一緒にいるとなぜか気分が落ち込む、どんよりしてしまう、楽しくなくなる相手っていませんか?もしかしたらその人はネガティブ思考の人かもしれません。
ネガティブ思考はうつりますので、一緒に過ごす時間が増えるとこちらの思考もネガティブになってしまいます。
できればポジティブ思考もおりまぜた生き方の方が楽しいはずです。周囲の人や自分にネガティブ思考の片鱗が見えたら、特徴を知って対処しましょう。一度には無理でも、毎日少しずつ続けることで、変化が現れるかもしれません。
ネガティブ思考が必ずしもよくないわけではありませんので、上手に付き合う方法もあります。
ネガティブ思考の意味とは?
後ろ向きの考え、否定的な気持ちを優先する、自分のことだけでなく、他人に対しても不安を抱くことが多い、最悪のパターンを想定して生きているなど、なかなか生きづらそうです。
自分に自信がない人に多く、失敗することを過度に怖がる傾向があります。そのため、いつも最悪のパターンを想定しておけばどんな失敗をしてもパニックにならず、やっぱりこうなった、と落ち着いて行動ができるという考え方です。
多かれ少なかれ誰の中にもある思考回路ですが、それしかない、それがほとんど占めている人のことを、マイナス思考な人と呼びます。
総体的に暗く、幸福感を感じづらく、チャンスをつかみ損ねることが多い考え方です。強力な後ろ向きの否定的な考え方ですので、それに準じたことを引き寄せます。トラブルや良くないことが起こりやすく、既成事実ができてしまうため、相当意識して改革をしないと抜け出しにくいです。
ネガティブ思考が止まらない…思考停止になる?
ネガティブな考え方の連鎖から抜け出せず、抜け出せないというその状況にさらにマイナスイメージが浮かんで、ネガティブ思考がぐるぐると頭の中でメビウスの輪のように回転してしまっている時は、思考停止状態だと思ってください。
だって、ネガティブではあるけれど、考えているじゃないかと思われるかもしれませんが、考えているようで、実際は脳が今までのネガティブな思考回路をただ、癖の通りにたどっているだけです。
どうせ自分はダメな人間だ、失敗するに決まっているなど、決めつけがひどく、新しいものが苦手なため、新しく別の思考回路に移行することが難しくなっています。
新しい回路を開拓するのが難しくても、考えても結論が出ないことを何度も繰り返し考えているということに気がつけば、思考停止状態から抜け出すことも可能です。
ネガティブ思考になる原因5個
■1. 心的外傷
学校や会社でひどいいじめにあったり、家庭内で虐待されたり、自己否定を無理やりしいられた経験があったりする場合、ネガティブ思考になりやすくなります。
肯定的な考えをしているよりも、否定してしまった方が自己保身ができやすい状況を体験しているからです。人は体に怪我をするように、心にも怪我を負います。
体の傷をお医者様に直してもらったりするように、怪我をした心を人になおしてもらうことも、時には必要です。
程度問題ですが、あきらかに過去の経験から抜け出せずにこころが血を流していると自覚しているのであれば、人を頼った方がいいでしょう。
■2. 大きな挫折
自分のすべてをかけて、ものすごい努力をしてのぞんだにも関わらず、達成ならず、大きく失敗してしまった経験がある人です。
たとえば、絶対に受かるよと言われて本人も必死に勉強し、受験した学校に受かることができず、それどころか他の学校もすべて落ちてしまったという強烈な挫折をすると、自信を喪失し自分を否定する癖がついてしまいます。
どうせ自分なんか、努力してもこの程度、成就することなんてないのだ、頑張ったってまた失敗すると心が委縮してしまうのです。
そして、挫折を繰り返すのが怖くて不安なので、いつも失敗したビジョンを想像してシミュレーションしてみたり、はじめからあきらめて挑戦しない人生を選んだりします。
■3. 成功体験の少なさ
挫折と少し似ていますが、達成したという経験が少ない人にもネガティブ思考の人が多くいます。人は何かをやり遂げ、達成したという成功体験をすると、人から認めてもらえたという自信や誇り、プライドにつながります。
この体験をすると、今まで見てきたものの色が変わるほど、高揚感があったり、意欲がわいてきたりと、とても晴れやかな気持ちになります。
成功体験がない場合、なにをやっても自信が持てず、人から認められていないと思うことから、自分を過小評価する癖がついてしまいます。
