カップとは杯(聖杯)のこと。液体を注ぐものなので、カップのスートは水のエレメントに対応しています。水は形が無く、たえまなく流動し色々な姿に変わることから、人の移り変わる感情を象徴するものとして扱われます。そこから発展して愛情や想像力、人間関係なども表します。
カップの6のカードは、見るからに幸せそうな風景を描いています。年上の子供が花いっぱいのカップを年下の子にあげているところです。なんて微笑ましくかわいらしい光景なのでしょうか。このカードが描き出すのは、あたたかな過去の思い出。郷愁やノスタルジアを象徴するカードです。
このカップの6がタロット占いにおいて表す意味について、こちらでは基本的な事柄をご紹介します。恋愛・仕事・金運など、様々な状況別にカップの6の正位置・逆位置が表す内容について見ていきましょう。
タロットカードのカップ(杯)の6とは?基本的意味と内容
花いっぱいのカップを差し出している子供と、それを受け取るより幼い子供。子供達は明るい表情をしていて、優しさやあたたかさが伝わってくる絵です。カップに飾られた部屋や背景の立派な家は、カップの中に満ちた感情が現実化していくことを表しています。
カップの6は郷愁のカード。過去がよみがえり、感傷にひたるカードです。ただ、過去の思い出は美化されるもの。裏に暗い側面も持っていることがあります。
正位置では、幸福な思い出がよみがえること、過去に思いを馳せていること、過去の出来事からヒントが得られることを表します。
逆位置では過去にとらわれすぎていることを表します。過ぎ去った出来事だと分かっていながらも、トラウマもしくは栄光にとらわれ、前に進めていないようです。
カップの6の正位置・逆位置の意味[恋愛編]
■正位置の意味
カップの6の正位置は、恋愛においては少年少女のする恋愛のような純粋で甘酸っぱい恋の予感を示します。率直で素直な感情表現や、無邪気な幸せと喜びに満ちた関係性となるでしょう。
無償の愛という意味もあり、相手にプレゼントをせっせとあげるとか、つくすような関係性になるかもしれません。計算高さや駆け引きといった思惑とはほど遠い、見返りを求めないピュアな心を表します。
フリーの人は過去に交流のあった人と恋が芽生えるきっかけがあるかもしれません。昔の恋人とよりを戻すということもありえます。
■逆位置の意味
カップの6の逆位置は、過去にとらわれすぎていることを表します。
過去への執着やトラウマが現在のあなたの足を引っ張り、運気を停滞させてしまっています。前の恋人のことを引きずっていて新しい出会いに気づかなかったり、今の恋人と過去の恋人を比較してばかりで今の恋人の良さをきちんと評価してあげなかったりということがあるでしょう。
またあなたの恋愛観が子供っぽいとか、年相応でないと思われて敬遠されている可能性も示します。もしくはあなたが馬鹿正直すぎて、相手に利用されているだけということも。
カップの6の正位置・逆位置の意味[相手の気持ち編]
■正位置の意味
相手の気持ちを占ってカップの6の正位置が出た場合、相手はあなたに素直な好意を持っている状態です。
子供のような純粋さや無邪気さであなたのことを慕っています。恋人同士で無い場合、相手の抱いている感情は友情に近いか、恋心だったとしてもとても淡いものでしょう。その気持ちが恋に発展するかどうかは今はまだ分かりません。じっくり時間をかけて育てていくことが大切です。
恋人同士なら、ふたりが家族のように仲睦まじく支え合う仲であることを示しています。安定して幸せな状態でしょう。
■逆位置の意味
相手の気持ちを占ってカップの6の逆位置が出た場合、相手はあなたを通して自分の過去を見ているようです。
相手にはおそらく忘れられない過去の出来事があり、今でもそれに気持ちを引っ張られています。あなたに過去の恋人の面影を見ているのかもしれません。子供っぽい甘えや依存心を表していることもあります。
相手はあなたに悪い印象は持っていません。相手なりにあなたとの関係を良いものにしようと考えています。あなたから相手へ、前向きになれるような示唆をしてあげることが必要かもしれません。
カップの6の正位置・逆位置の意味[復縁編]
■正位置の意味
復縁したいと願っていてカップの6の正位置が出た場合、復縁は難しいかもしれません。
カップの6は過去への郷愁を表すカード。今のあなたはあまりにも過去の出来事にとらわれすぎています。復縁したいと願っているのは過去を美化し、現実を見ることができていないからではありませんか?ちゃんと現在や、未来のことを考えて彼と復縁したいと思っていますか?
