こちらに背中を向けて、10本もの棒を抱えてどこかへ運んでいこうとしている男性がいます。彼は一人で大荷物を抱えて四苦八苦していますが、それを手放すことも、もっとうまい運び方を考えることもしないようです。彼の背中からは、疲労しているけれども諦めることは頑なに拒む意志を感じます。
ワンドの10は重圧に悩むカードです。心理的なプレッシャーや社会的な責任があなたにのしかかっている様子を表します。上手にやりくりできるか、倒れてしまうかはこれからの行動次第です。
ワンドの10がタロット占いにおいて表す意味について、こちらでは基本的な事柄をご紹介します。恋愛・仕事・金運など、様々な状況別にワンド(棒)の10の正位置・逆位置が表す内容について見ていきましょう。
タロットカードのワンド(棒)の10とは?基本的意味と内容
活力や情熱を表すワンドのスートですが、数字が増えてくると徐々にそのエネルギーは過剰になってきます。このカードの主人公がいかにもつらそうに抱えている10本の棒がそのことを表しています。
しかし、彼はこの棒を手放して諦めるという選択肢は選ばないつもりのようです。自分の力でなんとかしようと踏ん張っています。しかし、荷物が完全に彼のキャパシティをオーバーしているということは明らかです。彼は棒のいくつかを捨てる、または誰かに助けてもらうことを検討する必要があるかもしれません。なぜ今それをしていないのかについて考えると、リーディングの助けになるでしょう。
ワンドの10の正位置は、重荷や責任過多であなたが参っている様子を示します。逆位置でもそれは変わりませんが、責任から解放される時が迫っていることを表すことがあります。逆位置の方が比較的いい意味を持つタイプのカードです。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[恋愛編]
■正位置の意味
ワンドの10の正位置は、恋愛が行き詰まってしまっていることを表します。このカードの主人公は、大荷物を抱えてこんなにも大変な思いをしているのになぜ誰にも助けを求めないのでしょうか?それはおそらく「拒絶が怖いから」です。
つまり、相手に嫌われたくないと必死なあまり、悩みや苦しみをすべて一人で抱え込み、パートナーに尋ねたり頼ったりできていないことを指しています。人間関係をあなた一人の我慢や責任感だけで維持しようとしているのです。
フリーの人、片思い中の人も恋に悪戦苦闘することになるでしょう。自分一人で悩まず、誰か相談できる人を探してはいかがでしょうか。
■逆位置の意味
ワンドの10の逆位置は、あなたの抱えた悩みが限界に達することを表します。別れや告白の失敗など、恋が終わることを意味することもあります。しかし、責任や重圧からの解放を意味することもあり、その場合は心の負担が軽くなるでしょう。
気持ちの持ちようで運気が変化しそうです。悩みに押しつぶされてしまうのか、吹っ切って気持ちを切り替えるのかで今後の展開は大きく変化します。
人間関係を豊かにするような活発なコミュニケーションが始まる予感があります。傷つくことや嫌われることを恐れずに積極的に人と関わることを選ぶと、思わぬところから道が開けるかもしれません。冷えていた恋人との仲の復活や、恋愛の進展が見込める可能性だってあるのです。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[相手の気持ち編]
■正位置の意味
相手の気持ちについて占ってワンドの10の正位置が出た場合、相手は心身共に疲れを感じているようです。
あなたに嫌われたくないという気持ちが強く、あなたとの関係にかなり強い責任感を持っています。頼られるのは嬉しいけれど、ひとりで抱え込むことが多くて精神的につらいと思っていることがあるかもしれません。あなたの好意を負担だと感じている可能性もあります。
あなたに対して誠実な態度を取ろうとしている真面目な人物であることは確かなようですが、あなたとの関係に疲れている様子です。相手の負担を減らしてあげるためにあなたに出来ることはないか、考えてみてください。
■逆位置の意味
相手の気持ちを占ってワンドの10の逆位置が出た場合、プレッシャーから解放されたいと強く願っているようです。
あなたのことを特に負担に思っており、関係を絶ちたいとすら考えているかもしれません。現状から逃げ出したいという気持ちが強くなっています。何か問題事が持ち上がったとき、自分は悪くないと開き直る可能性もあります。
今まで無理をしてきた反動でこのような気持ちになっていると考えられるので、あなたにも何らかの責任がありそうです。素直にあなたから謝るか、そうでなければそっとしておくのが一番いいのかもしれません。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[復縁編]
■正位置の意味
復縁したいと願っていてワンドの10の正位置が出た場合、復縁はあなた次第ですが、精神的にかなり厳しい日々となるでしょう。
