ペンタクルとは金貨(コイン)のこと。お金は人の生活の基盤と言ってもいいものです。このことから、ペンタクルは物質的な豊かさと実用性を象徴するスートとなっています。勤勉さや地道な活動、自然や大地のことも表します。
ペンタクルの4では、ペンタクルを大切に抱えてまっすぐにこちらを見据える男が主人公です。その表情は硬く、着ているものは立派に見えるけれども、あまり幸せそうではありません。彼はペンタクル(お金)をどう思っているでしょう?また、世間のことをどう思っているでしょう?これを考えることが、このカードを読み解く鍵になりそうです。
このペンタクルの4がタロット占いにおいて表す意味について、こちらでは基本的な事柄をご紹介します。恋愛・仕事・金運など、様々な状況別にペンタクルの4の正位置・逆位置が表す内容について見ていきましょう。
タロットカードのペンタクル(金貨)の4とは?基本的意味と内容
ペンタクルをしっかり抱えこんだ男性。ペンタクルがお金であると考えると、彼は自分の財産に執着し、しがみついている守銭奴だととらえることができます。
強い所有欲と豊かさへの執着を表しますが、お金が誰かとものを交換するという役割を持っている以上、彼が世界との関わりを断つことは出来ません。それは、彼の背後に賑やかな町並みが広がっていることでも分かります。
正位置では安定した生活を得ていること、現状を維持すること、手堅い気分になっていることを表します。慎重さ、無難さを優先した行動を取る傾向にあることを示しています。
逆位置では二種類の解釈が出来ます。手堅さが過剰になって、強欲さが強く出ていることや、慎重になりすぎて全く身動きが取れない状態と見る場合。もう一つは、慎重さや手堅さを欠き、地に足が着かない行動を取ってしまう恐れがあると見る場合です。お金に目がくらんで自分を見失っている様子も表すことがあります。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[恋愛編]
■正位置の意味
ペンタクルの4の正位置は、恋愛においては安定した穏やかな関係が続いていることを表します。相手の心や行動パターンもある程度把握でき、生活的にも安定していて、とても平和な状況です。恋人同士であれば、そろそろ結婚を考えても良いかという時期に来ています。
片思い中の人も、意中の人と良い雰囲気を維持できるでしょう。フリーの人は、経済的な力のある人との出会いがありそうです。しかし同時に、安定した生活を求めるがあまり変化や冒険を恐れるという傾向も出ています。付き合いの長い恋人同士や夫婦なら、マンネリに苦しむこともあるでしょう。今の関係が壊れるのが怖くて、片思いの相手に告白できずに悩むというパターンも。
■逆位置の意味
ペンタクルの4の逆位置は、所有欲や独占欲が非常に強くなっていることを表します。強烈な嫉妬心で相手を束縛してしまうかもしれません。
相手を愛するが故、失いたくないが故の行動だとしても、相手の気持ちを無視した行動をするのはいただけません。ある程度自由な関係でなくては息が詰まってしまいます。相手をもう少しだけ信じてあげましょう。
また、安定した関係に何らかの妨害がある可能性を示す場合もあります。今はうまくいっているからと油断してあぐらをかいている人は、もう少し気を引き締めましょう。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[相手の気持ち編]
■正位置の意味
ペンタクルの4の正位置が出た場合、相手は手堅い人です。あなたといて安心感を得られることで、あなたに好感を抱いています。一緒に居て安らぐ、穏やかな気持ちになれる存在のようです。
保守的な考えの人なので、なかなか積極的な行動には出ない可能性があります。片思いをしている場合、相手が動くのを待っていては恋の進展が遅くなりそうです。
恋人同士なら、安定したお付き合いを続けて行けそう。経済的にも不安はありません。付き合いを続ける上で特にトラブルは起きませんが、そのぶん変化に乏しいでしょう。
■逆位置の意味
ペンタクルの4の逆位置が出た場合、相手はあなたを自分のものにしたい、支配したいという気持ちを持っています。
好意であるのは確かなのですが、あなたの意思を尊重するとか、自由にさせることは考えてくれないようです。片思いしている相手である場合、告白すればOKしてくれる可能性は大きいですが、かなり束縛されることになりそうです。
