人からの好意は嬉しいものですが、必ずしも応えられるとは限りません。心苦しくも断ることになり、多くは仕方がないと諦めてくれますが、中にはしつこくつきいまとってストーカー化するケースがあります。
ストーカー被害のリスクを下げるには、可能な限りストーカーになりやすい人と距離をとるのが重要です。
そこで今回は、ストーカーの考え方や見分け方、ストーカー化する前兆を解説!ストーカー度診断チェック付きです。
ストーカーとは?
ストーカーとは、特定の人物に対して執拗なつきまといを続ける行為を意味します。ストーカー被害を取り締まるストーカー規制法では、ストーカー行為を以下のように定義しています。
『同一の者に対し「つきまとい等」を繰り返して行うことを「ストーカー行為」と規定して、罰則を設けています。但し「つきまとい等」のアから工及びオ(電子メールの送受信に係る部分に限る。)までの行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限ります。』
引用:警視庁
つきまとい行為とは、待ち伏せ、押しかけ、尾行だけではありません。監視を告げる行為や、面会や交際の要求、相手の尊厳を傷つける発言や暴言、無言電話等の嫌がらせ行為なども含まれます。
つきまとい行為の中には、恋愛アプローチ法として使われるものもあります。ストーカーとの境界線は、警視庁の引用文の通り、相手に強い不安や恐怖心を与えていないか、名誉棄損や暴言暴力等の心身的ダメージを与えていないかになります。
ストーカー度診断チェックリスト20項目
ストーカー度を測る診断チェックを作成しました。以下の項目に「はい」「いいえ」でお答えください。「はい」が多いほど、あなたのストーカー度は強くなります。
1. 好きな人のことならどんなことでも知りたいと思う
2. 情報収集のためにSNSパトロールは当然の行為だ
3. 好きな人を待ち伏せするシチュエーションに萌える
4. プレゼントは真心のこもった物が良い
5. 本当に好きな気持ちは相手に伝わると信じている
6. ポジティブ思考で悪い結果を考えない
7. 自分を信じて突き進むタイプだ
8. 割と万能感が強い
9. 好きな人を簡単に諦めるなんて無理だ
10. 追われるより追う方が燃える
11. サプライズするのが好きだ
12. 好きな人にだけ本当の自分を知ってもらえれば良い
13. 好きになったら超一途だ
14. 恋愛中は2人だけの世界で人目が気にならなくなる
15. 好きな人を独占したい
16. 愛さえあれば相手を変えられると思う
17. 好きな人の涙にキュンとする
18. 好きな子を泣かせてしまう男の子の心理が理解できる
19. 恋人が浮気したら罰を与えるけど別れない
20. 嫉妬は愛情の深さの裏返しだと思う
愛を免罪符にするのは、ストーカーに陥りやすい人の思考です。愛があろうがなかろうが、相手の気持ちを考えて尊重できなければ、独りよがりで一方通行な感情になってしまいます。
「好きだから独り占めしたい」というのは、誰もが抱く感情です。しかし、客観的な視点と理性で、「好きな人だからこそ、相手何を望んでいるのか」を知ろうと、思いやりの心を持つものです。「好きだから」と勝手な行動をとったり、自分の欲望を優先させたりする人は、暴走するとストーカー化しやすいのだと肝に銘じましょう。
ストーカー男性によくある考え方
ストーカーをする男性は、主に「超ポジティブ」「コミュ障」「自己中」のどれかに当てはまるケースが多いです。
超ポジティブ思考は絶対的自己肯定感で、「自分の好意は喜んでもらえる!」と根拠ない自信に満ち溢れています。あまりにもポジティブ思考過ぎて、女性が断っても「遠慮しているんだな」と曲解し、好意の押し付けを続行。自信家でグイグイ攻めるので、まさか自分がストーカーをしているとは夢にも思いません。
逆に、自分に自信がなく自己肯定感が低すぎるコミュ障の男性も、ストーカー行為をしやすい心理状態になります。コミュニケーションに難があり、好意を上手に伝えられません。何とか好きな人の情報を知りたくて、周辺を調べたり近辺をうろついたりしてしまいます。基本は「自分なんか好きになってもらえない」と思っていますが、好意を向けられたと誤解すると、ストーカー行為がエスカレートします。
一番怖いのは、自己中で被害者意識が強い粘着質な男性です。自分の好意を拒否されると、「傷つけられた!」と過剰反応。勝手に相手を恨んで復讐心を抱き、酷い嫌がらせ行為に走ります。
