小アルカナの意味と役割
トランプの原型であると言われる、56枚のカードが小アルカナです。
剣(ソード)は知性、杯(カップ)は感情、棒(ワンド)は創造性、金貨(ペンタクル)は物質的な要素を表しています。
風水火土の四大元素では、ソードが風に、カップが水に、ワンドが火に、ペンタクルが土に対応します。
<数札の意味>
数札は、それぞれのナンバーに固有の意味合いを持ちます。
・ACEは、物事のはじまりであり、個人が動きはじめる原点です。
・2は、自分しか知らなかったものが、はじめて外部を感じ、二者択一の選択肢を得ます。
また、魂に対する肉体という意味もあります。
・3は、1ではじまり、2が受け取ったものを発展させる位置にあり、創造性を表します。
・4は、3で動きはじめたものを、定着させ安定させる働きを持っています。
・5は、4で安定し普及したものを、より広い場所へ向けて放出していく性格を備えます。
・6は、3の創造性を二つ組み合わせたもので、他者と同調し、環境に適応する状態を示します。
・7は、自己実現へ向け進む姿と、行動によって生じる対立を暗示します。
・8は、安定した4の、より進化した姿であり、努力とその成果を表しています。
・9は、一桁の数の終点で、精神的な満足と共に、虚しさを知る数でもあります。
・10は、完成と、次世代への引継ぎを示しています。
<コート札の意味>
人物カードであるコート(宮廷)札にも、性格付けがなされています。
・ペイジ(小姓)は少年、学生を示し、主に、占う人物の子供や、幼少期を表しています。
また、純粋さや従順さ、幼稚なキャラクターを示します。
・ナイト(騎士)は活動的な青年を示し、占う人物、あるいは周囲の20~30代の行動を象徴しています。変化や、チャンスの到来を教えるカードでもあります。
・クイーン(王妃)は成熟した女性と、その魅力を表し、思いやり、受容性を意味します。これから起こす行動を占う際は、可能性を拡げることを提案しています。
・キング(王)は中年以降の男性と、権力、責任を意味します。専門的な教育機関の象徴でもあり、医師、弁護士など、いわゆる士業との関連性が深いカードです。
小アルカナは、時期や人物などを具体的に占いたい場合に、大きな効力を発揮します。各スートのコート札のみを使い、どのような人物が関わってくるかを見るスプレッド(展開法)や、金運を短期的に知りたい時に、金貨のスートのみを使うスプレッドなどもあります。
占的(占うテーマ)、占機(占うタイミング)に応じて、スプレッドを選ぶとよいでしょう。
それでは、ソード・カップ・ワンド・ペンタクルの順番に、1枚ずつタロットカードの基本的意味、正位置・逆位置の意味について解説します。
タロットカード「ソード」14枚の基本的意味・正位置・逆位置
■ソードのACEの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
風火水土の四大元素のうち、風の属性を持つカードです。知性に関連し、大アルカナの1である『魔術師』と同様に、これまで練られてきたエネルギーが極まって、新たな物事がはじまることを告げています。
剣の上に王冠を頂く図柄で示されることが多く、これは、現在に至るまでの努力が、認められることを表します。
進路には危機が暗示されますが、対話によって回避することができるでしょう。すばやく、迷いのない決断ができる反面、感情を交えない姿勢が、他人の目には冷酷と映ることもあります。
【正位置の意味】
勝利と正義。正々堂々とふるまうこと。悪事に対しては罰が課せられるでしょう。仕事・勉強の運を占う場合、挑戦することが吉となります。
恋愛や友情の場合、自分からリードしていくと成就しやすくなります。多くの場面で独裁者になりがちなので、人間性を忘れないことが大切です。
【逆位置の意味】
不正と混乱。判断力の欠如。健康運を占う場合は、生活習慣や治療法を再考する必要があります。金運の場合は、現在のマネープランでは失敗が予想されます。恋愛においては、片思いや好意の押しつけになりがちです。
■ソードの2の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
価値観の違う二つの存在を表します。二本の剣を構えている人物の図柄は、目隠しをされ、どちらを選ぶか決めかねているように見えます。剣が示すのは、陰陽、男女、昼と夜などの一対であり、どちらか一つが正しいということではありません。
現状は双方があってこそ成立していますが、片方を選ぶことで、もう一つに秘められていた可能性は消滅してしまいます。
【正位置の意味】
調和、バランス。愛と友情。争いの終わり。清濁併せ呑む心構え。対人関係では、相手の出方を待つべき。条件付きの平和。
【逆位置の意味】
裏切り、優柔不断。偽りは暴露されます。親切が仇になるかもしれません。目論見は失敗しますが、計画が砕かれたところから、起死回生のチャンスがはじまるでしょう。
■ソードの3の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
成長するために理論を身につける必要があります。整理、分類し、この先使えないものには別れを告げましょう。精神的な苦痛を示すように、人物あるいはハートの図形に、三本の剣が突き刺さっています。
この苦難を乗り越えるためには、新たな方法を探さなくてはならないのです。隣のカードが良い時は、未来に向けて保険をかけておくとよいでしょう。
【正位置の意味】
旅立ちの時が訪れます。別離、愛する人の不在。友情の危機。恋愛関係、夫婦関係の解消。
【逆位置の意味】
論争、敵対。過去のトラウマがよみがえるかもしれません。大きな決断は避けるべきタイミングです。今ある関係は、続けるより離れた方が楽になりそうです。
■ソードの4の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
癒しをテーマとするカードです。四本の剣がつくる正方形に守られた、安定した場所が描かれています。しばし休息を取り、エネルギーをチャージする時が来ました。考え続けるのをやめることで、より大きな創造力を得られそうです。また、孤独であることの必然性を知るかもしれません。
【正位置の意味】
小休止、回復。戦略的撤退、ボイコット。判断は保留すべきかもしれません。慎重さが求められます。
【逆位置の意味】
経済的な困難。過去との決別。トラブルは一つではすまないかもしれません。再始動は、徹底的に落ちた場所からになります。
■ソードの5の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
パワフルですが、共感されにくい欲望のカードです。両手に抱えきれない剣を持った人物は、強欲さを表しています。自己中心的な発想により、対話は物別れに終わりそうです。問題児として目をつけられるかもしれません。プライドにこだわると、大事な物を失ってしまいます。現実的に評価し直してみましょう。
