和柄模様の種類・名前55個と意味一覧

和柄模様の種類・名前55個と意味一覧

日本の和柄模様には様々な種類があります。その和柄の名前と意味を一覧でそれぞれ解説します。和服、食器、インテリア、建物などで見たことのあるものも多いでしょう。好きな和柄を探してみてください。


目次

お好みの和柄文様はありますか?和柄文様は着物や漆器、陶磁器だけでなく部屋のインテリアや壁紙など広い範囲で使われています。

和柄の深い意味が分かると、ますます愛着が増すことでしょう。本記事では、和柄模様の種類とその意味をご紹介します。

歴史的には、和柄のもとになった文様の多くは、古代エジプトやメソポタミアからシルクロードを経て中国に伝わり、奈良時代から平安時代にかけて日本に伝来しました。

その後、日本の文化と融合し、日本独自の和柄として発展しました。以下に50音順にご説明いたします。

1. 麻の葉(あさのは)

麻の葉(あさのは)和柄模様イメージ

大麻の葉をもとにした文様です。六角形を連続してつなげていく幾何学的な文様です。目の錯覚で立体的にゴツゴツとした三角錐が連続してならんでいるように見えます。

江戸時代になると、庶民の着物の柄として流行しました。着物の柄としては、歌舞伎の演目で「八百屋お七」の衣装に使われています。

美しいお七の可憐さを表現する柄として人気が上がりました。現代では、着物や帯、長じゅばんなどの柄として広く使われています。

2. 網目文(あみめもん)

網目文(あみめもん)和柄模様イメージ

漁に使う網の目のように、柔らかい曲線に囲まれた文様です。江戸時代に流行った文様で、着物や手ぬぐい、陶磁器の文様に使われました。

漁師の人たちは、網目文様に海の海産物の魚や海老、タコなどの動物を加えて、一網打尽の願いをこめて「大漁文」(たいりょうもん)を作りました。

漁師がお祝い事に使う半纏(はんてん)の文様にも用いられました。現在は、高級料亭の女将さんの着物や帯の柄として使われることがあります。

3. 有栖川錦(ありすがわにしき)

鹿文有栖川錦

有栖川錦には数種類の文様があります。「有栖川錦鹿文(ありすがわにしきしかもん)」は、有栖川宮家(ありすがわのみやけ)の伝来の錦に由来するものと言われています。

また、「有栖川錦の馬文様」は、戦国時代の前田家伝来のものです。季節を問わず用いることができる格調の高い直線的な構図は、現代でも使える近代的な文様です。

4. 井桁卍(いげたまんじ)

井桁卍(いげたまんじ)和柄模様イメージ

井桁卍は、「井桁文(いげたもん)」のひとつです。井という字を組み合わせて連続させた文様です。「井桁」(いげた)とは、昔、井戸の上部の縁に「井」の字のように木枠を乗せたことから、「井桁」(いげた)と呼ばれています。

「卍」(まんじ)は、井桁の接点に集まる線が、卍のように見えることから、井桁卍の名前が付きました。着物や帯の柄の他に手ぬぐいや和小物などに広く用いられています。

5. 一の字繋ぎ(いちのじつなぎ)

一の字繋ぎ(いちのじつなぎ)和柄イメージ

平行線の間を等間隔に垂直線で区切ったような文様です。レンガのように積み上げた形に似ています。

江戸時代の文様として、部屋と部屋の仕切りの部分の欄間(らんま)の文様などに使われましたが、現代でも通用するシンプルな文様です。男の子の甚平の文様などに使われています。

6. 市松模様(いちまつもよう)

市松模様(いちまつもよう)和柄模様イメージ

格子文様のひとつで、二色の正方形あるいは長方形を交互に連続してつなげた文様です。洋服などに使われるチェックの柄と同じデザインです。

市松模様の歴史は古く、古墳時代からあります。江戸時代は、このチェック柄を「石畳文様(いしだたみもんよう)」と呼んでいました。

市松の名前の由来は、江戸時代の歌舞伎役者の初代、佐野川市松(さのがわいちまつ)が衣装に白と紺の模様の袴をはいたことから、人気が出て、市松模様と呼ばれるようになりました。

7. 打ち出の小槌(うちでのこづち)

打ち出の小槌(うちでのこづち)

