ここでは「マジレス」という言葉について意味や使い方を解説します。TwitterなどのSNSでこの言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。
あなた自身の書き込みに対して、「マジレスうざい」とか「マジレス乙」とかの返信をされたことは?
知らない言葉に初めて接すると誰でも戸惑いますが、それでも何となくあまり良さそうな言葉でないことはわかります。いったいどういう意味なのか解説します。
マジレスの意味とは?何の略?語源は?
マジレスはネット用語で、基本的な意味は「ネット上でみんなふざけてるのに、その空気を読めない真面目な返信」です。
ごく親しい人同士の集まりでは、明らかな間違いや不謹慎なことを、参加者が調子を合わせて、さもそれが正しいことのように語り合い、その馬鹿馬鹿しさに笑うということがあります。
SNS・知恵袋・2ch掲示板などのネット上のコミュニケーションでそういうことをやっているときに、それに気付かずに、「それは間違っているよ」と指摘してしまうのがマジレスなのです。
マジレスの「マジ」は「真面目」、レスは「レスポンス」の略です。マジは日常的に使う言葉で説明不要ですね。レスポンスは「応答・反応」という意味で、ネット用語としてはメールやSNSでの返信という意味で使います。
マジレスのようにネットの中の仲間内だけで使われる言葉を「ネットスラング」と呼びます。
マジレスとガチレスの違い
「ガチレス」は「本気の返信」という意味です。
使い方はマジレスとほとんど変わりませんが、真面目さや本気さが強い「何か真剣だよコイツ」という感じを強調したいときに多く使います。何かを強調したくて「スーパー」では足らないときに「ハイパー」という言葉を使うのに似ています。
ガチは「ガチンコ」の略です。ガチンコは元々は相撲の用語で「手加減しない真剣勝負」という意味です。
相撲の力士がぶつかり合ったときに「ガチン!」と音がすることが由来となっています。相撲やプロレスで、手抜きや八百長、忖度などを排除した全力の勝負であることを強調したいときに使いました。
ここから、広く一般に「本気であること真剣であること」を表す言葉として使われるようになりました。
マジレスの類語・同義語
マジレスの類語・同義語にはガチレスの他に「真面目か」「空気読め」「野暮(やぼ)」などがあります。
「真面目か」あるいは「真面目かよ」は、冗談を期待していたのに真面目な返信をされてがっかりした気持ちが表現されています。しかし、話の流れによってはその人の真面目さに対する好意として「親しみを込めたからかい」を表すこともできます。
それに比べると「空気読め」は当たりがきつい感じです。「マジレスするな」と言われるよりも「空気読めよ」と言われた方が厳しい感じで、それ自体がマジレスのようです。こういうのは「マジレス返し」です。
「野暮」というのはやや古い言葉で、現在でも「野暮ったい」などと使いますが、本来は江戸時代の美意識と結び付いた言葉です。江戸時代の都会的な洗練されたオシャレなセンスを「粋(いき)」と呼び、その反対語が野暮です。わざと間違えていること、わざと隠していることを言ってしまうのが野暮とされます。
マジレスの例文・使い方
◯例文1つ目
「東京行くと郵便ポストが赤いよね」
「嘘!」
「ポストが赤い?ネタだろ」
「ポストが赤いとわかりにくくない?」
「日本ではポストが赤いのが普通です」
「マジレスしてんの」
−−「マジレスやめて」「マジレスしてんの」こういうのが典型的な使い方です。
◯例文2つ目
「ふいんき(←何故か変換できない)」
「『ふんいき』で変換できますよ」
「ネタにマジレス」
−−「ネタにマジレス」この言い方もよく使います。「恥ずかしい」とか「かっこ悪い」という意味を込めています。
◯例文3つ目
「マジレスすると、マジレスする奴もダサいけど、鬼の首獲ったようにマジレスマジレス騒ぐ奴もウザい」
−−「マジレスすると」この言葉を文の最初に付けると「みんなふざけてるのはわかってるんだけど、あえてマジレスをする」ということを表します。
マジレス乙の意味とは?
