長野県北佐久郡にある「軽井沢ニューアートミュージアム」へ取材を⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の美術館名:「軽井沢ニューアートミュージアム」
Q. 施設の概要を教えてください。
敷地面積は約1300平方メートル、2階の美術館は6つの展示室を備えており、850平方メートル以上の広さがあります。1階は入場無料でミュージアムショップ兼ブックカフェとギャラリーがあり、カフェ・レストランも併設している複合施設となっています。
カラマツ林を模した白い林立する柱と全面ガラス張りが特徴的なこの建物は、もともとは商業施設として、2007年に建築家の西森陸男氏により設計されました。その後、銀座ホワイトストーンギャラリーのオーナー白石氏が未使用だったこの建物を買い取り、美術館として改装し2012年4月オープンいたしました。
Q. 展示物の構成を教えてください。
ロナルド・ヴェンチューラ《無題》 2021年 油彩・キャンバス 243.8×365.8 cm
所蔵作品は主に日本の戦後から現在までの優れたアートで、草間彌生や具体美術協会などの前衛芸術家の作品、それから今後評価されうる若手から、世に出ていない作家の作品まで様々です。当美術館は、それらを新しい視点から「日本の現代アート」として再領域化し、国際的な評価にたえうる諸作品を、広く国内外に普及してゆくことを目的として誕生しました。
世界の第一線で活躍中の日本の現代アートの作家やそのグループ展だけでなく、海外作家も含めて、日本国内のみならず海外からの美術ファンの期待にも応えられるような斬新な切り口の展示を展開しています。
例えば、2021年~22年の企画展では、かねてから欧米で注目されていたアジアを代表するアーティスト「ロナルド・ヴェンチューラ展―内省」を開催。日本の美術館では初の大規模個展であり、海外アーティストを2階美術館で個展としてフィーチャーするのも当館としては初めての試みです。
1階ギャラリーで常設展示している草間彌生さんの作品は全般に人気が高く、足を止められる方が多いですね。また、「ロナルド・ヴェンチューラ展―内省」より1階展覧会入口に鎮座する高さ3メートルを超える黄金の骨を携える犬型の彫刻《ボブロ》(2018年)は当館の新しいマスコットとして、記念撮影によく使われています。
Q. デートスポットとしての見どころを教えてください。
手前 ジャン=ミシェル・オトニエル《こころの門》2014年 奥 隈研吾《風通る白樺と苔の森〈チャペル〉》2015年
屋外の隈研吾氏設計のガラスのチャペル前にある、お互いを支えるように立ち、紅白の2つのハートを象っているフランスの作家、ジャン=ミシェル・オトニエル氏の彫刻作品 《こころの門》(2014年)でしょうか。カップルがくぐることでふたりの結びつきが強くなるようにという願いが込められています。
近年はフォトウェディングといった形で記念撮影スポットとしても利用されていますし、2020年秋より、建築好きの方には1日2回チャペルツアーも開催し一般公開してますので、そこでも前述の作品をごらんいただけます。
写真撮影は、1階の館内全般(ギャラリーの一部の作品前を除く)や2階の企画展では許可されている作品も多くあります。現代アート作品と人物を一緒に撮るととても写真映えすると大変人気で、SNSなどに積極的にアップしていただいております。
