三重県桑名市にある「桑名宗社(春日神社)」へ取材に⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の神社名:桑名宗社(春日神社)
取材する方:宮司 不破義人さん
Q. 桑名宗社(春日神社)はどのような場所ですか?
桑名宗社は永仁四年(1296年)、奈良春日神社から春日四柱神を勧請合祀したことをきっかけに、以降は春日神社とも呼ばれている長い歴史のある神社です。氏子を中心とした地元の皆様には、桑名神社と中臣神社の両社をあわせた名称として「春日さん」と古くから地域に親しまれています。
桑名宗社とは当社の本来の名称です。”春日神社”の呼び名と同じく、桑名神社と中臣神社の総称をさしており、総鎮守として桑名首(くわなのおびと)を祭っています。”繁栄の神様”である桑名神社と”厄除けの神様”である中臣神社の2つの神社があることから、「子孫繁栄」「事業繁栄」「厄除開運」など、それぞれの御神徳を受けられることも当社ならではの特徴です。
また、古くから信仰が続く当社では、その歴史を裏付ける象徴的なものがあります。それは、三重県指定文化財にも指定されている「宝刀村正」と、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「石取祭」です。
三重県指定文化財に指定されている「宝刀村正」は、歴史的にも価値が高いことから宝刀とされ、工芸品としても非常に高い価値をもつ刀とされています。そして、刀剣には「春日大明神」「三崎大明神」との新号が彫らえれており、桑名神社・中臣神社に奉納することを目的として制作されたと言われている奉納刀。近年ではこの刀を目当てにお越しいただく方も増えてきているんです。
そして、「石取祭」は、400年以上も続く地域にも根づいたお祭りで、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。叩出から二日間に渡って周辺の町を挙げてのお祭りとなる為、何もかもいっぺんに吹き飛んでしまうような様子から、”天下の奇祭”や”日本一やかましい祭”といわれる、当社の歴史と共にある大切な行事です。
これら以外にも様々なポイントから長い歴史を感じることができる当社は、2つの神社が仲睦まじく鎮座していることから、古くから結婚式が挙げられてきました。また、かの織田信長・豊臣秀吉との血縁関係にもある千姫の恋物語も語り継がれていることから、境内にある東照宮は、縁結びの御利益があるとも言われています。
そのほか、境内に建つ「皇大神宮御分霊社」は、伊勢神宮より特別に御分霊を受けた国内唯一の神社です。緑が鮮やかで空も広く見える当社では、お写真が映える場所も比較的たくさんあります。歴史を感じるだけでも楽しい場所ですので、まずは参拝だけでもお越しください。
Q. 桑名宗社(春日神社)の結婚式の特徴を教えて下さい。
当社にて神前式を行う場合のお時間は約45分。一般的には、20分から30分程度ですので、比較的長く丁寧に式を進めています。神前式を始めた明治時代の式次第をそのままに、古式の式次第に沿ってた結婚式を執り行うことが可能です。
神様の前ではどなたも平等です。また、結婚式は当人だけでなく家族同士が繋がることになる大切な儀式だと考えています。だからこそ式の内容を省略をすることなく、心を落ち着けて誓いを立てていただけるよう、歴史を踏襲した神前式を行うことを大切にしているんです。
Q. 桑名宗社(春日神社)の結婚式でこだわっているところはありますか?
まずは古式を重んじて、伝統を後世に繋いでいくことを大切にしています。また一方で、伝統を繋ぎながらも時代にあわせて変え、進化させることにも挑戦をしているんです。
例えば、歴史に基づき神社を本来の姿に戻すことにも力をいれています。当社は昭和20年の戦災で一度焼失し、その後、再興された歴史があります。当時は氏子を中心とした地域の協力により、急いで建て替えられたこともあり、古来の姿と異なる様式で再興されている箇所があることもわかりました。その部分を歴史を調べて遡ることで、本来の神社の姿へと修繕する取組みを行っています。
また、歴史に基づいた修繕にあわせ、お写真が美しく撮影できるように、撮影アングルやカメラなどの選定にもこだわりました。神様に失礼のない範囲で最大限に美しく、心に残るお写真を撮影できるようにしておりますので、当社の歴史を感じながら、記念に残こるお写真も存分に楽しんでいただきたいですね。