「マジレス乙(おつ)」は「マジレスお疲れさま」という意味です。マジレスをしている人に対して、「そういう返信は求めていない」ということを皮肉を込めて表現しています。「乙」は「お疲れさま」を略したネットスラングです。
お疲れさまは本来、働いた人を労る言葉ですが、ここでは皮肉なので「あなたの言ったことは全部無駄でした」と、相手をがっかりさせる目的で言っています。
もちろん、単純な意地悪でこの言葉を使う悪趣味な人も多いのですが、繰り返し現れる「洒落のわからない奴」に対して、うんざりしてこういう言い方をしてしまう、という場合もしばしばあります。
マジレスキッズの意味とは?
「マジレスキッズ」は「マジレスの多い幼稚な人」という意味です。「キッズ」は「言うことが幼稚」「すぐむきになる」など言動が子供っぽい人を指します。必ずしも実年齢が子供ということではありません。
マジレスキッズという場合も、幼稚な人という意味は同じですが、特に「自分の言っていることは正論である」と主張して、その場の優位に立とうとする人に対して使うことが多いようです。マジレスキッズが現れると会話の流れがメチャクチャになりがちです。
その一方で、ネットの人たちはこういう「雰囲気を壊す」人に対して非常に厳しく、一度「間違った奴、困った奴、悪い奴」と判断されると、寄ってたかって厳しい言葉で攻め続けます。
キッズと判断された人は、リアルな世界なら笑って済ませられるようなことでも、人格を否定するような激しい言葉で非難されることがあります。
ネタにマジレスする人の特徴は?うざい・かっこ悪い?
マジレスしてしまう人に共通する特徴として「せっかち、早とちり」の傾向があります。多くのSNSや掲示板では、一番新しい書き込みを一番上に表示します。
そのため、せっかちな人はこれまでの会話の流れをさかのぼって読まずに、一番新しい書き込みだけを見て返信してしまうのです。結果として、雰囲気にそぐわない空気の読めていない返信になってしまいます。悪気はないのですがかっこ悪いですね。
もう一つの特徴として「真面目で融通が利かず、シャレがわからない」という人もいます。真面目であるというのはむしろ良いことなのですが、切り替えがうまくできず柔軟に考えることができないと、冗談の皮肉や反語に気付かず、マジレスをしてしまいます。
堅苦しくてつまらないと思われてしまいますし、しつこく正論を繰り返すと、「うざい」「きもい」と嫌われます。
マジレス乙への返し方
「マジレス乙」と言われたら、何も返さないのが正解です。スルーです。シャレたジョークで言い返しスマートに切り抜ける、というかっこ良いやり方をしようとしても、たいてい失敗します。
「マジレス乙」と言われた時点で、あなたはその人から「攻撃対象」と見なされています。どんなにシャレた、面白いことを言っても、好意的に解釈してくれません。「何を言ったか」ではなく「誰が言ったか」で判断しているからです。
ネットユーザーには無闇に攻撃的で意地悪な人も多く、大勢が尻馬に乗って攻めかかり、いわゆる吊し上げにされることもしばしばです。かといって下手に出て「雰囲気を壊してごめんなさい」などと言えば「マジレスの上塗り」です。
まとめ
何だか、ネットで活発に活動している人たちはみんな意地悪で攻撃的という印象の解説になってしまいましたが、もちろんそんなことはありません。意地悪な人は激しい言葉を使うし、性格もしつこいので目立ちますが、大らかで誰にでも好意的な人もたくさんいます。
過剰に「マジレス乙」や「マジレスキッズ」が連発される場所は、閉鎖的で「よそ者を攻撃することで、仲間同士であることを確かめ合って喜んでいる」場合が多いのです。
SNSや掲示板などのネットコミュニティはたくさんあります。あなたに合った場所がきっとありますから、意地悪されても諦めないで探してみてください。