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キャバプーは純血のキャバリア・キングチャールズ・スパニエルと純血のトイプードルを両親にもつミックス犬です。ミックス犬の呼び名はなんだか連想クイズのようでおもしろいですね!
さて、そんなキャバプーですが、近年のミックス犬ブームのおかげで認知度は急上昇中。最近では時々ペットショップでも見かけるようになりました。この記事ではそんなキャバプーについて詳しく解説します。
キャバプーとはどんな犬種?特徴は?
キャバプーの特徴は、なんと言っても見た目がヌイグルミのようにかわいいことです。親犬のキャバリア・キングチャールズ・スパニエルとトイプードルはどちらも愛くるしい見た目の犬。その間に生まれたキャバプーがかわいいのは、ある意味当然ですよね。
とは言え、キャバプーの魅力は見た目がかわいいことだけではありません。片方の親であるトイプードルは、ここ数年犬の知能ランキングでは牧羊犬のボーダーコリーに次いで第2位を獲得し続けている、とんでもなく頭の良い犬。キャバプーもその血をしっかり受け継いでいます。
ではキャバリア・キングチャールズ・スパニエルからはいいところを受け継いでいないのかといえば、そんなことはありません!キャバリアは数ある犬種の中でも指折りの人間が大好きな犬。
つまり、キャバプーは両親からかわいい見た目と頭の良さと人懐っこさを受け継いだ、ある意味最強の家庭犬というわけですね。
キャバプーの歴史
キャバプーという概念がいつどこで発生したのかは不明ですが、あえて純血種と純血種をかけ合わせるミックス犬が注目され始めたのは、2004年あたりから。その後じわじわ人気が広がっていく中で、いろいろな犬種の組み合わせが登場するようになりました。
ミックス犬がブームになる前から日本の主流はすでに小型犬。組み合わせの多くにトイプードルが使われたのは、かわいい見た目だけではなく、抜け毛の多さを抑えるためだったのではないでしょうか。
というのもキャバリアは見た目良し、愛想良しの艶やかなコートが美しい犬種ですが、あえて難点をあげるとしたら、ダブルコートゆえのすさまじい抜け毛。
そこをトイプードルによってクリアできたら最高のミックス犬になりそう、というあたりが出発点だったのかもしれませんね!なんにせよ、キャバプーはミックス犬の中でも人気の種類になりました。
キャバプー成犬の寿命・大きさ・体重・毛色
キャバプーの親犬であるキャバリア・キングチャールズ・スパニエルもトイプードルも、ともに小型犬です。しかし大きさには少し差があり、キャバリアのほうが一回り程大きい個体が多いでしょうか。
そのため、キャバプーの大きさや体重にはややバラつきがあります。
体重/4~10kg
体高/30cm前後
寿命/12~15才
キャバリアの平均的なサイズと寿命は体重5~9kg・体高30~33cm・寿命9~13才。
トイプードルは体重3~4kg・体高24~28cm・寿命15才前後。
両親のサイズ感から考えると、キャバプーの大きさはキャバリア寄りのやや小さめといったところでしょうか。
毛色はブレンハイム(茶×白)、トライ(黒×白×黄褐色)、ルビー(赤茶)、黒、白、ゴールドなど、バリエーションがかなり豊富です。
キャバプーの性格
キャバリアの性格は穏やかで愛情深くて人間が大好き。そしてトイプードルの性格は賢くて遊び好きで社交的といわれています。
その2犬種の間に生まれたキャバプーの性格は、愛情深くて賢くて人間が大好きな子が多いようですね。キャバリアとトイプードルのどちらに寄るかによって、アクティブさには違いがみられるようです。
キャバリアに寄るとどちらかといえば穏やかな性格に。トイプードルに寄ると活発に遊び回る子が多いといったところでしょうか。社交性に関しては、キャバリアに寄ると犬より人間に強い興味を示し、トイプードルに寄ると犬同士で遊ぶことを楽しむ子が多いという印象があります。
もちろん個体差があることなので、すべてのキャバプーにあてはまるわけではありません。しかしミックス犬の性質は両親のどちらかに寄ることが多く、きれいに半分こということはあまりありません。
キャバプーの子犬の販売価格・値段は?
