「占いの帝王」とも呼ばれる四柱推命は、動物占いなどでとても身近な存在として活用されています。
四柱推命は生まれた「年」「月」「日」「時」をもとに、その人の性格や能力、素質などを読み取ります。生まれたての幼年期から、さまざまな経験を経て成長していく青年期・中年期・老年期など、一生を通した運勢を予測することが可能です。
四柱推命を通し考え方の方向性や人との付き合い方などがみえてきます。自分をただしく理解して日々の生活に活かすことはもちろん、周囲とのコミュニケーションにも反映できます。
今回は「己巳」生まれの人について説明します。
己巳の読み方と意味は?
己巳は「つちのとみ」と読みます。
西暦を60で割って9あまる年が己巳で、近年でいえば1929年(昭和4年)、1989年(昭和64年/平成元年)がこれにあたります。
己巳は十干十二支の6番目です。陰の土(己)と陰の火(巳)の組み合わせとなり、相生は「火生土(燃えつきた灰が土に還る)」です。自分自身の気持ちを素直にことばにすることで、相手や運が寄ってきます。
己は「平地、田園」をあらわします。巳は夏で5月、つまり「初夏」をさします。己巳は「初夏の田園」なので、その下には豊かな実りを多く隠しもっていることをあらわします。
己巳生まれの男性の性格的特徴5個
■①正直でまじめ
とても正直でまじめな人です。誰にも誠実に向き合う常識人です。
自分に厳しく、また他人にも厳しいところがあります。その少々お堅い性質でまわりの人を遠ざけてしまうことがあるので気を付けましょう。
■②頼れる兄貴分
人情に厚く世話好き、人から頼られることによろこびを感じます。面倒見がよく、周囲から相談を受けたり泣きつかれることも多いでしょう。
あまり自分の考えを押し付けると煙たがられるので注意してください。
■③表面的には穏やか
一見すると穏やかで堂々として見えますが、内面には強い自我を抱いています。普段は隠れてみえにくくなっていますが、一度火がついてしまえば大爆発しかねません。短気な部分は控えめに、見た目の穏やかさを心のなかにも保ちましょう。
■④融通がきかない頑固者
人から命令されたり指示されることを極端に嫌います。そのため、自分の考えを押し通しがちです。負けず嫌いなためひくこともできず、関係をこじらせてしまうことも。図太い神経の持ち主なので、なかなか自分を譲ろうとしません。ブレない芯の強さはいい方向で発揮しましょう。
■⑤リーダーシップをとるのが好き
つねに中心にいたい、リーダーシップをとらないと気が済まないタイプです。努力型でもあるので人の上に立ち一生懸命ひっぱっていこうとするのですが、お堅い性格のためか、いまひとつ周囲の協力を得られません。
お山の大将とならないよう、周囲にあわせ臨機応変に自分をコントロールしていきましょう。
己巳生まれの女性の性格的特徴5個
■①あかるく活発
初夏の風をおもわせるさわやかな明るさと、多くのものを育む活発な精神の持ち主です。根っからの明るい性質で、周囲の人を安心させてくれます。
悩みやつらい思いを抱えていてもけっして人に見せることはありません。周囲の人には、悩みのない自由な人に映っているかもしれません。
■②親切で世話好き
親切で世話好きな面は、親しい人に向け大いに発揮されます。積極的に世話を焼き、ときには口うるさく感じられることも。悪気はないのですが、先走ってしまう傾向があるようです。相手の気持ちをしっかりと認識したうえで、ほどよい親切にとどめておくのがいいでしょう。
■③逆境に強い
とても芯が強く、どんな苦境に陥っても乗り越える強さがあります。どのような状況でも自分なりのよろこびやたのしみ、役割を見つけられる人です。
粘り強い努力家なので、けっしてあきらめることがありません。その力強さに周囲の信頼も厚く、尊敬を勝ち取ることができるでしょう。
■④実は、勝ち気で大胆
