※動物看護師20年以上のライターが書いています。
犬好きな人は犬種にかかわらず、どんな犬でも触ってみたくなりますよね?ですが、とてもフレンドリーな犬もいれば、そうでない犬もいます。犬はもともと警戒心がとても強い傾向にあるのです。
顔見知りの犬なら、喜んであなたを受け入れてくれるでしょうが、ほとんどの犬は初対面ではあなたを警戒しているものです。人間だって初対面の人と会うと緊張してしまいますよね?
ではどうすれば犬とお友達になれるのでしょう?ここでは犬に好かれる方法と、初対面でも犬と仲良くなれる方法について説明していきます。
犬に好かれる方法10個
■1. 飼い主に許可をもらう
飼い主さんに「ワンちゃん、触っていいですか?」と許可をもらうことも忘れてはいけません。犬は飼い主さんとお話をしている人を見ると「あ、この人はご主人のお友達なのかな?」とそれだけでも少し警戒心がゆるみます。
そして「どれどれ、コイツはどんなやつかな?」と興味を持ち、匂いを嗅ぐことから始めます。
犬にとって匂いを嗅ぐことは最初の挨拶です。犬同士が出会ったときに相手の犬のおしりの匂いを嗅ぐところを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
■2. 犬に準備をさせる
犬が匂いを嗅いでいる間は動かないようにしましょう。犬の気がすむまで匂いを嗅がせてあげましょう。
これは大切なポイントです。犬をビックリさせないためにも必要なことです。犬は匂いを嗅ぎながら自分も心の準備をしています。
犬が挨拶しているときにそれをさえぎることは、犬に失礼です。「あなたの準備ができるまで私は待ってるよ」の意思表示を態度で示しましょう。犬の心の準備ができたようなら次のステップへ行きましょう。
■3. ゆっくり動き腰を落とす
立ったまま犬を見下ろすことはしないようにしましょう。犬は自分より大きいものにはそれだけでも恐怖を感じてしまいます。
その大きなものが自分を見下ろしていると感じたら恐怖しかないのです。また、いきなり動くこともNGです。
飼い主さん許可をもらったらまずはゆっくり腰を落としていきましょう。立ったままでは犬に威圧感を与えてしまうのです。
■4. 犬と同じ目線になる
ゆっくりしゃがんで犬と同じ目線の高さになることが大事です。
この時に注意したいのは、犬の目の前にしゃがみこまないことです。いくら同じ目線の高さではあってもいきなり目の前に知らない顔が出てきたら、人でも驚いてしまいます。犬が驚いて後ずさりするか、最悪の場合、噛まれるかもしれません。
しゃがむときは必ず犬の横に並ぶようにしましょう。早く触りたい気持ちはわかりますが、あせらずゆっくりとした動きで行いましょう。
その時に犬の顔を覗き込むことはしてはいけません。間違っても犬の目を凝視してはいけません。
犬同士で相手の目を見つめ続けることは、お互いに威嚇しあってケンカになるかどうかというときです。犬を凝視することは犬にとっては「ケンカ売ってんの?!」になってしまいます。軽く目を合わせる程度に抑えておきましょう。
■5. いきなり頭を触らない
愛犬の頭を撫でようとするとちょっとビクっとしたり、一瞬目を閉じたりすることはありませんか?
飼い主さんと犬の関係が信頼関係で結ばれていても、犬にとって頭の上に手が出てくることはちょっと恐怖に感じるのです。
知らない人ならなおさら恐怖でしかありません。犬に噛まれた経験のある人にどんなシチュエーションで噛まれたか尋ねると、「頭をなでた」という答えがほとんどです。中には「顔見知りの犬なのに、突然噛まれた」という人もいました。
■6. カーミングシグナルを理解する
犬は自分の気持ちを相手に知らせる手段として「カーミングシグナル」を使います。犬は言葉を話せませんが、動作や行動で多くのサインを相手に送ります。
気分のいい時、悪い時、相手に近づいてほしくないときにこのサインを使うのです。
「カーミング」→落ち着かせる
「シグナル」→信号・合図
具体例を挙げます。
◯気分のいい時
両耳の間が広くなります。口元が緩んで少し下の歯が見える時はのんびり幸せ気分を感じています。
◯気分の悪い時
あくびをする。鼻をなめるときは不安や緊張を感じて、気分が悪い時です。ストレスを感じているときですので必要以上に触ったりしないようにしてあげましょう。飼い主さんに叱られている時にあくびをすることはありませんか?このあくびは自分を落ち着かせる意味と、飼い主さんに「落ち着いてよ~」という意味があります。
◯相手に近づいてほしくない時
自分に近づいてくる人間や犬に対して体をブルブルっと振ります。これは嫌な相手にストレスを感じた時です。むやみに近づかないようにしましょう。
■7. 近づくときは手の甲を嗅がせる
まずは優しく声をかけましょう。「こんにちは~」「初めまして~」と挨拶しましょう。人間の世界も犬の世界も挨拶は基本ですよ。
犬が警戒していないなら軽く握りこぶしを作って手の「甲」の匂いを嗅いでもらいましょう。なぜ、手の甲を?と思いますよね?
