性格を表す表現として「情に厚い」という言葉がありますが、「情に厚い」というのは具体的にどのような意味があるか知っていますか?「あなたは情に厚い人だね」というのは褒め言葉なのでしょうか、それとも良い意味ではないのでしょうか?
今回は、「情に厚い」という言葉の説明や類語、反対語、そして情に厚い人の特徴について、性格や行動、恋愛、性別など様々な面から考察していきます。この記事を読めば、あなたも情に厚い人になることができるかもしれません。
情に厚いの意味とは?褒め言葉?
「情に厚い(じょうにあつい)」という言葉の意味とは、「相手を思いやる心がある」「豊かで優しい心を持っている」などです。
思いやりや豊かな心を持ち、他人の気持ちを理解しようと努力することができる人。他者の喜びや悲しみ、辛さなど様々な感情を自分のことのように共有できるのが「情に厚い」ことだと言えます。
また、相手の状況や気持ちに応じた対応や声掛けができるのも、「情に厚い」ということ。つまり、「情に厚い」というのは他人を思いやることができる人への最高の褒め言葉だと言えるでしょう。
似た言葉に「情に弱い」という言葉がありますが、情に弱い人は共感し同情しやすい人のことを指します。
情に厚いの類語・言い換え
「情に厚い」というのは、前述の通り思いやりや豊かな心を持っている、ということです。「情に厚い」の類語や言い換えには、
・情け深い
・慈悲深い
・情の深い
・人情の濃い
・人情味のある
・義理人情のある
・寛大な
・心優しい
・心温かな
などがあります。「情に厚い」の「情(ジョウ)」は「情け」とも読むことができ、思いやりや愛といった意味があります。ですから、周囲への愛情や思いやりを持っている、といった意味の言葉が、「情に厚い」の類語・言い換えとなります。
情に厚いの対義語・反対語
では「情に厚い」と逆の意味を持つ対義語や反対語にはどのようなものがあるのでしょうか。「情に厚い」の反対の意味とは、思いやりの心や広い心を持っていない、ということになりますので、対義語や反対語には、
・薄情
・不親切
・意地悪
・情に薄い
・情がない
・思いやりのない
・優しさのない
などがあります。言動に相手への思いやりや優しさが感じられない人や、自己中心的で親切心がない人は「情に厚くない」ということになります。「情に厚い」というのは良い意味の言葉ですので、その対義語・反対語はどちらかといえば悪い意味になります。
情に厚い人の長所は?
「情に厚い」人の長所は、
・心優しい
・心が豊かである
・思いやりの心がある
・相手の気持ちを考えることができる
・協調性がある
・周囲から信頼される
・良い人間関係を構築できる
・先頭に立ち人をまとめることができる
などがあります。「情に厚い」人は、周囲の人がどう思っているか、どう感じることができるかなどを汲み取ることができるので他者に優しくすることができます。
また、その思いやりの心を活かした言動ができるので、周囲から信頼を集めることができますし、協調性があり輪を乱すこともないので、様々な場面で良い人間関係を作ることも可能です。
信頼や人気があり、更に困っている人や悩んでいる人を助けることもできるので、先頭に立つリーダー的な役割にも向いています。人の上に立って行動を起こすことももちろんできますが、反対に影のリーダー、縁の下の力持ちとなってリーダーやメンバーをサポートすることも苦手ではありません。
情に厚い人の短所は?損する?