思い出補正のない状態で復縁すべきかどうか判断する必要があります。家族などの親密に話せる人に相談し、客観的なアドバイスをもらってみましょう。
■逆位置の意味
復縁したいと願っていてカップの6の逆位置が出た場合、過去の記憶を引きずっていることが明確です。
相手とは共依存の状態になってしまっている可能性があります。お互いに自立できていないので復縁しようと思えばすぐに叶いますが、また同じことを繰り返してしまう恐れも大きいです。
過去を完全に清算し、まったく新しい形で再スタートしようという覚悟が二人にあるならば、一度別れてしまったという苦い経験を活かして今度こそ幸せな関係を築くことが出来るでしょう。
カップの6の正位置・逆位置の意味[片思い編]
■正位置の意味
片思いをしていてカップの6の正位置が出た場合、あなたのしている恋は甘酸っぱい少女の恋です。一途で純粋な思いを相手に注いでいることでしょう。
ほのぼのとした関係になるでしょう。相手もあなたと同じような感性を持っている場合、良い雰囲気の状態が続きそうですが、進展は遅そうです。
また、相手がもっと恋愛に対してドライだったり計算高かったりした場合、あなたの純粋な思いを利用されていいように遊ばれてしまう可能性もあるので気をつけてください。
■逆位置の意味
片思いをしていてカップの6の逆位置が出た場合、あなたは恋をしている相手に過去の恋愛を重ねているようです。
過去の経験から今の恋愛をうまくゆかせるヒントを持ってくることができればいいのですが、過去のトラウマを引きずっているせいで今の恋愛も勇気が無くて踏み出せずにダメになってしまうと台無しです。せっかく恋をしたのだから前を向いて、新しい自分に生まれ変わりたいと願う方がいいはずですよ。
また今の恋に夢中になりすぎていて、あなたのことを気にしている別の異性の存在に気づかないという可能性も表すことがあります。
カップの6の正位置・逆位置の意味[結婚編]
■正位置の意味
結婚の相手や時期に関してカップの6の正位置が出た場合、今は婚期として良い時期だといえそうです。
ふたりの環境は今穏やかで安定しています。心が満ち足りていて、あたたかな空気です。こういった安定期は結婚など大きな事柄を進めるのに向いています。多少の困難があっても、二人で力を合わせて乗り越えていくことが出来るでしょう。家族の協力も得られそうです。
フリーの人は、昔の知り合いがいい人を紹介してくれるとか、過去の恋人と再会したり復縁を考えたりする機会があるかもしれません。
■逆位置の意味
結婚の時期や相手について占ってカップの6の逆位置が出た場合、過去の経験から結婚に対するあまり良くないイメージがあなたの中に根付いているようです。
過去の恋愛の失敗から自分に結婚は無理だと諦めてしまっていたり、家庭環境などから結婚すると嫌な目に遭うと思い込んでしまっていたりしてはいませんか。感傷的になっていると、あまりにも過去にとらわれすぎて自らその道へ向かってしまうかもしれません。
悪い未来を実現させないためには、過去から賢く学び、現在をより良いものに変えて未来に向かっていくことです。
カップの6の正位置・逆位置の意味[浮気編]
■正位置の意味
パートナーの浮気を疑っていてカップの6の正位置が出た場合、少し注意が必要かもしれません。
パートナーは「昔は良かったなあ」と思っているようです。今のあなたやあなたとの関係性には少し不満があるのでしょう。こんな時にかつての同級生とばったり再会したりすると、その時の勢いで浮気に走ってしまうかもしれません。
パートナーが不満を持つということは、あなたは恋人がいてくれるという安心感から、相手に対する礼節やもともとの純粋な愛の気持ちを失ってしまっているのかもしれません。初心に返りましょう。
■逆位置の意味
パートナーの浮気を疑っていてカップの6の逆位置が出た場合、浮気をする可能性はそれなりにあります。パートナーが浮気をする機会があるとしたら、正位置とほぼ同じような流れになった場合です。