復縁したい気持ちはあっても、心身ともに疲れていて相手に連絡する勇気が持てません。頭の中に色々「こうしたら良いのでは」というビジョンは浮かぶもののなかなか行動に移すことができず、悶々とした日々を過ごすことになりそうです。
自分一人が我慢すればいいとか、自分だけが悪かったのだという責任感や後悔で心の中が押しつぶされそうになっていませんか?相手の要求をそのまま受け入れては、あなたが辛くなるばかりです。不安であれば周囲に相談すべきでしょう。
■逆位置の意味
復縁したいと願っていてワンドの10の逆位置が出た場合、復縁は難しそうです。
あなたに限界が近くなっています。恋人との別れがあなたにとって大きな精神的負担となっており、もはやそれを背負うことが困難になっています。この恋はもう諦めた方が楽だという気持ちも強くなりそうです。
もうこの恋を復活させ、維持していくことに自信がなくなってしまったなら、諦めることも選択肢の一つです。しかし、無責任な行動や逃げる行為は相手に対して失礼に当たります。相手の気持ちも汲み取って、しっかり考えてから結論を出しましょう。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[片思い編]
■正位置の意味
片思いをしていてワンドの10の正位置が出た場合、相手に嫌われないかととても不安な気持ちで過ごす日々となりそうです。自分に自信が無く、相手に釣り合わないのではないかという気持ちになってしまい、逃げ腰の恋になるでしょう。
相手に好かれたいがアプローチする勇気も持てなくて、一人で自問自答するばかりで前に進めません。結局告白することも無く諦めてしまうとか、ライバルに先を越されて終わってしまうこともありえます。
満足いくまで自分を磨いてから恋に挑戦することも悪くない選択ですが、後悔しない道を選んでください。
■逆位置の意味
片思いをしていてワンドの10の逆位置が出た場合、この恋は敗れてしまいそうな暗示です。
相手の悪い噂を聞いてしまったり、ライバルの存在を認識したりして不安になることがありそう。この恋がうまくいく自信がなく、諦め半分な気持ちになるでしょう。好きになってはいけない相手だったと気がつくことも。
この恋は諦めざるをえない状況になる可能性があります。しかし未練が残る形では無く、あなたも納得して諦めることになるでしょう。困難な状況でもなおこの恋を諦めないなら、まったく予想しない新しい未来が待っているかもしれません。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[結婚編]
■正位置の意味
結婚の時期や相手について占ってワンドの10の正位置が出た場合、幸せな結婚までにはまだ遠そうです。
あなたは、あなた自身の「結婚とはかくあるべき」という理想に縛られすぎているのかもしれません。あなたが理想とする結婚相手の条件や時期にとらわれすぎていて、現実とのギャップに苦しんでいるのだとしたら、それは一人で考え込みすぎているのではないでしょうか。
もっと恋愛とは自由であるべきだと考えても良いのかもしれません。現実を見ること、妥協も必要です。誰かに相談して、自分の考えているビジョンが一般的かどうか確認してもいいでしょう。必要以上に自分を縛らないようにして、幸せな恋愛を楽しみましょう。
■逆位置の意味
結婚の時期や相手について占ってワンドの10の逆位置が出た場合、責任感やプレッシャーに押しつぶされそうになっています。
恋人や家族などから受ける心理的なプレッシャーや社会的な責任が大きくなっているようです。あなたの意志を尊重してくれる環境ではなく、あなたは自由な考えが出来ずに苦しんでいるのでは無いでしょうか。
このままでは、あなたはプレッシャーに耐えられずに逃げ出すことさえ考えてしまいそうです。責任から逃げないでしっかり自分の役割をやりきるか、それが無理であれば少しでもあなたの意志を汲んでもらえるように周りに働きかけましょう。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[浮気編]
■正位置の意味
パートナーの浮気を疑ってワンドの10の正位置が出た場合、危険信号です。
相手はあなたにかなりの不満を持っている可能性があります。しかし嫌われたくない、または面倒なことになるのがいやなのでその不満を口には出来ません。
もはや義務感や惰性で付き合っているだけです。あなたに対するストレスを発散させるため、またはあなたからの解放を求めて浮気に走る可能性は十分にあります。
問題を解決しないと二人の関係は近いうちに終わってしまう可能性があります。あなたに何か反省すべき点はないか、または二人の間に先延ばしにしている問題は無いか考えてみましょう。
■逆位置の意味
パートナーの浮気を疑ってワンドの10の逆位置が出た場合、正位置と同じように危険信号が出ています。二人の関係は近いうちに終わってしまうかもしれません。