「情に厚い」というのは褒め言葉ですが、「情に厚い」人にも短所はあります。それは、
・「NO」と言えない
・八方美人と思われがち
・無理をしやすい
・利用されたり騙されたりしやすい
・ストレスが溜まりやすい
などの点です。情に厚い人は他者の気持ちを考えるあまり、自分の意見を主張したり、イヤな場面でもはっきりと「NO」と言ったりすることが苦手。そのせいで「調子のいい人」「八方美人」だと思われてしまうこともあるかもしれません。
また、どんなことでも「いいよ」と受けてくれると思う良くない相手には、利用されたり騙されたりすることも。さらに、自分の感情を押し殺して、周囲の期待に応えようとするあまり無理をしてしまい、ストレスが溜まってしまう可能性があるのも、情に厚い人の短所だと言えます。
情に厚いというのは良いことですが、度が過ぎると損をしてしまったり本当の自分を出せなくなったりすることもあるので注意が必要です。
情に厚い人の特徴5個[性格]
ここからは「情に厚い」人の特徴について解説していきます。まずは「情に厚い」人の性格から。情に厚い人の性格の特徴には以下のようなものがあります。
■1. 思いやりがある
「情に厚い」の意味にもありますが、情に厚い人は思いやりのある優しい性格をしています。常に思いやりを持って生きており、どんなときでも自分ではなく周囲の人のことを考えて行動することができるのが「情に厚い」人です。
また、家族や友人、大切な人はもちろん、周囲にいる人や生き物、ものなど多くの対象に愛情を注ぐことができます。
■2. 気配り上手
「情に厚い」人の良いところは、優しさや親切心、そしてそれに伴う言動を相手に押し付けないこと。さりげない気配りがすることができるので、相手も感謝の気持ちが大きくなります。
もし相手に感謝されなくても、「情に厚い」人は気にしません。心の底から湧き出る思いやりや親切心の持ち主なので、見返りを求めることはないのです。
■3. 強い正義感を持っている
「情に厚い」人は正義感の強い性格でもあります。正義感を持って生きているので、困っている人や間違っていることを黙って見過ごすことができません。
自分の正義感を信じ、自分を犠牲にして行動することができるのも、情に厚い人の特徴です。
■4. 弱者に優しい
「情に厚い」人は自分よりも弱いものに優しい性格をしています。それは小さな子どもやお年寄りといった人だけでなく、植物や動物などにも同じです。困っている人を放っておくこともできない性格で、多くの人を助けてくれます。
■5. 涙もろい一面も
「情に厚い」人は涙もろい一面も持っています。他者の気持ちを理解しようと努力することができるので、相手の喜びや悲しみなど、様々な他者の感情を自分のもののように受け止めることができます。
感情移入しやすいため、映画やドラマ、テレビ番組などを見ていても思わず涙がこぼれてしまうこともあるのです。
情に厚い人の特徴5個[態度・行動]
続いては情に厚い人の態度や行動の特徴について解説します。
■1. 約束をしっかり守る
「情に厚い」人は、周囲の人のことを考えており、周囲に迷惑をかけることを嫌います。ですから、約束したことはしっかりと果たし、破ることのないよう心がけています。
もし約束を守れなくなった場合にはしっかりと理由などを説明し、別の部分で挽回しようとするので、周囲からの信頼も自然と厚くなります。
■2. 周囲の人間を大切にする
「情に厚い」人は周りに集まってくる人間をとても大切に行動します。家族や友人など、身近な相手に対しては特にそうですが、それ以外の「無関係」と思えるような人も大切にする、つまりご縁や繋がりといった部分を重視しているのも、「情に厚い」人の特徴です。
■3. してもらった恩を返そうとする
「情に厚い」人は自分が誰かにしたことへの見返りなどは求めませんが、誰かから自分がしてもらったことへの恩はわすれません。そして、その恩を必ず返そうと努力します。
また、自分に親切にしてくれた相手を非常に信頼しますが、信頼しすぎて何かあったときに「裏切られた」と感じてしまうこともあります。
■4. 感情のままに行動する