【正位置の意味】
誘惑、堕落。身勝手さで相手を傷つけている可能性があります。支出は収入と釣り合っていません。
【逆位置の意味】
敗北。友人や家族の病気。不注意から大金を失うかもしれません。恋愛関係は、略奪する/される展開になりがちです。
■ソードの6の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
状況の変化を表すカードです。剣が収まったボートを漕ぎだす人物は、新天地を求めて旅立つ姿を現しています。視点を変えることで苦しみは終わり、希望の光が差してきます。現状を分析し、計画を立てることができるようになります。環境に合わせて自分を変えられるので、未知の物事への不安がなくなっていくでしょう。
【正位置の意味】
引っ越し、転職。協力者が現れそうです。計算、推理など知的な作業への適性があります。試験などでは安心して力を出しきれるでしょう。
【逆位置の意味】
解決不能。見通しは、もがくほど悪くなるかもしれません。要らないおせっかいに手を焼きそうです。告白は、リスキーな賭けになりそうです。
■ソードの7の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
先見の明を示すと共に、他人を出し抜く狡猾さも表すカードです。たくさんの剣を手に、あたりを見回す人物は、対決を避ける賢さと、人の弱点を突く卑怯さを併せ持っています。秘密裏にことを運ぶメリットは、集団から抜け出すことにあるのです。単独行動を恐れず、前進するべき時です。
【正位置の意味】
情報がリークされる危険性。不実な恋人。信頼は失われるかもしれません。不法な行為に手を染めがちです。
【逆位置の意味】
独立、起業。沈黙は金なり。人の忠告には耳を傾けましょう。新しいマネープランを建てましょう。
■ソードの8の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
逆境に甘んじて、身動きが取れない様を表すカードです。磨き抜かれた剣の知性、つまり豊かな知識が、あれこれと考えこませ、自由を求める力を奪っています。常識に縛られず、行動を起こすことによって好転するでしょう。
【正位置の意味】
束縛、非難。成績の下降、失業。隠れた敵に注意すべきです。感情を抑制されがちです。偏見に囚われやすくなっています。
【逆位置の意味】
精神の鍛練。新たな可能性。アクシデントを逆手に取れそうです。困難を受け入れれば、再出発できます。
■ソードの9の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
到達点を示すカードです。知性の剣をかざして突き進んできましたが、壁に突き当たってしまいました。絶望的な予感に眠れない夜が続きます。暗闇に取り残されたような思いを味わっても、明けない夜がないことを忘れないでください。恐れを抱く者は恐ろしい日々を生き、希望を信じる者は希望ある日々を生きるのです。
【正位置の意味】
凶運。恨み、妬み、口論。金銭的な損失は避けられないかもしれません。自責の念にとらわれがちです。
【逆位置の意味】
批判、中傷。回復に近づいています。過去の過ちは暴かれるでしょう。心の準備をしておきましょう。
■ソードの10の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ゴールを示すカードです。知性の成熟の結果、深い感情と向き合うことになります。妥協を知らない姿は、嬉々として信念に殉じているようにも見えます。どん底を体験するかもしれません。最悪の状況を受け入れ、その上で計画を立て直す時です。
【正位置の意味】
敗北、失望。破産、破局。培ってきた関係は壊れてしまいそうです。苦しみに身動きが取れなくなるかもしれません。
【逆位置の意味】
解放、好転。臨時収入。急な評価の上昇は、落ちるのも早いかもしれません。成功は苦難の末にやってくるはずです。
■ソードのペイジの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ソードのコート(宮廷)カードのうち最も若いペイジは、ポジティブですが、幼い人物として描かれています。抜いた剣を持っていても、視線はどこか別のところを見ていて、いつ、どう使うか決めかねているようです。ペイジは小姓、従者を意味し、命令を受ける立場なので、自分で行動を決めることがまだ難しいのです。
蓄えてきた知識や教養の使いどころを知らないため、思考と行動が矛盾している様子を示しています。未熟で、方向性を絞れないことを逆手にとれるなら、常識にとらわれない副業の成功の暗示にもなります。
【正位置の意味】
思慮分別、分析能力。警戒、用心。嘘は見破られます。人間関係は対等であることが重要です。キーパーソンは駆け引きの巧い人物でしょう。
【逆位置の意味】
偽善、欺瞞。無気力、無計画。詐欺に遭いやすい時です。検討が不十分だと損失が出すでしょう。病気、ケガを放置すると後遺症が残ってしまいます。
■ソードのナイトの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ソードのナイトは、血気盛んで行動的な若者として描かれます。馬にまたがった騎士は甲冑をまとい、長い剣をかざして、どこまでも攻め入っていくつもりのようです。正しさに自信があり、反対する者は攻め滅ぼすことも辞しません。エネルギッシュですが、敵を作りやすいことに注意が必要なカードです。
【正位置の意味】
勇敢さ、理想主義。有能な職業人、リーダーシップ。大胆さ、気性の激しさ。人より先に蓄財のチャンスを得そうです。もっと時間をかけて相手を説得すべきです。突発的な事故には注意が必要でしょう。
【逆位置の意味】
ナルシスト、浪費家。不公平、無理強い。急いては事を仕損じる。ギャンブル性の高い投資は避けましょう。よけいなことを言って人を傷つけがちです。
■ソードのクイーンの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ソードのクイーンは、知的で冷静な女性として描かれます。大きな玉座に座り、剣を手にしています。でも、反対側の手は開かれているか、花や盾などを持っていて、人を攻撃する意図はないのです。独立心が旺盛で、知性を活かして様々な分野でキャリアを築いていく、現代的な女性像です。
【正位置の意味】
洞察力、判断力。外交手腕。危機に直面した時に真骨頂を発揮します。意志の強さで感情を抑えこむことが習慣になっています。異性との縁が薄いのは、スキの無さが原因かもしれません。
【逆位置の意味】
