ぎなた読みという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ぎなた読みは弁慶読みとも言われる、文章の間違った読み方を指す言葉です。
ぎなた読みをすると普通の文章が面白いものになってしまうこともあれば、一気に怖い文章になってしまうこともあるものです。
そこでこの記事では、ぎなた読みの意味とは何か、ぎなた読みができる文章の例文などについて解説していきます。この記事で、世の中にはいったいどのようなぎなた読みがあるのか、しっかり勉強していきましょう。
ぎなた読みの意味・由来とは?
ぎなた読みとは、文章を区切る部分を間違って読むことにより、意味が変わってしまう文章のことを意味する言葉です。
「太郎、三振だ」という文章の区切り部分を変えれば、「太郎さん、死んだ」となりますよね。これが、ぎなた読みです。
ぎなたとはそもそも平安時代、源義家が作ったとされる戦闘用のナタのことです。あまりにも大きいため、使える人は限られていたという逸話が残っています。
ぎなた読みは、武蔵坊弁慶がなぎなたを使う様子を間違って読んだことが由来とされています。「弁慶が、なぎなたを持って」という文章を、「弁慶がな、ぎなたを持って」と読んだのです。
これにより、文章の区切りを間違えたことで別の意味になってしまうことを、ぎなた読みと言うようになり、また別名で弁慶読みとも言われるようになったのです。
ぎなた読みの例文一覧
ぎなた読みできる文章は、世の中にたくさんあります。区切りを間違えるだけで面白い文章になってしまうものもあれば、怖い文章になってしまうものもあるのです。
そこでここからは、ぎなた読みができる例文を紹介していきたいと思います。
■1
「うん、このケーキ美味しい」
「うんこのケーキ、美味しい」と読めます。最悪の意味になってしまう面白い間違いですよね。
■2
「パン、作ったことある?」
「パンツ、食ったことある?」となります。小学生が友達によく出す、ひっかけ問題としても有名です。
■3
「美香さん、17歳」
これは「美香、37歳」とも読めますよね。30代であれば、どの年齢でもぎなた読みができます。
■4
「ここで、履物(はきもの)を脱いでください」
「ここでは、着物を脱いでください」と読めます。本当に間違って着物を脱いでしまったら、大変なことになってしまいますね。
■5
「乳がんは男性にも稀ながら見つかります」
これは「乳がんは男性に揉まれながら見つかります」と読めます。実際にそういうこともありそうなだけに、面白い間違いですよね。
■6
「アフガン航空相、撲殺される」
これは実際の事件として掲示板のスレッドになったとき、「アフガン航空相撲、殺される」とぎなた読みされてしまい話題になりました。「アフガン航空相撲」という架空の格闘技について語り合うなどされて盛り上がったのです。
■7
「この先、生き残る」
これは「この先生、きのこる」と読まれました。その後「きのこる先生」というキャラクターまで生み出され、かなり話題となったのです。
■8
「お食事券」
「汚職事件」とも読めます。短い言葉でぎなた読みができる、有名な言葉です。
■9
「金送れ、頼む」
「金、送れた、飲む」と読めます。電報があった時代は全てカタカナで表記されるため、大学生が実家にお金を無心したところ、自殺を心配され、両親が息子の元に飛んでやってきたという話があります。
■10
「頭へ、ゴチン」
「頭、ヘゴチン」と実際に読んでしまったのは、声優の大橋彩香さんです。それ以来、彼女は「ヘゴ」「ヘゴチン」という愛称で呼ばれることになりました。
■11
「美人、局アナ」
「美人局(つつもたせ)アナ」と読めます。美人局は男女が共謀して行う詐欺行為のことです。
■12
「あ、熊のぬいぐるみ」
これは「悪魔のぬいぐるみ」となります。このようにぎなた読みをすることで、怖い意味になってしまう言葉も多いです。
■13
「ノロいのは、カバ」
「呪いの墓場」と読めますよね。実際に聞き間違えて、呪いの墓場に迷い込んでしまったら大変です。
■14
「開くの10時か」
「悪の十字架」と読める、有名なぎなた読みです。「開くの10時か」という言葉は、意外とよく使う言葉ですので、周りの人に勘違いさせてしまうことがあるかもしれませんね。
■15
「ししゃも食う、おばあさん」
「死者も食うおばあさん」と読むことができます。平和的な光景から、読み方を変えるだけで一気に怖い光景になってしまいます。
■16
「薬剤師」
「ヤクザ医師」と読めます。これも怖いぎなた読みの1つですが、実際にヤクザの医師がいるかどうかは不明です。
■17
「温かい(あったかい)」
これは「あっ、高い」と「(探しものは)あったかい?」というように、3種類の意味に取ることができます。ぎなた読みの中でも、珍しいです。
■18
「車で待ってて」
「来るまで待ってて」とも読めます。実際に間違えやすい言葉ですので、日常会話で使うときには注意しておかなければなりません。
■19
「ブラシ忘れた」
「ブラし忘れた」とも読めます。女性が男性に対してこの言葉を言ってしまったら、最悪ですね。
■20
「何回も見たい」
「なんかイモみたい」と読めます。好意的な言葉が一気に悪口になってしまうという、少しおかしなぎなた読みです。
ぎなた読みの作り方
ぎなた読みを自分で作ってみたいという人もいるでしょう。友達にひっかけ問題として出すこともできますし、SNSでつぶやけばイイねが集まるかもしれません。
ぎなた読みを作るコツは、1つの言葉の中に2つの意味がある言葉を探すことです。「閃いた」という言葉であれば、「ヒラメ」「いた」というように、2つの言葉が含まれています。
普段から様々な言葉を意識しながら読むことで、ぎなた読みに使えそうなワードを探すことができるため、常に意識しておいてください。
まとめ
ぎなた読みの意味などについて解説してきましたが、ぎなた読みをしてしまい、間違った意味に捉えてしまうことは日常の中でもよくあることです。
ナチュラルに勘違いしてしまうこともあれば、ぎなた読みを使ってわざと誤認させるというように、言葉遊びとしても使われます。
日本語の奥深さや複雑さを実感させられるものですので、自分だけのぎなた読みができる言葉を探してみてはいかがでしょうか。