もし浮気をされたらそれを機に、これ以上相手に執着せずきっぱり別れてしまった方が良いでしょう。今のパートナーにとらわれすぎている、依存しすぎているところがあるからです。新しい出会いに目を向けた方があなたの未来のためになるでしょう。
カップの6の正位置・逆位置の意味[人間関係編]
■正位置の意味
人間関係の悩みカップの6の正位置が出た場合、人と良い関係性を築ける予感があります。
まっすぐで気持ちのいい人間関係となるでしょう。会話を心から楽しむことが出来そうです。懐かしい話題に花が咲いたり、童心に返って笑い合ったりして心が温かくなりそうです。
また、懐かしい友人と再会する機会があるということも示すカードです。久しぶりに旧友から連絡が来たり、同窓会の誘いがあったりするかもしれません。
■逆位置の意味
人間関係の悩みでカップの6の逆位置が出た場合、悪いとまでは言い切れませんが少しごたついたことがありそうです。
人と共依存的な関係になる可能性があります。お互いに成長の足を引っ張り合ってしまい、離れた方が良いと感じながらもグズグズと関係を続けて腐れ縁になっていきそうです。
また、現在の自分について自虐をしたり、センチメンタルな話題になったりすることが多くなるかもしれません。
カップの6の正位置・逆位置の意味[仕事編]
■正位置の意味
仕事に関してカップの6の正位置が出た場合、アットホームな職場でのびのびと仕事が出来るという暗示です。
あなたの自由でのびやかな発想が鍵となってプロジェクトが成功しそうな予感です。思ったことを素直に口に出してみると、意外とすんなり受け入れられるかも。意見は積極的に交換し合いましょう。
コミュニケーションが豊かになる、過去の経験が役立つ、初心に返るという意味も持っているので、転職や独立にも適しているタイミングだと言えるでしょう。昔の同僚やかつての職場と再び縁が繋がる可能性もあります。
■逆位置の意味
仕事に関してカップの6の逆位置が出た場合、過去の栄光や実績にこだわりすぎている可能性を示唆します。今まではこうやってうまくいったからとこだわりすぎて、過去と同じミスを繰り返してしまったり進みが遅くなったりするかもしれません。
ただ、過去の経験が役に立つというふうにも解釈できます。行き詰まったときに、現在は廃れていた昔ながらの方法をとるとうまくいったり、過去の失敗から学んで成功に繋がる道が見えたりといったことがあるでしょう。
カップの6の正位置・逆位置の意味[未来編]
■正位置の意味
未来の行く末を占ってカップの6の正位置が出た場合、無垢な気持ちや打算の無い優しさが未来を幸運なものにしてくれるでしょう。
純粋な恋に落ちる、懐かしい相手と再会するなど、良い思い出が蘇る・心があたたまる出来事がありそうです。また、「貞淑」「純潔」であることが鍵になる場合があります。清らかな心で、ささやかな幸せにも満足を感じて生きていけます。
人に優しくするとその後助けてもらえる、親切が報われるなどといったことがあるでしょう。ただしあくまで「自分が報われる」未来を期待しての行動ではなく、何の見返りも求めない純粋さでそれを行うことが大切なのです。
■逆位置の意味
未来の行く末を占ってカップの6の逆位置が出た場合、過去にとらわれることや無邪気さを失うことを意味します。
現在の自分に否定的になったり、他人に攻撃的になったりするでしょう。優しさや寛大さを欠いた行動を取ってしまいそうです。そうした行動を続けていけば、未来には同じ過ちを繰り返してしまったり、先の目標を見失ったりというようなことになってしまうでしょう。
いつまでたっても過去のしがらみから抜け出せずに苦しむこともありそうです。子供っぽい甘えや依存心を捨て、新しい出会いや可能性に目を向けていくべきです。
カップの6の正位置・逆位置の意味[人生編]
■正位置の意味
人生について占ってカップの6の正位置が出た時、あなたが昔を振り返ってノスタルジックな気分に浸っていることを示します。また、過去の経験に問題解決のヒントがあるということも示しています。
童心に返り精神を癒そうとしている暗示とも取れます。カードに描かれている子供は純粋さ、無垢な心、善意の象徴です。人生に疲れ、悩んだ時は、子供時代のような無邪気な心を思い出せとカードは告げています。見返りを求めない優しさや寛大な心を他者へ向けてあげることが今のあなたを救うでしょう。