振れば宝物が出て来るという打ち出の小槌は、縁起の良い物として人気があります。「宝尽くし(たからづくし)」という柄を構成する宝物の中のひとつです。

平安時代から、宮中にて親王や官女の衣装に使われました。現在では、一生物に困らないように、願いが叶うようにという思いを込めて、お宮参りの着物の柄に使われています。

打ち出の小槌は、七福神の大黒様が持っている宝物ですが、伝説のひとつに、鬼の宝物でもありました。怠け者の頭を小槌でたたいて目を覚まさせたという言い伝えがあります。

8. 梅文様(うめもんよう)

梅文様(うめもんよう)和柄模様イメージ

梅文様は、中国に起源があります。奈良時代に日本に伝えられました。梅の花は万葉集にも数多く歌われ親しまれてきました。梅の木の成長の速さや忍耐力、あるいは生命力にちなんで、梅文様は多くの人々に愛されてきました。

梅文様の種類は多く、代表的なものとして、まっすぐな枝に花をつけた「槍梅(やりうめ)」、花びらをねじった「ねじり梅」、梅の花を図案化した「梅鉢(うめばち)」など、その他にもたくさんの梅文様があります。

新春の訪れを知らせる梅の花の文様は、春一番で着る着物の柄として親しまれています。その他に、礼装用の留袖(とめそで)や訪問着の柄としても用いられます。小さな梅の花を散らした小紋の柄も人気があります。

9. 鱗文様(うろこもんよう)

鱗文様(うろこもんよう)和柄種類イメージ

鱗文様は、「入れ替わり文様」と言い、三角形を交互に入れ替えて文様を形づくっています。魚や蛇の鱗(うろこ)に似ているところから鱗文(うろこもん)と呼ばれるようになりました。

昔から武家の紋としても使われています。鎌倉時代の北条氏の家紋には「三つ鱗紋(みつうろこもん)」が使われました。その後、戦国時代に北条早雲が起こした北条氏でも「三つ鱗紋」を原型として、三角形を二等辺三角形に変形して使用しました。

10. 老松文様(おいまつ)=松文文様(まつもん)

老松文様(おいまつ)=松文文様(まつもん)和柄種類イメージ

老松文様とは、樹齢何百年と言われるような立派な枝ぶりをした松の木を文様にしたものです。松の木は常緑樹で、冬でも枯れることがありません。

いつもすがすがしい緑色をしています。お正月の門松に使われて縁起の良い木とされています。運を開き、福を招くと言われています。

松の木の文様の種類としては、若松文(わかまつもん)、笠松文(かさまつもん)、松葉文(まつばもん)、枝松文(えだまつもん)、大王松(だいおうまつ)などがあります。

11. 扇文(おうぎもん)=扇面(せんめん)

扇文(おうぎもん)=扇面(せんめん)和柄種類イメージ

扇文様は末広がりという意味で、縁起の良い文様とされています。扇の形から、「末広(すえひろ)」とも呼ばれています。

扇は平安時代の貴族のアクセサリーや遊び道具として愛用されました。扇文様は用いる人々の高貴な優美さを表し、古くから貴族の衣装の文様として用いられました。

扇の中に美しい草花を描き、飾り紐などを付けた扇文様はとても華やかな図柄となります。

12. 鴛鴦(おしどり)

鴛鴦(おしどり)和柄種類イメージ

鴛鴦(おしどり)の文様は、古くからあり、正倉院の宝物の中に鴛鴦の文様が見られます。

おしどり夫婦と言われるくらいに、仲の良い夫婦の象徴でもあります。羽根の色が美しく鮮やかなことから、着物や帯などの文様として用いられています。

13. 籠目(かごめ)

籠目(かごめ)和柄種類イメージ

籠目文様の籠目(かごめ)とは、竹で編んだ籠(かご)の格子状の網目のことを言います。網目の形は、「六つ目編み」、「四つ目編み」、「麻の葉編み」、「ござ目編み」、「波網代」、「松葉編み」など、いろいろなパターンがあります。

特に、珍しい形として、星の形になった「六芒星(ろくぼうせい)」の形は、神聖な力を持っていると信じられています。イスラエルの国旗も同じ六芒星です。

14. 鹿の子文(かのこもん)

鹿の子文(かのこもん)和柄模様種類イメージ

鹿の子文の由来は、小鹿の背中のまだら模様に似ていることからその名が付きました。絞り染めの技法で作られる文様です。回と言う字に似た白い斑(まだら)を一面に散らした文様です。

製法は、布地を指先で少しつまんでは糸でくくり、防染して、白い斑を作り出す染め方です。とても手間がかかる染め方なので、一反の着物を染めるのに数か月かかります。総絞りでできた着物は高級品とされています。

