ソードとは剣のこと。剣は戦いを司るものですが、刃のある道具は日常生活にも役立つもの。非常に便利だけれども繊細で、扱うためには知性と洞察力が必要なあやうい道具ということです。そんなソードは風のエレメントに対応しており、理性、知力、冷静さ、正義などを表します。
ソードの10は「終焉」を表します。10本の剣で刺され、倒れている男性。あまりにも悲惨な結末です。でも、よく見るとそこまで恐ろしい絵でもないのです。
背景の空は夜明けを迎えて明るくなってきていますし、人物に刺さっている10本の剣もおおげさすぎるように感じます。ものごとが終わり、新しい始まりを迎えようとしている様子や、ものごとを誇張して悲劇的に捉えている様子を示しているのです。
このソードの10がタロット占いにおいて表す意味について、こちらでは基本的な事柄をご紹介します。恋愛・仕事・金運など、様々な状況別にソードの10の正位置・逆位置が表す内容について見ていきましょう。
タロットカードのソード(剣)の10とは?基本的意味と内容
大量の剣が刺さって倒れている男性。一見不吉で恐ろしい絵柄ですが、実はそこまでネガティブな意味ではありません。現実を受け入れることで明るい未来がやってくることを表すカードです。
その証拠として、向こうの空が白んできています。一つの考え方や出来事が終わりを迎え、新しい何かが始まろうとしているのです。今の状況がどうしようもなくつらく、悲惨に思えても、その状態は終わり、これから新しい展開を迎えていくでしょう。その未来にはきっと希望が持てるはずです。
正位置では苦しみを乗り越えて前進できることを意味します。今がつらかったとしても、これ以上悪い状態にはなりません。未来に希望が持てることを表します。現状を受け入れ、未来に向けて新しいスタートを切れる暗示です。
逆位置では、終わりを迎える準備が整っていないことを表します。つらいことや都合の悪いことを受け入れる心の準備ができていないこと、被害妄想に陥っていること、おおげさに嘆いている状態を意味しています。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[恋愛編]
■正位置の意味
ソードの10の正位置は、恋愛においては一つの分岐点を表すカードです。すべての痛みや苦しみを受け入れた先に一つの終わりがあり、また新たな始まりがある。そんな意味を持っています。そこに至るまでには強い悲しみを感じる出来事や、傷つく覚悟が必要かもしれません。でも、その先にある未来はきっと輝かしいものでしょう。
あなたとあなたの想い人との関係は一つの分岐点に来ています。それは恋の終わりなのかもしれません。しかし、その結末からあなたは新しい物語が始まる予感も感じるでしょう。あるいは、恋を通じて悟りを得ることがあるでしょう。相手のすべてを受け入れ、未来へ進み始めることができるようになるかもしれません。
■逆位置の意味
ソードの10の逆位置は、辛い状況を受け入れる準備が整わずにいまだもがいている状態を表します。悲恋に浸り、悲劇のヒロインとしての自分に酔うばかりで事態を真面目に受け止める気持ちが無いこと、過ちを繰り返すことや優しさ・愛情をはきちがえているということも指します。
まず、「かわいそうな自分」から抜け出すことが必要。その場しのぎの行動ばかりでは、結局状況は好転していきません。現状を冷静に見つめて、悲しみや痛みを伴うことともしっかり向き合いましょう。正位置とあまり意味は変わらず、悲しみも生じるけれども新しい展開に向けて希望が持てるという解釈もできます。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[相手の気持ち編]
■正位置の意味
相手の気持ちを占ってソードの10の正位置が出た場合、相手は恋愛をしたいような気持ちでは無い可能性が高いです。鬱々としてふさぎこんでいるようです。友人も少なく、世界でたった一人のような孤立感、孤独感がその人を支配しています。
恋人関係ならあなたに対しても愛情は失われており、別れすら考えている可能性があります。恋人ではないなら、あなたのことはほとんど目に入っていません。自分のことで手一杯です。
あなたがかれを救う救世主になれるとすれば、それは自暴自棄になっているかれのそばに辛抱強くいてあげること、不安を解消してあげるように心を尽くすことです。
■逆位置の意味
相手の気持ちを占ってソードの10の逆位置が出た場合、相手は絶望や悲しみ、憂鬱の中にいます。正位置と同じく、ふたりの関係は冷え切っているでしょう。相手は、自分は恋愛に向いていない、運が悪いと思っています。自分が悲劇の主人公のように感じ、その悲しみと絶望感に浸っているのです。
