「人と打ち解けるのに時間がかかる…」「社交的で人気者が羨ましい…」と、自分の警戒心の強さにうんざりしているなら、今が自分を変えるチャンスです。もっと自分を理解し、あなたに合った方法を見つければ、警戒心を和らげることができるでしょう。
今回は、警戒心が強い人の特徴を徹底解説し、克服方法を伝授します。
警戒心が強いの意味とは?
「警戒心」とは、自分が望まないことが起こらぬよう、注意深く用心する気持ちを意味しています。警戒心は人間も含めた動物が、身を守るために生まれながら持っているものです。危険を察知し、逃れるのに不可欠な本能と言えます。
「警戒心が強い」とは、とりわけ注意深く用心を怠らない人のこと。一般的には安全と判断できる状態でも、警戒心が強いと安心できません。それにより、危険リスクは低くなりますが、弊害も生まれます。
警戒心が強い人の心理
好奇心が強く、警戒心よりも「知りたい」「やってみたい」という気持ちが強い人には、警戒心が強い人の心理を理解するのが難しいでしょう。警戒心が強い人は、平均よりも身を守りたい気持ちが強いのです。
具体的には、以下のような心理状態になります。
・知らないことが不安
・いつでも最悪の事態を考えてしまう
・周囲の目が気になって仕方がない
・失敗したくない
・裏切られたくない
警戒心が強い人は、身体的にも肉体的にも傷つきたくない心理がとても強いのです。そのため、何事にも消極的になり、行動を起こすまで非常に時間がかかります。
警戒心が強い人の原因3個
人よりも警戒心が強くなるには、どんな原因があるのでしょうか。詳しく解説します。
■1. 元々慎重で不安感が強い
元々、日本人は警戒心が強い気質で、一説によると、日本人は他国に比べ、恐怖心を抑えるセロトニントランスポーターというたんぱく質が多いと言われています。
警戒心の強さは、生まれつきの気質である可能性は高いです。警戒心は動物の本能的なところからきています。遺伝子だけで人格が決まるわけではありませんが、幼少期から警戒心が強く、新しいものには慎重で、人より不安感を持ちやすいなら、生まれ持ったものなのでしょう。
■2. 過去に大きな失敗経験がある
子供のころは積極的で活発だったのに、大人になってから警戒心が強くなる場合は、環境が原因かもしれません。過去に大きな失敗経験があると、「また失敗したらどうしよう」と不安感が強まり、警戒心が強まって新しいチャレンジに消極的になります。
失敗の影響が大きいほど、「昔こんなことがあってね」と簡単に他人に話せなくなるでしょう。なぜならば、トラウマのように心に強く残り、「人に知られたら信頼を失う」「思い出したくもない」と、心にストッパーがかかるからです。そのため、自分も周囲も、警戒心が強い原因に気付きにくくなります。
■3. 失敗経験が少なく挫折への恐怖心が強い
家庭で厳しくしつけられ小さなミスも許されない環境で育ったり、逆に親が過保護で失敗を回避したりしていると、失敗に対して強い恐怖心を持つようになります。
そして、「失敗するくらいならやりたくない」と、ネガティブ思考になり、新しいチャレンジに対して、強い警戒を示すようになるのです。
失敗経験は極端に多くても少なくても、警戒心を強める原因になります。子供時代に自ら行動し、適度な失敗経験をするのは、とても重要なのです。
警戒心が強い人の特徴10個
警戒心が強い人は、性格や行動にどのような特徴があるのでしょうか。詳しく解説していきましょう。
■1. 臆病
警戒心が強い人は、例外なく臆病な性格をしています。大きな音や急な動作でもビックリしやすい人が多く、本能的に「身を守らねば!」という恐怖心が強いのでしょう。
新しいチャレンジに消極的なのは、先が読めず不安が強いからです。「わからない=恐い」という思考は、臆病な人の特徴でもあります。
不安と恐怖は、警戒心を強める二大感情。警戒心が強い人は「子供のころ鬼やお化けがすごく恐かった」「夜は物騒だから出歩きたくない」という臆病な人が多いです。
■2. 人見知りする
相手がどんな人かわからないと安心して付き合えないので、警戒心が強い人は人見知りです。特に初対面がとても苦手。仕事では必要に迫られて頑張りますが、プライベートになると目を合わせず、相手がどう出てくるのかバリアーを張りながら様子を見るのが特徴です。
極度に人見知りする姿は、相手から「自分を嫌っていて壁を作られている」と見えてしまいます。そのため、慎重で受け身なのに、人を遠ざけてしまうため、交友関係は非常に狭いです。
■3. 疑り深い
警戒心が強い人は、とりあえず何事も疑ってかかります。人に絶賛されても「お世辞では?」「何か裏があるのでは?」と素直に喜べません。社交的な人に憧れを持ちつつ、自分にグイグイくる人は信用できず、思いっきり構えてしまい、仲良くなるチャンスを逃してしまいます。