15. 唐草文様(からくさもんよう)

唐草文様(からくさもんよう)和柄種類イメージ

植物の蔓(つる)を図案化したものです。蔓(つる)の間に花や葉、実などを加えているものもあります。蔓(つる)と組み合わせる植物によって、「忍冬唐草(にんどうからくさ)」、「葡萄唐草」、「牡丹唐草」、「蓮華唐草」などの文様の種類があります。

この文様は古代エジプトやメソポタミアを起源としています。シルクロードを経由して中国に伝わり、その後日本に伝わりました。江戸時代、大きな風呂敷の柄として良く使われました。

16. 観世水(かんぜみず)

観世水(かんぜみず)和柄模様イメージ

観世(かんぜ)は能楽の名家、観世家のことです。観世水は、流れる水を表す観世家の定式紋です。

着物の柄になったきっかけは、明治時代に歌舞伎(かぶき)の人気役者であった四代目沢村源之助(さわむらげんのすけ)が、お芝居などの衣装の文様で使ったことから、人気を呼び着物の文様として人々の間で流行りました。

17. 亀甲文(きっこうもん)

亀甲文(きっこうもん)和柄模様イメージ

亀甲はもともと中国から伝わった文様です。平安時代の貴族の衣装などの文様として使われました。形は亀の甲羅(こうら)の文様を模した正六角形をしています。亀は万年という長寿を意味しています。

亀甲文様の歴史は古く、正倉院宝物の中に描かれたものがあります。亀甲文様の種類としては、「亀甲繋ぎ(きっこうつなぎ)」、「亀甲花菱(きっこうはなびし)」、「毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)」などがあります。

18. 亀甲花菱文(きっこうはなびしもん)

亀甲花菱文(きっこうはなびしもん)和柄模様イメージ

亀甲形を上下左右につないだ「亀甲繋ぎ(きっこうつなぎ)」に花菱(はなびし)を4枚入れたものを亀甲花菱文(きっこうはなびしもん)と言います。平安時代、衣装や調度品の文様に多く用いられました。

現在は、長寿を願う亀甲の文様は縁起の良いものとして、礼装用の着物や帯の文様として用いられています。その他家具などの装飾の文様としても使われています。

19. 釘抜繋ぎ(くぎぬきつなぎ)

釘抜繋ぎ(くぎぬきつなぎ)和柄模様イメージ

釘抜繋ぎは、縦にした正方形の中に小さな正方形で穴を開けたような文様です。釘抜で釘を抜いた跡のような形をしています。

この文様を縦につなげたものが、釘抜繋ぎです。江戸時代のとび職や大工の半纏(はんてん)に使われた文様です。

20. 曲輪繋ぎ(くるわつなぎ)

曲輪繋ぎ(くるわつなぎ)和柄模様イメージ

丸い輪を重ねてつなげた文様です。「郭繋ぎ(くるわつなぎ)」、「輪違繋ぎ(わちがいつなぎ)」とも言います。

手ぬぐいや浴衣などによく使われています。輪をふたつに重ねた文様の「輪違い」は、家紋にも使われています。

21. 毛卍文(けまんもん)

毛卍文(けまんもん)和柄模様イメージ

花びらのような花弁の形が三日月形を放射状に開いたような円形の文様です。もとの形は唐獅子(からじし)の身体の巻き毛を図案化したものです。毛の形が、卍(まんじ)のような図柄なので毛卍文(けまんもん)と呼ばれています。

唐獅子の巻き毛は太陽を表しています。大変目出度い文様とされています。獅子舞の胴体に当たる部分をおおう布地には、緑の地に白抜きの毛卍文が使われています。

22. 源氏香(げんじこう)

源氏香(げんじこう)和柄模様イメージ

源氏香とは、香道(こうどう)から来た言葉です。源氏香の文様は、縦5本の線を基本として、横線の配置によって、52種類の名前が付いています。

文様の名前の由来は、源氏物語です。54帖ある中から、最初の「桐壷」と最後の「浮橋」の除いた52の名前です。

例えば、夕顔、明石、匂宮などの名前が付いています。シンプルであっさりした文様ですが、気品と優雅さを表しています。着物や帯などの柄に使用されています。

23. 工字繋ぎ(こうじつなぎ)