昨今のミックス犬ブームにより、キャバプーの価格は高騰し続けているようです。毛色の違いや体格などによって価格には幅がありますが、おおむね15万円~30万円程度といったところでしょうか。
販売価格の傾向としては、オスよりメスの方が高価です。毛色の一番人気は赤味を帯びた茶色で、これはキャバリア・キングチャールズ・スパニエルの「ルビー」と呼ばれる毛色が一番人気であることと一致しています。
トイプードルの一番人気色も「レッド」ですから、親犬のイメージが影響しているのかもしれませんね。
ミックス犬が登場しはじめた頃は、血統書付きの純血種に比べて血統書がない分安く購入できることがミックス犬のメリットの一つでした。しかし、いまや純血種より販売価格の高いミックス犬は珍しくありません。
一昔前は「血統書」こだわる人が多かったことを考えると、驚くべきことではないでしょうか。
キャバプーの飼い方
キャバリアはダブルコートということもあり、寒さには比較的強いですが、暑さには弱い犬種です。そしてトイプードルはシングルコートなので寒さに弱く、だからといって暑さに強いわけではありません。
こういった親犬の特徴により、キャバプーは暑さも寒さも苦手と考えるべき。1年を通してしっかり空調のきいた室内での飼育が基本となります。
フローリングなどの滑りやすい床でスリップしないように、キャバプーが過ごす室内は滑りにくい仕様にしてあげましょう。
キャバプーのしつけ
キャバプーはトイプードルの賢さとキャバリアの人懐っこさを受け継いだ陽気な犬。甘え上手なところがあり、ちょっとしたことはつい大目に見てあげたくなるものです。
しかし、賢いからこそ飼い主の甘さを見逃さない犬でもあります。キャバプーをワガママな犬にしないためにも、子犬の頃からきちんとしつけることが大切です。
また、人間は好きだけれど知らない犬は苦手、という性格にならないように育てることも大事。正しい社会化を進めるためにも、毎日30分程度でいいので散歩時間をしっかり確保して、キャバプーを外へ連れ出しましょう。
キャバプーの病気・健康管理は?心臓病に注意?
ミックス犬は親犬の組み合わせが無数にあり、かかりやすい病気の統計をとりにくいのが現状です。キャバプーに関しても、特化した調査結果が見当たりません。
そこで、キャバリアとトイプードルがかかりやすい疾患から類推しました。キャバプーが気をつけるべき病気は以下の6つです。
・股関節形成不全
・僧帽弁閉鎖不全症
・膝蓋骨脱臼
・気管虚脱
・白内障
・進行性網膜萎縮症
この中でキャバリアとトイプードルの両方がかかりやすい病気は僧帽弁閉鎖不全症。特にキャバリアはこの病気の罹患率が高いことで知られ、平均寿命の下限が9才と低いのはそのせいです。
キャバプーの飼い主さんの中には、キャバリアより長生きしてくれそうだから、という理由で選んだかたがいらっしゃるのではないでしょうか。
とは言え、僧帽弁閉鎖不全症はキャバリアだけがかかりやすい心臓病というわけではありません。小型犬であればすべての犬種において、シニア期に突入する7才前後で発症率がぐんと上がります。
そういった背景を踏まえると、体の異変をできるだけ早期に発見するためにも、キャバプーの健康管理には定期的な健康診断を利用するのが一番です。
キャバプーのトリミング・カット・抜け毛
キャバプーの毛質は親犬のどちらに寄るかによって、お手入れの仕方が違ってきます。
◯トイプードル寄りのコート
トイプードル寄りのキャバプーはシングルコートの巻き毛です。巻きの程度には個体差があり、中にはあまり巻かない子も。
いずれにしろ抜け毛が少ない分、定期的なトリミングが欠かせません。伸びた毛がもつれて毛玉にならないよう、1~3ヶ月に1回ぐらいのペースでトリミンをしましょう。トイプードルと同じくいろいろなカットができるので、スタイルを楽しむことができますよ!
◯キャバリア寄りのコート
キャバプーはトイプー寄りの巻き毛になることが多いですが、キャバリア寄りになる子もいます。ダブルコートは抜け毛が多くなりますので抜け毛の処理が必須。トリミングが必要になるかはコート次第です。
被毛の伸びが早いなら、伸びすぎる前にトリミングですっきりさせてあげましょう。ただし、コートがストレートの場合は巻き毛ほどスタイルが作れないかもしれません。
◯コートの質感が変わる!?
キャバプーのコートは途中で質感が変わることがあります。プードル→キャバリアにコートが変わったとしても、そういうものだと変化も楽しんでしまいましょう。
キャバプーの探し方は?ブリーダー・里親
健全なキャバプーの子犬を迎えるなら、ブリーダーをあたるのが一番です。まずはネットで検索して、子犬の情報を集めることから始めましょう。
◆確認するポイント
1.ブリーディングのこだわり
2.親犬の情報(遺伝子検査、血統など)
3.親犬が飼育されている環境
4.生まれた子犬が育つ環境
5.子犬の引き渡し方法
また、自治体の動物愛護センターや保健所、民間の動物愛護団体にキャバプーが保護されていることがあります。行き場のない子をもう一度幸せな家庭犬にすることはとても意義のあることですが、里親になるには一定の条件をクリアしなければなりません。
保護されるに至った経緯や引き取りに必要な費用のことなどを事前にきちんと調べたうえで、里親に立候補するかをしっかり検討しましょう。
まとめ
陽気で賢いキャバプーは、初心者や小さなお子さんがいる家庭でも飼いやすい犬種です。きちんとしつけられたキャバプーは最高の家庭犬になるでしょう。
しかしきちんとしつけをしないで甘やかしてしまうと、頭の良さがあだとなってワガママ放題になるかもしれません。ぬいぐるみのように可愛いキャバプーがどちらになるかは飼い主さん次第です。