あなたにできることがあるとしたら、そのネガティブな思い込みを正してあげることです。気持ちを見つめ直すきっかけを与えてあげられたら、相手の気持ちも上がっていくかも知れません。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[復縁編]
■正位置の意味
復縁したいと願っていてソードの10の正位置が出た場合、復縁が叶う可能性は非常に低いです。ソードの10は終焉のカード。この恋は終わるでしょう。
一度は終わることを覚悟して下さい。むしろ別れることで気持ちの整理がつき、身も心もスッキリします。今はとても考えられないと思うかもしれませんが、また新しく歩き出していこうという前向きな気持ちがそのうちに必ず芽生えてくるはずです。
どうしても諦めたくなければ、ゼロから再スタートしてもよいですが、また愛し合える関係に戻るまでには相当な時間が必要になるでしょう。
■逆位置の意味
復縁したいと願っていてソードの10の逆位置が出た場合、一時的に復縁することが可能でしょう。しかし、あまり長続きしないかもしれません。
素直な気持ちを伝えれば、パートナーも一度は考え直してくれます。しかし、せっかく復縁できても過去の反省を忘れてしまい、そう遠くない未来で同じような過ちを繰り返してしまうでしょう。復縁できたとしても油断しないようにしましょう。「一度関係がこじれたのは相手が悪いせいだ」と潜在的に考えていることが、失敗を繰り返す原因かもしれません。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[片思い編]
■正位置の意味
片思いしていてソードの10の正位置が出た場合、片思いは失恋で終わってしまいそうです。
悲しい出来事があり、恋は終わりを迎えそう。相手に恋人が出来てしまう、告白して断られる、物理的に離れてしまうなど。
今は悲しくても、失恋が良い経験になったとあとから思えるでしょう。時間が経てば、過去の良い思い出になります。あまり引きずらないようにしましょう。
■逆位置の意味
片思いしていてソードの10の逆位置が出た場合、一時的に良い雰囲気にはなれますが、結局相手があなたを選んでくれることはなさそうです。友達としてなら関係を続けていくことは出来るかもしれません。
心の中で不満がくすぶるかもしれませんが、恨み言を言っても相手の心が変わることはありません。失恋から悲劇的な気持ちになり、自暴自棄になってしまうかも。しかし、それはあなたのためにも、誰のためにもならないことです。割り切って次の恋へと踏み出す方が良いでしょう。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[結婚編]
■正位置の意味
結婚の時期や相手について占ってソードの10の正位置が出た場合、結婚に適した時期とはいえません。結婚の話が進んでいたとしても、考え直すことになるかもしれません。
相手とはどうしても話が合いません。結婚に関する諸々の手続きや式のことだけでなく、結婚後の生活のことまで、意見が一致しません。ここが関係の分岐点になるでしょう。どうしても譲れなければ別れることも選ばなくてはなりません。
しかし、絶対にパートナーと添い遂げるという覚悟が決まれば、新しい価値観が自分の中でできてきて、相手を全面的に受け入れ、新生活へのスタートを気持ちよく切れるという可能性も残っています。
■逆位置の意味
結婚の時期や相手について占ってソードの10の逆位置が出た場合、非常に紆余曲折を経ることになるかもしれませんが、結婚話はまとまりそうです。
お互いに、結婚に関して都合の良いことだけを見ているようです。メリットだけを考えていて、実際に具体的な話をし始めてから現実的な面倒さや困難にぶつかってショックを受けそう。相手に責任転嫁するばかりでちっとも前向きな考えが出来なさそうです。
しかしここで折れてしまわないこと。時間をかけて辛抱強く話し合いをすることで、ゆっくりとですが話はまとまっていくでしょう。ただ、結婚というイベントへの興奮に冷静さを忘れ、選択ミスをする危険性もあります。それもあるので、決断には時間をかけた方がよいでしょう。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[浮気編]
■正位置の意味
パートナーの浮気を疑っていてソードの10の正位置が出た場合、浮気をしている可能性は非常に高い状態といえます。ソードの10は終焉のカードです。浮気が発覚し、ふたりの関係は終わりを迎えるという意味になります。