恋人同士の場合、頻繁に連絡しないと怒られたり、浮気の疑いをかけられたりと、あなたに対する強い執着を見せることがあるでしょう。相手の深い愛情がそのような形で出ていると考えられるので、お互いに理解を深め合うべきでしょう。まずは相手の不安を解消してあげることから始めてみましょう。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[復縁編]
■正位置の意味
復縁したいと願っていてペンタクルの4の正位置が出た場合、相手はあなたにとても未練を感じています。相手だけでなく、あなた自身も相手に依存しているところが大きいことをも表しています。
お互いに強い未練が残っているようなので、復縁を持ちかければ簡単に叶うでしょう。ただ、今が寂しいからという自分本位な動機が復縁に前向きな理由の多くを占めているので、近いうちに同じことを繰り返してしまう可能性があります。復縁するなら、ふたりのどこがいけなかったか、これからどう改善していくかをちゃんと話し合うべきです。
■逆位置の意味
復縁したいと願っていてペンタクルの4の逆位置が出た場合、あなたの相手に対する強い執着心をカードは表しています。
あまりにも相手への思いが強すぎるため、相手の気持ちなどお構いなしに暴走してしまう恐れがあります。たとえば、事務的な会話をしても「やっぱり私のことが好きなんだ」と思い込んで復縁が叶った気分になったり、いきなり押しかけて復縁を強引に迫ったりしてしまうかも。
いずれの場合もあなたにとって良い展開になるとは考えにくく、少し冷静になることが必要です。たとえ相手から連絡してきても返事は少し時間をおいて返すなど、距離を置いてみましょう。相手の気持ちや復縁に対するモチベーションを知ってから行動した方が良いです。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[片思い編]
■正位置の意味
片思いをしていてペンタクルの4の正位置が出た場合、恋愛はこのままの状況を維持することになりそうです。
手堅い運気です。うまく距離を近づけることが出来ていい雰囲気にはなれそうですが、告白してしまうとすべてが壊れてしまうような気がして勇気が出ません。心は揺れ動きながらも、現実の世界では平穏を保っている、そんなアンバランスな感覚も心地よいと感じます。
とにかくあなたにとって今は失敗が怖いので、前に進めなくても今の楽しい状態が続くなら、片思いのままでもいいと判断することになるでしょう。もう少し時間が経てば気が変わり勇気が持てるようになるかもしれませんが、今は現状維持です。
■逆位置の意味
片思いしていてペンタクルの4の逆位置が出た場合、進展しない恋にやきもきすることになりそうです。
勇気がなくて告白はできないけれど、現在の状況がもどかしくてたまりません。相手を自分のものにしたくてしょうがなくなってしまい、何かとちょっかいを出すようになっていくでしょう。また、自分と相手しか見えなくなってしまい、周囲の人に対してはつっけんどんで冷たい態度を取ってしまうことも。
あなたの評判を下げる行いは、たとえ恋に関わることで無くとも避けてください。あなたを嫌い、妨害してくる人にも注意しましょう。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[結婚編]
■正位置の意味
結婚の時期や相手に関してペンタクルの4の正位置が出た場合、そろそろ結婚を考えても良い頃合いのようです。
ふたりの関係は安定しています。経済的にも不安は無く、このままいけば自然と結婚する流れになっていくでしょう。ふたりとも堅実で真面目な考えを持っているので、特に問題なく結婚生活を送れるでしょう。派手では無いかもしれませんが、穏やかで幸せな家庭を築けそうです。
フリーの人は、経済面で安定しているいい人を見つけられる予感。自分が求めている異性の条件にもうまく妥協点を見いだせそうです。
■逆位置の意味
結婚の時期や相手に関して占ってペンタクルの4の逆位置が出た場合、結婚というものに安定性・現実性に関する問題があることを示しています。
愛情や幸せといったことに関するあなたの価値観が未熟な可能性があります。形ばかりの恋人と空しい日々を過ごすことになるかもしれません。結婚しても満たされない日々を送ることになるでしょう。
また、このカードはケチな恋も表します。お相手が釣った魚に餌をやらないタイプで、結婚する前とは全く違う待遇を受けて不満に思うなんてこともありそう。または、経済的に不安がある恋なのかもしれません。
あなたが派手な結婚式を挙げることにしか興味が無く、その後の現実的な生活のことを想像できていないことを表す可能性もあります。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[浮気編]
