ルノルマンカードとは、18世紀のフランスで誕生した占い用のカードデッキです。様々な絵柄があること、カードのコンビネーションを見て読み解くことなど、構造はタロットカードとよく似ていますが、その歴史やカードの中身などはまったく違います。
とっつきやすく初心者も簡単に占うことができるうえに高い的中率を誇るので、近年注目されている占いです。
タロットカードとはまた違う魅力や強みを持っているルノルマンカード。ここでは、ルノルマンカード占いの初心者の方向けに、基本的な占い方とその読み方、注意点などについて解説していきたいと思います。
ルノルマンカード占いとは?
ルノルマンカードは36枚あり、基本的に複数枚を使って占いを行います。一枚引きで占うことももちろんできますが、複数枚引くスプレッドで占うのがやはりルノルマンカードの真骨頂です。
というのは、この占いで最も重視されるのがカード同士の関係性だからです。ルノルマンカード占いには占うあなた自身を指す本人カードと、占う対象となる人物や事柄を指すキーカードが存在しています。
本人カードやキーカードがどの位置にあり、どんなカードと隣接しているのかを読み解くことで、あなたの現在の状況や未来に起こりうる可能性を明らかにしていくことになります。
タロットカードのように逆位置で意味が変わることはほぼなく、一つのカードに一つの意味しかありません。絵柄から連想されるイメージがそのままカードの意味になるので、カードの意味を頑張って暗記しなくても占えます。簡単ですが、占う人物が描くイメージに強く依存するので、それなりの想像力や推察力が試されます。
ルノルマンカードは当たる?的中率は高い?
タロットカードと比較して、ルノルマンカードは的中率が高いと言われています。タロットカードは一枚のカードの中にも様々な解釈が存在し、さらに逆位置になると意味が変わるカードも多くあります。
そのため読むのが難しく、また自分自身の気持ちを反映しやすい構造なので、つい希望的観測で読んでしまいがちなのです。
また、タロットカードは未来の出来事について占うのを苦手としています。正確な時期や出来事の予測などは困難です。
これに比べてルノルマンカードは一つのカードの意味が単純なので、初心者でも解釈を間違える可能性が少なくなっています。カードによってポジティブかネガティブか、イエスかノーかのくくりがはっきりしており、答えを明確に出してくれます。
また、過去と現在、未来のそれぞれについて具体的に占うことが可能です。カードの絵柄も現実味があるものばかりで、出た結論やアドバイスを実際の行動に反映させやすいというメリットもあります。
ルノルマンカードの占い方・読み方5個
■ワンオラクル:1枚引き
1枚だけ引いて出たカードを読み解く、初心者向けの最も簡単な占いのやり方です。占いたいことを頭の中で念じながらカードをよくシャッフルして、一枚抜き出すだけでOK。
ルノルマンカードには逆位置がないので、タロットカードのように上下まで意識してシャッフルする必要がありません。トランプのようにシャッフルして大丈夫です。
占うことは「今日の運勢を知りたい」や、「○○という悩み事に対してのアドバイスが欲しい」など、シンプルな質問形式にしましょう。
あとは、出たカードをインスピレーションをふくらませて読み解いていくだけです。
■スリーオラクル:3枚引き
過去から現在、そして未来への運勢の流れを見るためのスプレッドです。
まずカードをよくシャッフルします。3枚引いて、左から順番に並べます。
左:過去・原因
真ん中:現在の状況
右:未来
を表しています。過去から現在への流れを読み解き、未来に起こることを予測していきましょう。
これに1枚足して、合計4枚で占うスプレッドもあります。4枚目はアドバイスカードとなり、2枚目の下に配置します。このカードには全体のテーマやこれから気をつけるべきことなどが示されています。
■ラインスプレッド:5枚引き
ここからはキーカードというシステムを使った占い方になります。
まず、占うべき事柄(質問)とキーカードを設定します。たとえば、「近いうちに私にステキな異性との出会いはありますか?」という質問であったとします。
キーカードは質問の主語となるもの、つまり占っているあなた自身のことになります。あなたが女性ならば29番・淑女がキーカードです(男性ならば28番・紳士です)。
そしてカードをよくシャッフルして伏せた状態で広げ、淑女のカードが出るまで1枚ずつ直感で引き、開いていきます。開いたカードは引いた順番が分かるように並べていきます。
淑女のカードが出たら、淑女を真ん中に置き、その前に開いた2枚のカードを左から順番に並べます。そしてさらにカードの山から2枚引き、右に向かって並べます。
淑女の周りの4枚があなたを取り巻く環境です。この4枚は左側が過去、右側が未来と時間の流れを作っています。1枚目と2枚目であなたの過去から現在までへの状況の流れを知り、4枚目と5枚目であなたの未来に良い出会いの可能性があるかを探りましょう。これがリーディングの流れです。
時間の流れは左から右へ、これが基本です。カードのコンビネーションを読むときも左から右への流れで読みます。
■9枚引き
ルノルマンカードの占いで最もポピュラーに使われるスプレッドです。3×3の正方形の形にカードを配置します。総合運のほか恋愛運、金運、健康運などどんな質問にも対応できる便利な占いです。
まず、占うべき質問とキーカードを設定します。
質問がぼんやりとしていて絞れない場合は、キーカードはあなたが女性なら29番淑女、男性なら28番紳士となります。
テーマは「結婚」「出会い」「お目当ての男性との関係」などといったようにはっきりしている場合は、淑女または紳士は本人カード、キーカードは別のカードを選びます。