また、2階の男女共有のお手洗は向井修二氏のインスタレーション作品《記号化されたトイレ》(2014年)となっており、実際ご利用いただけますよ。
Q. 人気の企画やイベントはどんなものがありますか?
チャペルツアーは毎日開催しており、建築好きの方や、軽井沢らしい白樺の林の中で写真を撮りたいカップルやご家族に好評いただいております。(ツアーのみ参加の場合300円、2階入場券購入の方は無料で参加いただけます。)
そのほか、ギャラリーでは、国内外で活躍する若手作家や当館のコレクションを中心に、1~2カ月に1回のサイクルで展覧会を開催しています。また、ミュージアムショップ内では、3週間~1カ月ほどのペースで、地元のアーティストを中心とした「ミニ展覧会」を開催しています。ここで展示されている作品は、ギャラリーと比較するとお手頃な価格で購入できるものばかりで、初めてのアート購入にもおススメです!いずれの展覧会も無料でご覧いただけます。
体験イベントとしては、定期的に工作や創作のワークショップを行っています。お正月には毎年「アート初め」として、扇子絵付けや書初めワークショップを恒例で開催しています。展覧会関連では、ご希望の方には参加型鑑賞授業やギャラリートークなども随時行っております。
Q. 併設施設について教えて下さい。
ミュージアムショップ
ミュージアムショップを併設しています。人気の商品は、アーティストがポップにデザインされたポーチ「SAC AND SAC(サック アンド サック)」(1,430円・税込)や、「ブックマーク付きメモ帳:アーティストポケットスケッチ」(1,320円)でしょうか。
カプセルトイも人気で、「大人がはまる!アート系カプセルトイ:大竹伸朗 ガチャ景」(500円)や隈研吾デザインのミニチュア建築 ARCHITECTURE MINIATURE COLLECTION(550円)などがあります。
併設されているチャペルは、隈研吾氏設計で2015年に建てられました。隈氏は「建物が持つ内と外を分けるという宿命をどこまで越えられるかに挑戦した」とし、テーマは「開かれた寛容な場所」。360度ガラス張りにしたことで、外から続く白樺と苔は建物の中にまでつながり、見事なまでの一体感を演出しています。全面ガラスの壁はスライドさせて開放でき、さらに屋根と42人が座れる椅子もガラス製。挙式会場として実際に使用することができ、年間数組の挙式が執り行われています。
また、館内には、コーヒーやスイーツを用意したカジュアルな雰囲気の「KEY’S CAFE」と、本格的なイタリア料理を味わえるレストラン「ピエトリーノ」があります。
Q. どんな利用者が多いですか?
ロナルド・ヴェンチューラ《スマイル》2021年 油彩・キャンバス 121.9×182.8cm
20~40代くらいのカップルから、ファミリーやご友人グループのお客様が多いです。
Q. 料金・予約について教えて下さい。
1Fギャラリー内
1階は入場無料なので、1階ギャラリーは無料でご覧いただけます。2階は有料企画展示となっており、展覧会により料金は異なります。ホームページなどでご確認ください。予約は必要ありません。
混雑するのは主に、土日、祝日、ゴールデンウィーク、お盆、クリスマス、お正月です。
Q. 付近のおすすめ観光スポットを教えてください。
観光地ですので、付近には観光スポットがたくさんあります。食べ歩きやぶらり歩きにちょうどいい「旧軽井沢銀座通り」をはじめ、星野リゾートが運営する「トンボの湯」や「ハルニレテラス」、大規模なショッピングモール「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」や「軽井沢プリンススキー場」なども近いですから、退屈とは無縁だと思います。
デートで立ち寄るには、旧軽井沢銀座付近の「ベーカリー&レストラン沢村」や「中華そば 美乃屋」などはいかがでしょうか。ハルニレテラスの中のイタリアンレストラン「イル・ソーニョ」もとっても美味しいですよ。
Q. これから利用したい方へメッセージをお願いします。
当館はゆったりくつろげるオリジナルソファーなども完備し、ブックカフェとしてもご利用いただけます。美術作品の鑑賞だけでなく、美術館内で過ごす時間を通して、来館者それぞれの価値観や感性の違いなど互いの理解を深めることもできる、異空間となっております。デートやご家族でのおでかけであれば「あの作品素敵だったね」「もう一度来たいね」と共通の話題や相互理解のきっかけになればと願っております。
軽井沢ニューアートミュージアム基本情報・営業時間・定休日
事業者名:軽井沢ニューアートミュージアム
住所 :〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1151-5
アクセス:
<鉄道で>JR東日本・しなの鉄道「軽井沢駅」から旧軽井沢銀座方面へ 徒歩8分
<お車で>碓氷・軽井沢ICから20分(専用駐車場あり)
電話番号:0267-46-8691
FAX :0267-46-8692
営業時間:10:00~17:00
定休日 :月曜日(祝日等の場合は開館し、翌日休館)8月は無休
URL https://knam.jp/