あかるくて穏やか、話しかけやすい印象の持ち主ですが、実はなかなかの勝ち気さん。ひくということがなかなかできないので、トラブルが発生したときなどは注意が必要です。
意外に図太い神経の持ち主でもあります。この図太さをいい方面に発揮すれば、成功を収めることができるでしょう。人の心に土足で上がり込むような図々しさとなれば、人から距離をとられてしまいますよ。
■⑤プライドが高く負けず嫌い
とても穏やか、いつもニコニコ笑顔のイメージですが、人から指示されたり命令されることが大嫌い。自分がいちばんでないと気がすみません。
芯の強さや図太さ、負けず嫌いなところが前にでてしまえば、人はついてきません。プライドはほどほどに、周囲を活かすことを考えていきましょう。成長や経験に応じ物腰のやわらかさや対応力を身につけていくことで運が開けます。
己巳の年柱・月柱・日柱・時柱別の意味と性格的特徴
四柱推命の「四柱(4本の柱)」はその人が誕生した年(年柱)、月(月柱)、日(日柱)、時(時柱)の4つをいいます。
この4つを基本として運勢をみるのが四柱推命ですが、生まれた時間が正確にわからない人が多いことから、時間のかわりに60種類ある十干干支を組み合わせて占うこともあります。
それぞれの持つ意味は次のとおりです。
年代 | 運気 | 関係 | |
年柱(ねんちゅう) | 幼年期(0~19歳) | 社交面、外面 | 目上や両親に対してあらわれる性格 |
月柱(げっちゅう) | 中年期(20~39歳) | 仕事、家庭 | 同僚や兄弟姉妹、友人に対する性格 |
日柱(にっちゅう) | 晩年期(40~59歳) | 自分自身、恋愛 生涯を通じての性格 | 自分自身、配偶者に対する性格 |
時柱(じちゅう) | 老年期(60歳~) | 子孫、晩年(老後) | 部下や子ども、孫に対する性格 |
◯己巳の年柱(幼年期)
周囲の愛情をたっぷりに育ってきており、自然のほがらかさとあかるさが身についています。愛されることを知っている分、愛を与えることも知っている人です。多少甘やかされ過ぎたところがあり、わがままな性質として残っているでしょう。
◯己巳の月柱(中年期)
人一倍の行動力で成果を上げていきます。トラブルに強いので、どんな状況も自分の力で乗り越えていけるでしょう。協調性に欠けるところがあるので、チームでのプレイは向いていないかもしれません。
◯己巳の日柱(晩年期)
己巳のもつやさしさと強さが魅力となって、多くの人を引きつけます。あきらめない強い心で、弱音を吐くことがありません。よい面を前面にだしてリーダーシップをとれば、大きな結果を残すことができるでしょう。
◯己巳の時柱(老年期)
持ち前の粘り強さとあきらめない根性で、満足いく成功を収めていることでしょう。仕切りたがり屋はあいかわらずなので、会合や記念の式典、町内の寄合などで強いリーダーシップをとるでしょう。
己巳生まれの男性の恋愛傾向5個
■①感情表現が苦手
感情を素直に表現できないので、どんなに熱い思いを抱いていても相手に伝えようとしないでしょう。そのくせ相手にはストレートな愛情表現を求めるのでやっかいです。ジェラシーも素直にあらわさないので、相手はあなたが何に怒っているのか理解できないこともあるでしょう。
■②恋愛は受け身
プライドの高さゆえ自分からアプローチすることができません。相手から告白してくれるのをじっと待っているうちにタイミングを逃してしまうことも。ときにはプライドをかなぐり捨てて、大切な相手と結ばれるよう自分を解放してみましょう。
■③熱しやすいのにすぐ冷める
熱しやすいのに冷めやすい。恋に夢中になるととことん追いかけますが、相手を知ってしまうととたんに熱が冷めてしまうことも。相手の気持ちが向いたときにはすでに興味を失っているなど、なんともやっかいな心の持ち主です。自己完結型の恋愛は相手を傷つけるので気をつけて。
■④浮気しがち
寂しがり屋で甘えん坊なため、つねにそばにいる人を求めます。心を解放することがないので、その場限りの恋愛や愛情のない関係が多くなりがちです。そんなことを続けていては、いつまでたっても本当の愛を手に入れることができません。