工字繋ぎ(こうじつなぎ)和柄模様イメージ

「工」(こう)の字を斜めにして、連続してつなぎ合わせた文様です。延命や長寿の意味があると言われています。

江戸時代の有名な画家であり工芸家の尾形光琳(おがたこうりん)が創始した文様です。工字繋ぎ文様は、芯を貫く意志の強さを表現していると言われています。

紗綾形(さやがた)と同じように、着物の地紋によく使われます。無機質で幾何学的な文様ですが、離れてみると意外に豪華さがあり、粋な文様として見えます。

24. 小桜文様(こざくらもんよう)

小桜文様(こざくらもんよう)和柄模様イメージ

小桜文様は小さな桜の花を一面に散らした絵柄です。桜の持つ華やかさと優美さを表しています。非常に小さな桜の小桜文様は一見無地に見えるくらいの細かい柄のものもあります。

桜は、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を表す縁起の良い文様と言われています。潔いという印象から、武士の武具や着物の文様としても使われました。

現代では可愛らしい桜の文様を使った着物は、若い女性だけでなく、幅広くあらゆる女性の着物の文様として人気があります。

25. 子持ち吉原(こもちよしわら)

子持ち吉原(こもちよしわら)和柄模様イメージ

「子持ち吉原」は、「吉原繋ぎ(よしわらつなぎ)」を発展させた柄のひとつです。吉原(よしわら)の名は、江戸時代の最大の遊郭(ゆうかく)であった吉原の名前が由来となっています。

「吉原繋ぎ(よしわらつなぎ)」の四角形の内側に、さらに四角の縁取りをいれて鎖のようにつないだ文様です。遊郭で流行った文様ですので、粋でどことなく艶やかです。

浴衣や手ぬぐいの柄としてよく使われます。こちらの文様も含めて、「吉原繋ぎ」と言うこともあります。

※「吉原繋ぎ」は、後述の項で説明していますのであわせてご参照ください。

26. 笹の葉(ささのは)

笹の葉(ささのは)和柄模様イメージ

笹の葉の文様は、古来より目出度い文様として扱われてきました。笹は竹と同じ種類の植物ですが、竹よりも低く、葉は竹よりも広く、茎は細いのが特徴です。笹の種類としては、熊笹(くまざさ)や粽笹(ちまきざさ)が知られています。

冬の寒さの中でも生命力が強く、青々として茂るところから、「永遠」とか「不老不死」の象徴として、礼装用の着物などの文様として使われています。

笹の葉文様の種類として、唐草と組み合わせた「笹唐草文(ささからくさもん)」、「笹蔓文(ささづるもん)」、「雪持ち笹(ゆきもちざさ)」などがあり、小さい笹の葉の小紋も上品で気品があります。

27. 鮫文様(さめもんよう)

鮫文様(さめもんよう)和柄模様イメージ

鮫の皮の模様のように細かい点を並べてあるのが鮫文様です。鮫文様には、「極鮫(ごくさめ)」、「中鮫」、「並鮫」があります。「極鮫」の場合は、3センチ四方に約900個の鮫の点が入っています。

鮫の文様を使った江戸小紋の代表的なものが「鮫小紋」です。半円形の模様を重ねたように見える文様です。45度に規則正しく並べた「行儀小紋」、正方形を縦横に並べた「角通し」と並んで「小紋三役」と呼ばれています。

江戸時代は、薩摩藩(鹿児島県)の島津家で、裃小紋(かみしもこもん)と言われる礼装用の衣装の指定の柄でした。現在は、茶道をなされる方の着物の文様としても、お宮参り、入学式や卒業式、結婚式などに使う柄としても使える格式の高い文様です。

28. 紗綾形(さやがた)

紗綾形(さやがた)和柄模様イメージ

紗綾形とは、卍(まんじ)という字を斜めにくずして連続させた文様です。そのため「卍崩し(まんじくずし)」、「卍繋ぎ(まんじつなぎ)」、「雷文繋ぎ(らいもんつなぎ)」、「菱万字(ひしまんじ)」とも言います。

桃山から江戸時代に中国の明から、表面がなめらかな絹織物の紗綾織(さやおり)が輸入され、その模様を紗綾形(さやがた)と呼ぶようになりました。

江戸時代の絹織物の綸子(りんず)には、この紗綾形が使われました。また、慶事礼装用として、白襟には必ず紗綾形が使われていました。

29. 七宝つなぎ(しっぽうつなぎ)

七宝つなぎ(しっぽうつなぎ)和柄模様イメージ

ひとつの円の円周を4分割して、他の4つの円で等しく4つの部分で重なるように配置します。同じ重ね方で、同じ大きさの円を連続して重ねていくと、七宝つなぎの文様になります。「輪違いつなぎ文」とも言います。