パートナーが抱えているあなたに対する不満は既に限界に達しています。とっくに心は離れ、浮気もしているかもしれません。浮気がばれたとしてもかまわないと思っているようです。あなたとのこれからの関係性を心配することもなく、どうにでもなれと投げやりな気持ちでいます。
既に手遅れの可能性もありますが、もし関係の修復を望むなら、あなたの責任から逃げずにパートナーと真摯に向き合って話し合うべきでしょう。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[人間関係編]
■正位置の意味
人間関係の悩みについて占ってワンドの10の正位置が出た場合、周囲からの期待を重荷に感じてしまいそうです。
または周囲に迷惑をかけることを非常に恐れて、あなたは萎縮してしまっているかもしれません。あなたが責任感の強いタイプならば、縁の下の力持ち的な役割を担うでしょう。一人で苦労を背負って奔走することになりそうです。
しかし、たとえあなたが世話好きな人だったとしても、さすがに疲労を感じてしまうでしょう。なぜこんな目に遭っているのだろうと自虐的な気持ちになりそうです。もう少し他人を信用し、頼ってもいいのかもしれません。
■逆位置の意味
ワンドの10の逆位置が出た場合、波乱の多い人間関係になるでしょう。誰かがしてしまったミスのとばっちりを受けるはめになったり、八つ当たりされたりと、トラブルに巻き込まれる予感があります。
自己中心的な人に振り回されて疲れることもあるでしょう。逃げ出したい状況に陥ってしまいそうです。
つらい時には逃げてもかまわないのですが、負担を誰かと分担することによってあなたの現在の立場や状況は変わる可能性があります。あなたを助けてくれる人を探してみてください。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[仕事編]
■正位置の意味
仕事について占ってワンドの10の正位置が出た場合、自分の身に余る責任や仕事内容を抱え込んで苦しむことになりそうです。
へとへとになるかもしれませんが、あなたには責任感がしっかりあるため、真面目に取り組んでやり遂げることができるでしょう。しかしプレッシャーが大きく、精神的または肉体的に強い疲労を感じることになります。オーバーワークで体調を崩さないようにくれぐれも気をつけてください。
周りに相談して仕事を割り振ることが必要です。大きな仕事は役割を分担して取り組みましょう。または、不必要なことや理不尽なことは断る勇気も時には必要です。求められるがままに応じていると、いつかオーバーヒートしてしまいますよ。
■逆位置の意味
仕事に関して占ってワンドの10の逆位置が出た場合、仕事に関するなんらかのトラブルが起きそうな暗示です。
働き過ぎて体を壊したり、不祥事の責任を押しつけ合うことになったりする可能性があります。トラブルが続き、計画が失敗すること、問題を肩代わりさせられることや八つ当たりを受けることも予想されます。
重圧が限界に達して挫折すること・ものごとを放棄することを表すこともあります。病気やけがによる休職・途中退職やリストラなどもありえそうです。
仕事をやり遂げられる自信がない場合、代役を立てたり引き継ぎを行ったりするなど、あなたの後を継ぐ人が迷惑を被らないようにしておきましょう。また、あなたの身に危険が迫っている場合は身を守る方法を考えておくべきです。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[未来編]
■正位置の意味
未来の行く末を占ってワンドの10の正位置が出た場合、頑張りすぎてオーバーヒートしてしまう予感があります。
一人で重圧を背負い、今のところはなんとか耐えているものの、このままではその重さに負けてしまうでしょう。進めていたことを諦めざるをえなくなったり、体調を崩したりすることがありそうです。
この状況を打開するためには、今一度自分が背負っていることについて見直す必要があります。すべきことと後回しにしても良いことを選別し、持ち物を取捨選択するとよいでしょう。また、他人の助けが必要な局面となることが予想されます。なんでも独力で進めようとせず、周りの意見に耳を傾けましょう。
■逆位置の意味
未来の行く末を占ってワンドの10の逆位置が出た場合、トラブルが重なって踏んだり蹴ったりの運気となる暗示です。逃げ出したい状況に追い込まれてしまうことがあるでしょう。
正位置と同じように、現在頑張ろうとしているものごとが最後まで進まず放棄せざるをえなくなることや、挫折することになるかもしれません。プレッシャーに耐えかねて、無責任に仕事を放り出してしまう状況もありえます。
責任から逃げないで、なんとか踏みとどまる方法を考えてください。諦めるにしても、せめて他人の迷惑にならないようなやり方を選びましょう。自信がないなら他人の協力を仰ぐことや代役を立てることもよい方法です。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[人生編]