ヒステリック、トラブルメーカー。孤独、離別。極端な合理主義。ウワサ話には悪意が含まれています。浪費が過ぎて破綻しないよう注意が必要です。
■ソードのキングの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ソードのキングは、知恵と権力を備えた男性として描かれます。玉座にどっしりと腰を下ろしたさまは、自ら動かなくても、情報が集まってくるポジションにあることを示しているのです。他者に厳しいかわりに、自分にも同じように厳しいため、常に公正でいられます。
企業のトップ、医師、弁護士など、判断力を活かして、人に命じられることなく動ける職業とゆかりが深い人物像です。このカードが出た時は、冷静沈着な判断が求められています。
【正位置の意味】
支配、正義。指導者、権力者。経験に裏打ちされた行動こそ吉です。プレゼンテーションは成功しそうです。法学、医学、工学などの専門知識をつけるとよいでしょう。問題は、専門家に相談すると解決します。
【逆位置の意味】
腐敗、癒着。逆恨み、強欲。全体主義的、独裁的。粗暴な男性と縁ができてしまうかもしれません。意見に耳を貸さない人物からは距離を取りましょう。
タロットカード「カップ」14枚の基本的意味・正位置・逆位置
■カップのACEの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
風地火水の四大元素のうち、水の属性を持ち、感情を司ります。カップは聖杯であるとも言われ、ハート、咲きこぼれる花などによって飾られて、愛することの幸福を表しています。カップのACEは無垢で、無限の可能性を示します。
コミュニケーションの出発点であり、他者と喜びを分かち合うことが求められています。不安や疲労は、カップから湧き出る水、つまり家族やペット、友人など、裏表のないつきあいのできる相手から与えられる愛によって、洗い流されていきます。また、現在の孤独に悩んでいる人には、近い将来の愛の訪れを意味します。
【正位置の意味】
成長、クリエイティビティ。相互理解、繁栄。楽観主義、美的感覚の発達。恋のはじまり。明るい見通し、達成。近々、プロポーズの運びとなりそうです。
【逆位置の意味】
裏切り行為、経済的損失。ジェラシー、過大な要求。失恋、惰性の関係。気持ちが冷めたり、喪失感を覚えることになりそうです。与えられたものに満足できないかもしれません。
■カップの2の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
人間関係における調和やバランスを表しています。二人の天使、あるいは若い男女によって象徴される、汚れの無い、幼い愛が芽吹いています。向かいあう二人が、互いを思いやることで、物事がうまく運んでいくのです。自分の世界にこもらず、人と交流することの重要さを教えるカードです。
【正位置の意味】
恋愛、友情。パートナーシップ。強力な結びつき。目的の共有、融和の促進。契約、結婚。
【逆位置の意味】
不和、未熟。契約破棄。計画からは脱落者が出そうです。幼稚な思い込みで失敗しがちです。どちらか片方のみが有利になる場面が増えそうです。
■カップの3の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
花で彩られた杯や、カップを掲げる人物たちの、祝祭のような楽しげな集まりが描かれています。ここでは、互いに助け合うことによって成長していく様子が示されています。集う人物には、母子関係のような親密さ、家族のような一体感があります。コミュニティに属することのプラス面を示すカードです。
【正位置の意味】
成果、達成。母性、癒し。調和、融合。「今、ここ」を生きることが大切です。満たされていることに気づきましょう。
【逆位置の意味】
実現不可能な理想。三角関係。不健康な趣味にはまるとチャンスを棒に振るかもしれません。何事もやりすぎたり、性急になったりしがちです。
■カップの4の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
積みあがる杯や、考えごとをする人物によって、安定や安心が表されています。動かないことは、一見、退屈に見えますが、立ち止まって内省することの重要さを示しているのです。
闇雲に行動せず、時間をかけて吟味しましょう。このカードが現れた時は、充電すべきタイミングです。
【正位置の意味】
家庭、故郷。先延ばし、惰性。現実的な幸福。失敗を恐れてマンネリになっているかもしれません。疲れて、癒されることを求めています。
【逆位置の意味】
新規開拓、方向転換。入学、入社。再会、再始動。忘れていた情熱がよみがえったり、新たなチャンスを見出せそうです。満足感を得ることができるでしょう。
■カップの5の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
岸辺に立つ人物は俯いて、失望の深さを示しています。背後にある杯は、まだすべてが倒れてはいないと、気づかないようです。五つの杯の中には、高揚感が満ちていたのでしょう。それが失われた今は、注意深く見比べて、何を選ぶべきか、考え直すことができるはずです。このカードは、冷静さを取り戻すチャンスでもあるのです。
【正位置の意味】
幻滅、失望。盲目的崇拝の終わり。プロジェクト、プレゼンテーションの失敗。恋愛では、恋人を奪われる暗示があります。職業運では、手柄をかすめとられることがありそうです。
ただし、手放せば身軽になることも意味します。
【逆位置の意味】
継承する、再開する。過去のトラウマから解放されそうです。仲間、家族など、ばらばらに散ったものが元に戻るかもしれません。試練を乗り越え、希望に満ちた門出が待っています。
■カップの6の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
向かいあう人物は花を手にして、憂いのない子供時代を示しています。家族や、恋人との、温かなだんらんが戻ってきます。ただ、楽園の日々は、長くは続きません。ノスタルジーに浸り責任を忘れると、後悔することになりそうです。このカードは、思い出の大切さと、過去に囚われる危険の両極を表しています。
【正位置の意味】
純粋な愛情、他者への信頼。家庭でのイベント。弟妹、幼なじみ。遊び心、コスト度外視。家庭に関する買い物は、実用面の再検討が必要です。
【逆位置の意味】
可能性、希望。未体験の出来事。自己陶酔、過去の栄光。自立心、責任感を養うことが必須になります。忘れてリセットしないと前進できないこともあります。
■カップの7の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