メロドラマ的なトラブルをしばしば表す場合もあり、浮気や三角関係、二股などの恋人同士の問題を示すカードなので、何らかの裏切り行為をされている可能性は大きいです。
しかし、終わることで関係はスッキリ精算され、どこかあなたの気分は軽くなるでしょう。新しい始まりに期待さえ出来るかもしれません。
■逆位置の意味
パートナーの浮気を疑っていてソード10の逆位置が出た場合、浮気の可能性あり。そのことが原因で関係は悪化しますが、なかなか別れられずに悪い雰囲気のまま関係が続く可能性があります。
悪い状態だと分かっていてもはっきりと決断が出来ない、古い環境にしがみつき続けるという意味のあるカードです。あなたはパートナーに不安や疑い、恨みを持ちながらも、まだ相手に改善に期待してしまっています。変わって欲しいならはっきりとその意志を告げ、積極的にはたらきかけましょう。そうできないならきっぱりと離れるべきです。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[人間関係編]
■正位置の意味
人間関係の悩みにおいてソードの10の正位置が出た場合、末永く付き合える相手と出会えそうです。今人間関係に悩んでどうしようもなく辛いとすれば、それはあなたの運気の底です。これからはきっと良い出会いが待っているでしょう。
自分を諭してくれる人、どんな自分ともしっかり向き合ってくれる人と出会えそうです。あなたの人生においてとても大切な人になるでしょう。
たとえケンカをしてもそこで縁が切れず次に会ったときは和解できる、お互いの短所を知っても幻滅せず、悪いところを指摘し合える、そんな関係になれそうです。
■逆位置の意味
人間関係の悩みにおいてソードの10の逆位置が出た場合、他人とはうわべだけ取り繕うような関係になりそうです。本心を見せたいと思うような相手に出会えません。よく見せようと虚勢を張ってしまい、お互いに牽制し合うようなことになってしまいそう。
社交辞令だけ言って、とりあえず必要だから、利用価値があるから一緒に居るという関係にしかなれないでしょう。相手も層ですが、あなたの気持ちが他人へ向けて開かれていません。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[仕事編]
■正位置の意味
仕事の運勢を占ってソードの10の正位置が出た場合、一時は最悪の事態に陥るかもしれません。しばらくうまくいかない時期が続き、悩ましい思いを抱えて仕事をしなくてはならないでしょう。しかし、ここが運気の底です。徐々に状況は回復し、好転していきます。
きちんと自分のミスは自分で直すこと、悪かったことは反省することで、失敗を次の成功のチャンスに変えていくことが出来ます。手詰まりになったと感じたら、積極的に新しい道を探りましょう。
■逆位置の意味
仕事の運勢を占ってソードの10の逆位置が出た場合、失敗を何度も繰り返して参ってしまいそう。ミスを認めようとしない隠蔽体質や、問題の核心を避けた場当たり的な対応が目立ちます。問題にまっすぐ向き合っていません。
あなただけでなく、職場全体がそのような風潮である可能性があります。外側だけ変化したように見えても内部の雰囲気はそのまま。精神的な改革が必要です。疲れすぎてまったく仕事に身が入らないということも表します。ゆっくり休むことをおすすめします。転職も考えるようになる時期です。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[未来編]
■正位置の意味
未来の行く末を占ってソードの10の正位置が出た場合、どん底の状態に落ちてしまい、そこから這い上がるという一連の流れを示しています。今のあなたに悩みや苦しみ、悲しみが訪れる可能性と、そこからまた新しい希望が生まれてくること。その両方をこのカードは暗示しているのです。
今あなたが苦しんでいるなら、それはいずれ終わりを告げるでしょう。徐々に事態は好転してくるはずです。生まれ変わったようにすがすがしい気持ちで、新しい明日へ歩いて行ける日が近づいています。
■逆位置の意味
未来の行く末を占ってソードの10の逆位置が出た場合、正位置で示されている「解放の時」が訪れるのは少し遅くなるでしょう。事態はなかなか好転しません。良くなったと思ったら叉元の状況に逆戻り、ということを繰り返します。
