その人の運命を詳しく知ることができる運命線。一般的に運命線は、男性の場合は仕事運、女性の場合は結婚運や仕事運が示されるとされます。女性の社会進出や晩婚化に伴い、手相の見方も少し変わり、女性は、運命線が太ければ主に仕事運が強く、細ければ家庭に入る運勢としているものもあります。
運命線は基本線の中でも、心構えや姿勢、考え方や生き方によって変化しやすい線として知られています。これは自分が理想としている運勢に作り変えることができることにつながります。悪い運が一生続くことはありませんし、良い運がずーっと続くということもないのです。不運があったり、幸運があっても、あまり一喜一憂はせずに、自分を見失わずに、明るく生きていると幸せが寄ってくるはずです。
また最近では、若い人にこの運命線がない人が増えています。特にないからといって、運命がないというわけではありません。成り行きに任せて、人生をうまく乗り切ったり、適応力に長けているとされます。この運命線から分かる意味や見方について説明していきます。
※運命線の主要なパターンの意味を簡単に知りたい人はこちらの記事ページへ
運命線の基本的な意味と形とは?
運命線は、始点の場所に関係なく土星丘(中指のつけ根の下の領域)に向かって伸びる線を指します。運命線は、土星丘に届いていないことも結構ありますが、このまま伸びたら土星丘に届くというものなら運命線です。
他の基本線と違い、全くない人もいますし、この線ほど、現れ方に個人差が大きいものはありません。運命線は主に、仕事運や人生の流れを表すとされ、運命線が切り替わっている時期が運命の転換期を示します。運命線の伸びている位置から、その人の運勢的に良い時期と停滞する時期もわかります。
手首付近から知能線(人差し指と親指の付け根の間から掌を横切っている線)あたりまで伸びる場合、若い時期に運勢が良く、知能線あたりから中指に向かって伸びる人は、30歳頃から運勢が好転するとされます。運命線の見方としては、線の濃さに注目します。濃い人ほど自分が中心となるエネルギーを強く持っているされ、薄いと、人との調和や協調性に長けているとされます。
また結婚線や恋愛線との関わりが深く、出会いの時期などが連動していることがあります。幸せな結婚や満ち足りた恋愛につながる運命的な出会いは、人生において重要な出来事です。まさに運命線の真骨頂と言えます。さらに運命線はとても変わりやすい線なので、引越しや転職、結婚などの環境の変化によっても変化します。
運命線と年齢の見方
今や人生はほぼ100年の時代です。40~50才代でも人生の半ば、その先にいろいろな運命の変化が待ち受けていると言えます。手相の流年法は人生を100年として、判断するようになっています。運命線は人によって長さや形状が様々ですが、基本は手首の線から中指のつけ根まで伸びていると想定し、手首の線と交わる起点を0才、中指のつけ根を終点として100才と診ます。
掌の中央で、手首の線から中指の根元まで伸びていると想定した運命線を二分割し、その真ん中の位置を30才とします。この30才までを二分割した真ん中の位置を20才とします。30才の位置から少し上の運命線が頭脳線と交差する辺りを35才とします。その上の感情線と交差する辺りが55才となります。
運命が変化する年齢は人それぞれ異なりますが、成人式を迎え社会的な人生が始まる20才、頭脳線と交差する35才、感情線と交差する55才という3つの節目は、多くの人にとって、人生の転機などになりやすいとされます。35才は、人生がだんだん明確になり始め、55歳ではその後の後半生への入口となります。運命線と年齢の基本的な関係を理解しておけば、より詳しく運命を知ることができます。
標準的な運命線の形の場合3パターン
人それぞれと言える運命線ですが、標準的なものとしては、手首の少し上あたりから、中指のつけ根の手前あたりまで直線的に伸びています。この形で濃ければ、主体的な気質を持ち、目的達成のためグングン突き進んで行くとされます。女性の場合、家庭に収まると不満を抱えやすくなります。一方薄ければ、調和的気質を持つとされます。
標準的な形と位置では、次の3つが考えられます。
■1. 地丘から伸びる運命線
この場合、先祖との縁が深く、運が強いとされます。子供の頃から強運に恵まれ、霊感が強い場合もあります。他人に頼らず物事を成し遂げようとします。
■2. 平行する短い線がある運命線