「情に厚い」人は思いやりを持ち、見返りを求めない性格をしています。そのため、「こうしたら自分のプラスになる」「この発言で損をするのではないか」といった損得勘定などをせず、良いと思ったこと、してあげたいと思ったことに関しては感情のままに行動する傾向があります。
■5. まとめ役が上手
「情に厚い」人はその思いやりある言動によって、周囲から絶大な信頼を集めます。多くの人が相談をしたり、頼りにしたりしてくるでしょう。
相手の立場になって考えることができることから、まとめ役や仲介役も上手。周囲も「この人なら大丈夫」「最後までまとめてくれる」と、安心して任せられます。
情に厚い人の特徴5個[恋愛]
「情に厚い」人の性格や行動の特徴がわかったところで、今度は恋愛に関する特徴を見ていきたます。「情に厚い」人は恋愛に関しても上手にやりくりすることができそうですが、短所はあるのでしょうか。
■1. 相手の主張などを受け入れられる
「情に厚い」人は豊かな心と思いやりを持っているので、付き合っている相手の主張や願望などを快く受け入れることができます。
相手が気持ち良くいられることを考えてくれるので、付き合っているととても居心地がよく楽しい場合が多いです。
■2. 相手をダメにする
前述の通り、相手の主張を受け入れられるのが「情に厚い」人の恋愛ですが、あまりにも相手の主張に「いいよ」と言いすぎるあまり、相手が付け上がってしまう、何もしない人になってしまうことも。
相手をダメにしてしまい、いいように使われて最終的に捨てられてしまう可能性もゼロではないので注意が必要です。
■3. 惚れっぽい
「情に厚い」人は惚れっぽい一面も持っています。相手の感情に影響されやすいので、「好き」と言われたり好意ある言動を取られたりすると、ついついその相手のことが気になってしまいます。
特に好きでもなかった相手でも、全力でアプローチされればなびいてしまう、「八方美人」のように思われる一面が恋愛にも顔を出すのです。
■4. 恋愛への優先順位が低いと上手くいかない
「情に厚い」人は周囲にいる全ての人を大切にしようとしますが、やはり生きていく上で優先順位というものが発生してきます。
恋愛よりも家族や仕事、趣味、友人などの優先順位が高い場合「仕事と私(俺)のどっちが大事なの?」「友達とばっかり遊んでてデートしないなんて」などと思われてしまい、恋愛がうまくいかなくなってしまうこともあります。
■5. そもそも恋愛に発展しないことも多々
「情に厚い」人は誰にでも親切で、思いやりある行動をとります。恋愛というのは、1人の相手を大切にし、向き合うことですから、情に厚い人は「いい人止まり」になってしまうことも少なくありません。
自分が情に厚い人間で、なかなか恋人ができない、という人は本当に好きになった相手を特別扱いすることを覚えることで、関係を発展させることができるのではないでしょうか。
情に厚い男性の特徴
「情に厚い」男性は親切で思いやりがあります。困っている人を助けたり、悩んでいる人が相談できるような空気をさりげなく作ったりすることができ、周囲から頼られる存在です。
男性が特に情に厚い部分を発揮するのは組織の中。情に厚い男性は、会社や友達同士の人間関係などを特に大切にします。情に厚い男性は自分のプライベートな時間を削ってでも残業や飲み会、会社のイベントなどに参加したり、友人の悩みを聞いたりするので、そういった組織内で非常に大切にされます。
しかし恋愛の特徴にも挙げたように、仕事や友達関係を優先するあまり、恋愛の方がおろそかになってしまうことも多々あります。また、誰にでも優しい人は多くの女性が恋愛相手に求める「特別感」が薄いため、情に厚い男性は恋人を作ること自体も苦労するかもしれません。
情に厚い女性の特徴
情に厚い女性も優しく、そして涙もろい人が多いです。温かく広い心を持っている情に厚い女性は多くの人に好かれます。情に厚い女性が1人いるだけで、その場の空気が和む、なんてことも少なくありません。
恋愛においては男性が求める自分を受け入れてくれるような「母性」を持っているので、アプローチされることも多いでしょう。男性の提案や趣味などにもイヤな顔をせず付き合うことができるので、男性も情に厚い女性との時間を大切にします。