宙に浮いているカップは、地に足がついていないことの表れです。杯に入っているのは、見上げる人物が大事に育んできたもののようですが、まだ実行の段階ではありません。どれほど素晴らしい考えでも、実現されなければ、空想に終わってしまうことを示しています。逆に言えば、能動的な実行力さえあれば、理想を地にもたらすエネルギーを秘めていると教えてくれるカードです。
【正位置の意味】
幻想、期待。手の届かない相手。自己欺瞞、怠惰。決定的なミスを恐れて後回しにしがちです。行動に反映されない反省は意味がありません。
【逆位置の意味】
決心、覚悟。現実的な計画。質素倹約、堅実。規則正しい生活が肝です。代案や、妥協案についても考えてみましょう。
■カップの8の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
整然と並んだカップに背を向ける人物は、今あるものでは満足できないのでしょうか。旅立ちの支度は整っていますが、足元を照らす月明かりは弱く、道は険しそうです。世捨て人のような姿は、人間関係の放棄や、計画の中断を表します。楽ではなかったとしても、進み続けることの意味を伝えるカードです。
【正位置の意味】
幻滅、不安。色あせる愛、価値観の変化。諦め、見切り。自分を大事にできていません。燃え尽きて気力がなくなりそうです。現状を維持しながら、慎重に次の計画に移りましょう。
【逆位置の意味】
喜び、正しい選択。レジャー、親睦会。新たな目標、新しい可能性の発見。転職、転居。諦めずに続けるべき時です。愛は再び燃えあがるでしょう。
■カップの9の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
一桁の最後の数である9を頂いたカップは、一つのサイクルの到達点を表しています。たくさんのカップに囲まれた人物は、この世の春を満喫しているところなのでしょう。ここには円満で楽しい生活、感情的な満足が示されています。望みの叶うラッキーカード、ウィッシュカードとも呼ばれています。
【正位置の意味】
達成、成功。チャンス到来。良き友の存在に助けられそうです。職業上のツキに恵まれ、報酬が見込めます。自己満足に陥らず、さらなる成功を目指しましょう。
【逆位置の意味】
失敗、損失。浪費、病気。ミスリード、刹那的な恋。焦ってタイミングを間違いがちです。少しの油断から危機に陥るかもしれません。
■カップの10の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
仲睦まじい男女のそばで、子供たちが遊んでいます。架け橋のように見えるカップは、普遍的な幸福、平和、家族愛を象徴するものです。感情を表す杯は、周囲の情景と調和し、深い喜びを生みだしています。
現世の幸福のうち、これほどロマンティックに満ち足りたものは稀で、目に見えるもののゴールの意味も含んでいます。不調は解消され、不和は解決されるでしょう。このカードが現れたら、恵みに感謝して、存分に幸運を味わってください。
【正位置の意味】
穏やかで安定した愛。名誉、評価、秩序。マイルール、ローカルルール。収益を伸ばせるか、もしくは良い転職話があるかもしれません。新たに家庭を築くか、今ある家族関係が良くなるでしょう。
【逆位置の意味】
対立、仲たがい。閉塞感、拒絶感。失敗して損を出す兆しが表れています。チームから孤立するかもしれません。些細なことにとらわれないようにしましょう。
■カップのペイジの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
カップを持った人物はきゃしゃで、まだはっきりとした性別さえないように見えます。目の高さに杯を挙げている姿は、中にあるものへの好奇心を示しているのでしょう。興味の強さと、のぞきこまない分別の双方を備えた様子は、気の優しい男にも、勝気な少女にも取れます。カップのペイジは、誰もが好意を持つ魅力と、傷つきやすい弱さを抱えている存在なのです。
【正位置の意味】
芸術的才能、個性。恋のはじまり、インスピレーション。忠誠心、善意。窮地に陥った時は、友に救われる人です。決定までに時間をかけるべき時です。
【逆位置の意味】
美辞麗句、軽薄。集中力の弱さ。現実逃避、純粋無垢。才能をすり減らしていそうです。他人に多くを望み過ぎているかもしれません。
■カップのナイトの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
馬にまたがった騎士に大きな動きはなく、静かに、慎重に進もうとしています。羅針盤の針を追うように、杯に満たされた愛に導かれて、旅を続けているのです。若きロマンティストは、冒険心と、繊細さの間で揺れています。
チャンスという獲物を仕留めるには、傷つきやすすぎるのかもしれません。このカードが出た場合、歩みが止まっていないか、考えてみましょう。正直であることや、大胆な行動を求めてくるカードです。
【正位置の意味】
包容力、感受性。芸術的手腕。ルックスが良い異性や、機転が利き、話術に長ける人との関わりが生まれます。夢見た理想を貫くべきでしょう。
【逆位置の意味】
自己中心性、粗暴さ。思いこみに振り回されがちです。気分屋の異性や、ミスが多く、退屈な人に困らされるかもしれません。詐欺に遭いやすくなっているので注意が必要です。
■カップのクイーンの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
感情を示すカップを持った王妃は、究極の女性性である母性を象徴しています。思慮深く杯を見つめる姿は、我が子に無条件の愛を注ぐ母親のようです。とはいえ、玉座にいる女性なので、軽んじれば、見守るキューピッドたちに痛い思いをさせられるでしょう。
献身的な愛や努力には豊かな慈悲が注がれますが、偽りには女神ヘラがくだしたような冷徹な復讐が行われるはずです。カップの王妃のご機嫌を保つには、正直でいることがとても大事です。
【正位置の意味】
思いやり、ボランティア精神。芸術家、医療関係者。公平さ、現実性。成熟、安定。相手の気持ちを考えた態度で臨むことが第一です。
【逆位置の意味】
不実、強情。自己表現が下手な人物、空想家。依存する、不公平。幼稚、気まぐれ。冷静さを取り戻さないと火傷するでしょう。
■カップのキングの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
王座についている男性は、困った者を助けるために、既に一歩踏みだそうとしています。王冠と玉座の背が、アンテナのように緩やかな弧を描いているのは、一人でも多くの声を聞き取り、アドバイスを与えるためなのです。カップの王は支配者ではなく、経験が生む知恵を分け与える者であろうとしています。
このカードが出た場合、彼と同じように、経験によって後に続く者を導くことが求められています。もはや軽挙が許される若者でなく、指導者に近づいていることを意味するカードです。
【正位置の意味】