Q. どんな方が結婚式を挙げていますか?
氏子や地元の方を中心に、幅広い方々に結婚式を挙げていただいています。最近では地元出身の方と、外国人のパートナーという組み合わせも少なくないですね。最近でもオーストラリア人の男性が、新婦様の出身地が近い当社での神前式を希望されており、本当に嬉しく感じています。これからも地域や国籍を問わず、幅広い方にお越しいただけると嬉しいですね。
Q. 結婚式の流れを教えて下さい。
当日の流れは婚礼担当者より、約1ヶ月前を目処にお伝えし打ち合わせをしています。実際の式でも当社職員のサポートがありますので、安心して式を進めることが可能です。
基本的な式の流れとしては、以下の内容となります。
・手水の儀 -てみずのぎ-
・参進 -さんしん-
・誓詞奏上 -せいしそうじょう-
・三献の儀 -さんこんのぎ-
・玉串奉奠 -たまぐしほうてん-
・指輪交換 -ゆびわこうかん-
・春日の舞 奉奠 -かすがのまい ほうそう-
・親族固めの盃 -しんぞくかためのさかずき-
気になる点やご要望があれば事前に承っていますので、お気軽にお声掛けください。
Q. 結婚式の料金・費用はいくらですか?
神前式の費用としては、10万円をお納めいただいております。費用には神楽生演奏・巫女舞を含んでおりますのでご安心ください。また、参列者は50名程度まで可能となっています。50名以上の参列を予定されている場合は、事前にご相談いただけると助かります。
Q. 申し込み後の挙式までの流れを教えて下さい。
申し込み後、式当日から数えて約1か月前には、衣装・写真・ビデオ撮影などをお申し込みの内容に合わせて打ち合わせしていきます。また、専属の美容師とヘア・メイクの打ち合わせも行うのもこの時期です。
そして、挙式の1週間~2週間前には、挙式のリハーサルを行います。リハーサルは予約制となっており、ご都合の良い日程で約1時間程度、事前予約をいただき、当日の式次第に沿って打ち合わせする流れです。
Q. いつまでに申し込む必要がありますか?
挙式は1年前~1ヶ月前のお申込みが目安となります。また、衣装、写真・ビデオ撮影などをご希望の場合は、挙式の1か月前までにお申込みいただけるとスムーズです。
お申込みは、お問合せフォーム又はお電話でお申込みいいただくか、直接お越しいただいても可能となっています。神社内や拝殿の見学については毎日行っていますので、ご希望の場合はお気軽にお問合わせください。
Q. 印象的だった結婚式はありますか?
これまで印象的だった式はたくさんありますが、三世代続けて当社で結婚式を挙げていただいたご家族は、とても印象に残っていますね。新婦様、新婦様のお母さま、そしておばあさまが当社にて結婚式を挙げていただくこととなりましたが、実はお手伝いする側の私も、父、祖父と三世代でのお役目を担うこととなり、非常に感慨深い結婚式となりました。
結婚式当日には、新婦様のおばあさまが当時のお写真を持参されていて、当社で撮影したお写真と同じように、新婦様の式でもお写真を撮影したんです。こんな風に、世代を超えても同じ空間で同じように過ごし、大切な日をお写真に残すことができるのは、神社ならではかもしれないと感じたのを覚えています。
今後も私個人としても、皆様にとっても大切なこの場所を、しっかり守り継承していきたいと改めて感じさせていただいた結婚式となりました。
Q. これから結婚式を考えている人へメッセージをお願いします。
結婚式は新しい門出のスタートでもあり、人生のターニングポイントでもあります。そんな人生のターニングポイントを迎える場所は、できるだけ長く存在し続けることが大切です。この場所に戻れば当時の気持ちを思い出し、どんな時でもスタートに立ち返ることができる、そんな場所こそが”神社”であると考えています。
これまでも、先人の立ち返る場所としても親しまれてきた神社は、将来の誓いを立てる場所としても最良の場所です。ご本人はもちろんのこと、ご自身のお子様やお孫様にも繋がるスタートの場所だという想いを抱いて、御祈祷を受けていだければと考えています。
桑名宗社(春日神社)の情報・営業時間・定休日
神社名:桑名宗社(春日神社)
住所:三重県桑名市本町46番地
電話番号:0594-22-1913
営業時間:9:00~17:00
URL:http://www.kuwanasousha.org/
お問い合わせ⽅法:お問い合わせフォーム、またはお電話にてお問い合わせください。
ご予約方法:お問い合わせフォームかお電話、またはお越しいただいた際にご予約ください。