四方に連続して広がることから、永遠を表すおめでたい意味があります。四方(しほう)が変化して、「しっぽう」と呼ばれたことから、七宝になったと言われています。

七宝の意味は、金、銀、瑠璃(るり)、めのう、さんご、水晶、真珠の七つの宝を意味しています。

30. 鈴(すず)

鈴(すず)和柄模様イメージ

鈴は昔から神社などの行事の中で使われる重要な道具です。魔除けの効果があるとされ、お守りなどにも鈴が付いています。昔から女の子に初めて着せる着物の文様として使われました。

現代でもお宮参りや七五三など、お子様に着せる着物には鈴の文様が良く使われています。お子様用に花車や御所車などとの組み合わせの可愛い文様の着物や、松竹梅や雲などの柄と組み合わせて、豪華な柄の着物など、人気の高いものとなっています。

31. 青海波(せいがいは)

青海波(せいがいは)和柄模様イメージ

扇型の波をかたどった文様です。青海波の由来は古代ペルシャで生まれ、中国を経由して日本に伝わりました。

名前の由来としては、日本古来の芸能としての舞楽(ぶがく)の演目で「青海波」の装束の文様として使われたことから、この文様の名前として呼ばれるようになりました。

江戸時代になると、青海波の種類が増え、「菊青海波」、「松青海波」、ひし形になった「菱青海波」などが生まれました。

32. 鯛文(たいもん)

鯛文(たいもん)和柄模様イメージ

鯛文は、めでたいという語呂合わせで、縁起が良く祝い事などによく用いられています。鯛文の中の「祝い鯛文(いわいたいもん)」は、出産祝い、還暦や古稀の祝いの贈り物として、旗や着物、足袋、Tシャツ、手ぬぐいなどの文様として人気があります。

「鯛丸文(たいまるもん)」とも言います。図柄は、二尾の鯛の頭と尾を向かい合わせて文様化したものです。

33. 宝尽くし(たからづくし)

宝尽くし(たからづくし)和柄模様イメージ

とてもおめでたい文様として、「宝尽くし文」があります。晴れ着などの文様に多く使われています。

宝物を集めた文様で、願いが叶うとされる「如意宝珠(にょいほうじゅ)」、その他、「打ち出の小槌」や「金嚢(きんのう)」、「隠れ蓑(かくれみの)」、「宝剣(ほうけん)」、「法螺(ほら)」、「丁子(ちょうじ)」、「分銅(ふんどう)」など、たくさんの宝物が描かれています。

中国の縁起の良い吉祥文様(きっしょうもんよう)とされる「八宝」に由来するもので、室町時代に日本に伝わり和風化したものが「宝尽くし」となりました。

34. 竹文様(たけもんよう)

竹文様(たけもんよう)和柄模様イメージ

竹文様は、松や梅と合わせてめでたい縁起の良いものとして、着物の柄や、調度品、家具などの文様として使われています。竹はまっすぐに伸びることから威勢が良い、また折れにくい、成長が速いなどの特徴があります。

着物の柄の他に、工芸品などでは、蒔絵などに竹が描かれています。その他、能で使う能装束などにも竹の文様が使われています。

35. 橘文様(たちばなもんよう)

橘文様(たちばなもんよう)和柄模様イメージ

橘は、みかんなどの木の総称です。常緑樹で「永遠」を意味し、葉や花に良い香りがします。文様としては、平安時代末期に現れ、江戸時代には武家の家紋に使用されています。

最近では、文化勲章のデザインに使用されています。橘を使った家紋の種類としては、「橘紋」、「丸に橘」、「井桁に橘」、「三つ葉橘」、「彦根橋」、「三つ組み合わせ陰橘」、「五つ寄せ橘」などがあります。

36. 立涌文(たてわくもん)

立涌文(たてわくもん)和柄模様イメージ

立涌は、水蒸気が涌き上がる様子を2本の曲線で描いたものと言われています。同じ種類の「雲立涌文様(くもたてわくもんよう)」は、雲がわきあがる様子を描いたものです。

高貴な文様とされ、関白の着る装束や親王の袴などに使われています。現代でも、男子皇族の指貫(衣冠に用いるズボンのようなもの)には、この文様が使われています。

37. 束ね熨斗文(たばねのしもん)