研究者、アーティスト。篤志家、支援者。物腰柔らかい紳士。理想的な上司。信頼できる人、交渉能力がある人。
【逆位置の意味】
利己主義者、現場を知らない人物。気が荒い上司。頼りにならないチームメイト。不正を犯した者は、罰せられるさだめです。
タロットカード「ワンド」14枚の基本的意味・正位置・逆位置
■ワンドのACEの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
風火水土の四大元素のうち、ワンドは、燃えさかるエネルギーをまとう火の属性を持ちます。ACEははじまりを表し、直感的に取りかかる瞬間を、炎の姿で象徴しています。活気、気力の“気”を練りあげたものが雲として描かれ、そこからワンドが現れいでます。
昼夜の長さが等しい太古の春分、作物を育てるために使った鋤や鍬がワンドの発祥だという伝説も残っています。「ここからはじめる」という純粋な決意だけで構成されているので、エネルギーの強さに見合った計画性が欠けていることがあります。
【正位置の意味】
創造、誕生。イニシアティブを取ること、未知の分野に挑戦すること。性的欲望、興奮、高揚。冒険のはじまり。困難に立ち向かう勇気を持つべきです。
【逆位置の意味】
問題の先送り、停滞。情熱が冷めていく。不毛な行為。時が経てば失速し、決意が挫けるでしょう。
■ワンドの2の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
品の良い装束をまとった青年が、ACEとして踏み出した一歩を振り返り、これからすべきことを考えています。勇気を振り絞って進んだ一歩ですが、まわりから見れば、まだたった一歩にすぎないのかもしれません。
ACEからキングへと上昇する旅をする道のりには、一人では克服できない難敵が多く潜んでいることでしょう。友人、同僚など、チーム、バディを組んでくれる相手が必要なのです。
【正位置の意味】
業績、目標。潜在能力、野心。昇進、昇格。意中の相手を射止めることができそうです。手にするものがあれば、失うものもあるでしょう。
【逆位置の意味】
焦燥感、自信喪失。アクシデント、ハプニング。努力が結果につながらないことが暗示されます。プライドが傷つく経験からも学ぶことがあるでしょう。
■ワンドの3の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
青年が一人佇んで、思いを巡らせています。冒険には危険がつきものです。貴族の子弟を思わせるいでたちだったワンドの2から、3に移った姿は、逞しい成長を感じさせます。カリスマやリーダーシップを身につけたワンドの3は、幸先の良いカードです。
計画を検討し、旅装を整え、補給を済ませたのなら、ためらわず出発しましょう。立ち止まっていれば失敗せずにすみますが、決して成功することもないのです。
【正位置の意味】
探求、拡大。ビジネスの成功、システムの確立。サポーター、協力者。共同作業、パートナーシップ。仕事の面白さに目覚めていきます。
【逆位置の意味】
企画倒れ、離反。嘘を吹きこむ人に注意してください。タイトに組みすぎた計画は失敗する可能性があります。
■ワンドの4の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
長い4本のワンドに囲まれた四角形は、安定と一時休止を示しています。ここまでの計画がうまく運んだらしく、天幕の向こうには多くの人が見えます。宴が催され、成功を祝われるのでしょう。花束を高く掲げた二人は、祝祭の主役として、花が飾られた天幕の下で過ごし、愛を育むのかもしれません。
【正位置の意味】
充電期間。休日、休暇。家庭生活、結婚式。森林、田園地帯で過ごすとリフレッシュできそうです。良い考えは、休息してから浮かびます。
【逆位置の意味】
臆病、撤退。地方の有名人。婚約破棄。精力を傾けてきたことが、惰性になっているかもしれません。
■ワンドの5の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
安息の時は短く、得られた安定はまた崩されてしまいます。競争相手が現れ、戦いがはじまるのです。ワンドという武器を持っての争いは、とても深刻に思えます。でも、複雑に組みあったワンドをよくよく見れば、どれ一つとして、人物に当たりようがない位置に置かれていることがわかるでしょう。致命的にはならない戦いは、切磋琢磨を表しています。
【正位置の場合】
試練、葛藤。すぐそこにあるチャンス。手ごわいライバル。ディベート、スポーツ。勝利するのは、頭脳戦を制した者でしょう。
【逆位置の意味】
誘惑、詐欺。急がば回れ。訴訟に発展しやすい流れ。執着が消え、離れることに抵抗がなくなるでしょう。
■ワンドの6の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
混乱の中から勝ちあがってきた青年は、誇らしげに月桂樹の冠を載せています。時間はかかりましたが、正当なプロセスを経て、皆を納得させての勝利です。
このカードが出たなら、達成は間近です。勝者の地位に奢らず、堅実さ、謙虚さを心がけておきましょう。またがっている馬は、自分が走らせているつもりでも、皆に引いてもらっている木馬にすぎないのかもしれないのですから。
【正位置の意味】
ネゴシエーター、調停者。注目、称賛。贈り物、報酬。アートコンクール、武道大会での優勝。伝手をたどってみると良いでしょう。
【逆位置の意味】
疑い、浮気。遅延によって大きな痛手を受けるきざしがあります。見栄を張ると解決できなくなりそうです。昇進、入籍などの目が消えるかもしれません。
■ワンドの7の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ワンドの5の中で囲まれ混乱していた人物は、一人で、信念という砦を守っています。攻め入ろうとする敵は少なくありませんが、見下ろす視界の良さが有利に運ぶでしょう。タイミングを選べば守りきれる可能性も上がります。
このカードは、場所と時を選ぶアドバンテージを活かせれば、包囲網は解けることを示しています。砦の下にいる味方と、同士討ちにならぬよう、息を合わせてください。入念な準備が必要ですが、信念を曲げることの苦悩を思えば、どちらを選ぶかは自明のことでしょう。
【正位置の意味】
解決できる困難。妨害の打破。悩む間に手を動かすべきです。粘り強さに愛の女神は微笑むでしょう。
【逆位置の意味】
不正確な情報。無用な忠告。ためらい、困惑。見た目ほど劣勢ではないかもしれません。
■ワンドの8の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
