仕事内容をこなしている人もいます。これは、大きなアピールポイントです。
ただし、アルバイトの経験は、謙虚にアピールするのが正解です。決して正社員を引き合いに出さず、どんな仕事でも責任感を持って遂行し、それができたのも周囲の協力あってこそという姿勢でいきましょう。
■2. 販売業
販売職も、フリーターで経験している人が多い業種ですので、アルバイトでも経験があれば就職活動の時にアピールができます。飲食業同様、アルバイトでも長く仕事が続いたというのは、あなたに適性があるからです。アルバイトと同じ販売業で正社員を探せば、今までの生活リズムを大きく変えずに済むので、負担も少なくなります。
■3. 営業
未経験の求人が多く、若くてやる気に溢れていれば、フリーターからでも採用の可能性がある営業の仕事もおすすめです。
特に、アルバイトで接客業の経験がある人は、営業も人と接する仕事になるのでアピールポイントになります。営業と言っても顧客対応、新規開拓、ルート営業、訪問営業、店舗営業など、種類は様々です。あなたに合った働き方を考えながら選ぶと良いでしょう。
■4. 介護職
介護職は日本の高齢化に比例して、これから益々求人が増える職業です。人手不足なので、介護職が未経験のフリーターでも、比較的就職が決まりやすいです。介護の資格を取得してから就職活動すれば、更に有利です。介護職員初任者研修は、ハローワークの職業訓練ならば無料で資格取得できます。
■5. 工場勤務
未経験でも手厚い研修制度がある工場勤務も、フリーターにおすすめの仕事です。未経験でも年齢制限がない求人もあります。工場勤務は都心ではなく郊外での求人が殆どですが、寮を完備しているところもあり、「場所は問わない。これから正社員としてしっかり働きたい」という人は、検討の価値ありです。
※就職して働きたい人は、大手リクルートが運営する就職Shopからの就職がおすすめです。
まとめ
今は楽しく充実したフリーター生活ですが、今後も同じ状況が続く可能性は低いと考えた方が良いでしょう。今しか考えないのは子供の思考。10年後、20年後を見越した人生の歩み方をするのが大人です。
正社員だけが人生安泰の道ではありませんが、何も考えずにフリーターを続けるのは危険です。あなたの人生が今後も幸せであるために、先のことも良く考えて、人生設計をしていきましょう。