束ね熨斗文(たばねのしもん)和柄模様イメージ

束ね熨斗文は、きらびやかな美しいリボンを束ねたようなデザインです。宴席やお祝い事に使う食器などの模様として使われます。おめでたい模様のひとつです。

亀甲(きっこう)や七宝(しっぽう)、梅(うめ)、牡丹(ぼたん)、菊(きく)などの模様と合わせて描かれると、豪華さが増します。

38. 椿文様(つばきもんよう)

椿文様(つばきもんよう)和柄模様イメージ

椿の柄は、着物の柄として人気のある文様です。伝統的な古典柄ではありますが、西洋の柄に負けない花柄です。椿の花の色は、赤、ピンク、白の三種類があります。特に濃いピンク色の花びらと緑色の葉との対比がハッキリとしているので、性格の強い柄と言えます。

花が散る時に思い切りよく落ちるので、病気見舞いなどには不向きな花と言われています。樹齢が長く、長寿を意味する木でもあるので、平安時代から厄除けの樹木として扱われていました。

39. 茄子文様(なすもんよう)

茄子文様(なすもんよう)和柄模様イメージ

茄子は、昔から縁起の良い植物として人気があります。「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」と言われ、目出度いものの代表にもなっています。

富士は、扇子と同じ意味で「末広がり」を意味し、鷹は高く空に飛ぶことから、「運気上昇」を表し、茄子は「物事を成す」にかかる言葉でもあり、表面がツルツルして毛がないことから、「怪我が無い」という意味にもなります。

願い事を叶える茄子の柄を入れた着物や手ぬぐい、その他のアクセサリーなど、良いことがおきるように、贈り物にしても喜ばれるものです。

40. 波千鳥(なみちどり)=千鳥文(ちどりもん)

波千鳥(なみちどり)=千鳥文(ちどりもん)和柄模様イメージ

たくさんの千鳥が海の上を飛ぶ様子を文様化したものです。千鳥は夫婦そろって子育てをすることから、家内安全、夫婦円満などの願いが込められています。たくさんの千鳥が仲良く海の波の上を飛ぶ様子が可愛らしく表現されています。

千鳥文様の種類としては、「浜千鳥(はまちどり)」、「沢千鳥(さわちどり)」、「千鳥格子(ちどりごうし)」、「千鳥卍(ちどりまんじ)」などがあります。

41. 業平菱(なりひらびし)

業平菱(なりひらびし)和柄模様イメージ

業平菱は、菱文様(ひしもんよう)のひとつです。「三重襷(みえだすき)」という菱文様の中に、「四つ菱」を入れたものです。縁起の良い文様として身分の高い人の装束や着物の柄として古くから用いられました。

名前の通り、在原業平(ありわらのなりひら)が愛用した柄と言われています。在原業平は、平安時代初期の貴族で平城天皇(へいぜいてんのう)の孫です。和歌が得意で、二枚目と言われていました。東京の墨田区には、地名として業平や業平橋(なりひらばし)があります。

42. 菱文(ひしもん)

菱文(ひしもん)繁菱・和柄模様イメージ

※繁菱

菱文は水草の一種である「ひし(菱)」の葉に形が似ていることから名付けられたものです。

菱形は横長が基本ですが、縦長の菱形の場合は、「立菱(たてびし)」と呼びます。また菱形を連続したものは「繁菱(しげびし)」と呼びます。少し間隔をあけて並べたものは、「遠菱(とおびし)」と言います。菱形のなかに連続して小さな菱形を入れたものは、「入子菱(いれこびし)」となります。

菱文の中でも、代表的なものが、「唐花菱(からはなびし)」です。唐花と呼ばれる花模様を菱形にしたもので、「花菱(はなびし)」と略されることもあります。4つの花菱をまとめて菱形にしたものは、「幸菱(さいわいびし)」と呼ばれています。

43. 菱菊(ひしぎく)

菱菊(ひしぎく)和柄模様イメージ

菱菊は、菊花紋(きっかもん)のひとつです。菊化紋は天皇家や公家や武家の家紋として使われてきました。菊花紋の種類は多くあります。

菱菊は、菊の花を菱形にしたものです。水流とともに描かれたものは、「菊水(きくすい)」や、江戸時代の有名な画家の尾形光琳(おがたこうりん)が考案した「光琳菊(こうりんぎく)」などが有名です。

皇室の菊家紋は、「十六葉八重表菊(じゅうろくようやえおもてぎく)」と言われるものです。着物の柄としても、菱菊は菊の上品さと菱形の厳しさが伝わり、華やかな中にもしっかりした印象になります。