しかし、疑り深さに救われるケースもあります。簡単に人を信用しないので、騙されにくいのです。利用されたり、詐欺にあったりするリスクは低くなります。
■4. 情報収集を怠らない
自分を安心させるために、警戒心が強い人は情報収集を怠りません。仕事等で何かを始めなければならない場合、まずは情報収集から始めます。失敗しないための努力を惜しまず、とても勤勉です。
警戒心が強い人の情報収集力は強みです。表に出て人をまとめる立ち位置は苦手ですが、裏方で皆を支える土台的役割に適性があり、地味ながらも確実に結果を出すので、周囲からの評価は高くなります。
■5. 自分の情報は出さない
周囲の情報は一生懸命集めますが、自分の情報は可能な限り外に出しません。疑り深く慎重なので、自分の情報が悪用されることに強く警戒しています。必要に迫られなければ、質問されても適当にはぐらかす秘密主義です。
人見知りで秘密主義ですから、警戒心が強い人と会話を弾ませるのは至難の業でしょう。仕事上の会話ならマシですが、プライベートな雑談力が弱いのが特徴です。
■6. 外見も行動も保守的
警戒心が強い人は自分が傷つかないように、鉄壁のガードをしています。そのため、外見も行動も保守的です。ファッションはあえて特徴がなく、地味な色やデザインを好みます。しかし、そこそこ流行は押さえていて、清潔感もバッチリ。センスの良さでも悪さでも、目立ちたくない思いが強いのです。
行動は外見以上に保守的になります。必要に迫られない限り、リスクのある行動はしません。ルールやマナーをきちんと守り、礼儀も欠かさないのは、「できていない」と酷評されないよう自分を守っているからです。
■7. 計画的で無茶はしない
失敗をしたくないので、当然ですが行動は計画的になります。情報収集し準備を万全にしてから、一歩ずつ着実にこなしていくのが特徴です。見切り発車のような無茶はしません。
慎重なので計画の進みが遅いのは良くあることですが、「これなら大丈夫」と確信を持っているため、ミスもほとんどありません。仕事ではとても安定感があります。
■8. 神経質で潔癖な一面あり
警戒心が強い人は、言葉を変えれば心配性。小さなことでも心配する神経質な一面があります。人間関係や仕事だけではなく、衛生面でも慎重です。感染症にも強い警戒心を持っているので、潔癖な一面もあります。
■9. 一見受動的で実は主導的
慎重で目立たないようにしているため、警戒心が強い人は受動的に見えます。受け身で人の指示に従順というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、実は主導的で、警戒のベルが高らかに鳴っていれば、どんなに周囲に勧められても応じず、集団でも流されない芯の強さがあります。
仕事など断るデメリットが大きいと判断するケースは別として、気の乗らない誘いは断るのが特徴です。大人しそうに見えて、実はNOと言える人なのです。
■10. 恋愛では受け身タイプ
恋愛に関しては、主導的ではなく受け身タイプになります。自分に自信がないので、「どうせ断られるだろう」とアプローチにも消極的。
警戒心の強さをこじらせて、好き避けしてしまうケースもあります。警戒心が強い人の恋愛の多くは、相手から好意を抱かれて始まるパターンです。
警戒心が強い人は恋愛できない?
警戒心が強い人にとって、人との距離が究極に近い恋愛には恐怖に近い感情があるかもしれません。傷つくのが恐いので、好きな人ができてもアプローチできないケースは多いでしょう。
しかし、警戒心が強くても、好きな人があなたのペースで距離を縮めてくれれば、恋愛は充分可能です。特に女性にとって警戒心の強さは、悪い男を排除するフィルターになります。男性も自分のステイタスだけに寄ってくる女性を選別できるでしょう。
「本当にこの人と恋人になりたい」と思った時、警戒心の強さに負けず、勇気をもって自分の気持ちを伝えることが大切です。好きな人のために傷つく覚悟をつけられれば、恋愛に一歩踏み出せます。
仕事で警戒心が強い人の特徴
仕事での警戒心の強さは、メリットとデメリット両方の面での特徴があります。警戒心が強く「ミスできない」と慎重に行動するので、整合性が高く納期を守るきっちりとした仕事ができるのが大きなメリットです。
経理や調査など、警戒心の強さを活かせる職種を選べば、高い能力を発揮し、周囲からも評価されるでしょう。
一方、警戒心が強く慎重になり過ぎるあまり、仕事の大きなチャンスを逃してしまうのがデメリットです。
ここぞという時の思い切りがないため、競合に仕事を奪われるケースも少なくありません。高いコミュニケーション力と臨機応変な対応を求められる営業職や接客業は、あまり向いていないでしょう。
警戒心が強い人への接し方