何度も失敗を繰り返すような、成功体験と逆の経験を繰り返すと自分は何をしてもまともにできない、など、ネガティブ思考に固まりやすくなります。
■4. ネガティブ思考の人に育てられた
両親や育ててくれた人がネガティブ思考の場合、子供がネガティブ思考から抜け出すのは大変です。ネガティブ思考の人は心配性が多いので、子供に対しても心配が尽きません。
何をするにも、そんなことしなくてもいい、あなたにはどうせできない、失敗すれば、それみたことか、だから言ったじゃないのとネガティブな言葉を浴びせかけます。
子供は好奇心が旺盛でやりたいことが多いのですが、こうやって芽を摘まれると、そのうちに、自分にはどうせできないと考えるようになります。
褒められない、認められないということが、どれだけ子供の精神に大きな影響を与えるかということを考えるとネガティブ思考の人は、子供を育てる時に注意が必要です。
■5. セロトニン不足
セロトニンとは脳内伝達物質の一つで、体内で作れません。食べ物から原料を取り入れ、太陽に当たったり運動をしたりすることで分泌が促されます。
心のバランスをとり、精神の安定に影響があるのですが、セロトニンが不足すると、不安感が強くなったり精神的に不安定になったりします。そんな状態でものごとを考えると、ネガティブになりがちです。
セロトニンは睡眠ホルモンのメロトニンを作り出しますが、不足すると睡眠障害を起こし、睡眠不足から自律神経のバランスを崩す可能性もあります。
朝早めに起床し、太陽の光を5分でも10分でも浴びることで解消することもあります。
ネガティブ思考の人の性格
自分の人生にネガティブなことがあってはいけないと思っています。そして自分がネガティブ思考であることをよくないことだと思ってもいます。
その発想自体がネガティブであるということには気づいていません。ネガティブ思考に飲み込まれているので、幸せやラッキーなできごとの中に、ネガティブな要素を見つけるのが得意です。
なにかハプニングが起こった場合は、必ず不幸なできごとであると断定してしまいます。
内向的で自分に自信がない人が多いので、自己評価が過小で、どうせ自分には無理、役不足、力不足と、周りが評価してくれたことに対しても、否定してしまいます。周囲で失敗やもめごとがあると、自分のせいかもしれないと考えます。
失敗をとても怖がっているので、常に最悪のケースを考えて行動し、最悪のできごとに対応できるように、脳内で繰り返し妄想しているので、職場などでは危機管理能力が優れた人として、役に立つこともあります。
ネガティブ思考の人の特徴・共通点5個
■1. 褒められても否定する
人に褒められるとまずは否定します。そんなことないよ、私なんてどうせ○○だし、いや全然違うからなど、謙遜が美徳といってもせっかく褒めているのに褒めた方が嫌な気持ちになるような対応です。
ネガティブ思考になった原因が褒められ慣れていないということに起因している人に多いですが、過去のトラウマから人を信用できない人もいます。
どうせ、嘘なのだろう、褒めて喜んでいるのを馬鹿にして笑うのだろうなど疑心暗鬼になっている状態です。
■2. いつも悩んでいる
いつも不安を感じて、何かに悩んでいます。普通の人なら悩みというより一時的に立ち止まって考えているような案件でも、時間が許す限り、思いつく限りの最悪のケースを妄想して、悩みをせっせと作っています。
あまりにも悩みすぎていると、いったい最初のとっかかりがなんだったのだろうかと分からなくなるくらい、脳が疲れてしまいます。
人間、疲れていると思考がネガティブにかたよりがちですが、最初からネガティブな人はさらにネガティブループから抜け出せなくなります。悩みすぎて疲弊しているので当然笑顔が減り、どんよりしたオーラを放っています。
■3. 人と比較する
他人と自分を過度に比較して自分を過小評価します。
自分に自信がなく、自分を好きになれない人が多いため、比較した自分の価値の低さに落ち込み、やっぱり自分ってこうなのだ、だから上手くいかないのだ、自分なんてかわいくない、つまらない人間だと自己否定を繰り返します。
何をしてもうまくいかないと、人を羨ましく思ったり、妬ましく思ったりしても、解決策を見いだせずにいます。
人と比較して落ち込んだあと、自分を鼓舞することは成長につながりますが、比較して落ち込みっぱなしでは無意味です。
■4. 慎重すぎる