44. 一つ豆蔵(ひとつまめぞう)

一つ豆蔵(ひとつまめぞう)和柄模様イメージ

「やじろべえ」を図案化したものです。「やじろべえ」は、笠をかぶり、合羽(かっぱ)を着た男の後ろ姿をしています。

「豆蔵」(まめぞう)は、江戸時代の大道芸人の名前です。滑稽な身振りや早口で人々を笑わせました。豆蔵が活躍したのは江戸時代の元禄(1688~1704)の頃です。着物の柄としては、楽し気な雰囲気を作り出します。

45. 瓢箪(ひょうたん)

瓢箪(ひょうたん)和柄模様イメージ

瓢箪は、魔除け、厄除けなどの縁起物として有名です。瓢箪の文様は種が多いことから、子孫繁栄にちなんだ文様と言えます。六個の瓢箪を描かれた文様は、語呂合わせで「六瓢(むびょう)」と言い、無病息災を意味しています。

戦国時代の豊臣秀吉(とよとみひでよし)の馬印(うまじるし)として千成瓢箪(せんなりびょうたん)は有名です。文様として使う場合は、財布などの柄にするとお金が増える意味があります。

46. ふみ文(ふみもん)

ふみ文(ふみもん)結び文・和柄模様イメージ

ふみ文とは、手紙を人結びした形で「結び文」とも言います。平安時代から使われ始めました。源氏物語にも、手紙を結んだ結び文が出てきます。手紙は恋文であることから、縁結びの願いをこめて使われました。

神社などでおみくじを折りたたんで、木の枝に結んだ光景を目にしますが、これは木に神が宿ると考えられ、おみくじに書いてある願いが叶うとされているからです。

47. 宝相華(ほうそうげ)

宝相華(ほうそうげ)和柄模様イメージ

宝相華は、唐草文様のひとつです。華麗な5つの花弁花の植物を組み合わせた文様です。実際に宝相華という花はなく、想像上の花文様です。

宝相華の発祥地はペルシャと言われ、その後中国を経由して日本に伝わりました。薬師寺東塔や唐招提寺の金堂の装飾や法隆寺の弥勒菩薩(みろくぼさつ)の光背(こうはい)などに宝相華の文様が見られます。

また、法隆寺の正倉院宝物には、五絃琵琶(ごげんびわ)の装飾に豪華な宝相華が見られます。現代では、格調の高い着物や帯の文様に用いられています。

48. 牡丹文様(ぼたんもんよう)

牡丹文様(ぼたんもんよう)和柄模様イメージ

※牡丹唐草文様

牡丹は、花の中でも豪華で派手な花です。百花の王とされ、幸福や高貴さを表しています。牡丹の「丹」は不老不死の仙薬を意味することから長寿を願う柄として、昔から親しまれています。

室町時代には、牡丹と唐草文様を合わせて、「牡丹唐草文様」が生まれました。着物の柄としては、大変派手な文様ですので、若い女性向きと言えます。

また男性に人気のあるのが、唐獅子と合わせた「唐獅子牡丹」です。男気を表す勇壮な文様です。しかし、唐獅子牡丹の由来は、獅子が安心して休める場所が牡丹の花の下であることなのです。牡丹の花の下で眠る獅子の姿を想像すると猫のようで可愛いです。

49. 松葉散らし(まつばちらし)

松葉散らし(まつばちらし)和柄模様イメージ

松葉散らしは、針状の松の葉を散らした文様です。松の木は常緑樹です。但し、アカマツは落葉します。たくさんの松の葉の二本の直線が、地面に散らばる光景は、晩秋のアカマツの松林などで見られます。アカマツの落葉は、天然の松葉散らしの光景です。

松は常緑樹で縁起の良い木と言われています。江戸時代には、松葉散らしの小紋は、将軍家のみが使える文様で、正装用の「留袖(とめそで)」などに使われました。これは徳川を名乗る前の「松平氏」の松に由来するものとして、他家の使用を禁じたものと言われています。

50. 豆絞り(まめしぼり)

豆絞り(まめしぼり)和柄模様イメージ

手ぬぐいや浴衣などの柄として一般的な文様です。紺地に白、或いは白地に紺で、豆粒のような小さな円を並べた絞り染めです。豆粒のような小さい丸を染め出した文様です。

小さな丸が不ぞろいなのが本物の豆絞りです。豆絞りは、絞り染めと言う技法で作られます。但し、絞り染めで豆絞りを作製する伝統技術は、限られた職人さんだけになってしまいました。