■正位置の意味
パートナーの浮気を疑ってペンタクルの4の正位置が出た場合、浮気の心配はかなり低いでしょう。彼はとても堅実で、いつも無難な方の選択肢を選ぶ人です。法にふれるようなこと、道徳的におかしいと多くの人が思うであろうことには絶対に手を出しません。もし誘惑されることがあっても即座に断れるでしょう。
もう一つ浮気をしない理由としては、あなたを深く愛し、失いたくないという気持ちが強いことがあげられます。逆にあなたの浮気を疑って、束縛したがるようなところがあるかもしれません。
■逆位置の意味
パートナーの浮気を疑ってペンタクルの4の逆位置が出た場合、浮気をしている可能性はそれなりにあるでしょう。
正位置と同じく、倫理に反することや多くの人の反感を買いそうなことには手を出さない傾向がありますが、それは表向きの顔で、バレなければ何をしても良いと思っているところがありそうです。
自分さえ良ければそれでいいという傲慢さも持っていて、誘惑があればホイホイ乗ってしまいそう。かなり厳しい管理をしておかないとこっそり浮気されるかもしれません。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[人間関係編]
■正位置の意味
人間関係の悩みでペンタクルの4の正位置が出た場合、特にトラブルも無く安定はしていますが、面白みに欠ける毎日となるでしょう。
何事も無く人と付き合えています。平凡な毎日を送れるでしょうが、起伏が無く、人と分かち合えるような喜びもありません。とはいえ安心感は十分得られます。平穏無事な空気であることは確かなので、このままの状態を維持していくことになるでしょう。
■逆位置の意味
人間関係の悩みでペンタクルの4の逆位置が出た場合、人を利用するような関係性になりそうです。
安定志向・保守的な態度が強い傾向です。このことは悪く言えば自分本位な考えに傾いているということ。自分さえ良ければ他人などどうなっても良いという考え、あるいは他人を閉め出して頑なに自分の殻の中に閉じこもるような考えになりがちです。
そのため、あまり他人との関わりに興味が無く、必要最低限に付き合うか、自分の利益になることに関してだけ関わるといった方向性になっていくでしょう。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[仕事編]
■正位置の意味
仕事に関してペンタクルの4が正位置で出た場合、至極順調です。手堅い利益を優先し、着実に業績を積み上げていけるでしょう。
基本的に堅実ではありますが、その奥にはしたたかな野心があります。嗅覚鋭く、利益が出そうなプロジェクトを見つけることができるでしょう。ビジネスの規模を拡大できる予感があります。
転職や起業を考えている人はこの時期に動くのもお勧めです。失敗のないように細やかに気配りしてうまく立ち回ることが出来ます。
■逆位置の意味
仕事に関する占いでペンタクルの4の逆位置が出た場合、保守的な考えが仇になってしまうことがありそうです。
安定を求めるがゆえの頑なさが柔軟な考え方と行動を阻害し、結果的に仕事の利益を減らしてしまうかもしれません。また欲をかきすぎて失敗することもありそう。保身に走って、周囲から失望されたり評判が下がったりするおそれもあります。
ビジネスをうまくやっていくには、臨機応変な対応も大切。もうけ主義に走りすぎるのは考え物です。周囲の意見もよく聞いて、柔軟に取り入れましょう。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[未来編]
■正位置の意味
未来の行く末を占ってペンタクルの4の正位置が出た場合、現状維持を続けることになるでしょう。手堅い運気です。経済的にも精神的にも安定しています。しかし人の心は貪欲なもので、より安心を得たいという気持ちが強くなるでしょう。
しだいに物質や権力、安定などへの欲求が高まっていき、仕事やお金にかなりこだわるようになるかもしれません。貯蓄や節約を求める気持ちも強く、より倹約した生活を送る可能性もあります。
利益に固執しすぎている、他人に対してとげとげしい態度を取るようになったと感じたならば、現在の保守的な態度を少し緩めることも考えに入れてみましょう。
■逆位置の意味
未来の行く末を占ってペンタクルの4の逆位置が出た場合、ものごとが思い通りに進まなくなる暗示です。
失いたくない固めに頑なな態度を取っていたのに、その安全策が裏目に出て大事なものを失ってしまう予感があります。目先の欲にとらわれて、早まった行動をしてしまうこともあるかも。