結婚のことについて占うならキーカードは25番リング、恋愛についてなら24番ハート、投資についてなら15番熊など、キーカードは占う事柄によって変わるので注意して下さい。
カードをよくシャッフルして伏せた状態で広げ、キーカードが出るまで直感で1枚ずつ引き、開いていきます。キーカードが出たら真ん中に置きます。
そして、キーカードが出る直前に引いた4枚を、1~3枚目はキーカードの上の段に、4枚目はキーカードの左隣に配置します。さらに伏せたカードから4枚引き、5枚目はキーカードの右隣、6~9枚目はキーカードの下段に配置します。
左側は過去・右側は未来を表し、左から右へ時間は流れます。また上下のカードの関係は、上が下をコントロールしているというような意味合いで読みましょう。
まずは縦の軸の3枚で、過去、現在、未来がそれぞれどのような状況であるかを読んでいきます。次に横の軸の3枚で、上段(目標を表す)、中央(今の状況・悩みをどうとらえているのか)、下段(深層心理、内なる望みを表す)を読み解きます。最後に、総合して結果をまとめます。
■グランタブロー:36枚引き
全てのカードを使ったグランタブローと呼ばれるスプレッドは、ルノルマンカードならではの並べ方。リーディングはとても大変ですが、過去から未来への流れ、恋愛、仕事、人間関係など、あなたを取り巻く状況がこれでほぼ全て分かってしまうという万能なスプレッドです。
前述のようにキーカードや本人カードを決めておく必要があります(質問によっては複数キーカードが存在することもあります)。
まず、質問内容を決めてカードをよくシャッフルし、引きながら並べていきます。全てを並べ終わったらリーディングを開始します。
並べ方は、
①8枚×4段+下段の中央に4枚
②9枚×4段
③7枚×5段+真ん中に本人カード(紳士または淑女)
④6枚×6段
など複数あります。①と②がよく使われることの多い並べ方です。
まず、あらかじめ決めておいた本人カードとキーカードの位置をチェックします。そしてその位置関係が近いか遠いか、そして上下左右斜めにはどのようなカードがあるかをチェックしていきます。キーカードと、それに近いカードたちとの位置関係でインスピレーションを膨らませて、意味するところを読み解いていきましょう。
また、すべてのカードの意味を読む必要はありません。キーカードを中心に十字の形の5枚、またはキーカードとその周囲の9枚で、占い方3や4のように占っていくといいでしょう。キーカードが端に来てしまったときは、少し時間をあけてやり直した方がいいとされています。
本人カード(紳士または淑女)の位置とその周辺のカードもチェックしましょう。本人カードの上下にあるカードは、あなたが制御下におけるもの・おけないものを指しています。上にあるものはあなたが苦手とするもの、下にあるものはあなたが得意とするものを象徴しています。また、背中側にあるカードはあなたの背負っているもの・背負うべきものを表します。
人間関係、特に恋愛運を見るときは、紳士と淑女の顔の向きを見ましょう。紳士と淑女がお互いに見つめ合うような方向であれば想いが通じ合っている状態。どちらかだけが相手を見ているなら片思い。別々の方向なら、関心事はそれぞれ別にある状態というように読むことが出来ます。
紳士と淑女の距離にも注目します。近いなら親密な関係性であり、遠いなら意思疎通がうまくいっていないことを表します。
◯グランタブローのハウス読みについて
「ハウス読み」を取り入れると、カード一枚一枚の意味がいっそう深まり、より詳細なリーディングが出来ます。
ハウスとは文字通り「家」のことで、占星術でもおなじみの用語ですが、マンションの部屋番号のようなものだと考えましょう。グランタブローという一棟のマンションには、36のお部屋があるという設定です。一番左上の番号を1とし、右へ順番に2,3,4…とハウスが並んでいるというわけです。
ところで、ルノルマンカードにはそれぞれ番号が割り振られています。たとえば「騎士」は1番のカードです。マンション・グランタブローのお部屋の1号室にいる人(つまりスプレッドの左上にあるカード)は、背景に1番「騎士」の影響を受けていると考えられます。騎士は「良い知らせ・素早さ」といった意味を持っているので、スプレッドの左上にあるカードはそのようなエッセンスを含んでいると読むことが出来ます。
気になるカードがあればそのハウスを確かめて、その裏に隠されたエッセンスを知ることでカードの意味を正確に汲むことができるでしょう。
ルノルマンカードのリーディング初心者の注意点
ルノルマンカードはタロットカードよりも枚数が少なく、意味も単純なので、勉強を始めたばかりの初心者さんでも占いやすいという特徴があります。
それでも、各カードの意味をまったく知らない状態では占えないし、特定の組み合わせに特別な意味があることがある(たとえば「太陽」と「月」が隣接すると「完全な成功」を意味する)ので、それは最低限おさえておく必要があります。
また、人の感情を推察することに長けたツールであり、感情の入らないものごとについてや人間が推察することが難しい存在の感情については占うことが困難です。たとえば失せ物のありかの鑑定、ペットの気持ちなどを占うのには向いていません。
基本的に複数のカード同士のコンビネーションを考察することで占うので、インスピレーションの力は日々鍛えましょう。毎日小さな占いを繰り返して経験を積むことが大切です。
まとめ
今回はルノルマンカードの特徴、占い方、注意点について解説してきました。ルノルマンカードは近年再注目されている占いツールで、日本でも静かなブームが起こっています。
シンプルでとっつきやすいうえに可愛い絵のカードデッキもたくさん出ていますので、興味を持たれた方はチェックしてみてはどうでしょうか。