家族や身近な人との暖かい時間を表すカードでもあります。ふだんコミュニケーションが少なかったり疎遠になっていたりするなら、この機会に帰省するなど、家族とゆっくり過ごしてみるといいかもしれません。
■逆位置の意味
人生について占ってカップの6の逆位置が出た時、過去のできごとにとらわれて新たな道に進めないということを示しています。また無邪気さや純粋さを失い、人に対して懐疑心や敵意しか向けることが出来ていないということも示唆します。
過去の出来事を引きずりすぎていて、新しい出会いや可能性に気がつくことが出来ていません。狭い世界の中で閉鎖的に考えすぎています。もっと心をオープンにして、広く意見を取り入れましょう。記憶の断捨離をしてみましょう。過去の苦い経験を未来の成功に活かすことができないと思うのなら、忘れた方が楽です。
人への甘え、依存心も表すことがあります。まず必要なのは自立する心です。そして他人は他人、自分は自分と割り切ること。ある程度他人と自分を切り離して考えないと、ドロドロした感情を抱くことからは抜け出せません。
カップの6の正位置・逆位置の意味[金運編]
■正位置の意味
カップの6の正位置が出た時の金運はまずまずです。良い面も悪い面もあります。対人運が良いため、人との関わりの中で得をすることが多くなる予感があります。年上の人や上司におごってもらえたりしそう。素直に甘えましょう。
また、過去に何気なくやったことが思いがけない良いリターンを生むことがあるでしょう。たとえば、隠したまま忘れていたへそくりが出てきたり、貸しを倍にして返してもらえたり。
でも現在の自分の金銭管理には無頓着な傾向があり、その場のノリで散財してしまうなんてことがよくあります。あまり羽目を外しすぎないように気をつけましょう。
■逆位置の意味
カップの6の逆位置が出た時の金運はあまりよくありません。正位置と同じくだらしない金銭管理の状態になっています。ただ正位置と違って、逆位置の場合は人から助けてもらえません。
むしろお金を借りようとしたら「返してもらえると思えないから」などと断られてしまいそう。自分のことは自分でなんとかできるだけの管理能力を身につけましょう。
カップの6が正位置で出たときの対策アドバイス
カップの6の正位置は、心の浄化を表すカードです。過去の幸福な思い出を表しますが、美化された思い出の中にはトラウマとなっているような暗い過去が含まれていることもあり、多くの要素が混在しているといえるカードです。
自分が過去に思いを馳せるとき、どんな心境からなのか、過去をどんなふうに感じているのかをよく見つめましょう。もしかしたら、過去の記憶から今対峙している問題のヒントを得ることができるかもしれません。
過去を大切にすべきと取ることもできます。初心に返ってやり直す・若い頃の純粋で清い気持ちを取り戻すことが必要なのかもしれません。
カップの6が逆位置で出たときの対策アドバイス
カップの6の逆位置は、過去の記憶があなたの障害になっている可能性を表します。あなたの過去が現在のあなたを縛り、前へ進むのを止め、停滞させるような事態になっています。
過去とうまく決別することが肝心です。すべて忘れてしまうことはすぐには不可能ですが、いつまでも過去にとらわれて感傷的になっていてもその過去が変わることはありません。変えられるのは現在、そして未来です。
過去の捉え方を変え、これからは新しい出会いと新しい可能性に目を向けていくべきです。共依存を表すこともあるカードであり、その場合は自立と脱依存を促されています。
まとめ
「カップの6」は郷愁と無垢さのカード。子供の頃のような純粋な気持ち、裏のない善意、優しさや寛大さを表します。また、過去のことに思いを馳せる様子も表します。
子供達が持っているような優しさや純朴さを取り戻し、大事に持っているべきだということを教えてくれるカードです。過去の経験からヒントを得られることもあるでしょう。ただし、過去にしがみつくばかりでは良くありません。