ストーカー女性によくある考え方
ストーカーの女性は、主に「何でも知りたいオタク系」「気性が激しいナルシスト」「恋愛依存体質」のケースが多いです。
何でも知りたいオタク系は、好きな男性のことならどんな情報でも知りたいという心理状態です。いつどこで何をしたのか、どんなことが好きなのか、何を発言したのか、どんな些細なことでも知りたがります。SNSパトロールは基本中の基本、エスカレートするとゴミをあさり生活情報を得ようします。交際に発展すると、束縛が激しすぎるタイプです。
気性が激しいナルシストな女性も、ストーカー行為をしやすい心理を持っています。自分の全てを磨き、完璧でありたいという思いから、好意を拒否される現実を受け止められません。結果、「自分を拒否した相手が悪い」と他罰的になり、激しい性格が原因で実害ある行動を起こしてしまいます。
また、恋愛依存体質の女性で、特に孤独を感じて恋人にすがることで精神を保っているタイプは、自分を拒否されるとパニックを起こしてストーカー行為に及びがちです。捨てられたくない一心で、しつこく追いすがってしまうのです。
ストーカーの見分け方7個
ストーカーは普段自分のストーカー性を隠してターゲットに近づきます。しかし、ストーカーのアンバランスな思考や精神は隠しきれるものではありません。そこで、ストーカーの見分け方を説明します。
■1. ビックリするほどマメ
ストーカーは特定の人物に対して、ビックリするほどマメな行動をとります。そもそも、マメでなければストーカーはできません。
「あまり人に興味ないと思っていたのに、親しくなるとすごくマメで優しい」と思ったら要注意。ストーカーは万人に対するマメな器用さはありません。しかし、ターゲットにしたい人物にはとことんマメに優しく接し、虎視眈々と自分の手の内に落ちるのを待っているのです。
以下のような言動は、ストーカーがターゲットに良くする言動です。
・LINEは即既読 / 即返信
・いつ連絡しても快く受け入れてくれる
・あなたの話に何時間でも付き合ってくれる
・あなたがした話を全て覚えている
・面倒なことも嫌な顔をせず手伝ってくれる
親切な人や、ストーカーではなくあなたに好意を抱いている人も同じような言動をとるので、他の特徴と合わせての見極めが肝心です。
■2. 仕事はできるのにコミュニケーションに難がある
ストーカーは独りよがりの思考の持ち主で、コミュニケーションも非常に一方的です。頭の回転が速いので仕事ができるタイプが多く、仕事という目的があれば人付き合いはそれなりにこなしますが、プライベートなコミュニケーションは難が目立ちます。
具体例をいくつか挙げましょう。
・挨拶するとき目が合わない
・ちょっとした空き時間の雑談で話が噛み合わない
・普段は口数がとても少ないけどメールだと饒舌
・思いもよらないことで不機嫌になったり怒ったりする
突然性格が豹変するようなときが少しでもあるなら、特に警戒した方が良いでしょう。
■3. 店員に対して冷たくて横暴
ストーカーで特に攻撃性の強いタイプは、「自分の方が上」と判断した相手に対して強い態度をとることが多く、見分ける重要なヒントとなります。最もわかりやすいのは、店員との接し方です。「お金を払ってやっている」「自分は客だ」という意識が強く、店員には以下のような冷たく横暴な態度になりがちです。
・店員にニコリともしない
・店員に命令口調で話す
・クレームの使え方が嫌味、もしくは高圧的
どんなにあなたに優しくても、異常なまでに店員への態度が悪いなら要注意。親しくなればなるほど、優しさが消えて攻撃的で粘着質になる可能性があります。
■4. 怒りの沸点が低い
シチュエーションを問わず、怒りの沸点が低い場合もストーカーリスクは高まります。怒りやすい人は感情や欲望のコントロールが下手なので、「好きな人のそばにいたい」という欲求が抑えられず、つきまとい行為をしやすい傾向にあるのです。
何気ない会話でいきなりキレたり、上手くいかなくて物にあたったり、集団行動を乱して暴れたりいなくなったり、自分の怒りや不機嫌を隠さないのは、相手の気持ちを考えられないストーカー気質だと言えるでしょう。
■5. 相手の都合を考えず一方的に連絡をする
ストーカーはコミュニケーションが一方通行です。親しくなる前でも、相手の都合を考えない自分勝手さが連絡方法に顕著になります。
具体例をいくつかあげましょう。
・突然電話がかかってくる
・急ぎじゃないのに何度も着信がある