この場合、強い運気に恵まれる時期があるとされます。協力者に恵まれたり、困難が乗り越えられたり、最良の結婚相手が見つかるはずです。運命線の脇に1~3ミリの線が現れている位置を流年法で読み取るとその時期がわかります。だいたい知能線(人差し指と親指の付け根の間から掌を横切っている線)のあたりが35才前後の目安となります。
■3. 位置に関係なく、全体的に切れ切れになっている運命線
この場合、飽きっぽい性格で、仕事や住居などの環境の変化が多いとされます。粘り強い努力をすれば、運が好転するはずです。また浮き沈みの激しい人生を送る傾向にあります。
運命線が短い場合5パターン
運命線が短いとされるものは、5つあります。
■4. 生命線と交わる場所や生命線の下のあたりから始まる運命線
この場合、努力を積み重ねて人生を自ら開拓していく運命を持っているとされます。独立心が強く、得意な分野を見定め自力で切り拓こうとするはずです。
■5. 生命線上や生命線の上のあたりから始まる運命線
この場合、努力の積み重ねで人生を切り拓いていくとされます。独立心は強いのですが、なかなか実を結ばず下積みが長いようです。しかし、最終的には、努力の成果が認められ開運します。
■6. 掌の真ん中辺りから伸びる運命線
この場合、人生の半ばから運気が強くなるとされます。自我や社会的な運気が強くなるので、自力で幸せがつかみ取れるはずです。運命線がない人生の前半は、周囲の環境にうまく合わせて行けば、何の問題もありません。
■7. 感情線付近から伸びる運命線
この場合、50代半ば以降に活躍できるとされます。社会的な運気が強くなり、今までの地道な努力が認められるはずです。俗に言う、大器晩成とされ、マイペースで誠実な人に多く見られます。定年後の趣味の世界で活躍する可能性も高くなります。
■8. 掌の真ん中辺りで止まる運命線
この場合、若い時期に運気が強いとされます。若い時代に努力して突き進めば、人生の輝かしい土台が築けるはずです。後年は、周囲との協調を大切にしていけば、幸せに過ごせます。
運命線が長い場合5パターン
運命線が長いとされるものは5つあります。
■9. 終点が木星丘寄りに伸びている運命線
この場合、上昇志向が強く、人の上に立つことに向いているとされます。責任感が強いので、信頼されて人を引っ張っていけるはずです。権力志向も強いので、政治家にも向いています。
■10. 終点が太陽丘寄りに伸びている運命線
この場合、気づかい上手で、誰からも好かれるとされます。人望を得て成功が手にできるはずです。地位や権力に対しては、こだわりがないとされます。人に好かれたいという潜在意識があるので、人気商売に向いています。
■11. 生命線に沿うように伸びる運命線
この場合、親の影響力が強く、親族などの助けに恵まれるとされます。長男や長女に多く見られる相として知られています。親と一緒に仕事をしたり、親との距離が常に近いはずです。結婚や独立後も、実家のとのつながりが深くなります。
■12. 手首から中指まで伸びている運命線
この場合、幼少時からしっかりとしているとされます。精神力が強く運もかなり強いようです。物事は自分の考えで進めていく傾向にあります。努力次第で、大きな成功がつかめるはずです。
■13. 途中で蛇行している運命線
この場合、性格は真面目で、こだわりが強いとされます。少々融通が利かない面があり、自分の考えにこだわり過ぎると苦労が増えます。非常にマイペースで、線が蛇行している時期に、何かと不安定になりやすいようです。
運命線が2本ある場合2パターン
運命線が2本現れている場合、基本的には、本業と副業、仕事と趣味などの2つの分野で活躍できるとされます。女性の場合、仕事と家庭を両立させることに長けているはずです。副業をやる以外にも仕事の幅が今までより広がることもあります。二本の線が平行して並んでいる部分が、両立時期となり、多忙になるとされています。その線の長さが時期の長さになり、濃かったり長い方が、主となる運命線になります。
■14. 2本の運命線が感情線から伸びている場合
55歳を過ぎた頃から2つの仕事で活躍できるとされます。家庭での主婦業が忙しくても副業などで成功する可能性が高くなります。どんどん年齢を重ねても充実した人生を送れるはずです。1本の運命線の横に短い運命線が平行して出ている場合、人生を支えてくれる協力者やパートナーが現れる事を示します。
■15. 2本の運命線が交差している場合