しかし、情に厚い女性は、恋人の様々な要求を受け入れる傾向があるので、尽くしすぎると相手が調子に乗り、利用されてしまうこともあるかもしれません。
「受け入れる」ことが情に厚い女性の長所ではありますが、受け入れるばかりだとストレスを抱えてしまいます。また、「NO」と言えないことを逆手に取られ、相手の感情やその場の雰囲気に流されて傷つく可能性もあるので注意しましょう。
情に厚い人に向いている仕事
情に厚い人は、思いやる心があり、人間関係を上手く作れることが多いでしょう。信頼関係をしっかりと相手と作ることができます。
そのため、経営者や弁護士、医師など志の高い仕事に向いているでしょう。その他にもサービス業や組織の中でのマネジメント職など、様々な場所で活躍することができます。
情に厚い人になる方法5個
「情に厚い」人には様々な特徴がありますが、基本的に「情に厚い」と言われるのは褒め言葉です。では、情に厚い人になるにはどういった行動や考え方をしていけばよいのでしょうか。情に厚い人になる方法をご紹介します。
■1. 人との約束や繋がりを大切にする
情に厚い人は人間関係や約束といったものを非常に大切にします。どんな些細な約束でも守るように意識し、周囲から信頼される人になれるよう努力しましょう。
また、家族や友人、恋人、職場など今ある人間関係を大切にすることはもちろん、自分では「関係ない」と思っている人たちについても改めて見直してみてください。
たくさんの人との繋がりを大切にすることで、自分自身も周囲から大切にしてもらえるようになります。
■2. 他者への思いやりの心を忘れない
何度も言いますが「情に厚い」とは思いやりの心がある、ということです。思いやりのない人は情に厚い人にはなれません。周囲の人がどうしてもらったら、どんな言葉をかけてもらったら嬉しいと感じるかを考えて行動することで、自然と思いやりの心が育っていきます。
自分に余裕がないときやイライラしたときには難しいかもしれませんが、そういったときこそ余計に思いやりを持つことを忘れてはいけません。
■3. 見返りを求めず、してもらったことを忘れない
情に厚い人は自分が相手にしたことに対し、見返りを求めたり恩を着せることはありません。「~してあげたのに」という気持ちは捨て、奉仕の精神で行動するようにしましょう。
しかし反対に、誰かにしてもらった親切などは絶対に忘れてはいけません。自分がしてもらって嬉しかったことに関しては、必ず恩返しをするようにしてください。また、嬉しかった、救われた経験を他の人にもしてあげられるようにするとなお良いでしょう。
■4. 周りをよく見て行動する
情に厚い人は常に周囲の人への思いやりの心を持って行動しています。周囲へ気配りするためには、目配りを怠ってはいけません。
どのような場面でも周囲の人のことをよくみて行動することを心がけてください。周りをしっかりと見ていれば、誰が困っていて、どんな言葉や手助けを求めているかが自然と分かってきます。
■5. 悪いところではなく良い部分を見る
人間は他人にされて嬉しかったことよりも、嫌なことの方が記憶に残りやすく、嫌な印象で人を見てしまいがちです。しかし、情に厚い人は他人に嫌だという感情をあまり抱きません。
周囲の人の嫌な部分を見たり、嫌いな相手を作るのではなく、してもらって嬉しかったことを忘れず、苦手な人に対しても良いところを探すようにしてみてください。始めは難しいかもしれませんが、続けていくことで豊かな広い心を持つことができるようになります。
まとめ
今回は、情に厚い人とはどういう人か、その特徴を性格や恋愛、長所・短所、などから解説しました。情に厚い人は、思いやりに溢れる優しい心を持っています。自分よりも周りを大切にするので、人から信頼され、好かれ、輪の中心になることができます。
「情に厚い」というのは非常に良い褒め言葉ですが、言われた方はプレッシャーに思ったり、「八方美人ってことかな」などと気に病んだりする可能性もあるので、使う際は注意が必要です。
しかし、情に厚いことは決して悪いことではありませんので、ぜひ今日から情に厚い人を目指し、広く優しい心を持った行動を心がけていってくださいね。