■正位置の意味
人生の悩みにおいてワンドの10の正位置が出た場合、疲れや重圧感が強くあなたにのしかかっているようです。
しかし、へとへとの状況でもあなたは諦めず、なんとかやり抜こうとする意志があります。それはとても尊く、評価できることです。ただ、ワンドの10はワンドのスートが持つ「情熱」という意味が強すぎる状態で、あなたのやる気はあなたがこなせる容量を凌駕してしまっているのです。それに気がつくべきでしょう。
自分が出来ることから一つずつこなしていくこと、そしてできない場合は他者の助言や助力を得ることが肝心です。自分だけで維持していくことは難しいこともあることを知ってください。
■逆位置の意味
人生の悩みにおいてワンドの10の逆位置が出た場合、それは重圧に耐えかねて投げ出したり諦めたりしたくなっている時です。
ただし、このカードは少し不思議な側面を持っています。プロジェクトの失敗や挫折を意味することもあるのですが、別の視点に切り替えるチャンスが到来している時でもあります。自分一人で抱えていた重荷を誰かと分担するという視点です。そうすることによって、あなたの人生は簡単になり、スムーズに事が運ぶようになる可能性があります。
もちろん、自分の責任を放り出したり人に押しつけたりするような態度ではいけませんが、分かち合うことや協力することは必要なことです。それは人間関係における豊かなコミュニケーションを生み出し、あなたを苦難から救ってくれるかもしれません。
ワンドの10の正位置・逆位置の意味[金運編]
■正位置の意味
ワンドの10の正位置が出た時の金運は少し複雑。しっかりとした収入はありそうだけれども、素直にそれを喜べないような状況になりそうです。
あなたの努力次第ではありますが、かなりの収入が見込めそうです。金銭を獲得するために苦労したならば、相応の富を手に入れることが出来るでしょう。または、予期せぬ幸運で大金があなたのもとに転がり込む可能性もあります。
しかし、それを失ったり奪われたりすることを恐れて嬉しい気持ちになれないという運気です。金銭を管理することに追われて、楽しく買い物をすることやものを手に入れる喜びを素直に感じられないでしょう。
得たものに対してどう感じるかは心の持ちようですが、金銭の運用や管理についてはしっかり考えて決めておく必要があるようです。
■逆位置の意味
ワンドの10の逆位置が出た時の金運はまずまずです。一仕事終えてほっとできると同時に、その報酬が入ってきそうです。
そして、正位置と違ってその管理や貯金に頭を悩ませること無く、開放的な気分でお金を使えるでしょう。しかし、たがが外れたように衝動買いを重ねてしまうこともありえます。散財には気をつけましょう。
束縛から解放されて自由になった気持ちで、財布のひもも緩みがちになっています。楽しい買い物をすることは気分を上げてくれますが、蓄えはしっかり残しておいてくださいね。
ワンドの10が正位置で出たときの対策アドバイス
ワンドの10の正位置は責任と重圧のカードです。重荷を抱えて苦しんでいる様子のカードの主人公は、それでも荷物を手放すことはしません。疲労しながらも必死で頑張っている最中を表しています。
あなたが今負っている苦労は、しかしあなたを救うものかもしれません。あなたが今抱えているのはピンチなのかチャンスなのか分かりません。あなたの現状をよくする可能性があるからこそ、あなたはそれを手放さないでいるのかもしれませんね。あなたが持っているものは何か、それはあなたにどんなことをもたらすのかを考えてみましょう。
自分の力だけで物事を成し遂げようとしているから苦労しているという可能性もあります。誰かに自分の荷物を運ぶ手伝いをお願いすることを考えても良いでしょう。
ワンドの10が逆位置で出たときの対策アドバイス
ワンドの10の逆位置は、重圧から解放されようとしている状況を表します。プロジェクトの失敗を意味することもありますが、たいていの解釈では肩の荷が下りてほっとする状態になることを指します。あなたの進む道がすっきりと片付き、簡単になる暗示です。
ただし、責任を放棄するという投げやりで独りよがりな状況を表すこともあります。あなたの行動が他人に迷惑をかけていないかを考えましょう。
正位置が表していた「一人で重荷を抱え込む」状態が解決するという読み方もあります。その場合、あなたは周りの人と密なコミュニケーションを行えるようになり、人間関係はより豊かになるでしょう。
まとめ
「ワンドの10」は責任のカード。重荷を抱えて四苦八苦している様子を表します。正位置の場合は責任感はしっかりあるけれどもそのせいで疲弊している様子を、逆位置の場合は責務を放り出して自由になろうとしている状態を表しています。
この状況を耐え抜けば、あなたは精神的に大きく成長できるでしょう。また他人と問題を分かち合い、協力してものごとに取り組むことができるなら、あなたの苦労は軽くなる場合があります。自分が今何を一番に行うべきか、優先順位を決めることも役に立つでしょう。