平行して現れていることがほとんどですが、稀に交差していることもあります。運命線を横切る短い線が合った場合、直角交差や斜め交差に関わらず、この短い線は障害線となります。この交差の時期に不運が起こったり、健康不良、トラブルに巻き込まれたり、精神的ダメージを受けやすくなります。この時期は細心の注意を払い行動し、無理などはしない方が良さそうです。ただこの交差する線が薄い場合は、それほど神経質になる必要はありません。また元々平行していた運命線が交差して、障害線になることもあります。
運命線が枝分かれしている場合6パターン
基本的に運命線が2つ以上に大きく枝分かれする場合、一つの仕事を続けるより、複数の分野に携わることで成功がもたらされます。
■16. 運命線が大きく枝分かれし、木星丘に伸びる場合
強い願望や向上心を持ち、努力を惜しまないとされます。目標や希望を達成させ運を切り開いていくはずです。目標などが高いほど効力を発揮すると言われています。地位と富を得て大成功する可能性が高いようです。
■17. 運命線が大きく枝分かれし、太陽丘に伸びる場合
その分かれる時期に、幸運がもたらされ、良い評価や結果が得られるとされます。今までの努力が報われ成功します。名誉・名声・人気などを得て富が築けるはずです。芸術の分野でも成功する可能性が高くなります。
■18. 運命線が大きく枝分かれし、水星丘に伸びる場合
コミュニケーション能力や商才に長けているとされます。折衝能力が優れているので経営やビジネスの世界で成功するはずです。
■19. 運命線、太陽線、財運線が1点から枝分かれする場合
運命線、太陽線(薬指のつけ根の領域の縦線)、財運線(小指のつけ根の領域の縦線)が1点から枝分かれする相を「三奇紋」と呼びます。これは、金運が上昇し、仕事などで成功して莫大な財産が得られるとされます。手相では非常に縁起の良い相としても知られています。
■20. 運命線の先端が小さく2つに分かれる場合
晩年に苦労するとされます。トラブルを起こして周囲から信用をなくしたり、離婚をしたりします。
■21. 運命線が中指まで入り込み、先端が2つに分れる場合
幸福な人生が一転して、どん底に落ちるとされます。事業で成功したり、有名になっても、その地位や名誉も手にした後に、トラブルなどで全てを失う可能性が高くなります。慎重な言動が必要かもしれません。
運命線の上にフィッシュ(魚紋)がある場合1パターン
魚紋とも呼ばれるフィッシュは手相でいう特殊紋の一つです。特殊紋は、掌のいろいろな場所に現れるマークで、「紋」にはそれぞれ違った意味を持ち、掌のどの位置に表れているかでも意味が異なります。フィッシュの他には、格子紋、スターと呼ばれる星紋、クロスと呼ばれる十字紋などがあります。
フィッシュは、突然訪れる幸運を表します。だいたい突然現れていることが多く、これがあれば、近い将来、ラッキーなことがあるとされます。生来、現れている人は、生涯を通じて不定期に幸運が訪れるはずです。単体で現れることもありますが、他の線にくっついて現れることもあります。
■22. フィッシュが運命線上にある場合
このフィッシュが運命線上に出ている場合、運命的とも言うべき、突然の幸運が訪れることを示します。予期せぬ高収入を得たり、突然の昇進などが考えられます。理想の結婚相手と出会えたりすることもあるはずです。フィッシュが運命線と重なっている部分で、その幸運がいつ訪れるのかが読み取れます。だいたい知能線付近で40才前後とするのが目安となります。しかし、この重なりの期間を過ぎると、また元の運勢に戻ります。
運命線が斜めの場合6パターン
まずは、基本形の斜めの運命線を紹介しましょう。
■23. 月丘から伸びる運命線
月丘(小指の下の手首近くの領域)から伸びる運命線。この場合、周囲の人の協力や援助によって盛り立てられ、開運するとされます。
この線が途中で途切れず、ハッキリとしてきれいな線ならば、より多くの人たちの助力を得て人生の運を開いていくようです。
また途切れていても、その先に線が伸びていれば、その年齢が大きな転機となり、新たな運勢がつかめます。
■24. 金星丘から伸びる運命線
もし、月丘と反対側の金星丘(親指のつけ根の領域)から伸びていたら血縁者からの援助となります。これらは基本形で斜めの運命線になります。
<その他、斜めに伸びる特殊な運命線>
この他、斜めに伸びる特殊な運命線をいくつか紹介します。運命線はどこから出発しても土星丘(中指のつけ根の領域)に向かって伸びる線としてきましたが、本来向かっていたものが、斜めにズレることがあります。この場合、必ずしも終点が土星丘に行っていないことになります。