■⑤亭主関白になりがち
リーダーシップをとることが大好きな人ですから、家庭でも大黒柱としての存在感をアピールします。頑固で融通が利かないため、自分とは異なる価値観・考え方を受け入れることが苦手です。あまりにも自分勝手な振る舞いを続けていると三行半を突きつけられてしまうでしょう。
己巳生まれの女性の恋愛傾向5個
■①豊富な恋愛経験
愛情豊かなしっかりものにみえて、実は人一倍さみしがりやで甘えん坊。そのくせ本心をあかすことがないので、気軽な恋愛が多くなります。飽きっぽい性質もあいまって、次々と相手を変える人も多いでしょう。本当の恋愛を恐れているのかもしれません。
■②告白をじっと待つ
プライドが高く心を抱え込みがちなため、自分から思いを伝えることはありません。思わせぶりな態度をとることもないので、相手はあなたの気持ちに気づくことがないでしょう。せっかく相手にめぐりあっても、タイミングを逃してしまうことが多いようです。
■③思いを抱え込みがち
さみしい、会いたい…と思っても、素直に伝えられません。また相手にフラストレーションを感じてもことばにして伝えようとしません。自分の中にため込んでばかりいては、最後には大爆発してしまいます。心のすべてをさらけだし、心身ともに委ねられる相手を見つけましょう。
■④束縛を嫌うけれど干渉する
心にずかずかと入ってこられたり、あれやこれやといわれることが大っ嫌いなあなた。どんなに好きな相手でも、自由にしてほしいと思ってしまいます。それなのに、親切心とおせっかい心から相手に干渉しまくります。相手のためを思ってのことでも、相手は息苦しく感じるので気をつけて。
■⑤カカア天下になりやすい
主導権をとりたいため、ぐいぐいと相手を引っ張っていくでしょう。たのもしいパートナーとして信頼関係を築けます。あまりにリーダシップを発揮しようとすれば、わがままな女性とみられてしまいます。自分の思うとおりに動かすのではなく、一緒に築き上げていくという意識を忘れないようにしましょう。
己巳生まれの男性の結婚運
相手にあわせることが苦手で、できることなら自分基準で動いてほしい。そんなふうに考えている己巳の男性は、ある程度の人生経験を積んでから結婚したほうが長続きするでしょう。
年齢を重ねるほどにいろんな人と出会い、自分をだすことを覚え、人と協調できるようになります。それから結婚しても遅くはないですし、お互いに思いやりをもって接することのできるよい家庭を築くことができるでしょう。
己巳生まれの女性の結婚運
女性の場合も男性と同様で、結婚を急ぐ必要はありません。成長するにつれ、本来のやさしく穏やかな性質が強くなるでしょう。そうなれば相手と適切な距離をとることができ、いたわりあえる関係を築けます。
自己中心的なまま結婚してしまえばカカア天下となり、相手を委縮させることになりかねません。自分をうまくコントロールできるようになってから結婚を考えると、しあわせな家庭に恵まれます。
己巳生まれの男性の仕事運・適職
人に指図されたり命令されることが苦手なため、いつまでも使われる立場にいるのは向いていません。人を取りまとめる力があるので、チームを動かせるような立場に就くといいでしょう。
ただし、若いうちは自分本位な面が出がちで失敗しやすいので、ある程度の経験を積み、人の気持ちをつかめるようになってからポジションを得ることをおすすめします。№1よりも、№2のほうがあっています。
芸術において個性的な才能もあるので芸能関係の仕事もいいでしょう。映像や広告制作など、指示を出してチームでなにかを生み出していくディレクターも向いているでしょう。
己巳生まれの女性の仕事運・適職
パワフルで行動的、人徳もあるので人をとりまとめる仕事が向いています。壁にぶつかったとき決断力が鈍ることがあるので、信頼できる側近的な人物が身近にいれば安心です。
