四柱推命において、身強・極身強・身弱・極身弱には様々な意味があります。
強弱があるとはいえ、自分自身が強かったり弱かったりするわけではありません。それぞれの意味合いを知っておくと、四柱推命で占ってもらった時に自分はどのタイプなのかが分かりやすくなります。
それでは、四柱推命における身強・極身強・身弱・極身弱の意味や特徴などについてご説明しましょう。
身強・身弱の意味とは?
身強・身弱は強弱がついていますが、それらを告げられたとしても自分自身の強弱を表しているのではなく、自我の強弱を指しているものです。つまり、身強なら自我が強く、身弱なら自我が弱いということになります。
「身強」は、自我が強いため、他人の手を借りなくても自分自身の手で道を切り開いていけるのが大きな特徴です。ただ、自分一人でもやっていけることから他人を蔑ろにすることも少なからずあるので、一匹狼のように扱われたり、時には協調性がない人と言われて自分から離れる人が出てくる可能性があるでしょう。
「身弱」は、他人の手を借りなければ生きていけないため、周囲の人の手を借りながらやっていくのが特徴です。ただし、周囲の人の手を借りなければ生きていけない以上、周囲の発言に振り回される傾向にあるのでストレスが溜まりやすいので注意が必要です。
身強と身弱は通常格局に分類されるもので、特別格局なるものに分類される場合は極身強・極身弱に分類されます。いずれにしても四柱推命で占う時は、命式を立てて身強か身弱か、または中庸かどうかを判断してからでないと先を読み進めてはいけません。
身強か身弱であるかどうかは非常に重要だと言えるでしょう。
極身強・極身弱の条件
上述した特別格局に分類される極身強・極身弱に分類される条件として挙げられるのが、極端に我が強すぎるか、極端に我が弱いかどうかです。
本来、身強や身弱に分類される場合、日干を強める十干十二支が多いと身強になり、日干を弱める十干十二支が多い場合に身弱になります。
しかし、極身強も極身弱も極端に強い場合に分類されるもので、命名される人は全体の10%ほどしかいません。それほどまでに貴重な存在だと言えますが、さらにその中でも極身強であれば従旺格・従強格に分類され、極身弱であれば従児格・従財格・従殺格・従勢格の4つに分類されます。
身強の性格・生き方・開運方法
身強の人は、我が道を突き進むような、とにかくエネルギーに満ち溢れたパワフルな性格をしています。他人に頼らず自分一人で行動することがかなり増えるため、他人の言うことを聞かずに突っ走る独立心を持った生き方が信条です。
その行動力の高さから積極的に社会へ進出しようとする傾向が強く、自分の実力が如何なく発揮できる仕事であれば、メキメキと成長していけるでしょう。
ただ、周囲を引っ張っていくわけでもなければ、当然他人の意見など聞く耳を持たないため、人から見れば協調性がない、わがまま、自分勝手などと思われてしまいます。
身強は、自分を最優先する傾向にあるので、いくら気にしていないといってもそういった人の気持ちを無視した行動は、やがて人間関係が悪化してトラブルに発展してしまう可能性があります。その反面、身強が唯一心を許せるのが、家庭に入っている状態です。
家庭に入った身強は、家族に甘えるケースがあるため、唯一の心の拠り所となるのでしょう。
そんな身強の開運方法は、ズバリ周囲の人に合わせることです。独立心が強いのは悪いわけではなく、むしろ積極的に行動するリーダー気質であるため、周囲の人に合わせれば頼れるリーダーとして接してくれるでしょう。
極身強の性格・生き方・開運方法
特別格局である極身強には、従旺格と従強格の2種類があります。それぞれ基本的な部分は同じですが、性格や生き方、開運方法が違います。それでは、 極身強の性格・生き方・開運方法についてご説明しましょう。
■従旺格の性格・生き方・開運方法