宙に浮いたワンドは、凄まじいスピードの移動を表し、もはや周囲に人物はいません。一瞬でも視線をそらしたら、見えなくなってしまうでしょう。大量の情報を捌き、即断即決していくことが求められているのです。
あるデッキでは大アルカナの『力』、他のデッキでは『正義』が割り振られている数、8は、どちらも能動的な女性で表されています。『力』はライオンをねじ伏せ、『正義』は微妙に傾いた天秤を常に自らの動きで水平に保ち続けているのです。「力」の示す勇気を持って、『正義』のように運命を自ら決しましょう。それができれば、正逆ともに、吉札に転じるはずです。
【正位置の意味】
成功、協力者の出現。活動、熱意。急展開、重大な知らせ。一目ぼれ、電撃結婚。海外旅行、献身的な愛。千載一遇のチャンスが巡ってきています。
【逆位置の意味】
遅延、軽率。内部分裂。停滞する、保留になる。成果をあげるためにエネルギーを浪費している状態です。
■ワンドの9の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
不自由な暮らしを送る隠者のように、一人じっと耐えている男が描かれています。ワンドを並べ、守りを固めていますが、それでもなお、用心を怠ることを恐れているようです。おそらく彼は、以前もこの脅威に曝されたのでしょう。過敏なまでに注意深くなっている様子は、『トラウマ』という言葉で表現できるかもしれません。
生真面目に一人で戦おうとしていますが、助けを求めるのは弱さではありません。持久戦になりそうなトラブルは、訓練された助っ人を呼んだ方が、きれいに解決できる可能性があります。
【正位置の意味】
情報漏洩。努力は踏みにじられかねません。不快な人物が再び近づいてきそうです。愛に不信を抱き、関係継続には忍耐が要るでしょう。
【逆位置の意味】
無防備、無力。人間関係を深めるチャンスが失われてしまいそうです。ルールは破られます。万全の防御をした時は来ず、ふと気を緩めた時に来るので、キリがなさそうです。
■ワンドの10の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
引き受けた時は、一本ずつだったのかもしれません。今や十ものワンドを運ぶ青年は、老人のように腰を曲げています。10の示す到達点はあまりに遠く、間に合うかどうかわからない状態です。
このカードが出た場合は、明らかなオーバーワークです。いったん、立ち止まって、助言を求めましょう。やり方を変えれば、ゴールにたどり着けるだけの鍛錬を、既に済ませているのですから。
【正位置の意味】
意欲低下、心肺機能のトラブル。相手に合わせての苦労、身丈に合わない関係。プレッシャー、責任を感じすぎています。ローン返済に苦しめられるかもしれません。力づくで従わせても味方にはならないでしょう。
【逆位置の意味】
犠牲、偽り、失望。退職、責任放棄。計画は取りやめになるでしょう。こじれた人間関係は、互いのために終えましょう。
■ワンドのペイジの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
羽根のついた帽子とショートブーツを履いた少年は、伝令神ヘルメスを真似ているのかもしれません。知恵と勇気にあふれたペイジは、善いしらせを頻繁に運んできてくれます。吉報を読んで、心躍らない人はいません。ペイジは人を活動的にし、出会いを増やします。様々なチャンスをもたらす、キューピッドでもあるカードです。
【正位置の意味】
奉仕者、誠実な友。コミュニケーションの必然性。独創性、正確さ。良いニュースは共有しましょう。『一度もやったことがない』のは即チャレンジすべき理由になります。
【逆位置の意味】
優柔不断、不誠実。スタンドプレーヤー。誤報、中傷。信頼がおけない人物には用心してください。
■ワンドのナイトの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
血のような緋色に燃えたぎる装飾をつけた騎士は、とてもアクティブな挑戦者を示しています。敵と戦うのがナイトの役目ですが、彼の向こう見ずな行動は、猪突猛進と表現するのがふさわしいでしょう。強く頼もしい存在ですが、横柄で図々しくもあります。
ワンドのナイトが開かれた時は、周囲と険悪になっていないか、注意して進むべきです。行動力は、分別とバランスが取れていてこそ、評価されることを教えるカードです。
【正位置の意味】
急な旅行、異動。素朴な人、人間味あふれる異性。スポーツマン、見かけによらないロマンティスト営業職、接客業。実践できない議論が繰り返されるかもしれません。
【逆位置の意味】
不和、分離。無神経、支配的。拙速、軽率。金銭面で失敗が多い人とは距離を置きましょう。
■ワンドのクイーンの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ワンドの王妃は、気取りのない、チャーミングな女性として描かれます。カードを見つめてみると、彼女が『王妃』という制約のある立場で、様々な仕掛けをしていることに気づくでしょう。なぜこんなことを、と呆れて笑ってしまったら、既に彼女の魅力のとりこになっているのかもしれません。リアリストでいて、決してユーモアを失わない姿は、現代を生きる女性のヒントになる部分がありそうです。
【正位置の意味】
恩恵を与える人、自然を愛する人。女性の指導者、上司。伝統文化、格式。物質的な豊かさ。いざという時は身を投げ出して庇ってくれるでしょう。
【逆位置の意味】
猜疑心、ひがみ。クレーマー、虚栄心。嫉妬深い、弱い者いじめをする人物。困窮する可能性を暗示しています。
■ワンドのキングの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
王として玉座にありながら、相槌を打ちながら慰めに降りてきそうな好人物として描かれます。デッキによっては甲冑をまとっていますが、その場合は若く、フットワークの良さは変わりません。カリスマあるワンマンとして在位している間に、彼自身の望みを叶え、プロデューサー的ポジションに移っているのがワンドのキングです。実力者であることに変わりはなく、庶民の望みを温情で叶えてくれます。
このカードが現れたら、周囲に困った人を探してください。救いの手を差し伸べると、末永く感謝されますが、もうそうしたことに興味はなくなっているかもしれません。このカードは、もっと上を目指すべきだと示唆しています。
【正位置の意味】
ビジネスリーダー、経営者。未来志向、思い切った投資。正義、良心。ユーモアのセンス。不正には断固たる態度で臨みましょう。
【逆位置の意味】
横柄な上司、反面教師。偏見、頑固さ。思いやりに欠ける人、失敗を隠す人。こだわりに付きあわせて能率を下げていないか、再確認しましょう。
タロットカード「ペンタクル」14枚の基本的意味・正位置・逆位置