今は、プリントで豆絞り柄を作るのが一般的です。お祭りなどで、豆絞りの手ぬぐいを鉢巻きにして、御神輿(おみこし)を担ぐ姿が勇壮です。

51. 矢絣(やがすり)

矢絣(やがすり)和柄模様イメージ

矢絣は、「矢飛白(やがすり)」、「矢羽絣(やばねがすり)」、「矢筈絣(やはずがすり)」とも言います。

矢羽(やばね)は、日本の弓矢に使う矢に、まっすぐに飛ぶための方向性を付けるために尾翼として取り付けられた鳥の羽です。布地におる時は、向かい合わせの平行四辺形2枚1組を「矢羽」に見立てて、「矢羽」の形を連続して織り出した文様です。

江戸時代、弓矢は飛ばしたら戻らないということから転じて、「出戻らない」という意味で、女性がお嫁に行くときは、矢絣文様の着物を持っていきました。

52. 雪輪(ゆきわ)=雪華文(せっかもん)

雪輪(ゆきわ)=雪華文(せっかもん)和柄模様イメージ

雪輪文は、牡丹雪のように丸みを帯びた結晶をもとにした文様です。雪の結晶は「六花」と呼ばれ、円形の中に6つのくぼみがあります。

この文様が生まれたのは、桃山時代と言われています。雪輪文は着物や帯の文様として使用されるだけでなく、家の調度品、扇や傘、団扇、籠などの文様に使用されました。

雪輪の文様の種類としては、「雪輪桜文(ゆきわさくらもん)」、「雪輪笹龍胆文(ゆきわささりんどうもん)」、「雪輪すすき文」、「雪輪春草文(ゆきわはるくさもん)」などがあります。

53. 吉原繋ぎ(よしわらつなぎ)

吉原繋ぎ(よしわらつなぎ)和柄模様イメージ

四角形のリングの四隅をくぼませた形を斜めにして、鎖のようにつなげた文様です。

江戸時代の吉原(浅草浅草寺の裏手)にあった遊郭の茶屋の暖簾(のれん)に用いたのでこの名が付きました。現代では、浴衣や手ぬぐいの柄としてよく使われています。

もし、歌舞伎(かぶき)の演目で、吉原が舞台となる「助六(すけろく)」などを見る機会があれば、役者さんだけでなく、お店の暖簾(のれん)を見て頂くと、吉原繋ぎ(よしわらつなぎ)を見つけることができます。歌舞伎を見る楽しみ方が増えて楽しくなります。

54. 雷文(らいもん)

雷文(らいもん)和柄模様イメージ

渦巻きの形を四角形にしたものです。雷や稲妻を直線化して文様にしたものです。中国では、いろいろの物にこの文様をつけます。ラーメンどんぶりの縁取りには、この「雷文」、「龍」、「鳳凰(ほうおう)」が使われています。

この「雷文」は、歴史が古く、中国の最も古い殷(いん)の時代から、使われています。雷の力で、魔除けや厄除けの効力があると信じられています。中華料理の店の装飾には必ず使われています。日本では桃山時代から、能の装束の柄として使われています。

55. 若松文(わかまつもん)

若松文(わかまつもん)若松菱・若松模様イメージ

※若松菱

松の文の一種です。芽生えて間もない若い松を表現したものです。将来性のあることから、若い女性が着る振袖(ふりそで)の帯の柄などに使う文様として適しています。

若松文のなかの種類として、「若松菱(わかまつびし)」があります。若松を菱形に文様にしたものです。

文様の形は、一本の若松の幹を中心に、左右に松の葉を1つ或いは4つ並べて、菱形にまとめています。松文同様に、礼装用の帯などに使われています。

まとめ

和柄模様の種類と意味一覧はいかがでしたか。この他にもたくさんの和柄模様があります。

成人式や結婚式に出席するために着物や帯を買う時に、お店の人から勧められるままに買ってしまうことは、よくあることです。それでも間違いではありませんが、ご自分で好きな柄や文様の着物を選ぶことができれば、お店の方も熱心になり、より良い着物を奥の方から出してきます。

和服を選ぶときは、洋服のように気軽に選ぶと言うわけにはいきません。昔は、着物は親から子へ、そしてまた次の世代に引き継いでいきました。少しでも和柄の意味を知って次の世代に引き継げば、心の温かみや幸せを願う気持ちが伝わるのではないでしょうか。

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