命式の中で比肩や劫財が多いと従旺格になり、性格は史上類を見ないほどマイペースです。極身強の類に漏れず、かなり自我が強く、滅多なことでは打ちのめされません。従旺格は非常にマイペースでありながら、普通の人とは違った感性を持っているのも特徴です。
主張が非常に強い一方で家族関係には恵まれているため、意外にも周囲からのサポートを受けることが多くあるでしょう。運が良ければ才能を発揮して様々な成功を収めることができますが、運が悪いと環境が悪化して日の目を見ない人生になる可能性もあります。
周りからのサポートを上手く受けつつ、しっかりと状況判断を行う必要性があるでしょう。
■従強格の性格・生き方・開運方法
偏印と印綬の命式が多いと従強格になり、学業と強い関連性を持っているのが特徴です。自我が強いところは従旺格と同じですが、従強格は知的好奇心が非常に強い性格です。本に囲まれ、周囲には教え育てる人物と巡り合う頻度が高いことから自ずと秀才になりやすいでしょう。
秀才になりやすいことから、興味があるものを積極的に学んで成長する生き方が一番しっくりくるのではないでしょうか。従旺格と同様に家族関係に恵まれていて、運が良ければ大成する伸びしろを見せてくれます。
しかし、やはり運が悪い時はとことんツイてない日が続くので、慎重に行動すると運が開けるかもしれません。
身弱の性格・生き方・開運方法
身強に比べてエネルギーが少なく、基本的に弱気になりやすい性格をしています。自我が弱いので自分から意見を言う機会が少なく、おとなしいというイメージもあれば頼りないというイメージを持たれることもあるため、無理だと思ったら迷わず誰かに頼るという生き方が一般的です。
また、自分一人で道を切り開いていくよりも、誰かの後ろについていって行動していた方がお得だと考える傾向にあります。自分から行動しない以上、長い物に巻かれる生き方を好むため、したたかに行動して敵を作らず、良好な人間関係を築きやすいのも身弱の特徴です。
ただし、身弱は日干を弱める十干十二支が多いほど我が弱くなり、人の意見を鵜呑みにした結果、流され続けて、後には引けない状況になっている可能性があるでしょう。長い物に巻かれ続けるだけで良いと考えるのは、逆に強い人に支配され続ける恐れもあるので、状況を読んで上手く行動しなければなりません。
そんな身弱の開運方法は、自分の意見をしっかり持って周りに流されないようにすることです。周りの意見に合わせるのではなく、所々で自分は何がしたいのか、何を思っているのか、どんな決断をすればいいのかを常日頃から考えておくのが得策です。
極身弱の性格・生き方・開運方法
特別格局である極身弱には、従児格と従財格、従殺格、従勢格の4種類があります。それぞれ基本的な部分は同じですが、性格や生き方、開運方法が違います。それでは、 極身強の性格・生き方・開運方法についてご説明しましょう。
■従児格の性格・生き方・開運方法
従児格は、命式に食神と偏官が多い人で、自分が生み出すものに従うという意味を持っています。元々食神も偏官もクリエイティブな才能に長けており、創造力や企画力など独創性を活かした才能を発揮できる生き方がおすすめです。
頭の回転の速さは群を抜いているので、どんな状況下でも瞬時に物事を判断して行動できる特徴があり、クレバーな性格をしています。一般的な人にはない常識外れのセンスや美的感覚を持っており、世の中の流行をいち早く察知することも可能です。
従児格が開運するかどうかは、自分の持ち前を活かせるかどうかにかかっているでしょう。
■従財格の性格・生き方・開運方法
従財格は、命式に偏財や正財が多い人で、何といっても財を司る格局であることから、財産を獲得しやすい能力に恵まれているのが特徴です。財を得る能力に長けているせいか、性格は極めて社交的で思いやりが強く、おもてなしをすることを何よりの喜びとしています。
さらに人脈を築くことにも長けており、財産に繋がることなら、お金を惜しまない生き方をします。決してがめついわけではなく、サービス精神が旺盛なので誰からも好かれやすいでしょう。