■ペンタクルのACEの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
風水火土の四大元素のうち、土の属性を持っています。鉱物を製錬したコインが、大地に最初のマークをつけるのです。ペンタクルは着地と同時に行動をはじめるので、敵を作る時間を持ちません。はじまりからオープンマインドで、繁栄が約束されているのがペンタクルです。
このカードが出たら、行動を促されています。長くベンチにいすぎると、走れなくなるものです。永遠に新規参入者であるペンタクルACEの庭から、物質的成功を求める世界へ旅立つ時です。
【正位置の意味】
印象的な出会い、はじまり。願望成就。安定した職業に就けそうです。地道な努力が花開くでしょう。最初から話が合う人と結ばれます。
【逆位置の意味】
失格、落第。不当報酬、強欲。悔いの残る交際、離婚。チャンスを生かすことが難しいかもしれません。
■ペンタクルの2の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
両手のコインを器用に操る道化は、同時並列で処理しなければならない物事の多さを示しています。現在そうしたことに苦労を覚えていないなら、これから何らかの問題がやってくることを教えているのかもしれません。
両手が塞がって、なお成さなければならない物事は、ない方がよいとは限りません。多忙が多芸につながることもあるのです。陰と陽、右と左のような一対は、選択に迷う余裕があります。三つめ、四つめ……∞個数目のことは考えず、楽しみながら、歩んでいきましょう。
【正位置の意味】
変化、冒険心。実務経験の多さ、能力の高さ。安定した収入、融通のうまさ。恋愛は流れに任せて良いでしょう。流行りの場所に行ったり、新しいファッションを試すことも吉です。
【逆位置の意味】
矛盾、バランス感覚の欠如。裏切り、伏兵。借金、支出。視界が狭くなると、飽きやミスが出はじめます。
■ペンタクルの3の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
職業も年齢も違う三人が集うペンタクルの3は、共同体やチームワークを表しています。計画を一人で進めているなら、援助者、チームメイトを募りましょう。また、スキルはあるがアイデアはない、生産は可能だが売る手段を知らない、といったパーツごとの欠損なら、足らない部分を勉強するのも手です。ペンタクルの共同作業は、最終的には、老舗ブランドのようなネームバリューや、作り続けるグレードの維持、実際的生産性などに結実していきます。
【正位置の意味】
名声、芸術活動。安定した供給量、時宜を得た努力。技能を得る、利益を出す。関係は安定して育っています。
【逆位置の意味】
平凡、手抜き。忠告に逆らうとリスクを負います。資金不足に陥らないよう充分プランを練るべきです。旗揚げする時期ではないかもしれません。
■ペンタクルの4の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
コインを抱えこんで、身動きが取れない人物は、物欲と安定感の双方が満たされていない状態です。座りこんでいるのは、吝嗇だからではなく、疲労しているからかもしれません。高価なものを数多く所有しても、渇望は癒されず、増すばかりです。手放すことも、取りこみ続けることもできません。
ペンタクルの4が出たら、エネルギーが足らなくなっています。安心できる環境で、持っているものをしっかり検討しましょう。守られ、安定した感覚があれば、再起できるはずです。
【正位置の意味】
執着心、所有欲。現状維持、保守的。育ちの良さ、教育の高さ。公共事業、金融機関への適性。あらかじめ回避ルートを設定しておきましょう。
【逆位置の意味】
信用の低下。略奪愛、束縛。わずかな金額を惜しむと大きな損を出すかもしれません。交渉中に障害が持ち上がる可能性があります。
■ペンタクルの5の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
凍えそうな風景を歩く人々は、傷つき、行き場を失っています。逆境にあえぎ、資金は底を突いてしまいました。このカードを開いたら、トラブルが予告されています。歩む道を間違っているか、疲労して状況判断ができなくなっているのかもしれません。すべてのプランを停止して、助けを求める必要があります。
【正位置の意味】
孤立、疎外。ブラック企業。貧困、散財。努力が認められません。健康が損なわれていそうです。
【逆位置の意味】
引き返すタイミング。人の情けに救われるでしょう。最悪のところからは脱しています。
■ペンタクルの6の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
裕福な紳士が気前よく施しを配っています。ロイヤルデューティー(高貴な生まれの義務)の教えを実践しているのかもしれません。貧しい者、病人が目に入らない人物もいれば、彼のように義務を果たさないと、落ちついて過ごせない人物もいるのです。ペンタクルが端的に表すお金は、まさに『天下のまわりもの』です。分かち合い、循環させることで、より価値を深め、再びここに戻ってくるのでしょう。
【正位置の意味】
サプライズギフト。見返りを求めない愛。公明正大なビジネス、バランスの取れた事業。慈善事業、名誉職。利益を出しながら、支援していくことが重要です。
【逆位置の意味】
都合のいい時のみの愛情。偽善、赤字。自己満足、強要。耐え続ければ、周囲を巻きこみ、連鎖的に倒れてしまいます。
■ペンタクルの7の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
農夫らしい人物が手を止め、作物を眺めています。ブドウ、あるいはホップを思わせるツルを持つ作物は、たっぷりとペンタクルをつけています。まるで、毎日、作物の世話をしながら、実りに気づいていなかったかのようです。
畑に実っているペンタクルの7には、大アルカナの7の『戦車』と同じ、狙ったところにぶつかるまで走り続ける能力が宿っているのです。スピードと突破力が持ち前のペンタクルの7は、感情を含まない純粋な量だけを見ていたのかもしれません。収穫を振り返って、満足して作業に戻るか、失望して放棄するかは、まだ彼にもわかりません。
【正位置の意味】
利益、成果。自己実現、忍耐の終わり。対人関係は岐路にさしかかるでしょう。金銭的報酬には満足できそうです。
【逆位置の意味】
貪欲さ、独占販売。肌に合わない土地柄。関係は投げやりになっていきそうです。差し出したものの対価に不満を抱くでしょう。
■ペンタクルの8の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