どうしてもリスクへ目がいってしまうため、慎重にならざるを得ませんが、程度問題です。石橋を叩いて叩き割って破壊し、粉砕して消し去ってしまうので渡れません。
失敗をするのではないかと不安に思い、何かを新しく行動に移すのが怖くて仕方ないのです。
慎重に考えて悩んでいる間に問題が解決してしまっていたり、他の同僚が上手に立ち回って昇進してしまったりするかもしれません。そうなるとまた、どうせ自分なんかのループが頭をもたげます。
■5. 同じ話を繰り返す
恋人の愚痴にはじまり、過去の失敗談や今不安に思って悩んでいること、自分の過小評価の話や、心配していることなど、繰り返し同じ話をします。
はじめて聞くときは、一緒になって心配したり驚いたりしても何度も繰り返し同じ話を聞かされると飽きてうんざりします。
普通の話だって何度も聞かされればいやになるのに、内容がすべてネガティブなものだとすると、一緒になってどんよりしてしまいます。本人に悪気がないのでなおさら始末におえず、自覚がないぶんたちが悪いです。
ネガティブ思考のメリット
ネガティブ思考は本人にとって不安がつきず、悩みが多く辛いものですが、デメリットだけではありません。ネガティブな人は不安や悩みを感じやすいことからそれに対処すべく、対策を練ります。
不安が多い分、何度も繰り返し色々なパターンを妄想するため、最終的には危機管理、リスク回避が完璧になります。
あらゆるケースが想定済みなのでなにがあっても対応できます。ポジティブ思考はよいとされますが、なんでも上手くいくと思い込みリサーチ不足で突っ込んで玉砕ということもあるのです。
ネガティブ思考の人はとても慎重で思慮深く、控えめな人が多く、ブレーキの役目を果たすため、大切な人材です。ネガティブ思考は見方を変えれば、自分や周囲をリスクや危機から守ってくれる大切なパートナーなのです。
ネガティブ思考の改善克服方法5個[仕事・職場編]
■1. 今日やることを見える場所に貼っておく
失敗してパニックに陥ってしまうことがとても怖いと思っています。それを回避するには失敗しなければいいのです。そのためには、ポカをしない、忘れないことが大切です。
今日、自分がこなすべき業務、忘れずに行うべき報告、クライアントの誰に連絡を取らなければいけないか、わからなくてパニックになりそうだったら誰に相談したらいいのか、全て付せんに書きだして自分の目につくところへ貼っておきます。
頭の中に詰まっていたものを外に出した分、可動域が広くなり、仕事の効率が上がり、失敗が少なくなります。できたものから外していけば、なくなる頃には本日の業務は無事終了することができます。
■2. 人と比べず、自分と比べる
人と自分を比較して、自分を過小評価し、落ち込むのがデフォルトの人は比べる対象を変えてみましょう。
自分はまだ平なのに同期が出世した、どうして後からきた後輩が上手に仕事をこなしているのに、自分にはできないのだなど他人と自分ではなく、自分と自分を比較するのです。比較して落ち込んだ時、なんとかどうにかなりそうなのは自分のことだけです。
その自分だってうまく付き合いきれなくて、右往左往しているというのに、比較した他人など、どうにもできません。
入社したときは全く仕事ができなかったのに今は、プロジェクトを任せてもらえている、後輩もでき新人指導もしてきた、など、褒めなくてもいいので既成事実だけを見てみましょう。
■3. 人とトラブルになったらその人を観察してみる
理不尽に誰かに怒られたり、嫌なことを言われたり、誰かとトラブルになったらネガティブ思考の人はすべて、自分が悪いと非を自分のせいにして落ち込みます。
本当にそうでしょうか。トラブルになった人にはなにも原因がないのでしょうか。
自分に向かってきたとき以外の相手をよく観察してみてください。取引先との電話に汗だくで謝ったりして部下のしりぬぐいに奔走していたり、噂で家族内でうまくいってないみたいだと聞いたり、もしかしたら、本人の体調がすぐれなかったりするのかもしれません。
自分に八つ当たりしただけだとわかれば、気の毒にと同情してあげることもでき、落ち込む必要もなくなります。
■4. 無理にポジティブになろうとしなくていい
ネガティブ思考の人はネガティブであること自体、よくないことだと落ち込みさらにネガティブ思考を深めていきます。
もちろん、ポジティブ思考の人の方があっけらかんと明るく、付き合いやすい部分もありますが、無理にそうなろうとしなくてもいいのです。