警戒心が強い人には、充分な時間をかけ、少しずつ距離を縮めるのがポイントです。あなたから話しかけつつ、相手のペースを尊重し、様子を見ながら徐々に親しくなりましょう。警戒心が強い人への接し方をいくつか紹介します。
・礼儀正しく接しマナーを守る
・いつでも笑顔で対応する
・最初は当たり障りのない話題から入る
・相手の発言を肯定、共感する
・困っているときはさりげなくサポートする
積極的にグイグイ距離を詰めるのは厳禁です。自衛本能が働き、たちまち心の扉を閉められてしまいます。ゆっくり焦らずのんびりいきましょう。
警戒心が強い人の克服・治し方5個
警戒心の強さは、あなたを度々守ってくれるでしょう。しかし、警戒心が強すぎて身動きが取れないと、素敵な経験ができる機会を逃し、自分を成長させられません。あなたも、「もっと行動的になりたい」と思って、この記事に辿り着いたのだと思います。そこで、警戒心が強い人の克服方法、治し方を伝授します。
■1. 警戒心の強い自分を認める
まずは、警戒心の強い自分を認めることから始めましょう。警戒心の強さに不自由さを感じているでしょうが、あえて「警戒心が強くて良かった」という点に目を向けるのです。警戒心が強いメリットをいくつか挙げましょう。
・慎重に行動するので、怪我や病気のリスクが低い
・ミスが少なく、確実に物事を進められる
・人が気付かない危険性や抜けに気付ける
警戒心の強さは、あなたの長所でもあります。自分を肯定し、「警戒心が強すぎるデメリット」をピンポイントで着目するのが、克服方法の基本です。
■2. 外見から変える
内面を変える第一歩は、外見を変えることです。警戒心が強い人は、ファッションも保守的になりがちです。「自分に似合う服、似合わない服」の固定概念があり、似合わない服を避けて通るため、いつも同じような印象になり、それが「自分は警戒心が強く、何事にも慎重で新しいことが苦手」と、自分への意識づけになってしまいます。
ですので、あえて普段は着ないファッションにチャレンジしましょう。ファッションセンスに自信がないなら、あなたの年齢に合ったファッション誌を購入し、丸っと一式コピーしたり、紹介されているお店に行って店員に相談したりするのも良いでしょう。
ファッションコーディネート関係のアプリもおすすめです。いつもとは違う外見になるだけで、「普段はできない新しいチャレンジができそう」と、気持ちがポジティブになります。
■3. 小さなチャレンジを積み重ねる
警戒心の強さを克服するには、自信をつけることも重要です。自信は成功体験によって身につきますので、新しいチャレンジをすると良いでしょう。しかし、警戒心が強い人に大きなチャレンジはハードルが高いですので、小さなチャレンジを積み重ねるのがポイントとなります。いくつか具体例を挙げましょう。
・自分から笑顔で人に挨拶する
・自分から話題を提供する
・1人で新しいお店に入る
・1人旅をする
・気になっていた趣味を始める
・習い事に参加する
小さなチャレンジは、万が一失敗しても小さくて済みます。成功体験と同じくらい、小さな失敗経験をして「案外大丈夫」という実感は重要です。小さな成功と失敗を繰り返しながら、「案外できる」「できなくても大丈夫だった」と、自信を育てていきましょう。
■4. 好きなことを継続する
継続は力なりで、どんなことでも続けると自信につながります。ですので、最も継続しやすい好きなことを始めましょう。そして、細切れでも良いので、細く長く続けていくのです。続ければ上達し、「自分でもこんなにできた」という成功体験と達成感があり、自信になっていくでしょう。
また、好きなことをする時間は、何かを成し遂げなくても「楽しい」というポジティブな感情が残ります。結果や評価ではなく、純粋に「自分を喜ばせるための時間」の尊さを知れば、自分で自分を認められるようになり、周囲の反応に恐れて警戒心を強めることも少なくなります。
■5. 知識をたっぷり身に付ける
警戒心が強い人は、人よりも慎重で臆病なので、武装して防御力を高めるのが効果的です。「知らない」は不安につながるので、日頃から勉強して知識をたっぷり身に付けると良いでしょう。コミュニケーションに不安があるなら、自己啓発本を読んだり心理学を勉強したりがおすすめです。
徹底的に知識とパターンを身に付ければ、「AのときはB」と、咄嗟の判断に迷いがなくなり、その分不安が軽減されます。「わからない→恐い→動かない→何もできない」の負のスパイラルから抜け出すには、とにかく知識を詰め込むことです。
まとめ
警戒心が強いのは、決して悪いことではありません。しかし、警戒心の強さがあなたを縛り、「もっと自由になりたい」と思うなら、紹介した克服方法を試してみましょう。それも小さなチャレンジの1つです。もっと自分に甘くなり、小さな成長も見逃さずに自画自賛してくださいね。それが自信につながります。