■25. 人差し指と中指の間に向かう運命線
この場合、向上心や野心が強く、何事にも積極的とされます。高い地位や名誉を得るために人一倍努力するようです。
■26. 感情線と合流して木星丘に向かう運命線
この場合、交際相手や配偶者などからの愛情や支えによって運が開くとされます。幸せな結婚生活が送れ、結婚後の運勢がどんどん良くなっていくはずです。
■27. 感情線を越えた辺りから急激に曲がり木星丘に向かう運命線
この場合、晩年に苦労の成果が表れるとされます。若いうちに理想としていたことが現実になるはずです。金運も良好となります。
■28. 月丘から木星丘に向かう運命線
この場合、野心を持ち、他人からの援助で運が開けるとされます。何事にも意欲的に行動するので、目的が達成できるはずです。
運命線が薄い場合1パターン
線の濃い薄いの判断は、なかなか難しい面があります。数多くの例を診て、比較するのが間違いありませんが、なかなかそうも行きません。しっかりと広げた掌に照明を近くで当て、第一印象で濃い・薄いと判断するのが一つの方法です。
一般的に女性よりも男性の方が線が濃く現れるとされます。線の濃い人は男性的で、薄い人は女性的とも言われています。
■29. 運命線が薄い
性格的には謙虚で控えめで、周囲と協調して生きることに長け、引立て運もあるされます。人の意見や考え方を尊重し、人から尊敬されたりもしますので、大きな可能性も秘めています。主張する力が弱いので言いたいことが言えず、不満を溜めやすい傾向にあります。世界的に活躍している人も意外に多くいます。
人から助けてもらえる運は、濃い人よりも強く、周りからの応援が飛躍の要になります。しかし、情熱や自信がない、自主性がなく優柔不断などのネガティブな面もあります。自分の可能性を追求し過ぎたり、目標が高過ぎて、充分な結果が得られないということもあるようです。
運命線がない場合1パターン
運命線がない人は、意外に多くいます。なくても心配は入りませんが、それなりの意味があります。まだ人生の方向性を決めていないと現れないこともあります。運命線がない場合、かなりの部分、薄い人と似通っています。薄い人でこの傾向にあるというものが、ない人では、明確にその状況にあるとされます。
■30. 運命線がない
性格的には素直で、物事に慎重で、人と協調して成功をつかむとされます。自ら人生を切り拓くより、環境や状況に適応しマイペースに人生を歩む人が多いようです。無計画に人生を歩んでいる人も多く、良く言えばどんな事にも柔軟に対応し固定観念にとらわれないとも言えます。
しかし無計画な人生は安定性がなく、人から信頼もされません。運命の流れに乗るのが上手なのですが、人の言うことに流されやすかったり、感化されやすい面もあります。友達や付き合う仲間、パートナーに引きずられないように注意が必要かもしれません。
女性の場合は、結婚して専業主婦でいることを望むなら、運命線がないのは、良い相となります。ここに太陽線があれば、充分に幸せな家庭が築けるはずです。結婚相手の運命に深く寄り添い生きて行けますし、計画的に人生を歩むようになる運命線が表れてくることもあります。また運命線がなくても、基本となる感情線、知能線、生命線が濃くハッキリと出ているならば、能動的な発展が期待できます。
まとめ:運命線を参考に充実した人生へ
運命とは、人の意志を超越し、人に幸福や不幸をもたらすものや、その巡り合わせのことを指します。人生は天命により定められているとする思想や、将来の成り行きは不確定という説などがあり、運命の実体は、誰も把握してはいません。また運命は宿命などとも言いますが、宿命は固定的なもので、運命が流動的なものとする見方が、主流となっています。いずれにしても運命は知りたくなるものです。
手相は運命線という手のシワで運命を判定します。その表れている位置から、運命の様々な機会もわかります。しかし、これはその人の人生を断定するものではありません。考えや生活環境などが変われば、手相も変化していきます。もし悪い暗示が出ていたとしても、それに注意して人生の軌道修正をすれば、運命は変えられるわけです。
人生における成功や幸せのつかみ方は、いろいろとあります。自力で人生を切り拓く人、親や親戚などの助力で成功する人、友人や知人の引き立てで開運する人もいるでしょう。自分がどのタイプかわかれば、よりスムーズに幸福が訪れることは間違いありません。この運命線を参考にして充実した人生を歩みたいものです。