・一旦電話が始まるとなかなか切らせてくれない
・深夜でも早朝でも関係なく連絡がくる
・既読返信やかけなおしが遅いと拗ねたり怒ったりする
・返信してないのに何度もメッセージが送られてくる
時と場所を一切考えず、一方的に連絡をしてくる場合は、ストーカー度が高くなります。
■6. 自分の話ばかりで人の話を聞かない
ストーカーの一方通行は会話にも表れます。自分の話ばかりで人の話を聞かないのです。特に女性のストーカーに良く見られる特徴です。
自ら相談してきたのに、アドバイスをしても「でも」「だって」と聞き入れないのは序の口です。相手の意見に否定や批判をしたり、「そんなことより」と、すぐに自分の話に戻したりします。
■7. 顔つきに兆候がある
人相学的な観点からも、ストーカーを見分けられます。ストーカーの顔つきには、以下のような傾向があるのです。
・黒目が小さく白目が目立つ(残忍性が強い)
・目のすぐ下にほくろがある(恋愛依存体質)
・眉毛が濃くつながっている(嫉妬深い)
・額の生え際が不規則(マザコン気質で粘着質)
特に目つきは重要です。優しそうなのに瞳に暗い印象があり、視線の配り方に不自然さがある場合は、なるべく距離をとった方が良いでしょう。
ストーカーになる前兆4個
ストーカーはたった1人のターゲットを探し求めています。ロックオンすると、他の人にはしない行動を起こすのが特徴です。そこで、ストーカーになる前兆を教えます。心当たりがある場合は、全力で接点を減らしましょう。
■1. あなたの情報を過剰に知りたがる
その他大勢の人には興味がなくても、好きな人のことなら何でも知りたいのがストーカーの心理。以下のように、あなたに対して聞き上手を超えた情報収集をするなら、ストーカーの前兆です。
・家族構成や学生時代などの話をとても聞きたがる
・毎日のようにLINEで質問攻撃
・教えていないあなたのSNSを知っている
・「この前〇〇にいたでしょ?」と居場所を言い当てられる
・あなたの友達や同僚からあなたの情報を聞き出そうとする
このような前兆がある場合は、一時的にSNSの更新を止めたり、周囲に「自分のことを教えないで」と伝えたりして、情報を与えないようにした方が良いでしょう。
■2. 断っても断っても連絡してくる
1~2回くらいなら、断っても「都合が悪いだけかも」「遠慮してるのかな」と、再び誘うのは自然な行動です。しかし、何度も断っているのに、それでも諦めずに誘ってくるなら、既にストーカーに片足突っ込んだ状態です。
独りよがりで一方通行なので、あなたが本気で迷惑していても気付けないのです。それでも強く拒否を続けると、今度は逆恨みによるストーカー行為が始まるリスクがあります。
■3. あなたに対して突然怒り出す
特に親しいわけでもないのに、あなたに対して突然怒り出すなら、かなり危険な状態です。相手は既に「自分は特別な存在」「2人は特別な関係」と思っています。最悪、「自分が怒るのはあなたのためだ」と考えているかもしれません。認知が歪んだ状態で、このままだとストーカー化してしまいます。
相手が突然一方的に怒り出した場合は、すぐに第三者に助けを求めましょう。2人だけで問題を解決しようとすると、更に「やっぱり自分たちは特別だ」と誤解させてしまいます。
■4. あなたの周囲と親しくなろうとする
いつの間にかあなたの親しい友人や家族と親しくなっているなら、完全にロックオンされた状態でしょう。相手は外堀から固めて、あなたを手中に収めようとしています。ストーカーは自分の本性を知られないように、ターゲットの周囲には良い顔をするものです。
あらゆる手段を使ってでも情報を入手し、あなたの周囲とつながろうとする執念はすさまじいものです。「え?なんで知り合いなの?」という事態が起こったら、経緯を良く聞いて相手と関わらないよう伝えておきましょう。
まとめ
ストーカーの多くは自分の行動がストーカーだという自覚がありません。「好きな人のため」「恋を成就させるため」「好きな人を失わないため」「傷つけられた仕返し」など、理由はさまざまですが、自分の言動には正当性があると思っています。自分の欲望のために、客観的視点と冷静な思考を失っている状態です。
ですので、ストーカーになりそうな相手とは、2人きりにならないのが重要です。接点を減らし、避けられない場合は第三者を介しましょう。一度親しくなると執念深くなるので、ストーカー化させる前に「ごく一般的な知人」という関係に戻るのが理想です。