青森県青森市にある「青森公立大学 国際芸術センター青森」へ取材を⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の美術館名:青森公立大学 国際芸術センター青森
Q. 施設の概要を教えてください。
青森駅から車で約30分程度、ダイナミックな自然が豊かに広がる八甲田山山麓にある当センターは、2001年(平成13年)12月に開館しました。現在は、青森公立大学が運営しています。
当センターは、国内外の表現者が滞在して制作活動をする「アーティスト・イン・レジデンス(滞在制作・AIR)」「展覧会」「教育普及」を柱に、コンテンポラリーアート(現代芸術)の多様なプログラムを発信しています。
設計は世界的建築家の安藤忠雄。周囲の自然環境を活かし、起伏に富んだ地形を壊さない、建物が森に埋もれるようなイメージの建築で、テーマは「見えない建築」です。谷沿いに橋が架かるようなイメージの直線型の創作棟と宿泊棟、ギャラリーや円形の屋外ステージを備えた馬蹄型の展示棟の3棟で構成されています。
Q. 展示物の構成を教えてください。
SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD個展「under pressure」より(2021年4月~6月)
常設展はなく、企画展のみがおこなわれています。
年間に約3つの企画展を、それぞれ2カ月ほどの会期でおこないます。アーティスト・イン・レジデンスで国内外のアーティストが青森の当センターに来訪します。アーティストとともに青森の自然や風土などを調査したうえで、そのインスピレーションから制作した新作を展覧会のメインとすることが多いです。
トークイベントなど、滞在中のアーティストと、学生や一般市民の方との交流の機会も設けています。アーティストの目から見た青森の調査報告といったものをお聴きいただくこともできます。また、ダンスや演劇などの公演を、制作段階から複数回上演し、作品がしあがっていく過程を体感するイベントもあります。当センターはジャンルにしばられず、あらゆる芸術に出会える場所でありたいと思っています。
屋外には野外彫刻が点在しています。アーティスト・イン・レジデンスから生まれた作品も。「人間と自然」をテーマとした作品が多く、見ごたえがあります。雪に閉ざされてしまう冬をのぞいた、春から秋が見ごろと言えるでしょう。
Q. デートスポットとしての見どころを教えて下さい。
展覧会にもよりますが、基本的に館内も撮影OKの展覧会が多いです。コンテンポラリーアートを、感じるままに写真に切り取ってみるのも芸術のひとつの楽しみ方でしょう。デートでは、お互いの写真を見せあって、感性の違いを楽しむのも面白いかもしれません。いい写真がとれたらぜひSNSなどにアップしてみてください。
また、エントランスから展示棟へと向かう道にある「四季のアーケード」も写真映えする見どころのひとつ。編目型のトンネルの中に入ると、陰影のある木漏れ日が降り注いでとてもドラマティック。まるで森のなかに誘いこまれるような雰囲気があります。コスプレの撮影をする人もよく利用されているんですよ。ぜひ思い思いに写真を撮ってみてください。
加えて、当センターは広大な森のなかに位置しています。森のなかの散策路は歩いて1時間くらいの楽しいハイキングコース。野鳥や野花を探しながらおふたりでゆっくり歩いてみてはいかがでしょうか。
Q. 人気の企画やイベントはどんなものがありますか?
青森は版画の巨匠、棟方志功を生み出した地ですので、県をあげて版画教育に取り組んでいます。当センターには世界最大級の版画のプレス機もあるんです。そのことから、大人向け、子どもむけどちらも、アーティストを迎えての版画のワークショップは人気ですね。
また、パフォーマンスやダンス公演、演劇公演が上演されるときは多くの人が集まります。高い天井高の大空間のギャラリーや、屋外の水のステージをつかって、ジャンルレスなアートを自由に感じていただけるようになっています。
Q. 併設施設について教えて下さい。
とくにミュージアムショップは設けておりません。展示棟の受付では、有料無料さまざまありますが、過去の展覧会のカタログなどを配布しています。
館内には現在、カフェ、レストランはありません。しかし、展示棟には飲食物持ち込み自由のラウンジがあり、キッズスペースがあります。また、美術や芸術の関連書籍を自由に閲覧していただくこともできます。
周囲の森でピクニックをされる方も多いですね。ご飲食には、ぜひお試しください。
Q. 利用者さまについて
ご家族連れでレジャーを楽しみに来られる方も多いですが、おひとりでじっくり深く作品鑑賞をされる方もいます。首都圏など遠くからのお客様もいらっしゃいますし、さまざまです。
どなた様も自由に芸術に触れ、自然のなかを散策するなど、全体的にゆったりとした時間を過ごされる方が多いです。
Q. 料金・予約について
入館料は無料です。展覧会も基本的には無料で公開しておりますが、当センターのこれからのさまざまな活動へのご支援を賜りたく、「事業協力金」の寄附・募金をお願いしています。体験型のワークショップなどは、材料費をいただくことがあります。予約も基本的には不要ですが、トークイベントなどは事前申し込みが必要なものもあります。ホームページで随時チェックしてください。
広大な敷地とゆったりとした建物なので、混雑もさほど感じられないと思います。
Q. 付近のおすすめ観光スポットを教えて下さい。
近隣の観光地として真っ先に思い浮かぶのは、「酸ヶ湯(すかゆ)」でしょうか。あの棟方志功も愛した強酸性の名湯です。昔懐かしい湯治場の雰囲気を楽しめるでしょう。また夏はローラーリュージュが楽しめるスキー場「モヤヒルズ」もおすすめです。そのほか、近辺にはロッジ風の喫茶店があるなど、山レジャーの雰囲気を堪能していただけます。
あとはやはり、八甲田山という雄大な名山の自然も味わいつくしてほしいですね。春は山桜、秋は紅葉と、大自然を堪能できます。ハイキングを楽しむのはいかがでしょうか。
Q. このインタビューを見た人への特典はありますか?
「Spicomiを見た」と言っていただければ、当館のオリジナルポストカードを1枚プレゼントします!スタッフにお声がけください。
Q. これから利用したい方へひとことメッセージをお願いします。
自然が豊かな当センター。街なかとは一味ちがう、ゆったりとした四季折々の時間を過ごしていただけると思います。
展覧会や公演に来られるアーティストは国内外で活躍されている方が多く、青森という固有の地に対しての最先端の表現を見ていただけます。
コンテンポラリーアートが難解だと思われがちなのは、自由に読み取っていいという自由度の高さによることもあるかもしれません。このアーティストはなにを表現したいのかを読み解く「作品を通しての対話」をすることで、「見る人もアーティスト」であると考えるのはいかがでしょうか。
基本的に無料でご利用いただける当センターへ、どうぞお気軽にお越しください。
青森公立大学 国際芸術センター青森の情報・営業時間・定休日
・事業者名 青森公立大学 国際芸術センター青森
・所在 〒030-0134 ⻘森市⼤字合⼦沢字⼭崎152-6
・電話番号 017-764-5200
・営業時間 9:00~19:00(展覧会:10:00~18:00)
・休館日 年末年始(12月29日~1月3日)、大学入学試験に関わる日程
・URL http://www.acac-aomori.jp/