若い彫刻家が、ペンタクルに星を彫りこんでいます。神経を使う、根気のいる作業を任されている彼は、先達に認められた結果、その席にいるのです。そろそろ工房を出て、独り立ちできる頃合いが来たようです。ペンタクルの8が開いた時は、十分な技術の蓄積を意味しています。
【正位置の意味】
修行、学習。職人見習い、研修生。誠実な恋人、パートナーシップ。幸福な家庭、健康な欲求。芸術的センス、細部へのこだわり。成功し続けるためには長期的な計画を立てるとよいでしょう。
【逆位置の意味】
怠惰、未熟。途中脱落者、短期的成功。人に言えない関係。コピー品、凡庸。金銭的なルーズさは命取りになり得ます。
■ペンタクルの9の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
緑の中に佇む気品ある女性が描かれています。広々とした場所は、郊外の荘園なのかもしれません。優美な手袋の上に休むのは鷹で、彼女が誰かの奥方になるために嫁いできた女性ではないことを暗示しています。自分の才覚で、欲しいものを手に入れてきた女性なのでしょう。多忙な日々へ、いっとき休養して、また戻っていくはずです。
ペンタクルの9が出たら、喧噪や情報過多な状態をシャットダウンして、静かに過ごすべきでしょう。優雅な時を贈られるにふさわしい存在だということなのですから。
【正位置の意味】
成功者、富豪。生活のグレードアップ。秩序、管理。事業を立ち上げると成功しそうです。
【逆位置の意味】
略奪者、詐欺師。安全な生活は短いでしょう。運頼みは続きません。
■ペンタクルの10の基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
ゆったりと腰かけた老人が、家族に囲まれています。長い時間をかけて、大地であるペンタクルを使って築いた城が、遠くに見えます。願ったものをすべて手にし、満足して、静止している状態です。でも、もう一度、老人の周囲を眺めてみましょう。
母親のスカートの陰からいたずらっ子が猟犬の尾に手を伸ばそうとしています。驚いた犬たちが駆け回らないように、まず、老人は手前の犬を抑えたところのようです。城は完成したけれど、どうやら人間の世界では、まだ彼の出番がありそうです。
【正位置の意味】
支配者、継承者。マネージメント能力。蓄財、資産管理。家族は結束します。社会的に成功し、家系は繁栄していきます。
【逆位置の意味】
相続トラブル。仕事は壁に突き当たりそうです。家族から悲報を聞かされるかもしれません。遺産をあてにして計画を組むと失敗します。
■ペンタクルのペイジの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
陶酔しきって周囲が見えていない若者が、金貨を運んでいます。彼が見つめる金貨は、研究や専門分野を表しています。叡智を結集した金貨の美しさに心奪われ、足元で踏みつけられている花の可憐さが見えていないのです。
この幸運の運び手は勤勉ですが、まだ世界の広さを知らぬままです。だから寄り道の誘惑に負けず、確実に良いしらせを運べるのかもしれません。ペンタクルのペイジが現れるのは、真面目さ、素直さが大切な時です。
【正位置の意味】
現実的な恋愛。専心する、追究する。手元の資産を増やしていけます。相手を緊張させないよう自分から胸襟を開きましょう。
【逆位置の意味】
わがまま。尊大になる、失敗に学ばない。親や教師への反抗心で勉強を放棄しがちです。確認を怠ると、悲しいしらせを聞くことになるかもしれません。
■ペンタクルのナイトの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
若く、行動的な男性を表すのが騎士のカードですが、ペンタクルのナイトは動きません。馬も、騎士自身も、ぴたりと止まっています。これは『ここから一歩も引かない』という決意の強さの表れですが、消極性、能率の悪さでもあるでしょう。このカードが出たら、忍耐力が試されています。
【正位置の意味】
引っ込み思案な男性。包容力はあるが、慎重すぎる異性。有能な人と組んで仕事ができそうです。粘り強いがんばりで成功が近づきます。几帳面にやりくりすることで金銭的な不安が消えるでしょう。
【逆位置の意味】
無頓着な人。真面目だが、退屈な異性。職業面では、応用が利かず孤立しがちです。大事な物を不注意で失くす暗示があります。
■ペンタクルのクイーンの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
繊細な彫刻が施された椅子にかける王妃は、俯いてじっと膝の上の金貨を見ています。静止したポーズはまるで、彼女自身も、壊れやすい彫刻の一部のようです。慈悲深い彼女は、愛も富も尊敬も手にしているのに、どこか虚ろです。沈思黙考することが多く、薔薇のアーチがあるこの庭から動かないので、慈悲の泉も枯れはててしまったのかもしれません。金貨の王妃のカードが出たら、勇気を持って動き出しましょう。
【正位置の意味】
安心感のある恋人、家庭的な雰囲気。保守的だが、融通を利かせてくれる人。キャリアウーマン、女性アーティスト。気遣いができる上司、熱心に後輩を育てる先輩。普段は節約し、いざという時に気前よく使うメリハリで、関係がうまく回るでしょう。
【逆位置の意味】
依存する/される関係。神経質で、トラブルを引き起こしやすい人物。浪費癖が改まらない限り、自立できないでしょう。
■ペンタクルのキングの基本的意味と正位置・逆位置
【基本的な意味】
これまで様々な経験を積んできた王は、もしかしたら、何もかもお見通しなのかもしれません。まぶたは閉じていますが、足元の獣が動きはじめる気配は察しているようです。物質面での最高点に達したペンタクルのキングは、ゆっくりと精神性を味わっているところです。その作業が終わったら、人間には見えない高みに去るのでしょう。金貨のキングのカードが開いたら、温めている計画をいよいよ披露するタイミングです。
【正位置の意味】
実業家、経営者。年齢が離れている恋人。サプライズ。ゼロから作り上げた作品で世に出る暗示があります。既に十分な資産がある人と縁が生まれるでしょう。
【逆位置の意味】
金銭的に困っている人物。甲斐性がないのに支配欲が強い恋人。モラルハラスメント。不法行為で金銭を得ている人と接近してしまうかもしれません。実体のない取引など、犯罪と気づきにくい犯罪に警戒すべきでしょう。
まとめ
タロットカードの小アルカナ56枚を紹介しました。小アルカナも含めたタロット占いをするときの参考にしてください。
完全版【タロットカード78枚一覧表】タロット全種類の絵柄や意味を網羅! | Spicomi
https://spicomi.net/media/articles/1669/タロットカードは、全種類を合わせると78枚あります。それぞれのカードを一枚ずつ意味・解釈・絵柄などについて説明します。さらに、自分に合ったタロットの選び方や、占う方法も!