また、ケチになっている様も表します。自分の利益ばかりを追いかけて他人に冷たくしたり、お金や労力を出し惜しんだりといったことが出てくるかもしれません。自分の評判を下げてしまう行いをするおそれがありますので注意しましょう。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[人生編]
■正位置の意味
人生に悩んでいてペンタクルの4の正位置が出た場合、自分の所有物にしがみついている様を表しています。
それは環境であったり、財産であったり、仕事や家族であるかもしれません。自分の人生を構築しているものを大事にする気持ちが強いのですが、手放したくない、失うのが怖いと思うあまりに他人や他の要素を閉め出そうとしている傾向にあるといえるでしょう。
無難に過ごしたい、失敗したくない、損をせずに手堅い利益を得たいという考えが強くなっています。こうした安定を求める傾向は誰でも持っているものですが、その態度が行き過ぎるおそれも示すことがあります。
■逆位置の意味
人生に悩んでいてペンタクルの4の逆位置が出た場合、自分の所有物を手放すべきときが来ているのかもしれません。他人に開放する、あるいは新しい経験をするために持っているものを手放すことを予感させます。
新しい経験やものを得ていくには、ある程度現在の持ち物を捨てなければなりません。荷物を軽くしなくては前へは進めないのです。
お金を使ってこれからの人生に必要なものを手に入れること、あるいは安全な居場所から抜け出して新しい世界に踏み出す勇気が出てくることを示唆しています。
ペンタクルの4の正位置・逆位置の意味[金運編]
■正位置の意味
ペンタクルの4の正位置が出た時の金運は良好です。完全に貯蓄・節約に向いた運勢と言えるでしょう。
コツコツ倹約家になれそうな暗示。地道に節約と貯金を続け、かなりの額を蓄えることが出来そうです。仕事も落ち着いているので、収入は安定して入ってきますし、特に生活様式の激変するようなことも起こらないので安心して貯金に徹することが出来ます。
自制心が強く働き、急な衝動買いをしたい欲求もおさえることに成功するでしょう。もちろんギャンブルなどにも興味が出ません。通帳に貯まった額を数えるのが楽しみになるでしょう。
■逆位置の意味
ペンタクルの4の逆位置が出た時の金運は良好ですが、あまりにもお金に執着しすぎる傾向があります。ドケチになってしまう暗示です。
お金はある程度貯まりますが、貯蓄や節約に執着するがゆえにお金を出し惜しみして、買い物に失敗することがありそうです。自分の財産や利益を増やすことにしか興味が無くなってしまい、周囲の人への配慮もおろそかになるので、もうけ話を聞き逃したり、人付き合いが悪くなったりといったこともあるでしょう。利益を追求するがゆえのデメリットに悩まされることになりそうです。
ペンタクルの4が正位置で出たときの対策アドバイス
ペンタクルの4の正位置は安定性と手堅い利益のカード。このカードが出ればしばらくは平穏無事に過ごせるでしょう。失うものが少なく、安定した生活基盤の元で穏やかな毎日を送れる暗示です。
ただし、生活に面白みがなくなることや、保守的になりすぎて新しい挑戦に強い恐れを感じることはデメリットとしてあげられます。堅実であることは悪い傾向ではありませんが、ものごとに強い執着を抱いていることでもあります。開放することと保持することのバランスを考えていくと、生きることの難しさは少し緩和されるでしょう。
ペンタクルの4が逆位置で出たときの対策アドバイス
ワンドの4の逆位置は、利益ばかりを優先した末に正しい行動を起こせていなかったり、逆に損をしてしまったりする可能性を示唆しています。お金や労力を出し惜しみしている状態で、他人に対して不親切になることや評判を下げるおそれがあることを表していることもあります。
持ち物を手放したくないあまりに執着や束縛といった悪い面が出やすくなっているので、自分の態度を客観的に見直すことをおすすめします。
まとめ
「ペンタクルの4」は所有欲と安定性のカード。正位置では手堅い行動、慎重さ、安定した状態があなたの目標であり行動方針となっていることを表します。逆位置ではそれが行き過ぎて強欲、嫉妬、束縛という性格が出てしまっていることを表します。
お金であれ人の気持ちであれ、それらは誰もが欲しいと願い、安定して手元にあることを嬉しく思うもの。それらに対する執着心を表すカードです。その心が幸せを生むのか、そのせいで不幸になってしまうのか、考えてみましょう。