それはあなたが古い環境にしがみ続けていることや、悪い点を反省せずに同じ失敗を重ねてしまうことが原因かもしれません。卑屈な態度を改め、悲劇的な妄想をやめることで後戻りするクセがなくなり、前へ進めるようになります。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[人生編]
■正位置の意味
人生の悩みにおいてソードの10の正位置が出たなら、あなたは人生の岐路に立っていることでしょう。一つの物事が終わりを迎えようとしています。あなたが今そのことに悩んでいるとしても、実は必要以上に心配する必要はありません。
もうすぐ夜明けがやって来ます。混乱した状況や悲しい関係は終わりを告げるでしょう。これからやって来る未来は、新しく鮮やかで、明るいものになるはずです。
このカードが健康上の問題を表す場合もあります。特に健康運を占ってこのカードが出ると、背中のこりや病気を意味することがあります。状況によっては薬物中毒などを意味する場合もあります。
■逆位置の意味
人生の悩みにおいてソードの10の逆位置が出ると、一時的に好転した運気を表します。少し状況が良くなったとしても油断せずに注意が必要な状況です。
おおむね正位置と似た意味になりますが、自分にとって都合の悪いことを受け入れる心づもりがまだ出来ていません。そのため、完全に問題が解決することや、精神的に解放されることは遅くなってしまう可能性があります。
人生を良い方へ転換して行くには、気持ちを切り替えていく必要があります。自分のことを不運だ、非力だと嘆くのもほどほどに。変わりたいという思いが無くては、いつまでも心は同じ場所に縛られたままです。
ソードの10の正位置・逆位置の意味[金運編]
■正位置の意味
ソードの10の正位置が出た時の金運はまったく良いとは言えないでしょう。財政の破綻、買い物の失敗、破産などを意味します。経済状態が苦しく、どうにも首が回らなくなってしまいそうです。怪我や病気による医療費の必要性を表すこともあります。
一度どん底の状態を経験することになってしまいますが、じきに最も悪い時期は過ぎ去るでしょう。そこから這い上がる気力もわいてきますので、今はできるだけ損害を減らして耐えるべきです。
■逆位置の意味
ソードの10の逆位置が出た時の金運は、正位置と同じく非常に悪い状態です。これ以上悪い状態にはならないほど追い込まれてしまいます。一時的に好転することはあるかもしれませんが、油断しているうちにまた元の状態に戻ってしまうでしょう。買い物の失敗を何度も繰り返してしまいそうです。
大きな苦労をすることになるでしょうが、やり直すことはできます。悲劇的な感情にひたってばかりおらず、小さな節約や家計の見直しなどできることから始めましょう。
ソードの10が正位置で出たときの対策アドバイス
ソードの10の正位置は、悲劇的な結末を表した絵柄になっています。しかし、ソードが10本も人に刺さっているのはいささか過剰すぎます。このことから、自己憐憫やヒステリーといった心理状態を描いているものという解釈があります。
ソードの10が出た時のアドバイスとしては、「これ以上悪い状態にはならないので、前向きに考えるべき」と、「思い切って生まれ変わる決心を」。
どんなに長い雨もいつかは必ず止み、どんなに暗い夜もいつかは必ず夜明けがやってくるように、事態が好転することを信じてください。おおげさに嘆いたり、悲劇的な感情に浸ったりするのはそろそろやめて、前を向いて歩き出すべき時なのです。
ソードの10が逆位置で出たときの対策アドバイス
ソードの10の逆位置は、正位置と同じような意味を表しますが、現実の受け止め方に差があります。自分にとって都合の悪いことを受け入れられず、いつまでも前向きな気持ちになれないとか、卑屈になっていることを表します。
また、一時的な状況の好転が望める場合もありますが、結局は意識が変わらないためにまた悪い状態に逆戻りしてしまう可能性も示しています。
被害者意識や恨み節を捨て、事実をありのまま受け止める努力をすることから始めて下さい。悲劇的な自分に酔っているところがあります。冷静になって現実を見て下さい。また、ポジティブな気持ちを持つことが何よりも大切です。再挑戦する準備が出来たなら、少しずつ状況は良くなっていくはずです。
まとめ
「ソードの10」は分岐点のカード。たとえ痛みや苦しみ、ものごとの終わりをともなったとしても、すべてを受け入れること、そしてその先に新しい始まりがあることを示すカードです。
今が非常に悪い状況だと悩んでいるならば、逆に考えましょう。これ以上悪い状態にはならない、失うものはないと思ってください。そう考えればかなり大胆な行動にも出られるはず。どん底から這い上がり、生まれ変わるチャンスです。