そんな従財格が運を開いていくには、あらゆる手段で人を喜ばせ、自分のファンを増やすことです。中にはお金目当てで近づいてくる人もいるかもしれませんが、まずは盛大なおもてなしで歓迎すると心を開いてくれるかもしれません。
■従殺格の性格・生き方・開運方法
従殺格は、命式に偏官や正官が多い人で、何が起ころうと業務を遂行する忍耐強い性格をしています。地位や権威、名誉、役職に縁があるのが特徴で、責任感や遂行力を持って与えられた任務を着実にクリアしていくため、組織内での評価が高くなりやすいです。
従殺格は高いマネジメント力を持っているため、組織を形成する企業で働くのがおすすめです。序列を守って秩序を乱さない忠実なやり方が性に合うことから、上司の言うことを聞いて与えられた任務をこなすと運が開けるでしょう。
■従勢格の性格・生き方・開運方法
従勢格は、命式に食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官が均等にある人で、他の極身弱とは違った性質を持っています。性格は、自分以外の勢いに便乗するような感じで、自分を主張することがあまりありません。
周囲の状況を冷静に分析して行動する生き方が特徴で、空気を読んで行動することにも長けています。ただ、自我を強く持つと運気が悪い方向に偏ってしまうため、周囲の人より一歩引いた立ち位置で行動するのがおすすめです。
才能をひけらかさず、謙虚さを持って行動することで運が開けるでしょう。
身強・身弱の調べ方・判定診断方法
身強・身弱の調べ方は、主に以下の通りです。
・得令で日干と月支の関係を見る方法
・日干と地支の関係を見る方法
・日干と天支の関係を見る方法
・三方会局
・三合会局
・四墓土局
得令の場合、日干と月支が同じ五行だと当旺となり、日干が強くなり、次点で強くなるのが次旺です。
日干と地支の関係を見る方法では、月支以外の年、日、時の地支の一部に十二支があった場合は日干が強くなります。
日干と天支の関係を見る方法の場合、日支以外の年、日、時の天干の一部に干があった場合は日干が若干強くなります。
以上の結果から読み解くと、
以下のいずれか2つに該当する場合は身強になります。
(1)得令で日干と月支の関係を見る方法
(2)日干と地支の関係を見る方法
(3)日干と天支の関係を見る方法
以下のいずれかで月支を入れて作られており、なおかつ日干の五行を強めている場合は身強です。
(1)三方会局
(2)三合会局
(3)四墓土局
以下のいずれかが月支以外の地支で作られていて、なおかつ日干と天支の関係を見る方法に該当しており、日干の五行をを強めている場合も身強になります。
(1)三方会局
(2)三合会局
以下のいずれか2つに該当する身強が出ない場合は身弱になります。
(1)得令で日干と月支の関係を見る方法
(2)日干と地支の関係を見る方法
(3)日干と天支の関係を見る方法
そして極身弱と極身強に当てはまる条件は、以下の通りです。
(1)日干が月支から剋されている関係である失令に当てはまっている場合、もしくは月支に日干を弱める十二支が存在する
(2)天干に日干を弱める十干が2つ以上存在する
(3)地支に日干を弱める十二支が2つ以上存在する
以上の3つの条件を全て満たしていると極身弱になります。
(1)特令を満たしている
(2)天干に日干を強める十干が2つ以上存在する
(3)地支に日干を強める十二支が2つ以上存在する
以上の3つの条件を全て満たしていると極身強になります。
まとめ
四柱推命における身弱や身強、極身弱や極身強はとても重要なもので、通変星を占う前にやっておかなければなりません。全体の90%は身弱か身強になるため、極身強や極身弱になるのはあまりないことです。
事前に身弱や身強の性格や生き方、開運方法などを知っていれば、占ってもらった時に理解が早くなる上にこれからの生き方も大きく変わるでしょう。