世の中で名を挙げた人全部がポジティブ思考ではないのです。ネガティブ思考だからこそ、不安を感じそれに対応できる方法を何度も繰り返し色々なパターンで想定します。
その結果、何度も見直すのでミスが少なくなり、念入りにチェックするためクライアントへの対応が迅速になり、トラブルにならないように相手をよく観察しているので気持ちよく仕事ができるように気が利くのです。
■5. 会社を辞めたくなったら視点を変える
それでも、ネガティブな思考回路から抜け出そうとして抜け出せず、会社にいること自体が苦しくて、消えてしまいたい、会社を辞めたいと思ったら、なぜ自分が今、ここにいるのか考えてみてください。
苦労をして就活をしてまで、どうしてこの会社に入ろうと思ったのか、入社したてのころ、どんな気持ちで毎日出社していたのか、思い出してみましょう。
この会社で働くモチベーションはなんでしょう。理想と現実が違ってもここまで働いてきた理由はなんでしょう。
目の前のことにとらわれがちなので視点を変えてみましょう。そこまで考えて、それでもやっぱり無理なら、もっと自分に合う会社や業種を探しましょう。ここがすべてではありません。
ネガティブ思考の改善克服方法5個[恋愛編]
■1. 甘え下手で結構
ネガティブ思考の人は人を信用するのに時間がかかり、頼ったり甘えたりするのが苦手です。甘えたいと思った時にまっさきに頭をもたげるのが、相手が嫌がるのではないか、負担にならないだろうか、重荷に、面倒になどのネガティブ思考です。
これは見方を変えれば、相手を思いやって、気をつかっている心配りができる人の発想です。
ですが、結局、本心では甘えたいのに甘えることができず、自分で何でもできてしまうしっかり者が生まれます。
ぐいぐい攻める自由奔放な人の真似をするのはハードルが高すぎますので、無理をせず、思慮深く控えめなネガティブ思考の人のよいところをいかして、ゆっくり距離を縮めればいいのです。
■2. 過小評価はステップアップするために
人と比較して自分を過小評価する癖がありますが、デメリットばかりではありません。こんな自分はすごいあの人には釣り合わないかもしれない、外見も中身もほかの人よりも劣っているかもしれない、という過小評価を受け入れたうえで、次に何をするのかが大事です。
ネガティブ思考の人のよいところは、最悪の事態を想定してあらゆる対処策を考えられることです。
上記のような評価を自分に下したのであれば、それに対処する方法を考え実行するまでです。自信がないからこそ、自分に磨きを入念にしましょう。
■3. 謙遜しすぎない
自分のことが好きですかと聞けば、ネガティブ思考の人はほとんど、好きではないと答えるでしょう。謙遜は日本人らしい美意識とされていますが、程度問題です。
相手がきれいだ、かわいい、素敵、かっこいい、頼れるなどと言ってくれたのに、頭から否定してばかりでは、本当に嫌われてしまいます。その言葉たちは、相手の愛情が形になったものです。
それを否定するということは、相手の愛情を受け取らないで拒否していることと同じです。
自分なんか、どうせ、だって、と心で思ってもかまいません。それらの言葉を口にしない努力をしましょう。返事ができなくてもいいので、笑顔になる、口角をあげるだけでもかまいません。
■4. 好かれるネガティブ思考へ
ネガティブ思考には好かれるタイプと嫌われるタイプがいます。嫌われるタイプは人に迷惑をかけ、どうせ自分なんてといじけて先へ進みません。
好かれるタイプは不安や悩みから抜け出せなくても、防御のための対策を練り、あらゆるトラブルを想定してそれに備えて、人の役に立ちます。
どうせネガティブから抜け出せないのであれば、好かれるネガティブ思考になりましょう。
不安や悩みが多いのは、痛みを知っているということです。人の痛みもわかってあげられる優しさにつながります。恋人が不安になったとき、悩んだとき、落ち込んだとき、どんな言葉がほしくて、なにをすれば落ち着けるのか、ネガティブ思考の人なら知っているはずです。
■5. 最悪のパターンは相手のため
常に最悪のパターンを考えて悩むのは、自分を守るためです。
誰かにとられてしまうかも、飽きられてしまうかも、こんな自分でいいのか、もっとふさわしい人がいるのではないかと、不安になるのは過去の体験を繰り返さないための防御策でもあります。
大丈夫だと思っていたのにダメだったときのショックは大きいです。最初から無理かもと思っていれば、ショックは受けますが、やっぱりと小さくて済みます。