もし、犬に気に入られずに噛みつかれた場合、手の甲だと深手を負わずにすむと言われています。とはいっても、ケガをしないとは言い切れないので、注意が必要です。
犬が少しでも不快そうな表情を見せたり、「ウ~」と言ったら手を引っ込めましょう。これはもう、「触らないで」という犬からの合図です。無理強いは禁物です。
■8. 大きな声を出さない
犬が好きなあまり「きゃ~!!かわいい~~!と大声を出す人がいます。その気持ちもすごくわかるのですが、犬は基本的に大きな音、大きな声、威勢のいい声は苦手です。
怒られていると感じ、恐怖を覚えます。以前に見かけた光景ですが、若い女の子たちの集団がきゃ~きゃ~言いながら犬に近寄ったところ、犬は飼い主さんを引っ張って走り去ってしまいました。
犬をビックリさせないように、優しく穏やかな声で話しかけるようにしましょう。
■9. 触るときは犬から手が見えないように
犬が触らせてくれそうだったらまずは、犬のあごの下あたりからゆっくりさするように触ってみましょう。黙って触らせていたら、次は首から胸のあたりを触ってみましょう。
そして肩のあたりを触ってみましょう。犬から「この人は安全だ」と思われたら、その先へ進んでいけますよ。
次は肩を触っている流れでそこから頭を撫でてあげましょう。犬が抵抗なく受け入れてくれるようなら、犬の方から「触って触って!」と迫ってくるかもしれません。
■10. 抱きしめない
触らせてくれるようになったからといって抱きしめることはやめましょう。これでは今までの過程がすべて水の泡・・・になりかねません。
人間だって知らない人にいきなり抱きしめられたらひっぱたきたくなりませんか?
犬も同様です。触ることは許したけれど抱きしめることは許してないよ!という気持ちになるのです。
初対面でも犬が寄ってくる人の特徴は?
初対面にもかかわらず、犬の方から寄ってくる、とてもうらやましい人もいます。特に何かしているわけでもないのに犬にモテるのはどうしてなのでしょう。
初体験でも犬が寄ってくる人の特徴とは、落ち着きのある人です。
犬はハイテンションの人を嫌う傾向にあります。人間もテンションが高すぎる人にはどう接していいのかわからないということ、ありませんか?
犬同士でも遊びに夢中になってテンション上がりっぱなしの犬からは、遠ざかっていくところを見たこともあるのではないでしょうか。
犬も人間もテンションの高い人は避けたくなるものです。やはり、落ち着いてゆったりとした雰囲気に惹かれるようです。落ち着いている人は、なんとなく安心感を与えます。
犬が好きな匂いは?
犬は臭いものが好きと聞きますが、それは肉や血液などに含まれる有機物が動物の匂いだからです。人間にとっては臭いと思うものが犬にとっては動物の匂いというわけです。
た
とえば、犬の好きな匂いに動物のおしっこの匂いがあります。独特のアンモニア臭で人間にとっては臭いものです。犬が散歩中に他の犬のおしっこを嗅いでいるのは情報収集の意味もあります。
ミミズの匂いも大好きです。ミミズは良質なたんぱく質を含んでいるそうで犬には高級な匂いのようです。犬や猫のウンチも有機物の塊で犬が大好きな匂いです。食べる犬もいます。
他に滅多にお目にかかれませんが、トリュフがあります。トリュフはオスの豚のフェロモンの匂いに似ているからだそうです。
何よりも好きなものはご飯の匂いですね。私達も大好きです。
そして忘れてはいけないものは飼い主さんの体臭です。「私、臭いってこと?」とショックを受けないで下さいね。匂いで飼い主さんを判断しています。
まとめ
犬に好かれる方法を説明しました。なんとなく犬に対しても人間に対しても同じことが言えるのではないかな?と思うところもありますよね。
人間と違うところは犬は「言葉を話せない」ということです。だからこそ犬の心理や行動を知る必要があります。
犬にも人間と同様、相性の悪い人はいます。それを踏まえた上で決して無理強いはしないことです。犬の出すサインを見逃すことなく犬をよく理解することが大切です。ゆっくりと犬に好かれる人になっていきましょう。