人を見抜く力があるので、才能を発掘して育てるような編集者やプロデューサーも向いています。
女性もまた芸術など一芸に秀でていることが多く、特殊な商売に就く人もいます。ただし、束縛されると伸び悩むので、自由が保証される分野がいいでしょう。
己巳生まれの男性の相性
己巳といちばん相性がいいのは「甲申(きのえさる)」といわれています。素直で疑うことを知らない甲申の女性は、あなたをうまくコントロールしてくれるでしょう。
「己酉(つちのとり)」「甲午(きのえうま)」の女性とは、思いやりあふれるよい関係が築けます。
男女ともに、できることなら避けたいのは「乙亥(きのとい)」。お互いのプライドで傷つけ合い、攻撃し合う関係になりかねません。
己巳生まれの女性の相性
思いやりとやさしさに包まれるなら「己酉(つちのととり)」の男性がおすすめです。裏表のないさっぱりとした性格で頑固で本心をみせないあなたを上手にフォローしてくれるでしょう。
おなじような考え方をもち、息があった関係を築けるのは「甲子(きのえね)」や「丁丑(ひのとうし)」。
あなたのプライドを傷つけることなくたのしい時間を過ごせるのは「癸丑(みずのとうし)」の男性でしょう。
己巳生まれの有名人・芸能人6人
①中曽根康弘(政治家)
第71~73代内閣総理大臣を務めた中曽根氏。穏やかな風貌と親しみやすさでロナルド・レーガン大統領と「ロン」「ヤス」の関係を築き上げました。初当選時より総理大臣をめざし精進し続けたのは、まさに己巳ならではの努力と頑固さゆえ。多くの経験を積み重ね、強力なリーダーシップを発揮できるようになったのでしょう。
②周防正行(映画監督)
社交ダンスや相撲など、一風かわった題材を取り上げユニークな作品に仕上げる周防監督。その独特の価値観と芸術性は高く評価されています。自分の考えやイメージに頑固なまでにこだわる姿勢は作品にそのまま反映されています。
③江口洋介(俳優)
20代はトレンディドラマの常連として、30代以降は社会派ドラマに積極的に挑戦してきた江口さん。デビューして30年以上が経過したいまでも絶大な人気を誇ります。「30代は土台づくり」として丁寧に役作りに向き合ってきたことが、いま大きな花となって咲き誇っているのでしょう。
④上野樹里(女優)
個性的で唯一無二の存在として活躍する上野樹里さん。DJやシンガーソングライターの姉、バンドマンの夫、映画監督の義父など周囲には多くの芸術家がそろっています。その独特の感性や自我の強さで個性的な役を演じることが多いようです。
⑤中村アン(モデル)
いまや女優としても人気ドラマに引っ張りだこのアンさん。クロスフィットで鍛え上げた美ボディは女性の憧れとなっています。どんなにきつく苦しい練習でも「仕事や自分のため」と乗り越える芯の強さと根性は、己巳女性そのものです。
⑥パリス・ヒルトン(実業家)
世紀のゴシップガールとして世界中を騒がせた彼女も、いまでは実業家として活躍しています。破天荒な言動が注目を集めていましたが、恋多き自由奔放さも寂しさの裏返し。芸術的センスと独特の個性を活かしたさまざまなプロデュース活動は、彼女の天職なのかもしれません。
まとめ
穏やかで親切、愛され要素をふんだんにもっている己巳ですが、本心をみせないことで人を遠ざけてしまっている可能性があります。
人の中心にいることが好きで強力なリーダーシップを発揮することによろこびを感じますが、なかなか人がついてこないのは経験不足によるものです。若いうちはいろんな経験を重ねて、自我をおさえ、人とあわせていくことを学びましょう。
経験こそがあなたの宝です。本来持ち合わせている初夏のようなさわやかさと隠し持った才能は、経験の積み重ねによって引き出されていきます。
自分のプライドのまえに、まずは相手の気持ちをくみ取ること。それがあなたの運気を引き上げていくコツかもしれません。自分自身をよく理解することで、幸福な日々を過ごしましょう。