その防御方法を自分の不安の為だけに使わず、相手の不安を取り除くために役立ててください。相手が不安になりそうなあらゆる要素を想定して取り除くことはネガティブ思考の人にできる特技でもあります。
ネガティブ思考の改善克服方法5個[人間関係編]
■1. 人見知りは自分だけじゃない
自分をどう見られるか不安で、初対面の人が苦手です。
・赤面してしまう
・何を話したらいいかわからない
・挙動不審になる
・目を見られない
などの症状をあらかじめ自覚していると、悪い印象をもたれるのではないかとさらに不安になります。
日本人は遺伝子的に不安を感じやすい人種らしいので、表面化しているか否かのレベルの違いはあれ、ほぼみんなが人見知りです。
知らない、わからない人やものごとを警戒するのは、自己防衛として必要です。分かりづらくても相手も人見知りしているはずです。自分だけではないと分かれば気持ちが楽になります。
■2. ネガティブ思考はみんな持っている
ネガティブ思考しかない人、ポジティブ思考しかない人はほとんどいません。量の多さは人によってまちまちですが、誰しもが両方の思考を持っていると言っていいでしょう。
ネガティブ思考が雨天、ポジティブ思考が晴天だとしましょう。
雨ばかりが続いては、カビがはえたり、ものが腐ったりして大変ですが、かとって、晴天ばかりでは干上がってしまいます。どちらも大切なのです。
自分がネガティブ思考だから人間関係がうまくいかないと思うことはないのです。ネガティブ思考の人には、人と付き合ううえで大切な、人の痛みがわかり優しく接することができる、気づかいが細やかにできるなどの長所があります。
■3. 人目が気になるのは思いやり
嫌われているかもしれない、だめな人間だと思われているかもしれないとどうしても人の目や評価が気になってしかたがないときがあります。
それは返せば、その人にとって嫌な人間になっていないか、迷惑をかけていないかとその人を気づかって思いやっていることにつながります。
人は大抵自分が一番ですが、空気を読んで相手を思いやることができるネガティブな人は、貴重な人なのです。
人目や評価が気になるときは何が自分の中で不安なのか、とことん突き詰めてみましょう。不安の種が見つかったらそれに対処すればいいのです。
■4. 人に期待しすぎない
誰かとうまくいかなったとき、どうしてうまくいかないのだろう、自分に落ち度があるかもしれないと落ち込んでしまいがちです。
自分がダメだから、落ち度があるからではなく、相手が上手に会話できない人の可能性もあります。
相手は上手に会話できて当然と期待していると、できなかったときにショックが自分にまわってきます。
人の心は分からないものなので、コントロールなんてできませんし、期待通りになどならないものです。唯一何とかなりそうな自分ですら上手にコントロールできないのですから当然です。最初から、過度に相手に期待しすぎなければいいのです。
■5. ポジティブ思考もうつる
ネガティブ思考はうつると言われますが、ポジティブ思考もうつります。類は友を呼ぶで、ネガティブ思考の人の周りには似たような思考を持つ人が集まります。
そのため、あまりポジティブ思考の人との交流がないかもしれませんが、これを機に少しだけそばに寄ってみましょう。
無理に会話したり、悩み相談をしたりしなくてもいいのです。ただ一緒にいるだけで、その人達の会話を聞いているということは、ポジティブな言葉のシャワーを浴び続けているということになります。
音が波になって鼓膜を震わせて脳に直接、ポジティブシンキングを注ぎ込みます。だからといってすぐにポジティブ思考な人になるわけではありませんが、影響はあります。
ネガティブ思考の人との付き合い方・対処方法5個
■1. さっくり付き合う
ネガティブ思考の人だと周囲の噂から知っていたら、当たり障りなくお付き合いします。目が合ったら、にっこり挨拶する程度でいいでしょう。
特に仲たがいする必要もありませんが、かといって積極的にそばにいって友達になろうとしなくても、顔見知り程度の付き合いができれば大丈夫です。
特に、感受性が鋭く、人の思いや言動に気分が左右されやすい人は、ネガティブな人の出す気配の影響を受けやすいので、自分の体質や気質などに合わせて付き合う程度を決めるといいでしょう。
■2. 普通に付き合う
そこまで影響を受けないのであれば、普通の友達としてお付き合いします。
ネガティブ思考になったきっかけや原因によって根深さは違ってきますので、特に相談事を持ちかけられたりしたときは少し注意が必要です。
意見をしたりアドバイスをしたりすると、否定された、よくないと言われたと取られますので、聞くだけにとどめていた方が無難です。
愚痴も多いですし、あまりにもしつこく考えてもどうしようもないことを繰り返し聞かされるようであれば、スルーするか、さりげなく違う話題を振ってみましょう。
■3. とことん付き合う
ネガティブな人の闇を承知で付き合うのであれば、相当の覚悟が必要です。思考はうつりますし、一緒に落ち込んでしまっては元も子もありません。
無理にポジティブ思考に変えようとせず、ネガティブな思考を受け入れ、不安がったり、最悪のことを考えたりする理由を、どうしてそう思うのかとことん聞きだして、一緒に対処策を考えてみましょう。
ネガティブな人に流されないほどのポジティブ思考か、強靭な精神力が必要です。
基本的には優しい気持ちの持ち主ですから、長く付き合うのであれば、その人のいい部分を一度にではなく少しずつ擦り込むように教えてあげてください。同じネガティブ思考でも、悩み続ける辛さから解放されるかもしれません。
■4. ケンカをしてはいけない
ネガティブ思考の人のそばにいると、友達や恋人の愚痴や、どんなに考えても答えのでない不安や悩みを繰り返し聞かされることが多くなります。
最初から承知して付き合っていたとしても、虫の居所が悪かったり、体調が悪かったりする時には、むっとしてしまうこともあります。
つい、ケンカ腰になりますが、ネガティブ思考の人とケンカをしてはいけません。絶対に勝てないからです。
ケンカは相手を悪く言うことが普通ですが、こちら相手を悪く言おうとしても、すでに向こうは最悪のシーンを完璧にシミュレーションしていますので、こちらの安易な応酬などすでに想定済みなのです。
■5. 縁を切る
最初から知り合わなければよかったのですが、知り合ってしまったけどどうしても付き合いきれない場合は縁を切りましょう。
それでなくても自己肯定が難しい人なので、かなり落ち込んだりするでしょう。そこまで付き合いきれないと縁を切るのですから、相手から嫌われて当然と思うべきです。
ただし、どうしてもう付き合えないのかは誠意をもってきちんと説明するのが礼儀です。
悩みやすい性格なので、理由をしっかり伝えて、何があってももう連絡はとれないと線引きをすることも必要です。
ネガティブ思考の診断チェックリスト
いくつあったからネガティブ思考だという基準はありませんが、多く当てはまればそれだけネガティブ思考の傾向が大きくなります。
・周りの人から根暗と嫌われていると思う。
・初めてのことは怖いことだと思う。
・上手くいかないイメージがわきやすい。
・失敗することが恐怖だ。
・だけど、どうせ、だって、でも、だから、が口癖。
・いや、と否定形の返事から入る。
・いつも何かに悩んでいて悩みが尽きたことがない。
・悩みがない時にも無意識に悩みを探している。
・自分の人生は失敗ばかりだ。
・失敗したことは延々とくよくよと考え続ける。
・自分は変われない、ダメな人間だと思う。
・劣等感や不安感をいつも感じる。
・自分は人よりも劣っていると思う。
・人からのアドバイスは、自分へのダメだしだと思う。
・人と自分を比較して落ち込むことが多い。
・なにごとも最悪のケースを想定する。
・自分に自信がない。
・人に甘えるのが苦手。
・人見知りが激しい。
ネガティブ思考を抜け出すおすすめ本3冊
・「思い通りにいかない自分を変える技術」
・「ネガポ辞典 実践編 ネガティブな言葉をポジティブに変換」
・「マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣」
まとめ
ネガティブ思考の人の中には、自分がネガティブ思考だと理解したうえで、それでもいいと思える、ネガポジ思考な人がいます。
このタイプは自己否定しつつもそれを含めて自己肯定が自分でできますので、そのままでいても問題はありません。
ネガティブな自分を否定しつづけて受け入れられない人は、悩みや苦しさから解放されづらいので、ある程度克服したり改善したりする必要があります。
ネガティブな思考は時に、自己防衛に役立つ、大切なパートナーです。誰もが持っている思考ですので、ネガティブ思考イコール悪いと考えずに、受け入れて上手に付き合いましょう。